売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E00836 Japan GAAP

売上高

1,983.8億 円

前期

1,848.1億 円

前期比

107.3%

時価総額

2,134.7億 円

株価

1,252 (04/19)

発行済株式数

170,503,570

EPS(実績)

87.88 円

PER(実績)

14.25 倍

平均給与

765.3万 円

前期

7,343.0 円

前期比

104,221.7%

平均年齢(勤続年数)

40.8歳(15.1年)

従業員数

2,391人(連結:5,782人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

日本化薬グループ(当社グループ)は、日本化薬㈱(当社)、子会社35社、関連会社11社より構成されており、各社の当該事業に係わる位置付けの概要は次のとおりであります。

(機能化学品事業)

機能性材料 :

当社は、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、紫外線硬化型樹脂、LCD・半導体用クリーナー、高機能化学品等を製造・販売しております。一部製品については、連結子会社の厚和産業㈱が製造業務の請負をしております。一部製品については、連結子会社の㈱ニッカファインテクノで販売しております。連結子会社の化薬化工(無錫)有限公司は、紫外線硬化型樹脂、タッチパネル用接着剤、LCD・半導体用クリーナーを製造・販売しております。連結子会社のカヤク アドバンスト マテリアルズ, Inc.は、フォトレジスト等を製造し、当社及び外部の得意先へ販売しております。連結子会社のテイコクテーピングシステム㈱は半導体製造装置を製造・販売しております。

色素材料  :

当社は、インクジェットプリンタ用色素、インクジェット捺染用染料、産業用インクジェットインク、イメージセンサー用材料、調光ガラス用二色性色素、近赤外線吸収剤、繊維用及び紙用染料、樹脂用着色剤、感熱顕色剤、顔料誘導体(シナジスト)等を製造・販売しております。一部製品については、連結子会社の㈱ニッカファインテクノ、ニッポンカヤクアメリカ, INC.、ニッポンカヤクコリア Co., Ltd.及びニッポンカヤク(タイランド)CO., LTD.で販売しております。連結子会社の無錫先進化薬化工有限公司は、染料等を製造し、当社及び連結子会社の上海化耀国際貿易有限公司へ販売しております。

触媒    :

当社は、アクリル酸製造用触媒、アクロレイン製造用触媒、メタクリル酸製造用触媒を製造・販売しております。連結子会社の厚和産業㈱が製造業務の請負をしております。

ポラテクノ :

当社は、偏光フィルム等の液晶ディスプレイ用部材及び液晶プロジェクター用部材を製造・販売しております。連結子会社の無錫宝来光学科技有限公司は、液晶ディスプレイ用部材及び液晶プロジェクター用部材を製造し当社へ販売しております。連結子会社のモクステック, Inc.は液晶プロジェクター用途の無機偏光板を製造し当社及び外部の得意先へ販売しており、またX線分析装置部材を製造・販売しております。連結子会社のデジマ テック B.V.は連結子会社のデジマ オプティカル フィルムズ B.V.の株式を保有し、同社に製造設備を貸与しております。連結子会社のデジマ オプティカル フィルムズ B.V.は特殊位相差フィルムを製造し当社へ販売しております。連結子会社のレイスペック Ltd.はX線分析装置部材を製造・販売しております。連結子会社の㈱ポラテクノは当社へ土地を貸与しております。

 

 

(医薬事業)

医  薬  品:

当社は、医療用医薬品、医療機器、医薬原薬・中間体、診断薬等を製造・販売しております。連結子会社の日本化薬フードテクノ㈱は、食品、食品品質保持剤及び食品添加物等を製造・販売しております。当社は、同社に製造設備を貸与しております。連結子会社の台湾日化股份有限公司は、当社の製品の一部を販売しております。

 

 

(セイフティシステムズ事業)

セイフティ :
システムズ

当社及び連結子会社のカヤク セイフティシステムズ ヨーロッパ a.s.、化薬(湖州)安全器材有限公司、カヤク セイフティシステムズ デ メキシコ, S.A. de C.V.及びカヤク セイフティシステムズ マレーシア Sdn.Bhd.は、エアバッグ用インフレータ及びシートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータ等を製造・販売しております。当社は、カヤク セイフティシステムズ ヨーロッパ a.s.、化薬(湖州)安全器材有限公司、カヤク セイフティシステムズ デ メキシコ,S.A. de C.V.及びカヤク セイフティシステムズ マレーシア Sdn.Bhd.より原材料・製品を購入しております。当社は、カヤク セイフティシステムズ ヨーロッパ a.s.、化薬(湖州)安全器材有限公司、カヤク セイフティシステムズ デ メキシコ, S.A. de C.V.及びカヤク セイフティシステムズ マレーシア Sdn.Bhd.に原材料・製品を供給、技術等を供与しております。

 

 

(その他)

ア  グ  ロ:

当社及び関連会社の三光化学工業㈱は、農薬等を製造・販売しております。

不動産賃貸 :

当社及び連結子会社の和光都市開発㈱が行っております。

 

 

連結子会社の㈱ニッカファインテクノは、当社の製品の一部を販売しており、当社は各事業の原材料及び製品の一部を購入しております。

 

事業の系統図

※画像省略しています。

 

23/06/28

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、その作成には経営者による会計方針の選択・適用と、資産・負債及び収益・費用の報告金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りにあたっては過去の実績等を勘案し合理的な判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性によりこれらの見積りと異なる場合があります。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当社グループは、2022年度より中期事業計画“KAYAKU Vision 2025”をスタートしました。事業ごとに定めた「ありたい姿=Vision」に向けたロードマップを実行するとともに、ありたい姿実現に向けて定めた全社重要課題に対し取組を進めております。

 

当連結会計年度の連結売上高は、医薬事業が前期を下回ったものの、機能化学品事業、セイフティシステムズ事業が前期を上回り、1,983億8千万円となり、前連結会計年度に比べ135億7千4百万円(7.3%)増加しました。当社の業績と比べると、当連結会計年度の連結売上高は当社の1.55倍となりました。

連結売上総利益は、667億5千2百万円となり、前連結会計年度に比べ27億8千4百万円(4.4%)増加しました。

販売費及び一般管理費は452億4千7百万円となり、前連結会計年度に比べ23億3千万円(5.4%)増加しました。

連結営業利益は、機能化学品事業が前期を下回ったものの、医薬事業、セイフティシステムズ事業が前期を上回り、215億5百万円となり、前連結会計年度に比べ4億5千4百万円(2.2%)増加しました。営業利益率は、前連結会計年度に比べ0.6ポイント悪化し、10.8%となりました。

営業外損益は、前連結会計年度に比べ5億8千2百万円減少し、15億2千万円の利益となりました。主な営業外損益の減少は為替差益4億2千5百万円であります。連結経常利益は、230億2千5百万円と前連結会計年度に比べ1億2千8百万円(0.6%)減少しました。

特別利益は、前連結会計年度に比べ4億7百万円減少し、13億7千7百万円となりました。主な減少は固定資産売却益9億6百万円であります。特別損失は、前連結会計年度に比べ21億9千2百万円増加し、34億3千1百万円となりました。主な増加は減損損失20億3千5百万円、投資有価証券評価損7千7百万円であります。税金等調整前当期純利益は、209億7千2百万円と前連結会計年度と比べ27億2千8百万円(11.5%)減少しました。

法人税等は、前連結会計年度に比べ5億2千6百万円減少し、59億2千9百万円となりました。法人税等の負担率は、前連結会計年度の27.24%から28.27%に増加しました。

非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ5百万円減少し、5千7百万円となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は149億8千4百万円となり、前連結会計年度と比べ21億9千6百万円(12.8%)減少しました。当社の業績と比べると、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は当社の1.19倍となりました。

 

経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 セグメントの業績は次のとおりであります。

  ①機能化学品事業

売上高は816億9千6百万円となり、前連結会計年度に比べ45億4千3百万円(5.9%)増加しました。

機能性材料事業は、半導体関連部材となるエポキシ樹脂が民生向けに需要が第3四半期以降に落ち込んだものの、MEMS等の複合材が堅調に推移したことにより、機能性材料事業全体で前期を上回りました。

色素材料事業は、産業用インクジェットプリンタ用色素・インクの市況が回復基調にあったものの、テキスタイル用染料が低調であったことにより、色素材料事業全体で前期を下回りました。

触媒事業は国内、輸出ともに受注が堅調に推移したことにより前期を上回りました。

ポラテクノ事業は、染料系偏光フィルムが低調に推移したものの、X線分析装置用部材が堅調に推移し、また外貨建て売上の為替が有利となったことにより、ポラテクノ事業全体で前期並みとなりました。

セグメント利益は原材料の高騰等費用の増加により、105億8千6百万円となり、前連結会計年度に比べ9億1千4百万円(8.0%)減少しました。

②医薬事業

売上高は517億1千1百万円となり、前連結会計年度に比べ3億7千1百万円(0.7%)減少しました。

国内向け製剤は、薬価改定等の影響を受けながらも、血液がんに対する新薬「ダルビアス®点滴静注用」を2022年8月に、抗体バイオシミラー「ベバシズマブBS」を2022年11月に上市し、製剤工夫した特徴のあるジェネリック抗がん薬「ペメトレキセド点滴静注液」、光線力学診断用剤「アラグリオ®顆粒剤分包」の好調な市場浸透が寄与し、ほぼ前期並みの結果となりました。

国内向け原薬、診断薬は、前期を上回りましたが、輸出、受託事業は、前期を下回りました。

セグメント利益は新製品などの売上寄与により、86億9千6百万円となり、前連結会計年度に比べ5千万円(0.6%)増加しました。

③セイフティシステムズ事業

売上高は542億2千万円となり、前連結会計年度に比べ81億7百万円(17.6%)増加しました。

国内事業は、半導体不足等の影響による自動車の減産を受け需要が低調に推移したことにより、シートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータは前期を上回ったものの、エアバッグ用インフレータは前期を下回り、国内事業全体で前期を下回りました。

海外事業は、世界的なインフレ進行や半導体不足の影響を受ける一方で、各国の各種政策等により新型コロナウイルス感染症による世界的な需要低迷からの回復が続き、エアバッグ用インフレータ、シートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータ、スクイブは前期を上回りました。

セグメント利益は海外における需要の回復及び為替の影響による売上高の増加により、78億5千1百万円となり、前連結会計年度に比べ15億4千5百万円(24.5%)増加しました。

④その他

売上高は107億5千1百万円となり、前連結会計年度に比べ12億9千5百万円(13.7%)増加しました。

アグロ事業は、国内、輸出ともに前期を上回りました。

不動産事業は、前期並みとなりました。

セグメント利益は19億8千万円となり、前連結会計年度に比べ1億3千8百万円(7.5%)増加しました。

 

   (生産、受注及び販売の状況)

 a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

機能化学品事業

63,687

99.8

医薬事業

51,757

105.6

セイフティシステムズ事業

61,597

121.0

その他

5,388

105.9

合計

182,431

108.1

 

(注) 生産金額は販売価格をもって算出しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

  b. 受注状況

当社グループ(当社及び連結子会社)では、受注生産によらず見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

 c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

機能化学品事業

81,696

105.9

医薬事業

51,711

99.3

セイフティシステムズ事業

54,220

117.6

その他

10,751

113.7

合計

198,380

107.3

 

(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

   (中期事業計画の成果)

4ヵ年中期事業計画 KAYAKU Vision 2025 の初年度となる当連結会計年度は、売上高は過去最高の1,983億円、営業利益は215億円となりました。上期は売上高、営業利益ともに上期として過去最高となりましたが、下期は半導体関連市場の減速と国内自動車生産の落ち込み、また原材料、エネルギー価格の高騰等による費用の増加と半期ごとに事業環境が大きく変化いたしました。

そのような状況の中で設備投資は235億円、研究開発投資は133億円実施し、本中計の達成、また将来の事業拡大に向けて積極的な投資を行っています。

変化が激しく、原材料、エネルギー価格の高騰等厳しい事業環境の中ではありますが、本中計達成に向けて、機能化学品事業、医薬事業、セイフティシステムズ事業及びアグロ事業の4事業を中心として、更なる事業発展を目指してまいります。

 

 4ヵ年中期事業計画 KAYAKU Vision 2025の初年度の成果は以下のとおりであります。

(単位:億円)

 

当連結会計年度

 

(1年目)

 

計画

実績

計画比

計画(%)

連結売上高

1,968

1,983

15

100.8%

連結営業利益

184

215

31

116.8%

 

 

(2) 財政状態

総資産は3,228億5千8百万円となり、前期末に比べ73億9千8百万円増加しました。主な増加は現金及び預金95億9千2百万円、商品及び製品94億3千3百万円、原材料及び貯蔵品58億5千7百万円、建設仮勘定22億8千8百万円であり、主な減少は有価証券88億9千万円、売掛金77億7千8百万円であります。

負債は678億3千1百万円となり、前期末に比べ12億2百万円減少しました。主な増加は長期借入金67億2千5百万円であり、主な減少は1年内償還予定の社債40億円、支払手形及び買掛金17億7千2百万円、繰延税金負債11億6千万円であります。

純資産は2,550億2千7百万円となり、前期末に比べ86億1百万円増加しました。主な増加は利益剰余金74億1千万円、為替換算調整勘定67億円であり、主な減少は自己株式28億9千9百万円であります。

 

 セグメントの財政状態は次のとおりであります。

  ①機能化学品事業

セグメント資産は、売掛金の減少により1,029億6千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億8千6百万円減少しました。

  ②医薬事業

セグメント資産は、棚卸資産の増加により641億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ59億7千1百万円増加しました。

  ③セイフティシステムズ事業

セグメント資産は、現金及び預金の増加により856億8千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ86億6千5百万円増加しました。

  ④その他

セグメント資産は、売掛金の減少により198億3千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ6千9百万円減少しました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、200億3千9百万円の収入(前期は231億4千1百万円の収入)となりました。これは主に棚卸資産の増加が141億5千3百万円、法人税等の支払額が68億4千3百万円あったものの、税金等調整前当期純利益が209億7千2百万円、減価償却費が136億9千4百万円、売上債権の減少が81億6千4百万円あったことによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、151億5千8百万円の支出(前期は106億4千1百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が122億2千1百万円、投資有価証券の取得による支出が27億9千7百万円あったことによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、79億5千万円の支出(前期は110億9千万円の支出)となりました。これは主に長期借入れによる収入が100億円あったものの、配当金の支払額が75億5千万円、社債の償還による支出が40億円、自己株式の取得による支出が30億円、長期借入金の返済による支出が23億4千万円あったことによるものです。

以上の結果、当期における現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べ1億3千3百万円増加し、530億9千6百万円となりました。

 

   (資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの財務戦略は、経営目標・事業戦略に基づいて策定しており、事業が将来にわたり持続的に成長できる強い財務基盤を維持することを基本方針としております。資本コストを考慮しながら投資に必要な資金調達を行い、安定的な自己資本比率となる最適な財政状態を常に意識した財務活動を行います。企業ビジョンを実現するため、市場ニーズを的確にとらえ、経営資本を投入する事業・製品領域を明確化し、グローバルな成長市場で既存ビジネスの拡大と新事業・新製品の展開を加速させ、企業価値の向上を図ってまいります。また、サステナビリティ経営の観点から特定した重要課題(マテリアリティ)のもと、持続可能な開発目標(SDGs)を意識した運営を行い、全てのステークホルダーの満足を高め信頼される会社を目指します。

なお、今後の資本的支出の内容は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。