売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05107 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当社グループは「サービスの水道哲学」の実現を目指し、個人事業主と中堅中小企業の活性化にこだわりをもって社会貢献に取り組んでおります。

 当第3四半期連結累計期間におきましては、物価の上昇、中東地域の情勢への懸念、海外景気の後退など、多くの個人事業主・中堅中小企業においても先行き不透明な状況が続きました。しかし、設備投資や個人消費に持ち直しの動きが見られるなど、国内景気は緩やかな回復基調となっております。

 このような経済状況のもと、当社グループでは、顧客を取り巻く環境に合わせたサービス提供を行うべく、主要事業ごとにサービス内容を拡充し業務の効率化に取り組むことで会員数の増加に努めてまいりました。

 

(財政状態)

(ⅰ)資産

 当第3四半期連結会計期間末における流動資産は66億17百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億59百万円増加しました。これは主に現金及び預金が1億40百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が4億72百万円、有価証券が1億円増加したことなどによるものです。

 固定資産は82億76百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億円増加しました。これは主に建物及び構築物(純額)が1億24百万円、ソフトウエアが1億96百万円、その他(無形固定資産)が4億3百万円増加した一方、建設仮勘定が1億22百万円減少したことなどによるものです。

 この結果、総資産は148億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億59百万円増加しました。

(ⅱ)負債

 当第3四半期連結会計期間末における流動負債は35億78百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億57百万円増加しました。これは主にその他(流動負債)が8億30百万円増加した一方、未払法人税等が1億7百万円減少したことなどによるものです。

 固定負債は1億41百万円となり、前連結会計年度末に比べ2百万円減少しました。これは主にその他(固定負債)が7百万円減少したことなどによるものです。

 この結果、負債合計は37億20百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億54百万円増加しました。

(ⅲ)純資産

 当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は111億73百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億4百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益11億60百万円が計上された一方、剰余金の配当を5億25百万円行ったことなどによるものです。

 この結果、自己資本比率は75.0%(前連結会計年度末は78.1%)となりました。

 なお、特筆すべき重要な資本的支出の予定及びそれに伴う資金の調達は当面ありません。

 

(経営成績)

 当第3四半期連結累計期間の経営成績は売上高108億18百万円(前年同期比14.9%増)、営業利益16億42百万円(同13.5%減)、経常利益16億54百万円(同13.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益11億60百万円(同8.4%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

(ⅰ)アカウンティングサービス事業

 アカウンティングサービス事業は、生命保険営業職員を中心とする個人事業主及び小規模企業に対する記帳代行等の会計サービスになります。同事業では、各生命保険会社が新入社員向けに随時行っている研修への参加による営業機会の確保に注力いたしました。その結果、当第3四半期連結会計期間末(2023年12月31日)の会計サービス会員数は94,026名(前期末比9,971名増)となりました。

 この結果、アカウンティングサービス事業における当第3四半期連結累計期間の売上高は30億17百万円(前年同期比10.8%増)、営業利益は8億48百万円(同5.0%増)となりました。

(ⅱ)コンサルティング事業

 コンサルティング事業は、中堅中小企業の総務経理部門に対する各種情報提供サービスの「エフアンドエムクラブ」、ISO及びプライバシーマークの認証取得支援、「ものづくり補助金」や「事業再構築補助金」をはじめとした補助金申請支援等になります。

 「エフアンドエムクラブ」については、2023年12月末時点で213行庫の地域金融機関と連携契約しております。連携済みの金融機関には、好連携事例の共有や勉強会の開催、結果報告などによる情報共有の強化によって稼働促進を図ることで、営業機会の増強に努めました。また、引き続き中小企業経営者から非常に高い注目を集めている「事業再構築補助金」などの補助金活用を切り口とした提案を行いました。加えて、常態化している人手不足を解消するため積極的に採用活動を行いたい企業、労務管理を適切に行うことで就業環境を整備したい企業、公的支援制度を漏れなく活用したい企業などの経営者ニーズを掴んだことが、新規の会員獲得に貢献しました。会員企業向けには、企業ごとの事情に合わせたタイムリーな提案を可能にするため、人に頼らない定期的な情報収集の仕組みを運用させつつ、状況を継続的に把握している個社担当がいることでの安心感、専門家が対応することでの満足感を提供するサービス体制の構築を進めました。特に契約間もない企業については、オンボーディングを専門に行う部門を稼働させ、自走できる状態で継続的にサービスをご利用いただけるよう支援を行っております。その結果、当第3四半期連結会計期間末(2023年12月31日)のエフアンドエムクラブ会員数は10,445社(前期末比1,398社増)となりました。

 ISO及び第三者認証取得支援については、個人情報保護法の改正やサイバー攻撃等による情報セキュリティニーズによるプライバシーマークおよびISO27001、食品業界が海外輸出を目論む事案からISO22000およびFSSC22000、自動車関連製造業では今後のEV対応を睨みIATF16949(自動車部品品質マネジメントシステム)およびISO9001の取得が増加傾向にあります。また、建設資材の高騰のため公共工事への参入を目的にISO9001およびISO14001の取得が増加しています。これらの旺盛なニーズへの対応に注力しました。

 「ものづくり補助金」や「事業再構築補助金」をはじめとした補助金受給申請支援については、令和元年度補正予算・令和3年度補正予算「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」として、当第3四半期連結会計期間では16次締切の申請支援を行いました。その結果、71件が採択されました(採択結果は2024年1月19日に発表)。また、「事業再構築補助金」は、第11回締切の採択結果発表が2023年12月に2024年1月下旬~2月上旬頃へ延期する旨の政府発表がありました。それに伴い第12回締切分の公募ならびに採択結果発表についても後ろ倒しになります。「事業再構築補助金」については、2023年11月に実施された行政レビューを元に枠組みや審査基準等の見直しを行った上で継続することが決定しておりますが、第12回締切分に関する売上は2025年3月期に計上されることになるため、全社業績に影響を与えることになります。

 

補助金名

締切

採択数

ものづくり補助金

14次

81件

15次

59件

16次

71件 ※1

事業再構築補助金

第8回

231件

第9回

139件

第10回

147件

第11回

※2

 ※1 採択結果は2024年1月19日に発表されました。

 ※2 採択結果は発表待ちの状態です(2024年1月31日現在)。

 

 この結果、コンサルティング事業における当第3四半期連結累計期間の売上高は44億45百万円(前年同期比4.4%増)、営業利益は10億72百万円(同33.3%減)となりました。

(ⅲ)ビジネスソリューション事業

 ビジネスソリューション事業は、士業向けコンサルティング、及び企業・士業向けITソリューションの提供等になります。

 士業向けコンサルティングは、認定支援機関である税理士・公認会計士事務所の対応力向上を支援する「経営革新等支援機関推進協議会」等となります。

 「経営革新等支援機関推進協議会」では、コロナ禍によって強まった中小企業からの優遇税制支援や財務支援要請に対応するためのノウハウを必要とする税理士・公認会計士の継続的なニーズが、営業機会の確保につながりました。その結果、当第3四半期連結会計期間末(2023年12月31日)の「経営革新等支援機関推進協議会」の会員数は1,715件(前期末比37件増)となりました。

 企業・士業向けITソリューションの提供としては、人事労務クラウドソフト「オフィスステーション」シリーズの販売となります。「オフィスステーション」シリーズは、社会保険労務士や税理士向けの「オフィスステーション Pro」、企業向けの「オフィスステーション マイナンバー」「オフィスステーション 労務」「オフィスステーション 労務ライト」(「労務」の機能を一部制限して無料提供)「オフィスステーション 年末調整」「オフィスステーション 給与明細」「オフィスステーション 有休管理」「オフィスステーション 勤怠」(2023年4月リリース)で構成されています。

 社会保険労務士事務所マーケットの深耕については、大規模事務所向けのパッケージプランの提案を進めました。大規模事務所からのニーズが強かった事務組合機能をリリースしたことにより、社会保険労務士事務所が求める一定程度の利便性を提供できる環境が整ったことが、販売を後押ししています。既存事務所に向けては、引き続き主に大規模事務所を対象としたハイタッチフォローを継続して行い、事務所での稼働を促進しました。

 企業向けには、販売代理店となるパートナー企業での定期的な勉強会の開催や主催イベントへの参加、大規模展示会への出展により、商談数の増加につなげました。合わせて都市部ではタクシー広告を展開することで価値遡及を行いました。「オフィスステーション 年末調整」については、入力された情報からふるさと納税の上限額の目安を表示し、連携したふるさと納税サイトへ誘引する機能を追加しました。情報の取りまとめを行う労務担当者の利便性向上だけではなく、エンドユーザーである従業員のベネフィットを追求し、継続して選ばれるプロダクトを目指しました。また、新規の商談案件についてはフィールドセールスとカスタマーサクセスが連携を密にすることで、リードタイムの短縮や成約率向上に努めました。特にカスタマーサクセスについては、一社あたりのユーザー数を増大させることに加え、クロスセルの取り組みに注力しました。

 その結果、当第3四半期連結会計期間末(2023年12月31日)の「オフィスステーション」シリーズの利用は、無料で提供している「オフィスステーション 労務ライト」の利用を含み、企業が35,381社(前期末比9,368社増)、士業が2,919件(前期末比452件増)となりました。

 この結果、ビジネスソリューション事業における当第3四半期連結累計期間の売上高は30億69百万円(前年同期比41.3%増)、営業利益は4億28百万円(同91.1%増)となりました。

(ⅳ)不動産賃貸事業

 不動産賃貸事業は当社が所有するビルの賃貸収入で、安定した収益を計上しております。当第3四半期連結累計期間の売上高は80百万円(前年同期比3.6%減)、営業利益は22百万円(同3.4%増)となりました。

(ⅴ)システム開発事業

 システム開発事業は、連結子会社エフアンドエムネット株式会社のシステム開発事業等になります。前期まではその他事業として区分していたものです。エフアンドエムネットでは、「オフィスステーション」シリーズを中心としたエフアンドエムが販売する商品などのグループ内向け開発が大部分を占めました。

 この結果、システム開発事業における当第3四半期連結累計期間の売上高は1億58百万円(前年同期比33.7%増)、営業利益は34百万円(前年同期は65百万円の営業損失)となりました。

(ⅵ)その他事業

 その他事業は、パソコン教室の本部運営及びFC指導事業等になります。パソコン教室の本部運営及びFC指導事業においては、受講生に対する積極的なカウンセリング、資格取得のためのサポートなどを強化することで継続率の向上に努めました。

 この結果、その他事業における当第3四半期連結累計期間の売上高は46百万円(前年同期比25.7%減)、営業利益は4百万円(同39.7%減)となりました。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額はありません。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。