ウルトラファブリックス・ホールディングス株式会社

化学繊維スタンダード

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

  • ニュースリリースデータがありません。


最終更新:

E01061 IFRS

売上高

210.5億 円

前期

196.0億 円

前期比

107.4%

時価総額

197.5億 円

株価

1,167 (04/25)

発行済株式数

16,923,200

EPS(実績)

140.34 円

PER(実績)

8.32 倍

平均給与

1,441.8万 円

前期

1,398.0万 円

前期比

103.1%

平均年齢(勤続年数)

52.7歳(3.7年)

従業員数

10人(連結:328人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

当社の企業集団は、当社と子会社5社で構成され、ポリウレタンレザーの製造及び販売を行っております。当社グループの製品の用途は多岐にわたりますが、用途別売上収益構成比率は次のとおりであります。

区分

主要用途等

売上収益構成比率

前連結会計年度

当連結会計年度

2022年12月期

2023年12月期

ポリウレタンレザー

 

(%)

(%)

家具用

27.4

23.7

自動車用

41.2

45.9

航空機用

8.3

11.5

その他

23.1

18.9

合計

100.0

100.0

 

家 具 用:北米を中心に椅子を始めとしたハイエンドのオフィス家具に採用されており、ホテル、レストラン、劇場などで使用されるコントラクト家具用として提供しております。また、国内マーケットへも一部応接セット用として販売しております。

自動車用:自動車のギアシフトブーツや、耐摩耗性の求められるシート等の内装材として販売しております。

航空機用:主にプライベートジェット(ビジネスジェット)及び民間航空機の内装材として販売しております。

そ の 他:主にゴルフ手袋やアパレル用素材、医療、RV、トラック、ボート等の内装材として販売しております。

 

 当社グループはポリウレタンレザーの製造及び販売を行っております。製品は国内子会社である第一化成株式会社が製造し、主要な販売は米国子会社であるUltrafabrics Inc.が行っております。なお、Ultrafabrics Inc.は英国及び墨国に100%子会社を保有しております。

 当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

  上記の概況について、事業系統図を示すと次のとおりであります。

※画像省略しています。

 

24/03/27

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績

 当連結会計年度の世界経済は、景気後退懸念がありながらも概ね底堅く推移しました。主要各国のインフレ率は鈍化に転じて利下げ期待は高まっていますが、日本が緩和的な金融政策を維持していることもあり、円安基調が継続しました。米国経済も、高金利で住宅などローンの利払いは重くなっているにもかかわらず、実質賃金が上昇していることもあって個人消費が牽引する形で、大半の予測を上回って堅調に推移しました。しかしながら、オフィス需要の低迷は継続しており、足許の高金利水準が米国景気に与える悪影響に加え、地域紛争の拡大により再び海上輸送が混乱する可能性も懸念されています。また、日本の金融政策の修正から為替の動向も注視していく必要があります。

 このような状況下、自動車用シート向けの成長継続に加えて、新しいプログラムの成長と共に航空機向けが好調だったことで、在庫調整や米国の高金利政策の影響で不振が続いた家具やRV向けの減少分を埋め合わせし、前年比で増収となりました。原材料価格の上昇に加えて、人件費、マーケティング費用、支払利息等の増加影響はあったものの、円安で推移したことに加えて、物流費やクレーム対応費用が減少し、移転価格税制による日米間の税金調整によって実効税率が低下し、利益においても前年を上回りました。

 この結果、2023年12月期の売上収益は210億45百万円(前年同期比7.4%増)、営業利益は35億46百万円(同10.9%増)、税引前当期利益は28億92百万円(同0.9%増)、当期利益は23億75百万円(同15.8%増)となりました。

 

 用途別の売上収益の概況は、次のとおりです。

①家具用

 ヘルスケア向けとコントラクト家具向けを中心に、在庫調整や高金利、オフィス市況の弱さ等のマクロ経済面の課題が影響して、家具向け全体の売上は減収となりました。

 この結果、家具用の売上収益は49億96百万円(同7.1%減)となりました。

 

②自動車用

 シート用素材が引き続き増加して牽引しました。加えて、シフトブーツ向け等の内装材も小幅ながら増収を確保したことで、自動車向け全体の売上は前年を上回りました。

 この結果、自動車用の売上収益は96億57百万円(同19.5%増)となりました。

 

③航空機用

 需要が強く、ビジネスジェット向け、民間航空機向けともに堅調でした。特に、既存プログラムの出荷の伸びに新規プログラムの出荷が加わった民間航空機向けが牽引したことにより、航空機向け全体の売上は前年を大きく上回りました。

 この結果、航空機用の売上収益は24億8百万円(同48.8%増)となりました。

 

④その他

 その他事業分野には、RV・アパレル・船舶・トラック用などが含まれます。既存商品の改良による船舶向け販路拡大や規制変更前のトラック向け伸長は、高金利の影響があったRVや消費需要が低迷したアパレル向けの低調を埋め合わせるには十分ではありませんでした。その他売上全体は前年を下回りました。

 この結果、その他の売上収益は39億84百万円(同11.9%減)となりました。

 

② 財政状態

 当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ13億24百万円増加し、361億85百万円となりました。これは主に、営業債権及び棚卸資産が減少したものの、新工場建設のための建設仮勘定の増加及び為替相場が円安に推移した影響により外貨建ののれん、無形資産が増加したことによるものです。

 負債につきましては、前連結会計年度末に比べ7億16百万円減少し、209億21百万円となりました。これは主に、有利子負債及び未払法人税等が減少したことによるものです。

 資本につきましては、前連結会計年度末に比べ20億40百万円増加し、152億64百万円となりました。これは主に配当金の支払いがあったものの、当期利益の計上による利益剰余金の増加があったことによるものです。

 

③ キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4億42百万円減少し、36億32百万円(前年同期比10.8%減)となりました。これは主に、税引前当期利益の計上及び減価償却費及び償却費の計上があったものの利息及び法人税の支払額による減少及び新工場建設のための設備投資による支出があったことによるものです。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。

  (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は29億29百万円(同35.3%増)となりました。これは主に法人所得税の支払額があったものの、税引前当期利益の計上及び減価償却費及び償却費の計上があったことによるものです。

  (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は20億34百万円(前年同期は4億25百万円の獲得)となりました。これは主に新工場建設のための有形固定資産の取得によるものです。

  (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は13億94百万円(前年同期比34.0%減)となりました。これは主に設備投資資金として長期借入金の収入があったものの、借入金の返済及び配当金の支払いがあったことによるものです。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

 a.生産実績

 当社グループはポリウレタンレザーの専門メーカーであり、当該事業以外の異なる事業を営んでおりません。

 当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。

用途別の名称

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

前年同期比(%)

ポリウレタンレザー(百万円)

9,253

87.9

 (注)金額は販売価格によっております。

 b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績は次のとおりであります。

用途別の名称

受注高

前年同期比(%)

受注残高

前年同期比(%)

ポリウレタンレザー(百万円)

19,262

91.1

3,286

64.8

 (注)金額は販売価格によっております。

 c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

用途別の名称

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

前年同期比(%)

ポリウレタンレザー(百万円)

21,045

107.4

 (注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2022年1月1日

至  2022年12月31日)

当連結会計年度

(自  2023年1月1日

至  2023年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

Saltillo Lamination S.A de C.V

3,968

20.2

5,004

23.8

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、当社グループの経営陣は連結決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。これらの見積り及び判断・評価は、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因等に基づき行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるためにこれらと異なる場合があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループは単一事業のため、経営成績数値は上記「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績」に記載のとおりであります。

当連結会計年度の業績は以下の要因により実現いたしました。

売上収益

自動車向けシート素材の成長継続に加えて、新プログラムの成長と共に航空機向けが好調だったことで、在庫調整や高金利政策の影響で不振が続いた家具向けやRV向けの減少分を埋め合わせし、前期比で大幅な増収となりました。

・第2四半期を中心として在庫調整がありヘルスケア向けは販売減

・オフィス市況の悪化により実需が弱くオフィス家具向けは販売減

・自動車向けシート素材のプログラムが引き続き牽引して大幅な販売増

・自動車向けスモールパーツは顧客のサプライチェーンの混乱が解消して伸長

・在庫調整が終了してビジネスジェット向けは堅調

・前期で先送りした新たなプログラムも増えて民間航空各社は大幅な販売増

・金利上昇による嗜好品消費抑制と在庫調整でRV向けと船舶向けは販売減

・グローバル経済減速の影響でアパレル・ゴルフグローブ等の消費者向けは低迷

営業利益及び税引前当期利益

原材料価格の上昇に加えて、人件費・マーケティング費用・支払利息等の増加影響はあったものの、物流費やクレーム対応費用が減少し、円安で推移したこともあり、前期比で増益となりました。

・サプライチェーンの混乱が収束して物流費が減少

・原材料の改良でクレーム対応を含めた品質改善費用の減少

・生産量が減少したことにより工場稼働率が低下して製造原価が上昇

・ウクライナ情勢や円安などに起因する原材料の高騰・燃料費の上昇

・新商品開発に向けたサンプリングが増加しマーケティング費用や人件費等の増加

・世界的なインフレへの懸念や米国の金融引き締めによる金利上昇

・想定より円安で推移して為替差益増

当期利益

移転価格税制による日米間の税金調整もあったため、前期比で増益となりました。

 

③ 当連結会計年度の財政状態の分析

当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ13億24百万円増加し、361億85百万円となりました。これは主に、営業債権及び棚卸資産が減少したものの、新工場建設のための建設仮勘定の増加及び為替相場が円安に推移した影響により外貨建ののれん、無形資産が増加したことによるものです。

負債につきましては、前連結会計年度末に比べ7億16百万円減少し、209億21百万円となりました。これは主に、有利子負債及び未払法人税等が減少したことによるものです。

資本につきましては、前連結会計年度末に比べ20億40百万円増加し、152億64百万円となりました。これは主に配当金の支払いがあったものの、当期利益の計上による利益剰余金の増加があったことによるものです。

 

 

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、事業活動における収益力の向上に加え、運転資金の効率化等により多様化する顧客ニーズに対応した設備投資を行うためのキャッシュ・フローの獲得を進めております。

当社グループは設備投資に必要な資金については自己資金の利用とともに、必要に応じて銀行借入金により調達しております。

資金の流動性については、金融機関との間に結んでいる当座貸越契約を活用することにより当連結会計年度に保有している36億32百万円の現金及び現金同等物を確保し、資金需要にタイムリーに対応ができる状況を維持しております。

 

⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等についての分析

当社グループは2023年2月に公表した中期経営計画における2023年目標を売上収益211億円、営業利益35億円、当期利益21億円、EBITDA 51億円としておりました。

これに対し2023年の通期業績は売上収益210億45百万円、営業利益35億46百万円、当期利益は23億75百万円、EBITDA 51億86百万円となり、売上収益・営業利益・EBITDAはほぼ目標通りの着地となり、当期利益については目標を上回りました。主な要因は② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容に記載のとおりです。

2023年度の業績及び経営環境の変化を踏まえ、2024年2月に2024年~2026年中期経営計画を公表しました。2026年の目標を売上収益307億円、営業利益51億円、当期利益32億円、EBITDA 72億円と掲げ、目標達成に向けて① エリア・用途・顧客など売上収益源の多様化 ② パートナー戦略による生産能力増強 ③ サステナビリティの重視 ④ 収益性の維持改善 を進めてまいります。