売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00836 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年12月31日まで)の世界経済は、燃料・資源価格の上昇は抑えられているものの高止まりをしており、またロシアのウクライナ侵攻など地政学リスクが依然高く、不透明感が続いています。

このような状況の中、当社グループは前期より開始した中期事業計画“KAYAKU Vision 2025”が2年目に入り、引き続き事業ごとに定めた「ありたい姿=Vision」に向けたロードマップを実行するとともに、ありたい姿実現に向けて定めた全社重要課題に対し取組を進めています。

この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高はモビリティ&イメージング事業領域及びライフサイエンス事業領域が前年同四半期を上回ったものの、ファインケミカルズ事業領域が前年同四半期を下回ったことにより、1,497億5千3百万円となり、前年同四半期に比べ38億7千4百万円(2.5%)減少しました。

営業利益は原材料価格高騰の影響、ファインケミカルズ事業領域の売上高減少に加え、医薬事業のアンハート社への契約締結一時金60億円の支払いに伴う販管費の増加により、41億1千1百万円となり、前年同四半期に比べ149億5千万円(78.4%)減少しました。

経常利益は為替差益等により、74億7千3百万円となり、前年同四半期に比べ135億2千1百万円(64.4%)減少しました。

親会社株主に帰属する四半期純利益は投資有価証券評価損等により、28億2千9百万円となり、前年同四半期に比べ124億1千2百万円(81.4%)減少しました。

 

セグメントごとの業績は次のとおりであります。

(モビリティ&イメージング事業領域)

売上高は607億9百万円となり、前年同四半期に比べ59億5千9百万円(10.9%)増加しました。

セイフティシステムズ事業は、国内は半導体不足等の影響が一部解消し自動車生産が回復したことにより、エアバッグ用インフレータは前年同四半期を上回り、シートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータも前年同四半期を上回りました。また、海外は欧米、中国及びASEAN地域とも総じて堅調な需要に支えられたことに加え、円安による為替換算の影響を受けたことなどから、エアバッグ用インフレータ、シートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータ、スクイブは前年同四半期を上回りました。この結果、セイフティシステムズ事業全体としては前年同四半期を上回りました。

ポラテクノ事業は、X線分析装置用部材は堅調に推移したものの、染料系偏光フィルムは車載用需要が低迷したことにより、前年同四半期を下回りました。

セグメント利益は原材料価格高騰による製造原価の上昇により、58億6千1百万円となり、前年同四半期に比べ8億9千1百万円(13.2%)減少しました。

 

(ファインケミカルズ事業領域)

売上高は407億4千2百万円となり、前年同四半期に比べ108億9千2百万円(21.1%)減少しました。

機能性材料事業は、民生向け需要の低迷及び半導体関連部材の市況回復の遅れを受けエポキシ樹脂をはじめ各製品群が低調に推移したことにより、機能性材料事業全体で前年同四半期を下回りました。

色素材料事業は、感熱顕色剤が好調であったものの、産業用インクジェットプリンタ用色素、コンシューマ用インクジェットプリンタ用色素が低調に推移したことにより、色素材料事業全体で前年同四半期を下回りました。

触媒事業は低調に推移し前年同四半期を下回りました。

セグメント利益は機能性材料事業、色素材料事業及び触媒事業の売上高が減少したことにより、32億7千5百万円となり、前年同四半期に比べ62億3百万円(65.4%)減少しました。

 

(ライフサイエンス事業領域)

売上高は483億1百万円となり、前年同四半期に比べ10億5千8百万円(2.2%)増加しました。

医薬事業の国内向け製剤は、光線力学診断用剤「アラグリオ®顆粒剤分包」の市場浸透、前期に上市した抗体バイオシミラー「ベバシズマブBS」が寄与し、ほぼ前年同四半期並みとなりました。輸出は前年同四半期を下回ったものの、国内向け原薬、受託事業、診断薬は前年同四半期を上回り、医薬事業全体としては前年同四半期を上回りました。

アグロ事業の輸出は前年同四半期を上回りましたが、国内向け販売が低調に推移しアグロ事業部全体としては前年同四半期を下回りました。

不動産事業は、前年同四半期並みとなりました。

セグメント利益は、医薬事業のアンハート社への契約締結一時金の支払いに伴う販管費の増加により、8億8千8百万円となり、前年同四半期に比べ75億8千7百万円(89.5%)減少しました。

 

なお、第1四半期連結会計期間より、組織変更に伴い「機能化学品事業」、「医薬事業」、「セイフティシステムズ事業」としていた報告セグメントを「モビリティ&イメージング事業領域」、「ファインケミカルズ事業領域」、「ライフサイエンス事業領域」に変更しており、各セグメントの前年同期比につきましては、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた上で算出しております。

 

(2) 財政状態の分析

総資産は3,512億9千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ284億3千5百万円増加しました。主な増加は、投資有価証券97億8千8百万円、受取手形及び売掛金91億2千9百万円であります。

負債は913億8千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ235億5千1百万円増加しました。主な増加は、短期借入金92億8千5百万円、長期借入金53億円、支払手形及び買掛金50億9千万円、未払金39億4百万円であります。

純資産は2,599億1千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ48億8千4百万円増加しました。主な増加は、その他有価証券評価差額金55億9千2百万円、為替換算調整勘定42億8千4百万円、主な減少は利益剰余金50億4千7百万円であります。

 

(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

前連結会計年度の有価証券報告書の「優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」の記載から、重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は164億5百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

(6) 主要な設備

当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した主要な設備の新設の計画は、次のとおりであります。

会社名

所在地

セグメントの名称

設備の内容

投資予定額

資金調達
方  法

着手及び完了予定

事業所名

総 額
(百万円)

既支払額
(百万円)

着手

完了

当社

高崎工場

群馬県

高崎市

ライフサイエンス事業領域

統合品質保証棟

3,500

-

自己資金

2024年3月

2025年12月

カヤク セイフティシステムズ マレーシア Sdn. Bhd.

マレーシア

ネグリ・センビラン州センダヤン

モビリティ&イメージング事業領域

インフレータ、ガス発生剤製造設備

930

196

自己資金

2023年6月

2025年4月

 

(注)下線部分は第2四半期連結累計期間からの変更部分を示しております。

 

(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、事業活動に必要な資金を確保するため、安定的な営業キャッシュ・フローの創出と幅広い資金調達手段の確保に努めております。必要な資金については、主に手元資金と営業活動からのキャッシュ・フローに加え、金融機関からの借入や社債発行等により調達しております。大型投資案件等の大規模な支出が必要な際には、当社グループの経営動向や財政状態及び市場環境等を考慮しながら、最適かつ最も効率的な方法により、資金調達を実施しております。