ウルトラファブリックス・ホールディングス株式会社

化学繊維スタンダード

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01061 IFRS


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間の世界経済は、景気後退懸念がありながらも概ね底堅く推移しました。物価指標もピークアウト感はあるものの依然として高水準にあるために金融引き締めが続き、日本の金融政策との対比から円安基調が継続しました。米国経済も、金利上昇で住宅などローンの利払いは重くなっているものの底堅い雇用情勢や実質賃金の上昇により個人消費は堅調に推移しました。しかしながら、オフィス需要の低迷や金利高の継続が米国景気に与える悪影響に加え、ウクライナやパレスチナ情勢が与える影響も懸念されています。また、日本の金融政策の修正から為替の動向も注視していく必要があります。

 このような状況下、自動車用シート向けの伸長に加えて、航空機向けの新しいプログラムの成長が、家具やRV向けの需要低迷を補った結果、当第3四半期連結累計期間は、前年同四半期比で増収となりました。海上輸送の正常化による在庫調整や人件費増の影響はあったものの、想定より円安で推移したことに加えて、物流コストやクレーム対応費用の減少により、営業利益においても前年同四半期を上回りました。

 

この結果、当第3四半期連結累計期間における経営成績は、売上収益157億71百万円(前年同四半期比10.5%増)、営業利益29億43百万円(前年同四半期比25.2%増)、税引前四半期利益25億72百万円(前年同四半期比8.7%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益16億23百万円(前年同四半期比0.0%減)となりました。

用途別の売上収益の概況は、次のとおりであります。

①家具用

マクロ経済的要因の影響は継続しているものの、在庫調整は第2四半期がピークとなり、第3四半期はほとんどの部門で広範な改善が見られて前年比の減収幅が縮小しました。家具向け全体の売上は前年同四半期を下回りました。

この結果、家具用の売上収益は38億74百万円(前年同四半期比2.5%減)となりました。

 

②自動車用

シート用素材が引き続き伸長しました。加えて、シフトブーツ向け等の内装材も小幅ながら成長し、自動車向け全体の売上は前年同四半期を上回りました。

この結果、自動車用の売上収益は68億73百万円(前年同四半期16.6%増)となりました。

 

③航空機用

ビジネスジェット向けと民間航空機向け双方からの強力な需要によって、既存プログラムにおける持続的な出荷と新規プログラムの新たな出荷が続いており、航空機向け全体の売上は前年同四半期を大幅に上回る結果となりました。

この結果、航空機用の売上収益は18億5百万円(前年同四半期比64.1%増)となりました。

 

④その他

その他事業分野には、RV・アパレル・船舶・トラック用などが含まれます。既存商品の改良による船舶向け販路の拡大や規制変更前のトラック向け先行需要による活性化は、消費需要が低迷したRV・アパレル向けの不振を埋め合わせるには十分ではありませんでした。その結果、全体としては前年同四半期を下回りました。

この結果、その他売上収益は32億20百万円(前年同四半期比2.6%減)となりました。

 

 

(2)財政状態の状況

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における資産合計は365億42百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億81百万円増加いたしました。これは主に、新工場建設開始による有形固定資産の取得及び外貨建のれん及び無形資産が円安に推移したことによるものであります。

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における負債合計は216億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ31百万円減少いたしました。これは主に、円安基調で推移したことにより外貨建有利子負債の円換算額の増加したことに加え、運転資金、設備投資のための資金調達を行ったものの、長期借入金の返済があったことによるものであります。

(資本)

当第3四半期連結会計期間末における資本合計は149億36百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億12百万円増加いたしました。これは主に剰余金の配当があったものの、四半期利益の計上があったこと及び外国為替相場が円安に推移したことによりその他の資本の構成要素の増加によるものであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3億41百万円減少し37億33百万円となりました。これは主に税引前四半期利益、減価償却費及び償却費の計上があったものの、法人所得税の支払、長期借入金の返済及び配当金の支払があったことによるものであります。

当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

税引前四半期利益、減価償却費及び償却費の計上があったことに対し、法人所得税の支払等があったことにより17億42百万円の収入となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

主に新工場建設開始による支出等があったことにより8億26百万円の支出となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

主に長短借入金の返済及び配当金の支払があったことにより14億89百万円の支出となりました。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めておりません。

 

(5)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の当社グループ全体の研究開発費の総額は、1億86百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(7)資金の財源及び資金の流動性についての分析

当第3四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、37億33百万円となり、前連結会計年度末と比べ3億41百万円減少しました。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、(3)キャッシュ・フローの状況に記載しております。