売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00821 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間を振り返りますと、世界的な金融引き締め政策の継続による景気下振れリスクや金融資本市場の変動等の懸念はなお拭えず、また中国経済低迷や中東地域をめぐる情勢の影響も加わり、当社グループを取り巻く環境としては先行き不透明な状況で推移しました。

 当社グループはこのような環境のもとで、「ZΣ運動」による徹底したコスト削減や、生産革新活動に注力するとともに、エラストマー素材事業におきましては採算性の重視と生産・販売のグローバル展開、高機能材料事業におきましては付加価値の高い新製品の開発と事業拡大に取り組んでまいりました。

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は2,838億6百万円となり、前年同期間に比べて103億99百万円の減収となりました。また、営業利益は159億86百万円と前年同期間に比べて118億49百万円の減益、経常利益は199億12百万円と前年同期間に比べて111億75百万円の減益、親会社株主に帰属する四半期純利益は209億8百万円と前年同期間に比べて26億25百万円の増益となりました。

 

セグメントの業績は、次の通りであります。

 

(エラストマー素材事業部門)

 合成ゴム関連では、主要市場である自動車産業向けを中心に需要は回復傾向にあり、出荷増や為替影響などにより売上高は前年同期間を上回ったものの、市況価格下落等により、営業利益は前年同期間を下回りました。

 合成ラテックス関連では、医療・衛生用手袋の流通在庫が引き続き過剰で需給の緩みが解消せず、売上高は前年同期間を下回りましたが、コスト削減に取り組み、営業利益は前年同期間比横ばいとなりました。

 化成品関連では、粘着テープ・ラベル向けの世界的な需要回復の遅れによる出荷減や市況価格下落等により、売上高、営業利益ともに前年同期間を大幅に下回りました。

 以上の結果、エラストマー素材事業部門全体の売上高は前年同期間に比べて76億51百万円減少し1,596億82百万円、営業利益は前年同期間に比べて60億45百万円減少し61億64百万円となりました。

 

(高機能材料事業部門)

 高機能樹脂関連では、モバイル端末向け光学フィルムのテレワーク特需が一巡したものの、大型テレビ向け光学フィルムの販売回復、医療用途向け光学樹脂の需要堅調により、高機能樹脂関連全体の売上は前年同期間を上回りました。一方、光学フィルム新生産ラインの稼働開始に伴う費用増により、全体の営業利益は前年同期間を下回りました。

 電池材料関連では、第3四半期に入り販売が好調に推移しましたが、第2四半期までの中国経済低迷による需要落ち込みの影響を挽回するには至らず、売上高、営業利益ともに前年同期間を下回りました。

 化学品関連では、合成香料の販売が需給バランス緩和の影響を受けたことに加え、特殊溶剤が主力生産工場の定期修理に伴う出荷量調整を行ったこと等により、売上高、営業利益ともに前年同期間を下回りました。

 電子材料関連では、半導体市場の低迷による半導体メーカーの稼働率低下の影響を受け、売上高、営業利益ともに前年同期間を下回りました。

 トナー関連では、顧客生産調整の影響により売上高、営業利益ともに前年同期間を下回りました。

 以上の結果、高機能材料事業部門全体の売上高は前年同期間に比べて24億30百万円減少し790億73百万円、営業利益は前年同期間に比べて63億49百万円減少し101億92百万円となりました。

 

(その他の事業部門)

 その他の事業においては、RIM配合液等の売上高が前年同期間を上回りました。

 以上の結果、その他の事業部門全体の売上高は前年同期間に比べて1億22百万円増加し485億85百万円、営業利益は前年同期間に比べて13億35百万円増加し27億40百万円となりました。

 

(資産)

 当四半期連結会計期間末の資産合計は前連結会計年度末に比べ、245億6百万円増加し、5,473億74百万円となりました。前連結会計年度末との差の主な要因は、有形固定資産の増加等によるものであります。

 

(負債)

 当四半期連結会計期間末の負債合計は前連結会計年度末に比べ、41億61百万円増加し、1,877億20百万円となりました。前連結会計年度末との差の主な要因は、その他の流動負債の増加等によるものであります。

 

(純資産)

 当四半期連結会計期間末の純資産合計は前連結会計年度末に比べ、203億45百万円増加し、3,596億54百万円となりました。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(3) 研究開発活動

   当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は141億14百万円であります。
   なお当第3四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。