E00935 Japan GAAP
前期
760.3億 円
前期比
96.0%
株価
3,407 (04/26)
発行済株式数
45,939,730
EPS(実績)
118.42 円
PER(実績)
28.77 倍
前期
798.4万 円
前期比
102.1%
平均年齢(勤続年数)
41.8歳(18.0年)
従業員数
1,117人(連結:1,130人)
当社及び連結子会社(以下、「当社グループ」という。)は、当社と連結子会社2社で構成されており、薬業及び不動産事業を事業として取り組んでおります。
当社グループの事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。
なお、次の2事業は、連結財務諸表「注記事項(セグメント情報等)」と同一の区分であります。
事業の系統図は次のとおりであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当社グループの当連結会計年度の業績は、減収減益となりました。
売上高は72,984百万円(対前年同期比4.0%減)となり、その減収の主たる要因としては、薬価改定や競合品の影響があげられます。
利益面では、売上高の減少及び販売費及び一般管理費の増加等により、営業利益は7,998百万円(対前年同期比53.1%減)、経常利益は8,727百万円(対前年同期比50.3%減)となりました。販売費及び一般管理費が増加した主たる要因は、研究開発費が対前年同期比87.5%増加し、15,789百万円となったためであります。親会社株主に帰属する当期純利益は当社の連結子会社でありますアーサム㈱の開発品である水疱性類天疱瘡治療剤「ART-648」に関する減損損失計上による特別損失が発生したことにより、5,440百万円(対前年同期比43.0%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
薬業
医薬品・医療機器につきましては、原発性腋窩多汗症治療剤「エクロック」の売上が増加したものの、関節機能改善剤「アルツ」、癒着防止吸収性バリア「セプラフィルム」等の売上減少により減収となりました。その背景としましては、薬価改定や競合品の影響等があげられます。
農業薬品につきましては増収となりました。
この結果、売上高は70,562百万円(対前年同期比4.2%減)、セグメント利益(営業利益)は6,707百万円(対前年同期比57.3%減)となりました。
なお、海外売上高は7,232百万円(対前年同期比4.0%増)となりました。
不動産事業
不動産事業の主たる収入は文京グリーンコート関連の賃貸料であります。売上高は2,422百万円(対前年同期比0.5%増)、セグメント利益(営業利益)は1,290百万円(対前年同期比4.6%減)となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前期末比1,147百万円増加し、166,328百万円となりました。これは主に、繰延税金資産の増加によるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は、前期末比2,636百万円増加し、29,491百万円となりました。これは主に、未払金の増加によるものであります。
正味運転資本(流動資産から流動負債を控除した金額)は、89,064百万円であり、流動比率は527.4%で財務の健全性は保たれております。
当連結会計年度末の純資産合計は、前期末比1,489百万円減少し、136,836百万円となりました。これは主に、自己株式の増加によるものであります。
自己資本比率は、81.9%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ364百万円減少し、74,260百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比ベ4,083百万円収入が減少し、9,253百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ5,261百万円支出が減少し、2,627百万円の支出となりました。これは主に、連結子会社株式の取得による支出が当連結会計年度は発生しなかったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ1,139百万円支出が減少し、6,990百万円の支出となりました。これは主に、自己株式の取得額の減少によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、仕入価格によっております。
当社グループは、主として販売計画に基づく生産計画によって生産を行っており、受注生産は行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりであります。
a. 経営成績の状況
2022年を起点とする10か年の経営計画において、当社グループは「画期的新薬の迅速な創出・提供により健康寿命延伸に貢献し続ける企業」、「皮膚科、整形外科領域を中心にグローバルに展開する創薬企業」というビジョンを掲げ、その実現に向けた戦略として、研究開発、海外展開、経営基盤に関する3つのTransformationに取り組んでおります。
当連結会計年度は、希少疾病用医薬品に指定されております壊死組織除去剤「ネキソブリッド外用ゲル5g」の製造販売承認を取得いたしました。また、開発パイプラインの充実に向けて、スプルース・バイオサイエンシズ社の先天性副腎過形成症治療剤「チルダセルフォント」とシーマベイ・セラピューティクス社の原発性胆汁性胆管炎治療剤「セラデルパー」についての日本における独占的な開発及び販売に関する権利を取得いたしました。
当社グループは、長期経営計画2031の研究開発戦略において、新規診療領域への展開を基本方針の一つとして掲げ、将来のアンメットメディカルニーズに応える医薬品の提供をめざしております。両社との提携を通じて、希少疾病治療に対する取り組みをさらに強化し、健康寿命延伸に貢献するために新たな治療選択肢を患者さんへいち早くお届けできるよう取り組んでまいります。
その他の開発パイプラインとしましては、連結子会社のアーサム㈱から当社が開発を引継いだ難治性脈管奇形治療剤「KP-001(従来の開発コード:ART-001)」がフェーズⅢ段階にステージアップいたしました。また、末梢性神経障害性疼痛治療剤「KP-910」がフェーズⅠ段階に新たにステージアップいたしました。さらに、新規創薬ターゲットの創出から治験申請までの複数の創薬プロジェクトを最速で臨床ステージまで推進させることを目的に、Axcelead Drug Discovery Partners㈱との協業を開始いたしました。海外展開としましては、主力品でありますクレナフィンにつきまして、欧州の導出先であるアルミラル社がドイツ連邦医薬品医療機器庁及びイタリア医薬品庁に販売承認申請を提出いたしました。その他、生産性の向上をめざし、営業基盤の強化、人材育成・人材教育の促進、組織のスリム化・人員配置の適正化等に取り組みました。
b.経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高72,984百万円(対前年同期比4.0%減)、営業利益7,998百万円(対前年同期比53.1%減)、経常利益8,727百万円(対前年同期比50.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益5,440百万円(対前年同期比43.0%減)となりました。
主要科目の状況は、次のとおりであります。
(売上高)
薬業
医薬品・医療機器につきましては、原発性腋窩多汗症治療剤「エクロック」の売上が増加したものの、関節機能改善剤「アルツ」、癒着防止吸収性バリア「セプラフィルム」等の売上減少により減収となりました。
農業薬品につきましては増収となりました。
この結果、売上高は70,562百万円(対前年同期比4.2%減)となりました。
なお、海外売上高は7,232百万円(対前年同期比4.0%増)となりました。
不動産事業
不動産事業の主たる収入は文京グリーンコート関連の賃貸料であります。売上高は2,422百万円(対前年同期比0.5%増)となりました。
(売上原価)
当社グループの売上原価は、主に工場の製造原価、仕入商品原価、不動産事業の役務収益原価から構成されます。売上原価は33,428百万円であり、売上高に対する売上原価の比率は、前連結会計年度45.3%、当連結会計年度45.8%と増加いたしました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費につきましては、主に人件費、研究開発費、営業活動費用であり、当連結会計年度は31,556百万円と前連結会計年度比28.7%増加いたしました。主たる要因は、研究開発費が前連結会計年度比87.5%増加し、15,789百万円となったためであります。
c.財政状態の分析
財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は、74,260百万円であり、事業運営上適切な水準であるとともに、経済環境の急激な変化にも一定程度耐えうる流動性を確保できていると考えております。
当社グループの主要な資金需要は、開発パイプライン拡充のための研究開発費用及び導入費用、当社製品製造のための原材料購入費用及び製造費用、商品仕入費用、研究・生産・営業効率を向上させるための設備投資費用であります。持続的な成長のための資金需要には、財務健全性を考慮したうえで積極的に対応していく方針であります。これら資金需要への対応は、営業キャッシュ・フローにより積み上げられた自己資金によることを基本としておりますが、追加的に資金が必要な場合は、金融機関からの借入等をはじめとした資金調達手段を実施できる体制も整えております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、連結財務諸表「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。