E37095 Japan GAAP
前期
11.8億 円
前期比
139.7%
株価
2,390 (01/09)
発行済株式数
8,219,500
EPS(実績)
13.65 円
PER(実績)
175.13 倍
前期
542.0万 円
前期比
106.7%
平均年齢(勤続年数)
31.0歳(2.8年)
従業員数
58人
当社は、店舗や交通インフラを始めとしたフロントラインワーカー※1をつなげるライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom(バディコム)」を提供しております。また、「Buddycom」でユーザーが使用するイヤホンマイク等のアクセサリーの販売を行っております。当社は主たる事業であるBuddycom事業の割合が高く、開示情報として重要性が乏しいことから、Buddycom事業について主に記載しております。
「Buddycom」はクラウドで提供するホリゾンタル※2SaaS※3であり、インターネット通信網(4G、5G、Wi-Fi)を利用して、スマートフォンやタブレットにアプリをインストールすることで、トランシーバーや無線機のように複数人へ一斉にコミュニケーションすることを可能にするサービスです。音声通話だけでなく、通話履歴の再生、音声テキスト化、翻訳、テキストチャット、映像配信、位置情報の共有に加え、AIを利用したデジタルアシスタントでのコミュニケーションが可能です。スマートフォンやタブレット向けのアプリのほか、Windows向けにも提供しております。主に店舗や交通インフラなどの現場部門でご利用頂いており、円滑なコミュニケーションを提供することを通して、業務効率やお客様サービスの向上にお役立ていただいております。
料金体系については、サブスクリプション型の課金体系としており、お客様が必要とする機能に応じて3つのプランに加えて、オプションをご選択いただいております。初期費用はなく、ID単位で下表のとおりの料金を、年契約であれば一括前払いで、月契約であれば月ごとにお支払いいただきます。
Buddycomの料金プラン(税抜)
コミュニケーションツールを提供している企業は当社以外にも多数ありますが、当社はフロントラインワーカーをメインターゲットとし、音声通話を主体として常時接続された状態で提供することで、刻々と状況が変わる現場で、手がふさがっていても円滑にコミュニケーションができ、誰でもかんたんに・早く・間違わないで使えるようにすることで、差別化を図っております。
また、電話やトランシーバー、他社のIP無線アプリと比較しても、テキスト化や同時翻訳、映像配信といった機能が豊富で、ユーザー数・グループ数が無制限(1グループ当たり2,000ユーザーへの同時発信を検証済)と大規模な運用を可能にしている点において優位性があります。「Buddycom」の2025年8月期における解約率※4は0.42%、NRR※5は118.0%となっており、新規契約が翌期以降の売上拡大に貢献し、継続契約が蓄積することで収益が安定する、安定性と成長性を両立するサブスクリプション型ビジネスとなっております。
またセンサー、カメラ、ロボット、業務システムなど様々な企業との外部連携に対応し、お客様へ提供する付加価値向上を行っております。
Buddycom事業の各指標は以下のとおりとなります。
(2)アクセサリーの概要
当社のBuddycomはライセンスのご購入だけでもご利用は可能ですが、実際には多くのお客様がイヤホンマイクやヘッドセットなど当社の販売するアクセサリーと一緒にご利用されております。Buddycomの契約中は常にアクセサリーをご利用されるため、定期的な更新/アップデート需要が存在し、数年単位で見た際には継続的な収益となっております。
当社が販売するアクセサリーは、PTT※6に対応することでスマートフォンを開かずにBuddycomをご利用すること、そして、いずれの商品も最大連続使用時間が8時間以上となっており、業務時間中にバッテリーが極力切れないことで市販品と差別化を図りました。
その他、各現場の利用状況や環境、働き方に合わせて、Buddycomの機能を最大限に活用いただくため、当社は様々なアクセサリーを提供しております。例えば、映像配信が容易なウェアラブルカメラや、米軍MIL規格に準拠した防水・防塵・耐久性に優れたスピーカーマイク、パチンコ店などの騒音環境でも使用可能なイヤホンマイクがございます。お客様の様々なニーズに対応できるように、当社はアクセサリーの多様化と共同開発に積極的に取り組んでおります。
結果として、Buddycomをご契約いただくお客様の大半は当社からアクセサリーを購入しており、その機器のうち80%以上が当社の出資先製品や独占販売権を持つ製品で構成されています。
当社は販売代理店を通じた販売を行っており、これにより少人数で販売しながらも、全国各地のお客様への対応が可能な体制を確立しております。セールスパートナーの主な業種は、携帯電話の通信サービスを提供する通信事業者や、オフィス用品を扱う製造業、卸売・小売業となっております。その他、Buddycom事業を立ち上げた当初のお客様や、webよりお買い求めいただいたお客様については直接販売しております。
[事業系統図]
以上の内容を事業系統図に示すと、次のとおりであります。
当社はBuddycom事業を始める以前に主力事業としていた、大容量データに対応したディスク型のデータベースと、高速アクセスに対応したメモリ型データベースを併せ持つ『ALTIBASE』というハイブリッド型データベースのライセンスの販売、及びサポートを提供しております。
新規顧客へのライセンスの販売は終了しており、引き続き利用中の顧客に対してのサポートを継続中です。
※1 フロントラインワーカー:机の前に座らない最前線で活躍する労働者のこと。農業、教育、ヘルスケア、小売、ホスピタリティ、製造、輸送、建設業界などの従事者です。
※2 ホリゾンタル:「水平」を意味する単語。特定の業界・業種に関係なく「業務課題」を解決するサービス。
※3 SaaS:Software as a Serviceの略称。ユーザー側のコンピュータにソフトウェアをインストールするのではなく、ネットワーク経由でソフトウェアを利用する形態のサービス。
※4 解約率:ID数の月次解約率。「当月の解約ID数÷前月の契約IDの総数」で算出し、期中の平均を取った値。
※5 NRR:Net Revenue Retentionの略称。既存顧客の売上継続率。「前期までに獲得した顧客の当期末月の売上÷前期末月の売上」で算出。
※6 PTT:Push to Talkの略称。無線機やインカムのように押しながら話す通話方式のこと。
※7 ARR:Annual Recurring Revenueの略称。各期末月のBuddycom利用料売上を12倍して算出。
(1) 経営成績等の状況
第22期事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
経営成績の状況は次のとおりであります。
当事業年度における我が国経済は、企業収益や雇用情勢・所得環境が改善するなか、各種政策の効果もあり緩やかな回復が見られましたが、為替相場の円安等による物価上昇、米国の通商政策の動向、不安定な国際情勢等により、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
当社が事業展開する国内のソフトウェア市場におきましては、働き方改革や人手不足の解消などの課題解決に向けコミュニケーションの促進や業務の自動化・効率化につながるソフトウェアの導入や生成AIの活用による機能強化や高付加価値化が進み、2025年度は3兆628億円※1が見込まれております。また、フロントラインワーカーが働く最前線の現場においては、法人向けモバイル通信端末市場の拡大、AIや画像認識等の精度向上、ウェアラブルカメラ等ハードウェアの開発と導入コストの低減、5Gの普及による映像等大容量データの活用など、様々な分野のイノベーションの発展に伴い、更なるDX化の拡大が期待されます。当社の提供するサービス「Buddycom」の国内における潜在市場規模については、約1,900億円と推計※2しております。当社は「フロントラインワーカーに未来のDXを提供し、明るく笑顔で働ける社会の力となる」ことをミッションに掲げ、「フロントラインワーカーをつなげるライブコミュニケーションプラットフォーム」の新たな市場の創出を図りながら、開発・販売を行ってまいります。
このような経営環境のもと、当社の主力サービスであるBuddycomの開発及び販売に注力いたしました。売上高は順調に推移した一方、Buddycomの開発及び販売強化のための人員増加による採用費及び人件費の増加等により、販売費及び一般管理費も増加いたしました。
以上の結果、当事業年度における売上高は1,654,620千円(前年同期比39.7%増)、営業利益は107,256千円(前年同期営業損失31,275千円)、経常利益は92,700千円(前年同期経常損失34,000千円)、当期純利益は112,172千円(前年同期当期純損失31,848千円)となりました。
※1 株式会社富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2025年版」(2025年7月)
※2 国内における全ての潜在顧客、フロントラインワーカーに導入された場合の、顧客による年間支出総金額。(日本のフロントラインワーカー人口(2025年4月の総務省統計局「2025年度 労働力調査年報」より当社推計)×ID当たりの平均年間課金額)
セグメント別の業績は、以下のとおりであります。
Buddycom事業におきましては、マーケティング強化による知名度の向上、営業人員の増強、代理店営業力の強化、SMB※1向けの販売強化等により契約社数は増加し、当事業年度末の契約社数は1,562社(前事業年度末1,077社)となり、ARR※2は1,068,797千円(前事業年度末739,058千円)となりました。以上の結果、当事業年度における、Buddycom利用料売上が908,785千円(前年同期比38.9%増)、アクセサリー売上が744,285千円(前年同期比41.7%増)となり、セグメント売上高は1,653,070千円(前年同期比40.2%増)、セグメント利益は105,937千円(前年同期セグメント損失35,786千円)となりました。
※1SMB:Small and Medium-sized Businessの略称。当社では従業員数が500人未満の企業と定義。
※2ARR:Annual Recurring Revenueの略称。各期末月のBuddycom利用料売上を12倍して算出。
ALTIBASE事業を「その他」に含めております。ALTIBASE事業については、積極的には展開しない方針であり、当事業年度におけるその他の売上高は1,550千円(前年同期比71.4%減)となり、セグメント利益は1,318千円(前年同期比70.8%減)となりました。
また、当事業年度末の財政状態は、次のとおりであります。
当事業年度末における総資産につきましては、前事業年度末に比べ1,124,348千円増加し、2,077,806千円(前事業年度末比117.9%増)となりました。
当事業年度末における流動資産につきましては、前事業年度末に比べ1,082,137千円増加し、1,834,628千円(前事業年度末比143.8%増)となりました。
これは主に、現金及び預金の増加(前事業年度末比1,016,928千円増)、売掛金の増加(前事業年度末比50,145千円増)等によるものであります。
当事業年度末における固定資産につきましては、前事業年度末に比べ42,210千円増加し、243,178千円(前事業年度末比21.0%増)となりました。
これは主に、敷金の差入による敷金の増加(前事業年度末比7,943千円増)、繰延税金資産の増加(前事業年度末比33,820千円増)等によるものであります。
当事業年度末における負債合計につきましては、前事業年度末に比べ206,941千円増加し、683,834千円(前事業年度末比43.4%増)となりました。
当事業年度末における流動負債につきましては、前事業年度末に比べ226,367千円増加し、610,690千円(前事業年度末比58.9%増)となりました。
これは主に、前受収益の増加(前事業年度末比137,117千円増)、未払法人税等の増加(前事業年度末比36,133千円増)、買掛金の増加(前事業年度末比32,890千円増)、未払消費税等の増加(前事業年度末比17,536千円増)等によるものであります。
当事業年度末における固定負債につきましては、前事業年度末に比べ19,425千円減少し、73,144千円(前事業年度末比21.0%減)となりました。
これは主に、長期借入金の減少(前事業年度末比12,996千円減)、繰延税金負債の減少(前事業年度末比6,730千円減)等によるものであります。
当事業年度末における純資産につきましては、前事業年度末に比べ917,406千円増加し、1,393,972千円(前事業年度末比192.5%増)となりました。
これは、資本金の増加(前事業年度末比398,772千円増)、資本準備金の増加(前事業年度末比398,772千円増)、当期純利益計上による利益剰余金の増加(前事業年度末比112,172千円増)等によるものであります。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,574,273千円(前事業年度末比1,016,928千円増、182.5%増)となりました。また、当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
当事業年度において営業活動により獲得した資金は、290,705千円(前年同期は1,149千円の収入)となりました。
これは主に、前受収益の増加額137,117千円(前年同期は前受収益の増加額36,813千円)、税引前当期純利益92,700千円(前年同期は税引前当期純損失34,000千円)、仕入債務の増加額32,890千円(前年同期は仕入債務の減少額9,174千円)等の収入要因によるものであります。
当事業年度において投資活動により支出した資金は、26,883千円(前年同期は32,583千円の支出)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出18,939千円(前年同期は有形固定資産の取得による支出47,532千円)敷金の差入による支出7,943千円によるものであります。
当事業年度において財務活動により獲得した資金は、753,104千円(前年同期は89,024千円の収入)となりました。
これは、新株式の発行による収入767,208千円、長期借入金の返済による支出21,792千円(前年同期は長期借入金の返済による支出19,976千円)等によるものであります。
当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は、仕入価格によっております。
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注から売上計上まで短期間であり、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。なお、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5.経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
当事業年度の財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上高)
当事業年度の売上高は、1,654,620千円(前年同期比39.7%増)となりました。これは主に、当社の主力サービスであるBuddycomの契約社数及び利用ユーザー数が増加したことにより、Buddycom利用料売上が908,785千円(前年同期比38.9%増)、アクセサリー売上が744,285千円(前年同期比41.7%増)となったこと等によります。なお、ARRは1,068,797千円(前事業年度末739,058千円)となっております。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は、644,625千円(前年同期比27.2%増)となりました。これは主に、Buddycom利用ユーザー数の増加及びアクセサリー売上の増加等によるものであります。この結果、売上総利益は、1,009,995千円(前年同期比49.0%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、902,739千円(前年同期比27.3%増)となりました。主な要因は、Buddycomの開発及び販売強化のための人員増加による人件費の増加(前年同期比114,918千円増)、外形標準課税の適用に伴う租税公課の増加(前年同期比15,182千円増)等によるものであります。この結果、営業利益は107,256千円(前年同期営業損失31,275千円)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当事業年度において、営業外収益は受取利息1,942千円等により2,054千円、営業外費用は株式交付費14,011千円等により16,610千円となりました。この結果、経常利益は、92,700千円(前年同期経常損失34,000千円)となりました。
(当期純利益)
当事業年度において特別利益、特別損失は発生しておりませんが、法人税、住民税及び事業税を21,078千円、税効果会計による法人税等調整額を40,551千円計上した結果、当期純利益は112,172千円(前年同期当期純損失31,848千円)となりました。
キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1) 経営成績等の状況 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照ください。
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社は、中長期的に安定した売上収益を拡大させることが重要であると考えております。そのため、当社は達成状況を判断するための経営上の指標としてARRを重視しております。
当該指標について、第18期事業年度末(2021年8月31日)は295,703千円、第19期事業年度末(2022年8月31日)は440,472千円、第20期事業年度末(2023年8月31日)は557,602千円、第21期事業年度末(2024年8月31日)は739,058千円、第22期事業年度末(2025年8月31日)は1,068,797千円となっております。
今後も、サービスの機能強化や新規顧客の獲得に注力することによりARRを増加させてまいります。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金需要のうち主なものは、当社サービスを拡大していくための開発人員及び営業人員の人件費、また研究開発に係る費用であります。これらの資金については自己資金又は金融機関からの借入にて充当する方針です。
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。