売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

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最終更新:

E05107 Japan GAAP

売上高

170.7億 円

前期

148.6億 円

前期比

114.8%

時価総額

375.3億 円

株価

2,388 (01/09)

発行済株式数

15,714,400

EPS(実績)

115.46 円

PER(実績)

20.68 倍

平均給与

771.9万 円

前期

836.6万 円

前期比

92.3%

平均年齢(勤続年数)

37.7歳(6.8年)

従業員数

812人(連結:931人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は当社(株式会社エフアンドエム)、子会社1社により構成されております。

 当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。

 なお、次の5部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

アカウンティングサービス事業………個人事業主及び小規模企業に対する経理代行を中心とした会計サービス

コンサルティング事業…………………中堅・中小企業の総務経理部門に対する各種情報提供サービス

ISO及びプライバシーマークの認証取得支援

補助金受給申請支援

ビジネスソリューション事業…………認定支援機関である税理士・公認会計士事務所の対応力向上を支援する「経営革新等支援機関推進協議会」の運営

アラカルト型人事労務クラウドソフト「オフィスステーション」シリーズの販売

不動産賃貸事業…………………………当社が所有するオフィスビルの賃貸

システム開発事業………………………連結子会社エフアンドエムネット株式会社のシステム開発事業等

その他……………………………………パソコン教室の本部運営及びFC指導事業等

 

[事業系統図]

※画像省略しています。

 

 

25/06/25

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、賃金、雇用情勢の改善が続くなど個人消費を取り巻く環境は一定の前進を見せました。しかしながら、物価高の影響が長引き、消費支出の低迷が懸念される状況が続きました。また、輸出の低迷や海外経済の減速が国内製造業に影響を及ぼし、中小企業庁の「中小企業景況調査」によると業況判断DIは3期連続で低下するなど、特に中小企業の経営環境は依然厳しい状態にあります。

 このような経済状況のもと、当社グループは、収益の安定化と持続的成長を目指し、主要事業の会員数の増加及びサービス内容の拡充と業務の効率化に取り組んでまいりました。

 

(財政状態)

(ⅰ)資産

当連結会計年度末における流動資産は72億69百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億73百万円増加しました。これは主に現金及び預金が6億12百万円、売掛金及び契約資産が1億21百万円増加したことなどによるものです。

固定資産は100億36百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億29百万円増加しました。これは主にソフトウエアが11億23百万円、投資有価証券が90百万円増加したことなどよるものです。

この結果、総資産は173億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ21億2百万円増加しました。

(ⅱ)負債

当連結会計年度末における流動負債は39億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億93百万円増加しました。これは主に未払法人税等が3億15百万円、その他(流動負債)が1億79百万円増加したことなどによるものです。

固定負債は1億59百万円となり、前連結会計年度末に比べ14百万円増加しました。これは主に退職給付に係る負債が15百万円増加したことなどによるものです。

この結果、負債合計は40億92百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億7百万円増加しました。

(ⅲ)純資産

当連結会計年度末における純資産合計は132億13百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億95百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益18億14百万円、自己株式処分差益2億99百万円が計上された一方、剰余金の配当5億73百万円が計上されたことなどによるものです。

この結果、自己資本比率は76.4%(前連結会計年度末は76.4%)となりました。

なお、特筆すべき重要な資本的支出の予定及びそれに伴う資金の調達は当面ありません。

 

(経営成績)

 当連結会計年度の経営成績は、売上高170億66百万円(前連結会計年度比14.8%増)、営業利益27億16百万円(同27.7%増)、経常利益27億41百万円(同27.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益18億14百万円(同12.7%増)となりました。

 

 セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

 

(ⅰ)アカウンティングサービス事業

 アカウンティングサービス事業は、生命保険営業職員を中心とする個人事業主及び小規模企業に対する記帳代行等の会計サービスの提供となります。同事業では、各生命保険会社が新入社員向けに随時行っている研修に参加し、確定申告の制度や必要経費の考え方等についての講座を担当しています。その後サービス提案を行っておりますが、従来は四大生命保険会社を対象にしておりました。これを中堅・外資系生命保険会社にも拡大することで、営業機会を確保しました。その結果、当連結会計年度末(2025年3月31日)の会計サービス会員数は102,276名(前連結会計年度末比10,231名増)となりました。

 この結果、アカウンティングサービス事業における当連結会計年度の売上高は49億21百万円(前連結会計年度比12.0%増)、営業利益は16億10百万円(同25.2%増)となりました。

 

(ⅱ)コンサルティング事業

 コンサルティング事業は、中堅・中小企業の総務経理部門に対する各種情報提供サービス「エフアンドエムクラブ」の運営、ISO及びプライバシーマークの認証取得支援、「ものづくり補助金」「事業再構築補助金」「中堅・中小成長投資補助金」をはじめとした補助金申請支援、資金繰り改善のための経営改善計画の策定支援等になります。

 「エフアンドエムクラブ」については、2025年3月末時点で223行庫の地域金融機関と連携契約し、好連携事例の共有や勉強会の開催などによる情報共有の強化によって稼働促進を図ることで、営業機会の増強に努めました。採用競争力を高めるための求人票添削などの採用支援、採用後の定着率やパフォーマンス向上のための人事考課制度策定支援、労務管理体制の整備による就業環境の改善、設備投資や人的投資に関わるキャッシュ・フローの分析などのサービスが中小企業経営者のニーズを掴んだことで、新規の会員獲得に繋がりました。2024年7月22日に開始した三菱UFJ銀行との協働ビジネスは、中小企業の経営支援を両社で強力に推し進めるべく、当社から営業担当者を出向させております。また、信用金庫のセントラルバンクである信金中央金庫と連携することで、全国の信用金庫との提携および企業支援を促進しております。会員企業向けには、企業の課題に対応するサービスの提案や会員企業サイドで実行すべき取り組み管理のため、個社担当によるオンライン面談の強化と、会員専用サイト上で会員企業のタスクを共有し遅延や漏れを当社が把握することでサービス利用を促進する体制の構築を進めました。また、本格化しているコロナ融資返済期の資金繰り支援・アドバイスの強化、事業把握のためのビジネス俯瞰図の作成支援を行いました。その結果、当連結会計年度末(2025年3月31日)のエフアンドエムクラブ会員数は13,705社(前連結会計年度末比2,513社増)となりました。

 ISO及び第三者認証取得支援については、食品の輸出増加を背景に食品安全管理ニーズの高まりからISO22000の問い合わせが増加しています。情報セキュリティニーズを背景としたプライバシーマークならびにISO27001の取得の問い合わせも引き続き好調で、これらの旺盛なニーズへの対応に注力しました。

 「ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)」「事業再構築補助金」「中堅・中小成長投資補助金(中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金)」をはじめとした補助金申請支援については、「中堅・中小成長投資補助金」の1次公募19件、2次公募40件、「事業再構築補助金」の第12回公募456件の申請支援を行いました。その結果、「中堅・中小成長投資補助金」の1次公募では6件、2次公募では2件、「事業再構築補助金」の第12回公募については180件が採択されました。また、前期中に申請支援を行っていた「ものづくり補助金」の17次締切については2024年5月に採択結果が発表となり、3件が採択、18次締切については2024年6月に採択結果が発表となり、102件が採択されました。2025年3月26日に公募締切となった「事業再構築補助金」の第13回公募については89件の申請支援を行いました。補助金交付候補者の採択発表は2025年6月下旬から7月上旬頃に予定されています。また、2025年4月28日に申請受付が締切になった「中堅・中小成長投資補助金」の3次公募については6件、2025年4月25日に申請受付が締切になった「ものづくり補助金」の19次公募については171件の申請支援を行いました。

 

補助金名

締切

採択発表

採択数

ものづくり補助金

17次

2024年5月

3件

18次

2024年6月

102件

19次

2025年7月下旬

予定

発表待ち

事業再構築補助金

第12回

2024年11月

180件

第13回

2025年6月下旬

~7月上旬予定

発表待ち

中堅・中小成長投資補助金

1次

2024年6月

6件

2次

2024年10月

2件

3次

2025年6月下旬

予定

発表待ち

 

 

 資金繰り改善のための経営改善計画書の策定支援については、経営改善計画の策定費用が補助される405事業(経営改善計画策定支援事業)を活用することで、より多くの中小企業の財務改善の実現をサポートできるよう取り組んでおります。

 この結果、コンサルティング事業における当連結会計年度の売上高は66億18百万円(前連結会計年度比11.5%増)、営業利益は16億63百万円(同30.9%増)となりました。

 

(ⅲ)ビジネスソリューション事業

 ビジネスソリューション事業は、士業向けコンサルティング、及び企業・士業向けITソリューションの提供等になります。

 士業向けコンサルティングとしては、認定支援機関である税理士・公認会計士事務所の業務対応力向上を支援する「経営革新等支援機関推進協議会」を中心に活動しています。同協議会では、税理士・公認会計士を通じて中小企業の「優遇税制支援や財務支援」、「人材の採用・育成・定着に関するノウハウ提供」、さらに自身の事務所における「AIを活用した業務改善」や「職員向けの研修」の提供を行っています。これらの取り組みにより、税理士・公認会計士の事務所を対象とした継続的なニーズを把握し、それを営業機会として確保することに成功しています。その結果、当連結会計年度末(2025年3月31日)の「経営革新等支援機関推進協議会」の会員数は1,714件(前連結会計年度末比6件増)となりました。

 また、企業・士業向けITソリューションとしては、人事労務クラウドソフト「オフィスステーション」シリーズの販売を行っています。このシリーズは、株式会社MS-Japanが運営する管理部門および士業向け専門サイト「Manegy」の実施する「全国の管理部門で働く人が選んだ 本当に!使ってよかったサービス・システム『管理部門大賞2025』」において「人事部門」の第1位を獲得しました。HR領域の市場規模は拡大を続けており、その背景には、人事・給与・勤怠といった各業務ソフトに分散されている従業員情報を一元化することで、データベースを活用した業務効率化や人事戦略の実現を目指す企業が増加している点が挙げられます。この市場環境に対応するため、展示会への出展を通じて新規商談機会を創出するとともに、フィールドセールスとカスタマーサクセスが密接に連携することで、契約までのリードタイムを短縮し、成約率向上を実現しました。既存ユーザーに対しては、一社あたりの登録従業員数の増加を促進するとともに、他のプロダクトの提案を通じてクロスセルを図りました。また、企業・士業を問わず既存ユーザーがストレスなくオンボーディングできるよう体制を強化しました。不明点を迅速に解決するためのサポートデスクの充実も推進し、顧客満足度の向上に努めました。士業向け市場では、特に社会保険労務士事務所のマーケット深耕に注力しました。全国の社労士会へ積極的なアプローチを行い、社労士会主催の展示会への出展を通じて新規商談機会を創出しました。これらの活動を通じて、士業向けITソリューションのさらなる普及を目指し、顧客基盤の拡大に成功しています。その結果、当連結会計年度末(2025年3月31日)の「オフィスステーション」シリーズの利用は、無料で提供している「オフィスステーション 労務ライト」の利用を含み、企業が43,862社(前連結会計年度末比7,131社増)、士業が3,327件(同314件増)となりました。

 この結果、ビジネスソリューション事業における当連結会計年度の売上高は50億71百万円(前連結会計年度比22.7%増)、営業利益は6億71百万円(同22.3%増)となりました。

 

(ⅳ)不動産賃貸事業

 不動産賃貸事業は、当社が所有するオフィスビルの賃貸収入で安定した収益を計上しております。当連結会計年度の売上高は1億8百万円(前連結会計年度比2.1%増)、営業利益は29百万円(同4.0%減)となりました。

 

(ⅴ)システム開発事業

 システム開発事業は、連結子会社エフアンドエムネット株式会社のシステム開発事業等になります。エフアンドエムネットでは、「オフィスステーション」シリーズを中心としたエフアンドエムが販売する商品などのグループ内向け開発が大部分を占めました。

 この結果、システム開発事業における当連結会計年度の売上高は2億87百万円(前連結会計年度比22.2%増)、営業利益は39百万円(同49.2%減)となりました。

 

(ⅵ)その他事業

 その他事業は、パソコン教室の本部運営及びFC指導事業等になります。パソコン教室の本部運営及びFC指導事業においては、受講生に対する積極的なカウンセリング、資格取得のためのサポートなどを強化することで継続率の向上に努めました。

 この結果、その他事業における当連結会計年度の売上高は58百万円(前連結会計年度比3.2%減)、営業利益は4百万円(同5.4%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ6億12百万円増加(前年同期比11.7%増)し、58億34百万円となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は37億43百万円(同14.8%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益27億42百万円、減価償却費16億31百万円、その他の流動負債の増加1億1百万円などがあった一方、売上債権の増加1億27百万円、その他の流動資産の増加60百万円、法人税等の支払6億35百万円などがあったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は29億6百万円(同20.0%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出1億97百万円、無形固定資産の取得による支出25億71百万円、投資有価証券の取得による支出1億83百万円などがあった一方、有価証券の償還による収入1億円などがあったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は2億25百万円(同57.1%減)となりました。これは主に配当金の支払5億72百万円があった一方、自己株式の処分による収入3億47百万円があったことによるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 該当事項はありません。

b.受注実績

 該当事項はありません。

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

アカウンティングサービス事業(千円)

4,921,746

112.0

コンサルティング事業(千円)

6,618,842

111.5

ビジネスソリューション事業(千円)

5,071,104

122.7

不動産賃貸事業(千円)

108,949

102.1

システム開発事業(千円)

287,262

122.2

報告セグメント計(千円)

17,007,905

114.9

その他(千円)

58,467

96.8

合計(千円)

17,066,373

114.8

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 主要3セグメントにおいては、いずれも会員制ビジネスであるため、主たる売上は会費収入となります。売上高の伸長は会員数の増加と原則的に比例するため、会員数を安定的に増加させることが、事業の成長には不可欠な要素となります。また、収益力の向上を図ることが優先課題であると認識していることから、売上高営業利益率と売上高原価率を注視し、その変動要因の把握に努めております。これらについてのセグメントごとの具体的な取り組みと振り返りは次の通りとなります。

 

[アカウンティングサービス事業]

 主なマーケットである生命保険営業職員のチャネルで会員数が増加しました。なお、同営業職員数は18.5万人(2022年度月平均実働数 出所:株式会社保険研究所『インシュアランス生命保険統計号(令和5年版)』)であり、今後も拡大の余地は十分に見込めるものと考えております。いずれの生命保険会社においても年間を通して積極的な採用活動を行うことは継続しております。新入社員に向けては随時研修が実施されておりますが、当社は各生命保険会社で行われている同研修において、継続して一部のプログラムを担当しております。生命保険営業職員は個人事業主であり、個人で納税の手続きが必要であることについて、研修で詳細の説明を受けることになりますが、当社が確定申告やそのために必要な事柄についての研修を担当することで営業機会の確保に努めております。研修では当社で開発したアプリを活用し、確定申告についての理解を深めていただいた上で、自分で対応するのが難しいと判断された方が、当社サービスをスムーズご利用いただけるよう提案に繋げております。また、契約に関する一連の手続きはオンラインで完結できるため、効率的な営業活動を展開しております。

 また、売上高原価率の改善のため、AIの活用による処理工程の業務効率化を進めました。AI技術を活用した自動仕訳の精度向上に注力し、処理の自動化範囲を拡大することで、業務効率を向上させ、原価抑制に貢献しております。

 近年は、インボイス制度がスタートしたことで、企業・個人事業主だけではなく、税理士・会計士業界においても、業務負担が増大しております。今後はAIによる処理精度の向上と共に、処理実績とノウハウを活用することにより、シェアードサービスやアウトソーシングを希望する企業・税理士・会計士の受け皿として機能し、新たな売上を創出していきます。

 

[コンサルティング事業]

 ベースとなる収益は、エフアンドエムクラブ等の会費売上によるものです。売上拡大には、会員数の増大が必要であるため、新規会員企業獲得のための営業活動の強化ならびに営業人員の増強を行うと共に、サービスを長く利用いただくための取り組みが重要であるとして、契約継続率に注目しております。従来、中小企業の経営課題として上位に位置している、労務管理や人手不足などに対処したいとする経営者のニーズを掴んだ提案を行ったことも貢献しました。会員企業に向けては、企業の課題に対応するサービスの提案や実行すべき作業管理のため、個社担当によるオンライン面談の強化と、会員専用サイト上で会員企業のタスクを共有し遅延や漏れを当社が把握することでサービス利用を促進する体制の構築を進めました。また、本格化しているコロナ融資返済期の資金繰り支援・アドバイスの強化、事業把握のためのビジネス俯瞰図の作成支援を行いました。

 

 

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

期末会員数

増減数

期末会員数

増減数

期末会員数

増減数

エフアンドエムクラブ会員数

9,047

1,449

11,192

2,145

13,705

2,513

 

 2021年3月から公募が開始された「事業再構築補助金(中小企業等事業再構築促進事業)」は、第10回公募から要件の緩和や申請枠の新設など公募要領の大幅な改訂が行われ、より多くの企業が利用できる補助金となりました。当社においては、第12回公募については456件の申請支援を行い、180件が採択されました。2025年3月26日に公募締切となった第13回公募については89件の申請支援を行い、補助金交付候補者の採択発表は2025年6月下旬から7月上旬頃に予定されています。営業機会の増強にはパートナーとなる地域金融機関との連携が重要となりますが、活動実績を高く評価いただいていることから業務提携の締結は順調に進み、業務提携済みの地域金融機関は223行庫となりました。2024年7月22日に開始した三菱UFJ銀行との協働ビジネスは、中小企業の経営支援を両社で強力に推し進めるべく、当社から営業担当者を出向させております。また、信用金庫のセントラルバンクである信金中央金庫と連携することで、全国の信用金庫との提携および企業支援を促進しております。契約継続率については、ビジネス俯瞰図の作成支援から企業の状況を把握し伴走型支援を深化させることで継続率の改善が実現するものと見込んでおります。

 エフアンドエムクラブの拡販は地域金融機関との連携によるところが大きいため、それに伴う手数料の支払いが発生しますが、あくまでも変動費であり、営業基盤と販売力強化のためには必要な費用だと認識しております。2024年12月に令和6年度補正予算が成立し、中小企業向け支援策として5,600億円の予算が組まれました。地域金融機関と共により多くの企業の支援体制を構築することが、営業機会の増強につながります。翌期はさらなる「エフアンドエムクラブ」の営業活動強化と、「ものづくり補助金」や新設される「新事業進出補助金」「中小企業成長加速化補助金」等をはじめとした各補助金の申請支援を行うことが業績に貢献する見通しです。

 

[ビジネスソリューション事業]

 「経営革新等支援機関推進協議会」では、今後も税理士・公認会計士を通じて中小企業の優遇税制支援や財務支援、人材の採用・育成・定着に関するノウハウ提供、さらに事務所向けのAIを活用した業務改善や職員向けの研修の提供を拡充してまいります。これらの取り組みを通じて、税理士・公認会計士事務所からの継続的なニーズを収集し、事務所ごとの問題点を解決するために「個別コンサルティングサービス」の提供をスタートいたします。これらを新たな営業機会として取り込み、事業拡大を図ります。

 「オフィスステーション」シリーズについては、HR領域での生産性向上を目指したペーパーレス化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が市場で一層進むことを見据え、スモールスタートを希望する企業にも柔軟に対応した提案活動を強化します。特に、アラカルト型の特徴を活かして既存システムとの併用を可能にし、企業の業務効率化やコスト削減を支援する姿勢をさらに徹底していきます。士業事務所向けには、大規模事務所への提案活動を引き続き強化し、社労士業界内での認知度を一層高めるとともに、会員数のさらなる増加を目指します。今後は、オフライン展示会へ積極的に出展し、有効リードの獲得を進め、営業機会を最大化する方針です。さらに、既存ユーザー向けには利用機会の拡大を提案し、顧客満足度の向上や継続率の改善に注力します。並行して、「オフィスステーション」シリーズで未導入のプロダクトの提案を積極的にしていくことで、ARR(年間経常収益)やLTV(顧客生涯価値)の向上を図り、持続可能な成長基盤を構築します。

 また、「オフィスステーション」シリーズの利便性をさらに高めるため、機能追加や新製品の開発を計画的に進め、ユーザー体験の向上を目指します。新たな開発については、コストコントロールを徹底し、効率的な運営を維持しながら市場のニーズに迅速に対応してまいります。今後も、顧客と市場の要望を的確に捉えた製品展開と支援策により、事業の成長を加速させることを目指して取り組んでまいります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループは、強固な財務体質を保持しつつ、企業価値向上に資する成長投資を行うべく、戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。強固な財務体質の維持については、自己資本比率を指標としております。当連結会計年度の自己資本比率は76.4%と、リスク耐性及び健全性において問題のないレベルだと認識しておりますが、円安や物価上昇、金融資本市場の変動等の影響により社会経済活動や事業環境の先行きは見通しづらい状況が続いているため、キャッシュ・フローの状況を注視しつつ財務規律を堅持してまいります。

 経営資源の配分については、収益力の高い既存事業の強化・成長に貢献する投資と、事業経営の基盤である人材採用及び育成への投資を最優先しながら、生産性向上のためのIT活用及び新規事業育成のための投資も継続して行います。投資については、フリー・キャッシュ・フローを有用な指標と考えております。当社グループではフリー・キャッシュ・フローを、営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動により支出されたキャッシュ・フローの合計として定義しております。この指標は戦略的投資や負債返済に充当可能な資金の純額となると考えており、以下の通りフリー・キャッシュ・フローを算出しております。

(単位:百万円)

 

2024年3月期

2025年3月期

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

3,260

3,743

483

投資活動によるキャッシュ・フロー

△2,421

△2,906

△484

フリー・キャッシュ・フロー

838

837

△1

 

 当連結会計年度においては、営業活動は順調で、各セグメントの会員数とともにキャッシュ・インは増加しておりますが、「オフィスステーション」シリーズの開発を継続したことがキャッシュ・アウトを増加させました。企業規模を問わずHR領域では急速なIT化が進んでおり、「オフィスステーション」シリーズの拡販にとっては引き続き追い風であり、成長力・収益力の両面から今後も成長エンジンであると考えております。翌期以降も着実な拡販や収益力の強化に万全を期すことで、投資回収をしてまいります。その他のセグメントも含め、利益成長によるキャッシュの創出力を高めながら、資本コストと財務の柔軟性のバランスを考慮した資本構成を維持してまいります。

 資金調達については、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保と財務の健全性・安定性維持を基本方針としております。当社グループのビジネスモデルでは大型の設備投資は発生しないため、そのための資金調達の必要性はありませんが、事業展開に伴う資金需要には機動的に対応するため、充分な現金及び現金同等物を保有しております。現金及び現金同等物の保有額については厳密な目標を設けておりませんが、金融情勢などを考慮しつつ、安全性ならびに流動性の高い短期金融商品を中心に運用しております。

 株主還元については、安定的・継続的な利益還元に努めていくことを原則とし、事業活動を通じて創出した利益を成長分野へ投資することで、長期的なEPSの成長と配当水準の向上に努めてまいります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。