E05042 Japan GAAP
前期
56.6億 円
前期比
102.1%
株価
692 (04/19)
発行済株式数
7,763,040
EPS(実績)
64.29 円
PER(実績)
10.76 倍
前期
395.0万 円
前期比
107.4%
平均年齢(勤続年数)
33.8歳(9.3年)
従業員数
550人(連結:632人)
当社グループは、当社及び連結子会社3社並びに関連会社1社により構成されております。
事業としては、主にゲームソフトやモバイルコンテンツに関する企画・開発・運営などの受託を行っております。
当社グループにおける各報告セグメントの主要な事業の内容等は、以下のとおりです。
以上の企業集団等について事業系統図は以下のとおりです。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におきましては、資源価格の高騰などによる物価上昇が続いているものの、国内の各企業では業況の改善が見られるところも多く、インバウンドの急回復等を背景に雇用状況も改善しており、国内の景気は緩やかに回復してきました。一方で世界的な金融引き締めや、中国経済の先行き懸念、長引くウクライナ情勢など、リスクには引き続き十分な警戒が必要です。
当社グループが属するゲーム業界では、外出機会が増えたことにより特に国内のスマートフォンゲーム市場において、一部失速が見られました。他方、世界ではスーパーマリオの映画が大ヒットし日本のIPの存在感が改めて示され、日本の多くの企業においてIP戦略が強化される流れにあります。また、ChatGPTをはじめとする生成系AIへの注目が高まり、ゲーム開発での活用の検討が加速しました。
そのような状況のもと、当社グループの当連結会計年度の業績につきましては、デジタルエンタテインメント事業のゲームソフト関連において多数のご商談を受け、その検討や体制の調整を続けながら、大型の開発案件を中心に複数の開発を進めたことで、売上高は57億83百万円(前連結会計年度比2.1%増)となりました。
利益面につきましては、増収に伴う増益に加え、前連結会計年度に開発トラブルを起こした開発チームの体制の改善などにより、開発業務の採算が向上しました。一方で、急激な物価上昇に配慮した一時金の支給や、4月からの賃金のベースアップなどの人財投資、さらに業務システムへの投資等を積極的に実施したため、前連結会計年度よりも営業コストは膨らみました。また、前連結会計年度中に着手し開発が本格化していた案件の中止や、受注を想定していた案件の見直し等を受けて、案件の切り替えや立ち上げに想定以上の時間を要したため、一時期稼働の低下が発生しました。結果としては、開発業務の採算改善効果が、コストアップや稼働低下によるロスを上回り、営業利益は4億88百万円(前連結会計年度比4.0%増)、経常利益は5億31百万円(前連結会計年度比5.0%増)となりました。加えて、投資有価証券の売却益が1億47百万円発生したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は4億99百万円(前連結会計年度比61.0%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。文中の各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおりません。
イ.デジタルエンタテインメント事業
ゲームソフト関連については、2023年12月1日に顧客より発売が予定されております「ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅」の開発や、VRゲーム機向けのソフト開発など、複数の大型開発案件を進めました。他にも、開発品質が高く評価されたことで対価が増額され、収益及び利益の増加に大きく貢献するケースも発生しました。一方で、開発が本格化していた海外顧客向けの大型案件が期中に中止となり、次の案件への切り替えに想定以上に時間を要したため、下期以降、一時的に一部の職種の稼働が低下する事態となりましたが、上期での増収が寄与し、売上高は35億78百万円(前連結会計年度比7.1%増)となりました。
モバイルコンテンツ関連のうち、継続して取り組んでおります運営業務は、有名IPとコラボした商材や新規商材を投入したり、周年イベントを開催したりするなど、戦略的な運営により堅調に推移しました。国内のスマートフォンゲーム市場は競争が激しく、新規コンテンツを投入して成功させることが非常に難しい状況が継続していますが、既存のゲームユーザーとは異なる層を対象とするような新規性のある企画などで、新規コンテンツの開発案件も複数進行しました。しかしながら、前連結会計年度中に中止となった開発案件の規模が大きく、その反動減をカバーするには及ばなかったことから、売上高は18億41百万円(前連結会計年度比5.3%減)となりました。
この結果、デジタルエンタテインメント事業の売上高は54億19百万円(前連結会計年度比2.3%増)、営業利益4億23百万円(前連結会計年度比9.3%増)となりました。
ロ.その他事業
家庭用カラオケ楽曲配信事業は、コロナ禍の巣ごもり需要で前連結会計年度まで大きく売上を伸ばしてきましたが、当連結会計年度には外出機会が増加したことなどから前連結会計年度比微減となりました。前連結会計年度比減少ではあるものの、Nintendo Switch本体のシェアの伸長や、“家庭でカラオケを楽しむ”ことの定着により、コロナ禍前に比べると、売上高は高い水準です。SI事業では、前連結会計年度に社内の業務システムの開発に割いていたリソースを戻し、社外からの案件に振り向けておりましたが、当初想定していた案件の受注が一部遅れたことが影響し、売上高は前連結会計年度を下回りました。この結果、その他事業の売上高は3億63百万円(前連結会計年度比0.5%減)、営業利益64百万円(前連結会計年度比21.2%減)となりました。
また、当連結会計年度における財政状態の概況は次のとおりです。
総資産残高は、前連結会計年度末と比較して3億41百万円増加し、76億25百万円となりました。資産の部におきましては、売掛金及び契約資産、仕掛品などが減少したものの、現金及び預金、有価証券などが増加したことにより、流動資産が1億44百万円増加しました。また、投資有価証券の増加などにより、固定資産が1億96百万円増加しました。
負債につきましては、その他に含まれる未払消費税が増加した一方で、買掛金や未払法人税等などが減少したことにより、前連結会計年度末と比較して13百万円減少し、10億65百万円となりました。
純資産につきましては、配当金の支払いに伴う減少があったものの、当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことなどにより、前連結会計年度末と比較して3億54百万円増加し、65億60百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して9億11百万円増加し、25億54百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
営業活動により得られた資金は、11億77百万円(前連結会計年度は6億84百万円の資金獲得)となりました。これは主に、法人税等の支払額2億50百万円、仕入債務の減少額1億10百万円などの減少要因があった一方で、税金等調整前当期純利益7億10百万円、売上債権の減少額7億27百万円、減価償却費97百万円などの資金の増加要因があったことによるものです。
投資活動により使用した資金は、70百万円(前連結会計年度は2億円の資金獲得)となりました。これは主に、投資有価証券の償還による収入3億円、投資有価証券の売却による収入1億47百万円、定期預金払戻しによる収入83百万円などの収入があった一方で、投資有価証券の取得による支出5億円、有形固定資産の取得による支出67百万円などがあったことによるものです。
財務活動の結果使用した資金は、1億89百万円(前連結会計年度は1億88百万円の資金使用)となりました。これは、配当金の支払額1億89百万円があったことによるものです。
③ 開発、受注及び販売の状況
当連結会計年度における開発実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
3 上記金額には、運営業務に係る売上高が含まれております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりです。
3 株式会社Thirdverseは前連結会計年度においては相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
4 株式会社タカラトミーは当連結会計年度においては相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当社グループは、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益及びROE(自己資本利益率)を重要な経営指標と位置づけております。当連結会計年度の目標値は、経常利益6億円、親会社株主に帰属する当期純利益3億52百万円、中長期的なROEの目標値を8.0%としております。それに対し、当連結会計年度の業績は、経常利益5億31百万円、親会社株主に帰属する当期純利益4億99百万円、ROE7.9%となりました。親会社株主に帰属する当期純利益及びROEが大きく改善した要因としては、特別利益である投資有価証券売却益1億47百万円があります。本業力においても経営指標の目標達成への貢献度を高めていけるよう、引き続き事業活動を推進してまいります。
当連結会計年度の売上高は、デジタルエンタテインメント事業のゲームソフト関連において多数のご商談を受け、その検討や体制の調整を続けながら、大型の開発案件を中心に複数の開発を進めたことで、57億83百万円(前連結会計年度比2.1%増)となりました。営業利益については、増収に伴う増益に加え、前連結会計年度に開発トラブルを起こした開発チームの体制の改善などにより、開発業務の採算が向上しました。一方で、急激な物価上昇に配慮した一時金の支給や、4月からの賃金のベースアップなどの人財投資、さらに業務システムへの投資等を積極的に実施したため、前連結会計年度よりも営業コストは膨らみました。また、前連結会計年度中に着手し開発が本格化していた案件の中止や、受注を想定していた案件の見直し等を受けて、案件の切り替えや立ち上げに想定以上の時間を要したため、一時期稼働の低下が発生しました。結果としては、開発業務の採算改善効果が、コストアップや稼働低下によるロスを上回り、営業利益は4億88百万円(前連結会計年度比4.0%増)となりました。
なお、セグメントの業績の概要につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
当連結会計年度の営業外損益は、42百万円の利益(前連結会計年度比17.9%増)となりました。これは、不動産賃貸費用39百万円などにより営業外費用が44百万円あったのに対し、不動産賃貸料44百万円、為替差益17百万円などにより営業外収益が87百万円あったことによるものです。
この結果、経常利益は、5億31百万円(前連結会計年度比5.0%増)となりました。
当連結会計年度の特別損益は、1億78百万円の利益(前連結会計年度は7百万円の利益)となりました。これは、過去に事業上取得した投資有価証券(非上場株式)を売却し、投資有価証券売却益1億47百万円を計上したことなどによるものです。
この結果、税金等調整前当期純利益は、7億10百万円(前連結会計年度比38.2%増)となりました。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は4億99百万円(前連結会計年度比61.0%増)となりました。これは、税金等調整前当期純利益が増加したことによるものです。
「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、当該事業リスクが発生した場合、経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループにおける資金需要の主なものは、製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用による運転資金及び設備投資資金であり、デジタルコンテンツの企画・開発・運営などの営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とした自己資金により賄っております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、資産の評価や引当金の計上など一部に将来の合理的な見積りが求められているものもあります。これらの見積りは当社グループにおける過去の実績・現状・将来計画を考慮し、合理的と考えられる事項に基づき判断しておりますが、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
経営者の問題認識と今後の方針については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。