売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E00821 Japan GAAP

売上高

3,822.8億 円

前期

3,886.1億 円

前期比

98.4%

時価総額

3,649.3億 円

株価

1,590 (04/26)

発行済株式数

229,513,656

EPS(実績)

135.51 円

PER(実績)

11.73 倍

平均給与

732.4万 円

前期

750.7万 円

前期比

97.6%

平均年齢(勤続年数)

39.5歳(14.0年)

従業員数

2,370人(連結:4,293人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、子会社60社及び関連会社7社で構成されており、主な事業内容と事業を構成している当社及び関係会社の当該事業における位置付けは次のとおりであります。

事業区分

主要製品等

主要な会社

エラストマー素材事業

合成ゴム,合成ラテックス,化成品(C5石油樹脂,熱可塑性エラストマー等)

国内

当社、㈱トウペ、ゼオン化成㈱、ゼオンポリミクス㈱、東京材料㈱、ZSエラストマー㈱

 

海外

Zeon Chemicals L.P.、Tokyo Zairyo (U.S.A.) Inc.、Zeon Europe GmbH、Zeon Chemicals Singapore Pte. Ltd. 、Zeon Asia Pte. Ltd.、Tokyo Zairyo (Thailand) Co.,Ltd.、Zeon Chemicals (Thailand) Co.,Ltd.、瑞翁貿易(上海)有限公司、瑞翁化工(上海)有限公司、東材(上海)国際貿易有限公司、瑞翁化工(広州)有限公司、Zeon do Brasil Ltda、Zeon Advanced Polymix Co., Ltd.

 

高機能材料事業

化学品(合成香料,有機合成薬品等),電子材料,電池材料,トナー,高機能樹脂,高機能部材,医療器材等

国内

当社、ゼオン化成㈱、ゼオンメディカル㈱、東京材料㈱

 

海外

Zeon Specialty Materials Inc.、Zeon Europe GmbH、Zeon Asia Pte.Ltd.、瑞翁貿易(上海)有限公司、東材(上海)国際貿易有限公司、Zeon Shinhwa Inc.

 

その他の事業

RIM配合液,塗料等

国内

当社、㈱トウペ、RIMTEC㈱、ゼオン化成㈱、ゼオンノース㈱、ゼオン山口㈱、ゼオンエフアンドビー㈱、東京材料㈱、岡山ブタジエン㈱、ジスインフォテクノ㈱

 

海外

Zeon Chemicals L.P.、Zeon Chemicals Inc.、Zeon Ventures Inc.、Zeon General Partnership LLC、Tokyo Zairyo (U.S.A.) Inc.、Tokyo Zairyo (Thailand) Co.,Ltd.、瑞翁貿易(上海)有限公司、東材(上海)国際貿易有限公司、Telene S.A.S.、Zeon Shinhwa Inc.

 

 

 (注)複数事業を営んでいる場合には、それぞれの事業に含めております。

 

 以上述べた事項を事業系統図に示すと次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

 (注)会社についての区分

事業種類…A:エラストマー素材事業 B:高機能材料事業 C:その他の事業 D:複数の事業を営む会社

出資関連…無印:連結子会社 ※1:関連会社で持分法非適用会社 ※2:関連会社で持分法適用会社

 

 

23/06/29

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当期の経営環境を振り返りますと、インフレと金融緩和政策の転換による金融不安、それを受けた金利環境や株式

市場の変動および消費者の購買心理の変化等により世界経済の動向に不確実性が高まる中、依然として緊張状態にあ

る米中関係の影響やロシアのウクライナ侵攻による影響等も加わり、当社グループを取り巻く環境としては先行き不

透明な状況で推移しました。

 当社グループはこのような環境のもとで、「ZΣ運動」による徹底したコスト削減や、生産革新活動に注力すると

ともに、エラストマー素材事業におきましては採算性の重視と生産・販売のグローバル展開、高機能材料事業におき

ましては付加価値の高い新製品の開発と事業拡大に取り組んでまいりました。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末のエラストマー素材事業の資産は、前連結会計年度末に比べ、108億85百万円増加し、2,342億61

百万円となりました。当連結会計年度末の高機能材料事業の資産は、前連結会計年度末に比べ157億66百万円増加

し、1,344億90百万円となりました。当連結会計年度末のその他及び全社資産等の資産は、前連結会計年度末に比

べ、115億57百万円増加し、1,541億17百万円となりました。

 以上の結果、当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ、382億8百万円増加し、5,228億68百万円

となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ、207億35百万円増加し、1,835億60百万円となりまし

た。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ、174億73百万円増加し、3,393億8百万円となりまし

た。

 

b.経営成績

 当期の連結売上高は3,886億14百万円と前年同期間に比べて268億84百万円の増収、連結営業利益は271億79百万円と前年同期間に比べて172億53百万円の減益、連結経常利益は313億93百万円と前年同期間に比べて180億75百万円の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は105億69百万円と前年同期間に比べて228億43百万円の減益となりました

 

 セグメントの業績は、次の通りであります。

 

(エラストマー素材事業部門)

 合成ゴム関連では、半導体不足等により自動車生産台数が伸び悩む中、国内販売は底堅い需要に支えられ堅調に推

移しましたが、合成ゴムの主力生産工場の定期修理に伴い出荷量を調整した結果、輸出販売数量は前年同期間を下回

りました。一方、原料及び燃料高騰分等の価格転嫁が進んだことから、全体の売上高、営業利益はともに前年同期間

を上回りました。

 合成ラテックス関連では、期を通じて医療・衛生用手袋の流通在庫が過剰に推移し需給が大幅に緩んだことから、

売上高、営業利益ともに前年同期間を下回りました。

 化成品関連では、為替円安の影響並びに原料及び燃料高騰分の価格転嫁を進めたことにより、売上高は前年同期間

を上回りましたが、期後半になって主用途である粘着テープの流通在庫が過剰になった影響に加え、棚卸資産関連費

用を計上したこと等により、営業利益は前年同期間を下回りました。

 以上の結果、エラストマー素材事業部門全体の売上高は前年同期間に比べて216億64百万円増加し2,222億30百万

円、営業利益は前年同期間に比べて84億39百万円減少し101億84百万円となりました。

 

(高機能材料事業部門)

 高機能樹脂関連では、医療用途向けの需要は堅調に推移したものの、大型テレビ向け光学フィルムはパネルの流通

在庫が過剰に推移した影響を受け、高機能樹脂関連全体の売上高、営業利益ともに前年同期間を下回りました。

 電池材料関連では、中国経済低迷による需要落ち込みの影響を受けたものの、売上高は前年同期間を上回りまし

た。一方、原料及び燃料高騰の影響や新製品開発費用の増加等により、営業利益は前年同期間を下回りました。

 化学品関連では、合成香料、特殊溶剤用途ともに需要が堅調に推移したことに加え、為替円安の影響並びに原料及

び燃料高騰分の価格転嫁を進めたことにより、売上高、営業利益ともに前年同期間を上回りました。

 電子材料関連では、期後半になって半導体メーカーの稼働率低下が顕著となった影響を受け、売上高、営業利益と

もに前年同期間を下回りました。

 トナー関連では、テレワーク特需が一巡し流通在庫が過剰に推移した影響を受け、売上高、営業利益ともに前年同

期間を下回りました。

 以上の結果、高機能材料事業部門全体の売上高は前年同期間に比べて14億36百万円減少し1,053億56百万円、営業

利益は前年同期間に比べて80億63百万円減少し182億96百万円となりました。

 

(その他の事業部門)

 その他の事業においては、子会社の商事部門等の売上高が前年同期間を上回りました。

 以上の結果、その他の事業部門全体の売上高は前年同期間に比べて74億49百万円増加し652億70百万円、営業利益

は前年同期間に比べて64百万円増加し23億81百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ162億51百

万円(前年度比36.5%減)減少し、282億70百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動による資金の増加は143億58百万円となり、前連結会計年度末に比べ187億83百万

円の減少(前年度比56.7%減)となりました。前連結会計年度との差の主な要因は、売上債権の増減額が純増から純

減へと転じたことにより資金が増加したものの、棚卸資産の純増加額が増加したこと及び仕入債務の純増加額が減少

したことにより資金が減少したこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動による資金の減少は288億99百万円となり、前連結会計年度末に比べ24億63百万

円の資金支出の増加(前年度比9.3%増)となりました。前連結会計年度との差の主な要因は、投資有価証券の売却

による収入が増加したことにより資金が増加したものの、無形固定資産の取得による支出が増加したこと及び投資有

価証券の取得による支出が増加したことにより資金が減少したこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動による資金の減少は28億20百万円となり、前連結会計年度末に比べ90億63百万円

の資金支出の減少(前年度比76.3%減)となりました。前連結会計年度との差の主な要因は、社債の償還による支出

が増加したものの、コマーシャル・ペーパーの純増減額が増加したことにより資金が増加したこと等によるものであ

ります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

エラストマー素材事業

180,159

14.1

高機能材料事業

81,621

9.3

その他

7,117

24.6

 (注)連結会社間およびセグメント間の取引が複雑で、セグメントごとの生産高を正確に把握することが困難なため、概算値で表示しております。

 

b.受注実績

 特記すべき事項はありません。

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

エラストマー素材事業

218,631

10.6

高機能材料事業

105,335

△1.3

その他

64,648

12.7

合計

388,614

7.4

 (注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

連結財務諸表の作成にあたっては、連結決算日における資産・負債および連結会計年度における収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを実施する必要があります。これらの見積りは、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、以下の事項について連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

 

a.貸倒引当金

当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。従って、顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合など、追加引当が必要となる可能性があります。また、貸倒損失の発生により貸倒実績率が上昇し、一般債権に係る貸倒引当金の追加計上が発生する可能性があります。

b.棚卸資産

当社グループは、棚卸資産の、市場状況等に基づく正味売却価額の見積額と原価との差額について、評価減を計上しております。実際の市場状況等が見積りより悪化した場合、評価減の追加計上が必要となる可能性があります。

c.有価証券

当社グループは、価格変動性が高い上場会社の株式と、株価の決定が困難である非上場会社の有価証券を所有しております。当社グループは、社内ルールに従って、投資価値の下落が一時的でないと判断した場合、有価証券の減損損失を計上しております。このため、将来の市況悪化または投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。

d.繰延税金資産

当社グループは、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して、繰延税金資産を計上しております。ただし繰延税金資産の回収可能性に不確実性がある場合は、評価性引当額の計上を行い、将来実現する可能性が高いと考えられる金額を繰延税金資産として計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、主に将来の課税所得の見積もりによるところが大きく、課税所得の予測は将来の市場動向や当社グループの事業活動の状況及びその他の要因により変化いたします。この為、繰延税金資産の回収可能性の変化により、評価性引当額が変動し損益に影響を及ぼす可能性があります。

e.固定資産

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローを見積もり、見積もられた割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては、慎重に検討しておりますが、事業計画や経営環境等の諸前提の変化により、追加の減損処理又は新たな減損処理が必要となる可能性があります。

f.退職給付費用および債務

確定給付型の制度に関わる従業員退職給付費用および債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率および年金資産の長期収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、退職給付費用および債務が変動する可能性があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.売上高と営業利益

当連結会計年度の売上高は3,886億14百万円(前期比7.4%増)、営業利益は271億79百万円(前期比38.8%減)となりました。

詳細につきましては、(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 に記載しておりますセグメントの業績をご参照願います。

b.営業外損益と経常利益

為替差益の減少等により、営業外損益は前期比で8億22百万円悪化し42億15百万円の利益となりました。

以上の結果、経常利益は、前期比36.5%減の313億93百万円となりました。

c.特別損益

減損損失の発生等により、特別損益は前期比で136億84百万円悪化し169億27百万円の損失となりました。

d.親会社株主に帰属する当期純利益

法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の総額は38億58百万円となり、非支配株主に帰属する当期純利益は、前期比2億54百万円減少し39百万円となりました。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比68.4%減の105億69百万円となりました。

③資本の財源及び資金の流動性

a.財務戦略の基本的な考え方

当社グループは、企業価値の向上のために経営資源の配分を行うこととしております。当社グループの企業価値の源泉は、独創的技術であると考えており、財務健全性と資本コストを踏まえ、独創的技術の強化・創出に繋がる設備投資や研究開発等を推進しております。

b.経営資源の配分に関する考え方

当社グループは、必要な手元現預金を確保しつつ、設備投資や独創的技術の開発等への継続的な経営資源の配分に努めます。また、安定的、継続的な配当等を通じた株主還元への配分を行うこととしております。

c.資金需要の主な内容

当社グループの営業活動に係る資金需要は、原材料費、物流費、研究開発費、人件費などがあります。投資活動に係る資金需要は、独創的技術の維持・強化・創出に繋がる設備投資およびIT投資などがあります。

d.資金調達

当社グループの継続と発展のために必要となる資金を安定的に確保するため、内部資金と外部資金を活用しております。運転資金および設備投資資金は、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーおよび社債の発行などを活用しております。財務健全性および信用格付の維持により外部資金調達能力を確保するとともに、必要に応じてコミットメントラインの設定により流動性を確保しております。

 

④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 当社グループでは、2030年のビジョン「社会の期待と社員の意欲に応える会社」の実現のため、2030年に以下を達成することを目標として掲げております。

a.CO2排出量50%削減(2019年度比、当社単体のScope1+2を対象)

b.SDGs貢献製品の売上高比率50%

c.既存事業のROIC9.0%

d.新規事業の売上高600億円増加(2019年度比)

e.従業員エンゲージメント75%

f.外国人/女性役員比率30%(取締役および監査役 社内・社外を問わない)