バルテス・ホールディングス株式会社

上場日 (2019-05-30)  情報・通信業システムグロース

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

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最終更新:

E34880 Japan GAAP

売上高

103.6億 円

前期

90.6億 円

前期比

114.4%

時価総額

103.0億 円

株価

480 (05/15)

発行済株式数

21,450,000

EPS(実績)

24.15 円

PER(実績)

19.88 倍

平均給与

500.8万 円

前期

488.5万 円

前期比

102.5%

平均年齢(勤続年数)

33.7歳(3.7年)

従業員数

520人(連結:640人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

当社グループは、「品質向上のトータルサポート企業」を経営方針に掲げ、ソフトウェアの品質に関わるサービスを提供しております。ソフトウェアの進化は、今後益々社会を便利にする一方、品質面での問題、不具合等が生じた際の社会に与える影響は大きくなり、品質の重要性は増すものと考えられます。当社はこうした変化を積極的に捉え、提供サービスを通じて、豊かで安全なICT(Information and Communication Technology(情報通信技術))社会の実現へ貢献していく事を目指しております。

当社グループは2023年3月末現在において、当社及び連結子会社4社で構成されており、ソフトウェアテストサービス事業、Web/モバイルアプリ開発サービス事業及びオフショアサービス事業を提供しております。当社グループの事業内容は以下のとおりであります。

なお、次の3事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。事業別セグメントを構成する主要な関係会社については、後述の事業系統図をご参照ください。

 

(1)ソフトウェアテストサービス事業

(当社及び連結子会社1社)

当事業では、製造業やソフトウェアベンダー(※1)に対して、ソフトウェアの不具合により顕在化するリスクを回避するため、開発工程における品質計画の立案、開発プロセスの改善、ソフトウェアの不具合を発見、または重大な不具合が発生していない事を確認する為のテスト計画、テスト設計、テストケースの作成、テスト実施及びテストサマリレポートの作成まで、第三者の中立的立場で提供しております。

また、提供する成果物においては、ソフトウェアテストの統合的な国際規格であるISO/IEC/IEEE 29119(※2)に準拠しており、グローバルな要件にも対応が可能です。

当事業が対象とするサービス提供領域は、エンタープライズ系(業務システムや基幹システム等)、Web・スマートフォン系(Webサイトやモバイルアプリケーション等)、組込系(AV機器や家電、産業機器、IoT機器等)、その他、幅広いものとなっており、テスト対象におきましても、予定した動作が正確に作動するか否かの機能性に限定せず、例えば実運用を想定したユーザー数からのアクセスや、営業活動継続によるデータ量の蓄積、継続性、耐久性の面など様々なニーズに対応したものとなっております。

 

当社が提供するソフトウェアテストサービス事業のフローは以下のとおりです。

 

※画像省略しています。

 

また、当社が提供する主なソフトウェアテストサービスは以下のとおりであります。

サービス名

概要

1.ソフトウェアテスト

  サービス

単機能テストから、システムテスト支援、多端末テスト、テスト自動化、受入テスト支援など、様々なソフトウェアのテストを顧客に代わり、当社の専門知識を持つエンジニアが目的に応じて最適なテストパターンを抽出し、アプリケーションやシステムの品質を支えるテストサービスを多種多様な業界に提供しております。

2.品質コンサルティングサービス

開発したソフトウェアをテストするソフトウェアテストサービスに対し、品質コンサルティングサービスでは、品質のPMO・QMO(※4)としてソフトウェア開発工程の上流工程を含む全体における品質確保のプロセス確立・標準化など、品質マネジメントを支援しております。

3.ソフトウェア品質

  セミナーサービス

当社エンジニアにも実施しているソフトウェア品質教育を顧客の開発者、品質担当者、プロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーなどを対象にセミナーとして提供しております。

当社の教育コンテンツは現在19コースあり、集合研修形式やオープン講座形式、eラーニングと様々な形式で提供しております。コースによっては英語化もされており、英語での研修も可能となっております。

4.デジタル放送テスト

  サービス

多種多様なデジタル放送に関するテストサービスを提供し、受信機の機能テストだけでなく、放送規格に則ったシステムになっているかの規格テストや、規格では定められていない異常時のテスト、テスト用データ作成などのサービスを提供しております。

5.セキュリティ・脆弱性診断(※5)サービス

Webシステムやモバイルアプリケーション、またIoT機器に対しての外部からの侵入(ハッキング)などが行える隙が無いかを確認する診断サービスや、またSaaS型WAFサービス(※6)「PrimeWAF」をご提供しております。本サービスは当社及び連結子会社であるバルテス・モバイルテクノロジー株式会社の両社で提供しております。

6.テストツール提供

  サービス

ソフトウェアテストを効率化し、システムの高品質化とリリースのスピードアップを実現させるべく、テスト自動化ツール「T-DASH」、テスト管理ツール「QualityTracker」、クラウド型モバイルテストサービス「AnyTest」を提供しております。

7.出版・情報発信・

  サイト運営

ソフトウェア開発に携わるすべての人のために、ソフトウェア品質改善だけにとどまらず、業界のトレンド情報やマネジメント手法など、エンジニアが必要とする価値ある情報を発信するWebサイト「Qbook」を運営しております。

また、書籍においては、エンジニア向けの新書「いちばんやさしいソフトウェアテストの本」、「ソフトウェアテストの教科書」、「ソフトウェアテスト規格の教科書」を出版しております。

 

 なお、当社は、主に2つの提供形態および3つの契約形態によりソフトウェアテストサービス事業を提供しております。

 

提供形態

概要

テストセンターテスト

サービス

当社グループにテストセンターを設置し、顧客のニーズに合わせたテスト環境を構築し、ソフトウェアテストサービスを提供しております。

オンサイトテストサービス

労働者派遣事業の免許を保持しており、顧客のニーズに合わせた人材を提供しております。

 

契約形態

概要

派遣契約

労働者派遣契約に基づき当社のエンジニアを顧客先に派遣し、顧客の指揮命令下でサービスの提供を行っております。

準委任契約

当社の指揮命令下において顧客との契約内容に応じた役務提供を行っております。

請負契約

主に当社のテストセンターにてテストを行い、テストレポート等の成果物を顧客に納品しております。

 

(2)Web/モバイルアプリ開発サービス事業

(連結子会社2社)

当事業では、Webアプリ及びモバイルアプリ開発、セキュリティ診断(脆弱性診断)サービスやSaaS型WAFサービス「PrimeWAF」といったセキュリティサービスを提供しております。Web/モバイルアプリ開発では、企画から、要件定義、開発、デザイン、リリース、運用までワンストップで提供が可能です。開発ドキュメントが無い状態のソフトウェアに対して、ソフトウェアからドキュメントを作成するリバースエンジニアリングサービスも当事業に含まれます。また、メタバース(※7)分野で注目を集めるxR技術の習得を進め、建築、不動産、自動車、映像等の業界をターゲットにサービス展開を進めております。

なお、ソフトウェアの品質向上をグループ経営方針としており、当社によるソフトウェアテスト、セキュリティサービスチームからの教育によるセキュアコーディング(※8)を施したソフトウェア開発サービスを提供しております。

セキュリティ診断サービスでは、熟練した技術者の診断ノウハウを可能な限り手順化しておりますので、潜在的な脆弱性が発見でき、安全性の調査を提供しております。PrimeWAFはWebサイトに代表されるWebアプリケーションへのサイバー攻撃を可視化し、その攻撃のみを防御するSaaS型のサービスです。

 

(3)オフショアサービス事業

(連結子会社1社)

当事業では、グループ会社とのノウハウの共有により、製造業やソフトウェアベンダーを営む顧客に対して、ソフトウェアテストサービスとソフトウェア開発サービスを提供しております。VALTES Advanced Technology,Inc.は主にフィリピンで事業展開しており、現地の安価で豊富な労働力を背景に、当社の教育コンテンツを受講した現地のエンジニアが当社を窓口とした日本企業や在比日系企業に向けてサービスの提供を行っております。

 

※1 ソフトウェアベンダー

ソフトウェアを製造・販売する会社である。

※2 ISO/IEC/IEEE 29119

ISO、IEC、IEEEという3つの標準化団体が合同で策定したソフトウェアテストの統合的な国際規格の名称。

※3 WBS

WBS(Work Breakdown Structure)とは、プロジェクトマネジメントで計画を立てる際に用いられる手法の一つで、プロジェクト全体を細かい作業に分割した構成図である。「作業分割構成」「作業分解図」などと呼ばれることもある。

プロジェクトを理解し、管理する上でプロジェクトの各工程を担当者毎の作業レベルに展開し、ツリー構造にまとめたもので、分解した作業の開始日や終了日を矢印で可視化する。

※4 PMO・QMO

PMO(Project Management Office)とは、組織内における個々のプロジェクトマネジメントの支援を横断的に行う部門や構造システムを言う。

QMO(Quality Management Office)とは、組織における個々の品質管理の支援を積極的に行う部門や構造システムを言う。

※5 脆弱性診断

コンピュータ又はネットワーク全体のセキュリティに弱点を作り出すコンピュータソフトウェアの欠陥や仕様上の問題点を診断する。

※6 SaaS型WAFサービス

SaaS(Software as a Service)型WAF(Web Application Firewall)サービスとは、通信ネットワークなどを通じて、利用者が必要なものを必要なときに呼び出して使う利用形態において、WebサーバーやWebアプリケーションに対して、外部からの攻撃から守るサービスである。

※7 メタバース

コンピュータ上に構築された、3次元の仮想空間やそのサービスのこと。英語の「超(meta)」と「宇宙(universe)」を組み合わせた造語である。

※8 セキュアコーディング

悪意のある攻撃者等による攻撃に耐え得る堅牢なプログラムを書くことを意味し、不注意な設計やバグに起因する脆弱性を作り込まないコーディング作法の総称をいう。

 

 

[事業系統図]

当社グループの事業系統図は、以下のとおりです。

※画像省略しています。

 

23/06/23

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症による社会経済活動への影響が縮小したものの、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による原材料・エネルギー価格の高騰や、米国の金融機関破綻に端を発した金融不安によるインフレ拡大や景気後退に対する懸念から、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 当社グループが属する情報サービス業界は、行政によるデジタル化推進やビジネス形態としてリモートワーク、クラウド環境の導入、IoT、AI、5G、メタバースなどのデジタルトランスフォーメーション(DX)に関連するIT投資を積極的に行う企業の増加や、増加するサイバー攻撃に対するセキュリティ需要などにより中長期的には市場規模の拡大が継続するものとみられます。

 このような状況の下、当社グループの主力サービスであるソフトウェアテストサービスにおきましては、潜在市場規模が大きくまた参入障壁の高いエンタープライズ系(注1)領域の開拓への注力を継続し、売上規模と利益率の向上に努めております。一方で、顕在化するエンジニア不足に対しては、独自の教育ノウハウによる業界未経験者の早期戦力化、高スキル人材の登用に加え、採用部門の機能強化やビジネスパートナー獲得の活動強化によって人材の確保を図り、採用した人材定着化のため労働環境や報酬、制度の充実も実施しております。

 その結果、当連結会計年度の売上高は9,059,300千円(前期比35.1%増)となりました。増収に伴い、各段階利益は、営業利益970,136千円(同70.1%増)、経常利益982,941千円(同69.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益651,476千円(同57.4%増)となりました。

(注1)エンタープライズ系

 企業の業務システムや情報システム、金融機関、病院、鉄道など大規模かつ社会基盤を支える情報システムなどに含まれ、それらの中心となる制御システムの総称。

 

 各セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。

 

[ソフトウェアテストサービス事業]

 当事業においては、金融業界を中心としたエンタープライズ系領域の売上高が堅調に推移している他、DX需要を取り込み、Webサービス案件の受注も拡大しました。また、新規大型再構築案件の上流工程・PMO(注2)・QMO(注3)や、大型マイグレーション(注4)案件への参画が増加したことにより、案件の大型化が加速しております。加えて株式会社ミントを2022年4月より新規連結したことも売上高及びセグメント利益の拡大に貢献しております。その結果、外部顧客に対する売上高は8,205,186千円(前期比36.8%増)となりました。従来は上半期に偏重していた人材採用を通年採用方針に変更した影響による採用費や、東京本社拡張移転及び大阪本社拡張による費用増加はありましたが、増収となったことで、セグメント利益は977,097千円(同72.0%増)となりました。

(注2)PMO(Project Management Office)

 組織内における個々のプロジェクトマネジメントの支援を横断的に行う部門や構造システム

(注3)QMO(Quality Management Office)

 組織内における個々の品質管理の支援を横断的に行う部門や構造システム

(注4)マイグレーション

 ソフトウェアやシステム、データなどを別の環境に移動したり、新しい環境に切り替えたりすること

 

[Web/モバイルアプリ開発サービス事業]

 当事業においては、アプリ開発やリバースエンジニアリングサービス(注5)の売上高が増加したことに加え、セキュリティ・脆弱性診断に係る売上高も好調でした。また前年同期に発生し、利益を圧迫した不採算案件への対応として進めた管理体制強化が実を結び、当期の不採算案件発生はありませんでした。その結果、外部顧客に対する売上高は813,778千円(前期比19.0%増)となりました。増収がM&Aの取得関連費用80,500千円を吸収し、セグメント利益は71,636千円(同1.6%増)となりました。

(注5)リバースエンジニアリングサービス

 システム操作やソースコードの解読により開発ドキュメント(各種設計書)を作成するサービス

 

 [オフショアサービス事業]

 フィリピンでの新型コロナウイルス感染症対策に関しては、ロックダウン後の経済活動の正常化が進んでおり、各社対応を進めております。その中で当事業においては、現地日系企業からの引き合いも増加傾向にあり、外部顧客に対する売上高は40,334千円(前期比62.9%増)となり、セグメント利益は83千円(同99.2%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末より178,914千円増加し1,515,447千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により得られた資金は846,961千円(前期比67.6%増)となりました。これは主に売上債権及び契約資産の増減額△279,927千円、法人税等の支払額218,451千円があった一方で、税金等調整前当期純利益を981,848千円、減価償却費を72,292千円計上したことや、仕入債務の増減額135,745千円、未払金の増減額123,717千円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により使用した資金は639,671千円(前期比513.5%増)となりました。これは主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出296,295千円、有形固定資産の取得による支出98,689千円、敷金及び保証金の差入による支出108,660千円、投資有価証券の取得による支出130,000千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により使用した資金は29,438千円(前期比87.5%減)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出21,948千円があったことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 該当事項はありません。

 

b.受注実績

 当社グループが行う全ての事業は、受注から売上計上までの期間が短いため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度のセグメント別の販売実績は、以下のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

ソフトウェアテストサービス事業

8,205,186

36.8

Web/モバイルアプリ開発サービス事業

813,778

19.0

オフショアサービス事業

40,334

62.9

合計

9,059,300

35.1

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先はありません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりであります。

 

経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ2,351,938千円増加し、9,059,300千円(前期比35.1%増)となりました。これは主に、ソフトウェアテストサービス事業にて専門の事業部を立ち上げて拡大に努めておりましたエンタープライズ系領域における業績が特に好調に推移したことによるものです。各報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、ソフトウェアテストサービス事業が90.6%、Web/モバイルアプリ開発サービス事業が9.0%、オフショアサービス事業が0.4%となりました。

 

(売上総利益)

 当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ837,408千円増加し、2,703,165千円(同44.9%増)となり、売上総利益率は29.8%と前連結会計年度(27.8%)から2.0ポイントの上昇となりました。これは、主に増収となった影響によるものです。

 

(営業利益)

 当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ399,843千円増加し、970,136千円(同70.1%増)となり、営業利益率は10.7%と前連結会計年度(8.5%)から2.2ポイントの上昇となりました。これは、販売費及び一般管理費の増加はあるものの、増収となった影響によるものです。

 

(経常利益)

 当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ402,838千円増加し、982,941千円(同69.4%増)となり、経常利益率は10.9%と前連結会計年度(8.6%)から2.3ポイントの上昇となりました。これは、営業利益の増加によるものであります。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の特別利益の計上はありません(前連結会計年度の特別利益の計上もありません。)。

 当連結会計年度は固定資産除却損1,092千円を特別損失に計上しました(前連結会計年度の特別損失の計上はありません。)。

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ237,636千円増加し、651,476千円(同57.4%増)となりました。

 

財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は2,894,104千円となり、前連結会計年度末に比べ548,530千円増加いたしました。これは主に現金及び預金の増加178,914千円、売掛金及び契約資産の増加297,157千円によるものであります。固定資産は1,194,995千円となり、前連結会計年度末に比べ609,736千円増加いたしました。これは主に東京本社拡張移転及び大阪本社拡張等に伴う有形固定資産の増加95,752千円、のれんの計上等に伴う無形固定資産の増加254,129千円、投資有価証券の増加130,000千円、差入保証金の増加92,850千円によるものであります。

 この結果、総資産は4,089,100千円となり、前連結会計年度末に比べ1,158,267千円増加いたしました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は1,648,930千円となり、前連結会計年度末に比べ489,487千円増加いたしました。これは主に買掛金の増加134,500千円、未払法人税等の増加129,520千円、未払金の増加169,546千円によるものであります。固定負債は33,673千円となり、前連結会計年度末に比べ24,799千円減少いたしました。これは主に長期借入金の減少21,948千円によるものであります。

 この結果、負債合計は1,682,603千円となり、前連結会計年度末に比べ464,687千円増加いたしました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は2,406,496千円となり、前連結会計年度末に比べ693,579千円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益651,476千円の計上に伴い利益剰余金が増加したことによるものであります。

 この結果、自己資本比率は58.9%(前連結会計年度末は58.4%)となりました。

 

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高増加率、売上総利益率、人材の確保を重要な経営課題と認識していることから営業利益率を重視しております。

 当連結会計年度における売上高増加率は35.1%と前連結会計年度(27.5%)から7.6ポイントの上昇、売上総利益率は29.8%と前連結会計年度(27.8%)から2.0ポイントの上昇、営業利益率は10.7%と前連結会計年度(8.5%)から2.2ポイントの上昇となりました。

 引き続きこれらの指標について上昇するように取り組んで参ります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フローの状況の分析

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、労務費及び外注費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、ソフトウェアの開発費用等によるものであります。

 

 資本の財源及び資金の流動性について、当社グループは、運転資金については自己資金及び金融機関からの借入金を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は172,756千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,515,447千円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に際しては、連結決算日における資産及び負債の計上、当連結会計年度における収益、費用の計上については、過去の実績や現況に基づいた合理的な基準による見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。

 また、重要な会計方針等につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 及び 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。

 

④経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループが高品質なサービスを継続的に提供していくために、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の経営課題に対処することが必要であると認識しております。また、当社グループを取り巻く外部環境及び内部環境を適宜適切に把握し、市場におけるニーズを識別して経営資源の最適化に努めて参ります。