E05143 Japan GAAP
前期
48.8億 円
前期比
98.5%
株価
887 (07/12)
発行済株式数
15,123,200
EPS(実績)
69.77 円
PER(実績)
12.71 倍
前期
653.9万 円
前期比
107.3%
平均年齢(勤続年数)
41.2歳(9.5年)
従業員数
41人(連結:190人)
当社グループは、当連結会計年度末において、当社(オリコン株式会社)、連結子会社4社及び持分法適用関連会社1社によって構成されております。当社は、純粋持株会社であり、連結子会社における当社持株比率は、4社全てにおいて100%、持分法適用関連会社1社は議決権所有割合35.29%であります。
なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
当連結会計年度末における当社グループの主な事業の概要、並びに当該事業を展開する連結子会社は、次のとおりであります。事業区分は、「報告セグメント」と同一であります。
(1)「コミュニケーション事業」
株式会社oricon ME
◆WEBサイトの制作・運営・広告販売
・総合トレンドメディア「ORICON NEWS」
・顧客満足度(CS)の調査結果・指標を発表するサイト「オリコン顧客満足度ランキング」
・女性向け情報サイト「eltha」
・オーディション情報サイト「Deview」
オリコンNewS株式会社
◆ニュース配信サービスの提供
オリコンNEXTコミュニケーションズ株式会社
◆PRコンサルティング
◆WEBマーケティングコンサルティング
(2)「データサービス事業」
オリコン・リサーチ株式会社
◆法人向けデータ提供サービス『ORICON BiZ online』の運営
◆個人向けデータ提供サービス『you 大樹』の運営
◆放送局及びECサイト向け音楽データベースの提供
◆各種ランキングデータの提供
◆『オリコン・モニターリサーチ』の運営
(3)「モバイル事業」
株式会社oricon ME
◆モバイル端末・PC向けエンタメ総合配信サービスの運営
・音楽配信サイト『オリコンミュージックストア』
・電子書籍サイト『よむるん』
事業系統図は、以下のとおりであります。(2024年3月31日現在)
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、緊迫化する中東情勢やウクライナ情勢の長期化等からの資源価格の高騰、外国為替相場の急激な変動等を背景とした物価高に伴う個人消費への影響、および金融引き締めに伴う海外景気の下振れリスク等もあり、国内経済の先行きは不透明な状況が続いております。
国内の情報通信分野においては、㈱電通含む電通グループ4社による発表では、2023年のインターネット広告費は社会のデジタル化を背景に堅調に伸長し、前年比7.8%の増加の3兆3,330億円となり過去最高を更新したとされております。
このような状況の中、当社グループは「ファクト-事実-を情報化する」という経営理念のもと、客観的、公平な立場から事実を情報化し広く提供することで、社会からの信頼を獲得してまいりました。信頼を基盤とした事業成長を通じて、豊かでサステナブルな社会の実現を目指し、企業価値の創出に努めております。
当連結会計年度の当社グループの連結経営成績は、次のようになりました。
コミュニケーション事業とモバイル事業は前年同期比で減収となり、データサービス事業は前年同期比で増収となりました。この結果、売上高は前連結会計年度比75,072千円減(1.5%減)の4,800,097千円となりました。
費用面では、前連結会計年度と比べて、売上原価は109,107千円増(7.8%増)、販売費及び一般管理費は24,977千円増(1.5%増)となりました。これは主に人件費等の増加によるものです。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度比209,157千円減(11.8%減)の1,556,693千円となり、営業利益率は、第1四半期連結会計期間(2023年4月~6月)29.5%、第2四半期連結会計期間(2023年7月~9月)28.7%、第3四半期連結会計期間(2023年10月~12月)35.2%、第4四半期連結会計期間(2024年1月~3月)35.5%となり、当連結会計年度で32.4%となりました。経常利益は前連結会計年度比110,658千円減(6.5%減)の1,588,692千円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比51,858千円減(4.7%減)の1,055,137千円となり、自己資本利益率(ROE)は21.4%となりました。
第4四半期会計期間における前年同期との比較では、売上高は5.4%増、営業利益は9.3%増となりました。
当連結会計年度末の総資産は6,027,972千円となり、前連結会計年度末と比べ496,403千円増加しました。負債合計は840,629千円となり、現金及び預金から有利子負債を差し引いた正味現預金は3,593,903千円となりました。純資産合計は5,187,343千円となり、前連結会計年度末と比べ533,908千円増加しました。
流動資産は4,590,129千円となり、前連結会計年度末と比べ418,157千円増加しました。これは主に、現金及び預金の増加等によるものであります。固定資産は1,437,843千円となり、前連結会計年度末と比べ78,246千円増加しました。これは主に、投資有価証券の増加等によるものであります。
負債合計は840,629千円となり、前連結会計年度末と比べ37,504千円減少しました。これは主に、未払法人税等の減少によるものであります。
純資産合計は5,187,343千円となり、前連結会計年度末と比べ533,908千円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益1,055,137千円、配当金の支払363,785千円、自己株式の取得232,519千円等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は86.1%となり、前連結会計年度末と比べ2.0ポイントの上昇となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
1.コミュニケーション事業
ニュースコンテンツの提供並びにWEBサイトの制作・運営・広告販売等を行うコミュニケーション事業では、「顧客満足度(CS)調査事業」と「ニュース配信・PV事業」を展開しております。
顧客満足度(CS)調査事業の当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ1.7%減少しましたが、第4四半期連結会計期間(2024年1月~3月)における前年同期との比較では8.2%増加しました。当連結会計年度の上半期においては、主にランキング更新による順位変動や前年同期に好調だった企業プロモーション活動の反動等の影響により前年の実績を下回りましたが、下半期は商標利用・デジタルプロモーション(送客)・データ販売の各ビジネスともに前年の実績を上回りました。
ニュース配信・PV事業の当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ0.1%減少しましたが、第4四半期連結会計期間(2024年1月~3月)における前年同期との比較では7.5%増加しました。タイアップ広告および外部メディア向けコンテンツ提供が前連結会計年度と比べ拡大しました。また、自社メディア「ORICON NEWS」のセッション数は、前連結会計年度と比べ約8%増加しましたが、バナー広告を中心とした市況要因等が影響し広告単価は前連結会計年度と比べ約18%減少しました。公式YouTubeチャンネル「ORICON NEWS」では2024年3月にチャンネル登録者数が202万人を超え、再生数も順調に増加しており、エンタテインメント分野を代表する有力なチャンネルとしての地位を確立しております。
以上の結果、コミュニケーション事業全体の当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比37,135千円減(1.0%減)の3,785,464千円、セグメント利益は前連結会計年度比192,955千円減(7.6%減)の2,349,270千円となりました。
2.データサービス事業
音楽ソフト・映像ソフト・書籍のマーケティングデータを提供するオンラインサービス「ORICON BiZ online」を中心に、当社グループが保有するエンタテインメント関連データを活用したビジネスを展開しております。当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比3,415千円増(0.5%増)の673,989千円、セグメント利益は前連結会計年度比17,043千円増(7.3%増)の251,665千円となりました。
3.モバイル事業
モバイル端末向けを中心に、音楽・書籍等のコンテンツ配信サービス等を展開しております。当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比41,352千円減(10.8%減)の340,643千円、セグメント利益は前連結会計年度比36,438千円減(27.4%減)の96,707千円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、3,072,577千円となり、前連結会計年度末と比べ548,570千円増加しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は1,310,128千円となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益1,587,854千円、減価償却費94,509千円を計上し、法人税等の支払額△697,856千円、法人税等の還付額326,949千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は164,900千円となりました。これは主として、無形固定資産の取得による支出△60,890千円、有形固定資産の取得による支出△50,799千円、投資有価証券の取得による支出△25,000千円、定期預金の預入による支出△15,123千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は596,657千円となりました。これは主として、配当金の支払額△364,138千円、自己株式の取得による支出△232,519千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績及び受注実績
当社グループは、WEBサイトの制作・運営、モバイル端末へのコンテンツ提供及びソフトECのデータベース提供を主体とする会社であり、生産設備を保有していないため、生産実績は記載しておりません。
また、当社グループは受注生産も行っていないため、受注実績の記載はしておりません。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
コミュニケーション事業(千円) |
3,785,464 |
99.0 |
データサービス事業(千円) |
673,989 |
100.5 |
モバイル事業(千円) |
340,643 |
89.2 |
報告セグメント計(千円) |
4,800,097 |
98.5 |
その他(千円) |
- |
- |
合計(千円) |
4,800,097 |
98.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.総販売実績に対する割合が100分の10未満の相手先に対する販売高及び割合は、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績等は、以下のとおりであります。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度比75,072千円減(1.5%減)の4,800,097千円となりました。これは主に、コミュニケーション事業とモバイル事業の減収によるものであります。各報告セグメントの外部顧客への売上高の連結売上高に占める割合は、コミュニケーション事業が78.9%、データサービス事業が14.0%、モバイル事業が7.1%となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、売上原価が109,107千円増(7.8%増)の3,292,445千円となり、売上総利益率は前連結会計年度比2.7ポイント減の68.6%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、従業員のスキル獲得のためのコスト等の人材への投資もあり、前連結会計年度比24,977千円増(1.5%増)となりました。当社グループが最重要指標としている当連結会計年度における営業利益は前連結会計年度比209,157千円減(11.8%減)の1,556,693千円、営業利益率は前連結会計年度比3.8ポイント減の32.4%となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度比94,395千円増の107,216千円となりました。営業外費用は、前連結会計年度比4,103千円減の75,217千円となりました。
以上の結果、経常利益は、前連結会計年度比110,658千円減(6.5%減)の1,588,692千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益の計上はなく、特別損失は、前連結会計年度比820千円増の837千円となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比51,858千円減(4.7%減)の1,055,137千円となりました。
財政状態の分析
当社グループの当連結会計年度末における財政状態は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、連結ベースの営業利益、営業利益率及び前年比増加率、親会社株主に帰属する当期純利益、一定の自己資本利益率(ROE)、純資産配当率(DOE)を確保することを経営指標として位置づけております。
当連結会計年度における営業利益、営業利益率及び親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも前年度を下回り、ROEは21.4%、DOEは7.7%となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
1.コミュニケーション事業
当社グループの主力事業セグメントとしており、二つのサブセグメントで構成されております。
(顧客満足度(CS)調査事業)
商標利用・デジタルプロモーション(送客)・データ販売の三つのビジネスを展開しております。デジタルプロモーション(送客)ではSEO*対策が効果を発揮し、データ販売とともに前連結会計年度の実績を上回ることができましたが、商標利用はランキング更新による順位変動や前年度に好調だった企業プロモーション活動の反動等の影響により前連結会計年度の実績を下回りました。 *Search Engine Optimization:検索エンジン最適化
(ニュース配信・PV事業)
「Yahoo!JAPAN」等の外部ポータルサイトやニュースアプリ等へのニュース配信は堅調でしたが、自社メディアにおけるバナー広告を中心とした広告収入が単価減少等の影響により減少し前連結会計年度の実績を僅かに下回りました。
2.データサービス事業
音楽ソフト・映像ソフト・書籍のランキング情報を活用したマーケティングデータを作成し、商品情報のデータベース化、データのカスタマイズ化、新規商材の拡販に注力した結果、前連結会計年度比の実績を上回りました。
3.モバイル事業
スマートフォン向けサービスは、音楽配信では特典を設ける等、当社独自の手法でコンテンツを提供するほか、電子書籍サービス等の展開とともに最大限の利益確保に努めております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は事業投資や設備投資等によるものであります。また、株主還元については、配当性向40%を目安として可能な限り安定した配当を継続して実施してまいります。
運転資金及び投資資金並びに株主還元等については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金を基本としております。また、当社グループは、キャッシュ・マネジメント・システムを導入しており、グループ会社から資金を預かり、効率良く運用しております。
当社グループは、健全な財務体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力により、今後も事業成長を確保する目的で手元流動性を高める資金調達や、個別投資案件への資金調達は可能であると考えております。なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,072,577千円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、「第5 経理の状況」に記載した会計方針を基にしております。