売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E00961 Japan GAAP

売上高

432.7億 円

前期

430.0億 円

前期比

100.6%

時価総額

774.8億 円

株価

1,935 (04/19)

発行済株式数

40,041,438

EPS(実績)

143.25 円

PER(実績)

13.51 倍

平均給与

769.0万 円

前期

764.3万 円

前期比

100.6%

平均年齢(勤続年数)

42.0歳(16.0年)

従業員数

708人(連結:754人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社(栄研化学㈱)と連結子会社1社(栄研生物科技(中国)有限公司)により構成されており、検査薬の製造販売を主な事業として営んでおります。

なお、連結子会社の栄研生物科技(中国)有限公司は、当社検査薬の受託生産及び検査薬の仕入製造販売を主な事業として営んでおります。

以上のことを事業の系統図として示すと次のとおりであります。

 

[事業系統図]

 

※画像省略しています。

 

23/06/28

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ。)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、経済活動の制限緩和が継続し、持ち直しの動きがみられましたが、新型コロナウイルス感染流行の波(第6波から第8波)の繰り返し、収束に伴う消費拡大、物価上昇等先行き不透明な状況が続きました。海外経済は、ロシアのウクライナ侵攻に端を発する資源価格高騰やインフレ抑制策としての利上げと円安の進行により、不安定な状況のまま推移しました。

臨床検査薬業界においては医療費抑制策とコロナ禍における資源、物流及び原材料調達などのコスト上昇により経営環境は一層厳しさを増し、各企業はさらにコスト競争力と積極的な海外展開を求められる状況となっております。

このような経営環境の下、当社グループは経営構想「EIKEN ROAD MAP 2030」に基づき策定された中期経営計画に沿って、「がんの予防・治療への貢献」、「感染症撲滅・感染制御への貢献」、「ヘルスケアに役立つ製品・サービスの提供」の3つの注力事業分野を中心に重点施策を展開し、グループ全体で持続的な成長と着実な収益性の向上に努めております。

また、世界の人々の健康を守る企業として「医療」の課題、そして「環境」・「社会」・「ガバナンス」の課題にも積極的に取り組み、社会課題の解決を通じて、さらなる企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目指しております。

当連結会計年度の売上高は、第4四半期における新型コロナウイルス新規感染者数の急減によりLAMP法を用いた新型コロナウイルス遺伝子検査試薬の売上が減少しましたが、各種検診・スクリーニングプログラムの再開や外来患者数の回復傾向が続いたことから尿検査用試薬及び免疫血清検査用試薬が伸び、43,271百万円(前期比0.6%増)となりました。
 製品の種類別区分ごとの売上高では、微生物検査用試薬は、新型コロナウイルス感染症以外の検査が回復傾向にあり、3,938百万円(同0.3%増)となりました。尿検査用試薬は、海外向け尿試験紙の売上が大きく伸長し、4,143百万円(同9.5%増)となりました。免疫血清検査用試薬は、国内で便潜血検査用試薬及び東ソー株式会社から導入・販売しているAIA関連試薬の販売が増加したものの海外向け便潜血検査用試薬の売上が減少し、20,717百万円(同0.6%増)となりました。生化学検査用試薬は590百万円(同1.4%減)、器具・食品環境関連培地は2,165百万円(同3.9%減)となりました。その他(医療機器・遺伝子関連等)につきましては、新型コロナウイルス検出試薬の減少によって11,716百万円(同1.1%減)となりました。
 海外向け売上高は、尿検査用試薬が増加した一方で、便潜血検査用試薬の売上がスクリーニングプログラム再開に備えた在庫増とその後の在庫調整により、8,797百万円(同0.8%減)となりました。
  利益面では、営業利益は7,457百万円(同11.1%減)、経常利益は7,568百万円(同11.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,736百万円(同7.8%減)となりました。

 

当連結会計年度末の財政状態は以下のとおりであります。

前連結会計年度末に比べ総資産は3,763百万円増加、負債は31百万円増加、純資産は3,731百万円増加いたしました。

増減の主なものとして、資産の部では、現金及び預金が2,195百万円増加、受取手形、売掛金及び契約資産が834百万円減少、新研究棟建設等により有形固定資産が1,926百万円増加しております。負債の部では、支払手形及び買掛金が189百万円増加、未払法人税等が477百万円減少、流動負債その他が238百万円増加しております。純資産の部では、配当金の支払があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が3,703百万円増加しました。自己資本比率は前連結会計年度末の72.8%から74.2%となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5,164百万円増加し、当連結会計年度末には16,064百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金は、7,575百万円の収入(前連結会計年度は7,769百万円の収入)となりました。これは主に、売上債権の減少により835百万円の収入、棚卸資産の増加により180百万円の支出、仕入債務の増加により161百万円の収入及び、税金等調整前当期純利益が7,592百万円あったことによります。

なお、減価償却費は2,125百万円発生しております。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金は、316百万円の支出(前連結会計年度は5,044百万円の支出)となりました。これは主に、新研究棟建設等の設備投資による有形固定資産の取得による支出が3,206百万円、投資有価証券の償還による収入が3,000百万円、定期預金の預入による支出が5,253百万円及び、定期預金の払戻による収入が5,224百万円あったことによります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金は、2,095百万円の支出(前連結会計年度は1,200百万円の収入)となりました。これは主に、配当金の支払が2,033百万円あったことによります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループは、検査薬事業のみの単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の実績については製品の種類別区分ごとに記載しております。

(ア)生産実績

当連結会計年度における生産実績を製品の種類別区分ごとに示すと、次のとおりであります。

 

製品の種類別区分の名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前期比(%)

微生物検査用試薬(百万円)

3,575

95.1

尿検査用試薬(百万円)

4,299

108.9

免疫血清検査用試薬(百万円)

7,738

98.5

器具・食品環境関連培地(百万円)

130

50.1

その他(百万円)

6,210

102.5

合計(百万円)

21,953

100.3

 

(注) 金額は、売価換算値で表示しております。

 

 

(イ)商品仕入実績

当連結会計年度における商品仕入実績を製品の種類別区分ごとに示すと、次のとおりであります。

 

製品の種類別区分の名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前期比(%)

微生物検査用試薬(百万円)

359

139.1

尿検査用試薬(百万円)

21

123.9

免疫血清検査用試薬(百万円)

9,079

98.1

生化学検査用試薬(百万円)

335

90.9

器具・食品環境関連培地(百万円)

1,844

111.1

その他(百万円)

3,251

95.4

合計(百万円)

14,892

99.5

 

 

(ウ)受注実績

当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(エ)販売実績

当連結会計年度における販売実績を製品の種類別区分ごとに示すと、次のとおりであります。

 

製品の種類別区分の名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前期比(%)

微生物検査用試薬(百万円)

3,938

100.3

尿検査用試薬(百万円)

4,143

109.5

免疫血清検査用試薬(百万円)

20,717

100.6

生化学検査用試薬(百万円)

590

98.6

器具・食品環境関連培地(百万円)

2,165

96.1

その他(百万円)

11,716

98.9

合計(百万円)

43,271

100.6

 

(注)  最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりで

    あります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱スズケン

5,251

12.2

5,475

12.7

アルフレッサ㈱

5,491

12.8

5,254

12.1

東邦薬品㈱

4,447

10.3

4,615

10.7

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、将来のリスク、不確実性及び仮定を伴う予測情報を含んでおります。「3 事業等のリスク」などに記載された事項及びその他の要因により、当社グループの実際の業績は、これらの予測情報から予測された内容とは大幅に異なる可能性があります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。経営陣は、貸倒債権、退職金、投資、偶発事象や訴訟等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社は、特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

(ア)貸倒引当金

当社グループは、顧客の支払不能時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。

(イ)退職給付費用

当社においては従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、将来の給与水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の収益率などが含まれます。当社の年金制度においては、割引率は日本の国債の市場利回りを参考値として、在籍従業員の平均残存勤務期間内の一定の年数で算出しております。期待収益率は、年金資産が投資されている資産の種類毎の期待収益率の加重平均に基づいて計算しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。また、割引率の低下及び年金資産運用での損失は、当社グループの退職給付費用に対して悪影響を及ぼす可能性があります。

(ウ)投資の減損

当社グループは、取引関係維持のために、特定の顧客の株式を保有しております。これらの株式には価格変動性が高い公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式が含まれます。また、関係会社に対して出資を行っております。当社グループは投資価値が著しく下落し、回復の見込みがないと判断した場合、投資の減損を計上しております。将来の市況悪化または投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。

(エ)棚卸資産の評価

「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り) 」に記載のとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。

当連結会計年度の売上高は、第4四半期における新型コロナウイルス新規感染者数の急減によりLAMP法を用いた新型コロナウイルス遺伝子検査試薬の売上が減少しましたが、各種検診・スクリーニングプログラムの再開や外来患者数の回復傾向が続いたことから尿検査用試薬及び免疫血清検査用試薬が伸び、43,271百万円(前期比0.6%増)となりました。
 売上原価は22,765百万円、売上原価率は52.6%となり、前連結会計年度に比べ0.4ポイント上昇いたしました。
 売上総利益は前連結会計年度に比べ65百万円減少し、20,506百万円となりました。販売費及び一般管理費については前連結会計年度に比べ864百万円増加し、13,049百万円となりました。
 営業利益は前連結会計年度に比べ930百万円減少し、7,457百万円となりました。売上高営業利益率は17.2%となり前連結会計年度に比べ2.3ポイント低下いたしました。
 営業外収益は154百万円を計上し、前連結会計年度に比べ9百万円減少いたしました。
 営業外費用は42百万円を計上し、前連結会計年度に比べ0百万円減少いたしました。
 経常利益は営業外損益で111百万円を計上し、7,568百万円となり、前連結会計年度に比べ940百万円減少いたしました。経常利益率は前連結会計年度に比べ2.3ポイント低下し、17.5%となりました。
 特別利益は81百万円を計上し、前連結会計年度に比べ79百万円増加いたしました。特別損失は57百万円を計上し、前連結会計年度に比べ30百万円増加いたしました。
 税金等調整前当期純利益は特別損益で23百万円の純利益を計上し、7,592百万円となりました。税金等調整前当期純利益に対する法人税、住民税及び事業税の負担率は前連結会計年度26.7%に対して当連結会計年度が24.4%となり、2.2ポイント低下いたしました。
 親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ482百万円減少し、5,736百万円となり、当期純利益率としては1.2ポイント低下13.3%となりました。
 当社グループは、経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、2023年3月期の第2四半期までの好調な業績を受けて、当初の目標を上方修正し、2023年3月期に売上高43,600百万円、営業利益7,470百万円、ROE12.3%の達成を目指しておりましたが、売上高43,271百万円営業利益7,457百万円、ROE12.1%となり、目標値に対して、若干の未達となりました。

 

指標

2022年3月

2023年3月

目標

実績

目標

実績

連結売上高(百万円)

40,400

42,996

43,600

43,271

連結営業利益(百万円)

6,370

8,387

7,470

7,457

ROE(%)

11.5

14.3

12.3

12.1

 

 

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については以下のとおりであります。

(ア)キャッシュ・フロー

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

(イ)財務政策

当社グループの財務政策における基本方針は、資本効率の向上による財務体質の強化であり、継続的に実行しております。
 資金の調達及び運用については、当社グループとして一体となり実行しており当社の信用力を最大限に活用しております。運転資金及び設備投資については、基本的に手持資金(利益等の内部留保資金)にて調達しております。なお、運転資金の効率的な調達を行うため金融機関との間で、総額5,400百万円の当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております。余剰資金の運用については、安全性・流動性の高い金融商品にて実行しております。当社グループの高いキャッシュポジションに対して、今後の効率的・戦略的な資金運用を検討しております。
 当社グループは、その健全な財務状態、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力、売掛債権信託(債権流動化)及び貸出コミットメント契約により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能と考えておりますが、設備投資等の長期資金需要に関しては金融機関からの長期借入、社債またはその組み合わせによる調達方法も実施しております。
 また、当社グループは株主の皆様に対する利益還元を経営の最重要課題のひとつと位置づけたうえで、財務体質の強化と積極的な事業展開に必要な内部留保の充実を勘案し安定した配当政策を実施すること、また、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。具体的には、上記方針を踏まえ連結配当性向30%以上の配当を目標といたします。