売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E35632 Japan GAAP

売上高

136.1億 円

前期

112.4億 円

前期比

121.1%

時価総額

187.5億 円

株価

1,756 (03/28)

発行済株式数

10,676,100

EPS(実績)

-97.60 円

PER(実績)

--- 倍

平均給与

559.0万 円

前期

566.5万 円

前期比

98.7%

平均年齢(勤続年数)

29.7歳(2.0年)

従業員数

478人(連結:498人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

ミッション

当社グループは、「解き尽くす。未来を引きよせる。」というミッションのもと、テクノロジーを活かしながら既存のビジネスを柔軟に組み合わせ、新しいサービスを生み出すことで、新しい価値を提供し続けていくとともに、成果を積み重ねていくことの連鎖でより大きな課題に立ち向かい、未来を引きよせたいと考えております。

このようなミッションのもと、多様な産業領域のデジタルトランスフォーメーションを推進しております。

 

事業の概要

当社グループは、当社及び連結子会社(株式会社Datachain、株式会社Velocity、株式会社ThinQ Healthcare)の計4社によって構成されております。

なお、当社グループの報告セグメントにつきましては、「不動産DX事業」「マーケティングDX事業」「その他」に区分しております。

 

(1)不動産DX事業

価値交換を行うための情報伝達経路が潜在したまま分断され、消費者と事業者双方の売買経験が蓄積されないことと相まってバリューチェーンの非効率が取り残されやすい状態になっている、産業としての歴史が長い領域に対して、当セグメントは、バリューチェーン※の生産性に影響を及ぼしている課題を特定した上で、テクノロジーを活用した新たなソリューションを実装しております。

主力サービスは中古不動産売却におけるマッチングサービス「イエウール」、外壁リフォームにおけるマッチングサービス「ヌリカエ」、介護領域におけるマッチングサービス「ケアスル 介護」であり、いずれの市場においても、消費者と事業者のマッチングプラットフォームとして参入後、事業者へのツール提供等を通じた業務効率化DXソリューションサービスを提供する方針を採っております。

 

※バリューチェーン

原材料の調達から製品・サービスが顧客に届くまでの企業活動を、一連の価値(Value)の連鎖(Chain)として捉える考え方を指します。

 

(イエウール)

本サービスは、不動産一括見積りサイト「イエウール」の運営を通じて、不動産の売却を検討するユーザー(個人)を、複数の不動産業者に紹介するものであります。

具体的には、提携メディアや検索サイト、Web広告等を通じて、当社グループの運営するWebサイト「イエウール」に、不動産売却に関心を持つユーザーを集客します。サイトではユーザーから居住地域や物件に関する情報を受け取り、条件に適合する不動産業者にユーザーを紹介しております。

その後、不動産業者がユーザーに連絡を取り、売却見積価格の提示・売却の提案等を行うこととなります。

物件などの条件に適合する複数の不動産業者の見積価格を一度に比較できることが、ユーザーにとってのメリットであります。また不動産業者にとっては、売却を検討しているユーザーの情報を入手できることがメリットであります。当社グループは「ユーザーの紹介」1件ごとにその対価として不動産業者から報酬を得ております。

 

本サービスの特徴は次のとおりであります。

 

① 顧客基盤の充実と集客数の多さ

本サービスでは、顧客となる不動産業者の開拓に注力しており、幅広い地域のユーザーからの見積依頼に対応できることが強みであります。北海道から沖縄県まで日本全国の不動産業者と契約を結んでおります。

 

② サービスを成長させるための体制

社内にWebサイトの機能追加や改善に常時取り組む開発チーム、メディアとの提携や広告出稿等のプロモーション活動を行うプロモーションチーム、そして集客・紹介の状況を継続的に確認・分析し、改善活動の検討を行うグロースハック※1のチームを置いております。

これらのチームを緊密に連携させ、Webサイトへの集客数や見積依頼数の改善を継続的に実施することで、サービスを絶えず成長させるよう努めております。例えば、「A/Bテスト※2等を通じて、サイト上のUI/UX※3を改善する」「広告の配信方法を変更する」といった取り組みはこうした活動の一環であります。

 

③ 成約率向上への注力

本サービスでは、架空のユーザー情報を登録することにより、一定のフィルタリング要件(イタズラ等防止の為)のもと、事前に成約の見込みが極めて低いと判断したユーザーを除外した上で不動産業者に紹介しております。これは、成約につながりやすいユーザーを厳選して紹介することが、不動産業者に選ばれ続ける上で重要であると考えているためであります。除外に当たっては、紹介したユーザーに関する過去の成約の実績データ(実際に成約に至ったか否か)を蓄積し、利用しております。また、成約率向上のために、不動産業者の業務効率化を推進すべく、価格査定ツールやユーザー管理システムの提供を行っております。

 

※1.グロースハック

業績につながる指標(集客数、集客の費用対効果など)の傾向や変化を継続的に確認・分析し、指標を改善するための施策を検討する活動を指します。

※2.A/Bテスト

複数種類の文章や画像のデータを用意し、サイトを訪れるユーザー毎に異なるデータを出し分けることによって、どちらのデータを利用することが優れている(見積り依頼や成約につながりやすい)かを判断する実験手法であります。

※3.UI/UX

UIは「ユーザーインタフェース」、UXは「ユーザーエクスペリエンス」の略であり、Webサイト上でユーザーが閲覧・操作する要素(入力フォーム、ボタンなど)、及びそれらのデザインや使い勝手からユーザーが得る体験を総称した用語であります。

 

(ヌリカエ)

本サービスは、外壁塗装一括見積サイト「ヌリカエ」の運営を通じて、住宅の外壁塗装工事を検討するユーザー(個人)を、複数の外壁塗装業者に紹介するものであります。

具体的には、提携メディアや検索サイト、web広告等を通じて、当社グループの運営するWebサイト「ヌリカ エ」に、外壁塗装に関心を持つユーザーを集客します。サイトではユーザーから居住地域や物件に関する情報を受け取り、さらに電話で希望条件等を詳しく聞いた上で、条件に適合する外壁塗装業者にユーザーを紹介しております。

その後、外壁塗装業者がユーザーに連絡を取り、見積価格の提示・提案等を行うこととなります。

「イエウール」と同様に、複数の業者の見積価格を一度に比較できることが、ユーザーにとってのメリットであります。また外壁塗装業者にとっては、外壁塗装を検討しているユーザーの情報を入手できることがメリットであります。当社グループは紹介の対価として、「ユーザーの紹介」及び「紹介したユーザーの成約」ごとに報酬を外壁塗装業者から得ております。

 

本サービスは、「イエウール」と多くの共通点を持っており、「Webサービス開発とプロモーションの体制」「成約率向上への注力」が特徴であります。

またそれらに加え、「ヌリカエ」独自の特徴として「カスタマーサポートの体制」が挙げられます。

外壁塗装は、物件の種別のみならず、塗装箇所の大きさや劣化状態、塗料の材質などによっても大きく価格が変動することが特徴であります。そこで本サービスでは「カスタマーサポート」のチームを設け、Webサイトでユーザーから情報を集めた後、直接ユーザーに電話でも問合せを行い、詳しい情報を収集しております。これにより、紹介すべき適切な業者を判断し、成約率を向上させることができます。

 

本サービスの運営によって得たノウハウや顧客基盤を生かして、外壁塗装以外のリフォーム関連領域においてユーザーを業者に紹介するサービスも展開しております。

これは、解体、水回り、太陽光及びエクステリアに関するサービスを提供するリフォーム業者とユーザーをインターネット上でマッチングするものであります。

 

(ケアスル 介護)

本サービスは、介護施設検索サイト「ケアスル 介護」の運営を通じて、介護施設への入居を検討するユーザー(個人)を、複数の介護施設事業者に紹介するものであります。

具体的には、提携メディアや検索サイト、web広告等を通じて、当社グループの運営するWebサイト「ケアスル 介護」に、介護施設への入居を検討しているユーザーを集客します。サイトではユーザーから居住地域や希望物件に関する情報を受け取り、さらに電話で希望条件等を詳しく聞いた上で、条件に適合する介護施設事業者にユーザーを紹介しております。

その後、介護事業者がユーザーに連絡を取り、見積価格の提示・提案等を行うこととなります。

「イエウール」「ヌリカエ」と同様に、複数の業者の見積価格を一度に比較できることが、ユーザーにとってのメリットであります。また介護施設事業者にとっては、介護施設への入居を検討しているユーザーの情報を入手できることがメリットであります。当社グループは紹介の対価として、紹介したユーザーの成約ごとに報酬を介護施設事業者から得ております。

 

本サービスは、「イエウール」「ヌリカエ」と多くの共通点を持っており、「Webサービス開発とプロモーションの体制」「成約率向上への注力」が特徴であります。

またそれらに加え、「ヌリカエ」と同様に、「カスタマーサポートの体制」も共通しております。

 

(2)マーケティングDX事業

人々の消費活動の複雑化に伴い、マーケティング活動は高難易度化してきており、それに即した形で多種多様なデータや解法が存在する一方、それらの活用難易度も高い状態になっております。当社グループは、自社で蓄積したデータと世の中に散在するデータや解法を収集・整理し、活用方法を紡ぎ出すことで顧客企業の成果最大化を目指しており、当セグメントでは、データ分析を元にしたコンサルティングサービスを提供するほか、データを活用した広告運用代行等を行っております。

具体的には、以下のサービスを提供しております。

 

「Webアナリティクス」においては、データ分析を通じてユーザーの来訪数や購入数等を向上させるために顧客のWebサイトの掲載内容や構造を改良することを目的としたコンサルティングを提供し、顧客ごとに毎月一定額の報酬を得ております。

「Webアナリティクス」では「Webサイトの流入数やコンバージョン数※1の最大化による顧客の事業上の成果に貢献するための要素」ととらえ、Webサイトに流入するユーザーの分析やプロジェクトマネジメントなどの機能を通じて、より上流の工程から顧客をサポートしております。

「PAAM」においては、散在している顧客の社内外のデータを収集・統合・可視化するとともに、広告の費用対効果の最適化を始めとするマーケティングへの利活用の方法を提案しております。

「PAAM」では、データの統合及び予測分析の技術を活用し、マーケティングの戦略策定から実行までを一貫してデータに基づいて実施できる環境の構築を支援しております。

「トレーディングデスク※2」においては、運用型広告※3を中心とするプロモーション手法を通じ、顧客のWebサイトへの集客を適切に行うための課題抽出、戦略立案から広告の運用までを一貫して実施しており、広告の出稿量に比例した報酬を得ております。

「トレーディングデスク」では、顧客のマーケティング戦略に応じて複数種類の広告手法・プラットフォームを柔軟に組み合せ、プロモーションを設計・運用しております。

「UZOU(ウゾウ)」においては、マーケティングの自動化支援のための主力プロダクトとして、ネイティブアド配信プラットフォーム「UZOU」を提供しております。「UZOU」はネイティブ広告※4を扱うアドネットワーク※5 であります。媒体に掲載された記事の内容や来訪ユーザーの属性を考慮して顧客の広告を表示し、それらの対価として広告主から広告出稿量に比例した収入を得ております。

「UZOU(ウゾウ)」では、人工知能を活用したユーザー・媒体・広告のマッチングをアルゴリズム※6を用いて行うとともに、媒体のデザインを損ねない広告フォーマットとすることで、広告がより自然な形で閲覧されるようにすることができます。

「SPEC」においては、企業のDX支援や新規事業立案や新規サービス企画等のDXコンサルティング業務を行っております。

 

※1.コンバージョン数

Webサイト上で、サイト運営者にとって事業上の成果につながる事象(商品の購入完了、連絡先情報の入力完了など)の発生件数を指します。

※2.トレーディングデスク

主にインターネット上の広告について、キャンペーン設計から運用までを一貫して担う機能を指します。

※3.運用型広告

広告の出稿方法(広告配信の対象ユーザー・クリエイティブ(広告に用いる画像・動画など)や入札金額)が、広告の表示のたびに変動する広告を指します。予算とともに広告の出稿期間や回数が固定される広告(純広告、タイアップ広告など)と対比されます。

※4.ネイティブ広告

デザイン、内容、フォーマットが、媒体社が編集する記事・コンテンツの形式や提供するサービスの機能と同様でそれらと一体化しており、ユーザーの情報利用体験を妨げない広告を指します。(出典:一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(以下「JIAA」といいます。))

 

※5.アドネットワーク

複数の媒体社サイト(ページ)を広告配信対象としてネットワークを組み、広告の受注を請け負うサービスを指します。(出典:JIAA「インターネット広告の基本実務(インターネット広告基礎用語集)2019年度版」)

※6.アルゴリズム

プログラムを作るときに用いる、問題を解決するための手順及び計算方法を指します。

 

(3)その他

上記のほか、当社グループでは将来の企業成長の柱となる事業の立ち上げを目指し、次に挙げるような様々な領域へ参入を行っております。なお、株式会社Datachain、株式会社ThinQ Healthcareの2社によって当該事業を行っております。

 

① Data Platform事業について

 重要なデータに関して、全ての取引履歴について第三者による検証が可能であり、意図しない相手へのデータ流出を防ぎつつ、中央管理者を介さずに当事者間でデータ流通が完結する取引形態を実現することで、ブロックチェーン技術とトークンエコノミーによってデータ流通を革新することを目指す「Datachain」を運営しております。

② WorQ事業について

 複雑な入退社業務の課題を解決することができるバックオフィス特化型タスク管理システム「WorQ」運営を行っております。

 

 

[事業系統図]

当社グループの事業系統図は次のとおりであります。

※画像省略しています。

(注)その他に区分している、株式会社Datachain、株式会社ThinQ Healthcareについては、連結業績に与える影響は僅少であるため、事業系統図への記載を省略しております。

 

 

23/12/21

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当社グループは「解き尽くす。未来を引きよせる。」をミッションとし、創業以来培ってきた、データ分析能力とテクノロジーを活かして、多様な産業領域のデジタルトランスフォーメーションを推進しております。具体的には、デジタル化が進んでこなかった市場において、デジタル化を通じて生活者(消費者)と事業者を最適な形でマッチングすることを目指す不動産DX事業、データの利活用によって企業のマーケティングを高度化することを目指すマーケティングDX事業を運営しております。

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス拡大による社会経済活動の制約が解消され、国内経済は徐々に持ち直しが期待されております。一方、世界的な情勢不安や物価上昇などにより国内外の経済的な見通しは不透明な状況が続いております。当社グループを取り巻く事業環境においては、多くの企業におけるDXを活用した業務改善などが活発化した影響もあり、当社サービスに対するニーズが高まりました。ビジネスにおける営業及びコンサルティング活動のオンライン化が定着したことにより事業機会が拡大しております。

この結果、当連結会計年度における当社グループの経営成績は、売上高13,605,291千円(前年同期比21.1%増)、営業利益810,231千円(前年同期比48.1%減)、経常利益846,962千円(前年同期比46.7%減)、親会社株主に帰属する当期純損失1,042,023千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益1,082,511千円)となりました。

なお、当社グループでは、事業基盤の強化や拡大を積極的に目指していく中、各国の会計基準の差異にとらわれることなく企業比較が可能なEBITDA(税金等調整前当期純利益+支払利息+減価償却費+のれん償却費)を経営指標として重視しており、当連結会計年度のEBITDAは△884,020千円(前年同期はEBITDA 1,663,643千円)となりました。

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。また、セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。

 

(不動産DX事業)

不動産DX事業は、デジタル化が進んでこなかった市場において、デジタル化を通じて生活者(消費者)と事業者を最適な形でマッチングすることを目指しており、「イエウール」「ヌリカエ」「ケアスル 介護」が属しております。

営業活動が堅調であることに加え、自社サービスの拡充及び提携先メディア等とのアライアンスの強化を行った結果、加盟業者数、ユーザ数ともに順調に増加しており、高い売上成長率を実現しました。また今後の持続的な成長のため、各領域における新規事業(サービス)の展開へ向けて、ソフトウエア開発等に関する投資を強化しております。

この結果、売上高は9,410,533千円(前年同期比37.3%増)、セグメント利益は1,134,351千円(前年同期比33.3%増)となりました。

 

(マーケティングDX事業)

マーケティングDX事業は、顧客企業のデータ資産を利活用し、マーケティング活動を高度化することを目指しており、「コンサルティングサービス」「広告運用」の2形態からなるサービスを提供しております。「コンサルティングサービス」においては、顧客企業におけるデジタルマーケティングの強化及びデータ活用意欲の高まりにより、案件獲得が堅調に推移しました。「広告運用」においては、顧客企業のデジタルマーケティング予算の増加はあったものの、社会環境の変化に伴う広告市況感の悪化を受けております。

この結果、売上高は4,117,866千円(前年同期比4.7%減)、セグメント利益は2,060,936千円(前年同期比20.7%減)となりました。

 

(その他)

その他には、「Data Platform事業」「WorQ事業」が属しており、サービス拡販に向けて取り組む一方、引き続きサービス開発に注力しました。「Data Platform事業」においては、複数の異なるブロックチェーン間のインターオペラビリティ(相互運用性)の実証実験を重ね、クロスチェーンブリッジの課題解決に向け研究開発を進めてまいりました。

この結果、売上高は76,890千円(前年同期比17.7%増)、セグメント損失は315,876千円(前期は206,067千円のセグメント損失)となりました。

②財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は9,658,102千円となり、前連結会計年度末に比べ1,506,238千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が968,705千円、受取手形及び売掛金が510,437千円増加したことによるものであります。固定資産は1,637,637千円となり、前連結会計年度末に比べ866,463千円増加いたしました。これは主に、敷金が423,147千円、繰延税金資産が193,810千円、建物附属設備が237,314千円増加したことによるものであります。

 この結果、総資産は、11,295,740千円となり、前連結会計年度末に比べ2,372,701千円増加いたしました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は4,919,741千円となり、前連結会計年度末に比べ2,375,497千円増加いたしました。これは主に、未払金が1,458,252千円、信託型ストックオプション関連損失引当金が682,540円増加したことによるものであります。固定負債は1,331,757千円となり、前連結会計年度末に比べ893,347千円増加いたしました。これは、長期借入金が499,951千円、長期未払費用が162,331千円、長期預り金が116,374千円、資産除去債務が106,060千円増加したことによるものであります。

 この結果、負債合計は、6,251,499千円となり、前連結会計年度末に比べ3,268,844千円増加いたしました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は5,044,241千円となり、前連結会計年度末に比べ896,142千円減少いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が1,042,023千円減少したことによるものであります。

 この結果、自己資本比率は44.6%(前連結会計年度末は66.6%)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は6,643,260千円となり、前連結会計年度末に比べ968,705千円増加いたしました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は、477,734千円(前年同期は1,042,867千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失1,000,747千円の計上、信託型ストックオプション関連損失の増加1,847,710千円、法人税等の支払額637,748千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、565,199千円(前年同期は100,075千円の使用)となりました。これは主に、敷金及び保証金の差入による支出423,147千円、有形固定資産の取得による支出257,325千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は、1,056,170千円(前年同期は30,841千円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入1,800,000千円、長期借入金の返済による支出812,083千円によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績及び受注実績

 当社グループはインターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、また、受注生産形態をとらない事業も多いため、生産実績及び受注実績の記載を省略しております。

 

b.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自2022年10月1日

至2023年9月30日)

前年同期比(%)

不動産DX事業(千円)

9,410,533

37.3

マーケティングDX事業(千円)

4,117,866

△4.7

その他(千円)

76,890

17.7

合計(千円)

13,605,291

21.1

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上を占める相手先がいないため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 また、連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。

 

②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.売上高

 当連結会計年度における売上高は、13,605,291千円(前年同期比21.1%増)となりました。これは不動産DX事業で加盟社数及び利用者数の増加に伴い売上高が伸長したことによるものであります。

b.売上原価

 当連結会計年度における売上原価は、2,143,348千円(前年同期比23.4%増)となりました。これは主に社員数増加に伴う人件費及びサービス開発に関連するエンジニアの業務委託費の増加によるものであります。

c.販売費及び一般管理費、営業利益

 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、10,651,711千円(前年同期比34.1%増)となりました。これは主に人件費及び広告宣伝費の増加によるものであり、この結果、営業利益は810,231千円(前年同期比48.1%減)となりました。

d.営業外収益、営業外費用、経常利益

 当連結会計年度における営業外収益は66,715千円となりました。これは主に受取手数料によるものであります。一方で、営業外費用は29,984千円となりました。これは主に投資有価証券評価損、支払利息によるものであります。この結果、経常利益は846,962千円(前年同期比46.7%減)となりました。

e.特別損益、親会社株主に帰属する当期純損失

 当連結会計年度における特別損失は1,847,710千円となりました。これは信託型ストックオプション関連損失によるものであります。当連結会計年度において、税金等調整前当期純損失は△1,000,747千円(前連結会計年度は税金等調整前当期純利益1,589,451千円)となりました。法人税等合計41,276千円の計上により、親会社株主に帰属する当期純損失は△1,042,023千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益1,082,511千円)となりました。

 

③キャッシュ・フローの分析

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

④資本の財源及び資金の流動性について

当社グループは、中長期的に持続的な成長を図るため、従業員等の採用にかかる費用、人件費及び広告宣伝費等の販売費及び一般管理費等の営業費用への資金需要があります。

当社グループの運転資金及び設備資金等の財源については、自己資金及び金融機関からの借入により賄っております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、6,643,260千円であり、充分な流動性を確保しております。

 

⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

具体的な指標として、売上高成長率、営業利益率を高い水準で確保していくことを目標としております。

当連結会計年度を含む、直近2連結会計年度の指標の推移は以下のとおりであります。

(単位:%)

 

2022年9月期

2023年9月期

売上高成長率

21.1

営業利益率

13.9

6.0

(注)2022年9月期の期首より収益認識会計基準等を適用しております。このため、2022年9月期の売上高成長率については記載しておりません。

 

⑥経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの将来の財政状態及び経営成績に重要な影響を与えるリスク要因については、「3 事業等のリスク」に記載しております。

 

⑦経営者の問題認識と今後の方針について

 経営者の問題認識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。