E02458 Japan GAAP
前期
570.2億 円
前期比
153.4%
株価
3,035 (03/28)
発行済株式数
42,000,000
EPS(実績)
497.62 円
PER(実績)
6.10 倍
前期
778.8万 円
前期比
103.1%
平均年齢(勤続年数)
39.0歳(9.0年)
従業員数
616人(連結:900人)
当社グループは、当社、連結子会社7社及び関連会社3社で構成され、主に劇場・テレビ向けの各種アニメ作品等の企画・製作及び放映権等の販売を行う映像製作・販売事業、製作した作品の商品化権等に基づき当社作品のキャラクターの使用をライセンス許諾しロイヤリティを得る版権事業、キャラクター商品等を販売する商品販売事業を主な事業として取り組んでおります。
当社は、2023年3月31日現在でテレビアニメ作品233タイトル、劇場アニメ作品262タイトル、その他にTVSP等を合わせまして、総コンテンツ数にして約13,500本を保有しております。
当社テレビアニメ作品の代表作としては以下のものがあります。
当社グループの事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。
なお、セグメントと同一の区分であります。
当社は、劇場・テレビ向け等の各種アニメ作品の企画・製作とともに、国内外への放映権の販売を行っております。また、ブルーレイ・DVDを中心とする当社アニメ作品のパッケージソフト化権の販売及びそれに伴う発売元事業や、インターネット・携帯端末に向けた映像配信等の展開を行っております。
実際のアニメ作品の製作工程は、基本的に以下のようになります。
劇場向けでは年3~5本の公開作品を製作・販売しております。また、テレビ向けでは週3~5本のシリーズ作品を製作・販売しており、2023年3月31日現在放映中の作品は「ワンピース」、「ひろがるスカイ!プリキュア」、「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」等であります。なお、海外については、アジア・ヨーロッパ・北中南米地域にわたり、主に当社の海外子会社を通して当社アニメ作品の放映権を販売しております。
(企画)
(製作)
(販売)
※ 株式会社テレビ朝日ホールディングスの子会社
ブルーレイ・DVDを中心とする当社アニメ作品のビデオ化権に伴う発売元事業や、インターネット・携帯端末に向けた映像配信事業等を行っております。
当社は、当社アニメ作品に登場するキャラクターの使用許諾を、玩具・ゲームメーカーや文具メーカー、アパレルメーカー等のライセンシーに与えることにより版権収入を得ております。なお、海外については、アジア・ヨーロッパ・北中南米地域にわたり、主に当社の海外子会社を通して当社アニメ作品の版権を販売しております。
当社は、キャラクター商品等の販売を行っております。
当社は、着ぐるみショーやミュージカル等の各種イベントの企画運営を行っております。
※ 当社関係会社である株式会社東映京都スタジオは「東映太秦映画村」の運営を行っております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度において、当社グループでは「ワンピース」、「ドラゴンボール」シリーズ、「スラムダンク」、「プリキュア」シリーズ、「デジモンアドベンチャー」シリーズといった主力作品群からの安定的な収益の確保・拡大を図りました。特に、6月公開の映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」、8月公開の「ONE PIECE FILM RED」、12月公開の映画「THE FIRST SLAM DUNK」を梃子とした営業活動に注力しました。
この結果、当連結会計年度における売上高は874億57百万円(前連結会計年度比53.4%増)、営業利益は286億69百万円(同58.3%増)、経常利益は297億91百万円(同58.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は209億円(同63.0%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります(セグメント間取引金額を含む)。
なお、セグメント損益は、営業利益及び営業損失ベースの数値であります。
劇場アニメ部門では、3月に「映画おしりたんてい シリアーティ」、6月に映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」、8月に「ONE PIECE FILM RED」、9月に「映画デリシャスパーティ♡プリキュア 夢みる♡お子さまランチ!」、12月に映画「THE FIRST SLAM DUNK」を公開しました。映画「THE FIRST SLAM DUNK」、「ONE PIECE FILM RED」の記録的ヒット等により、前年同期と比較して大幅な増収となりました。
テレビアニメ部門では、「ワンピース」、「デリシャスパーティ♡プリキュア」(2023年2月より「ひろがるスカイ!プリキュア」)、「デジモンゴーストゲーム」、「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」、「おしりたんてい」、「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」の6作品を放映しました。前年同期と比較して放映本数が減少したこと等から、大幅な減収となりました。
コンテンツ部門では、前年同期好調に稼働した「デジモンアドベンチャー」シリーズ、「映画ヒーリングっど♡プリキュア」等のブルーレイ・DVDの反動減等により、若干の減収となりました。
海外映像部門では、「ワンピース」、「ドラゴンボール」シリーズの北米向け配信権販売に加えて、映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」、映画「THE FIRST SLAM DUNK」、「ONE PIECE FILM RED」の海外上映権販売が好調に稼働したことから、前年同期と比較して大幅な増収となりました。
その他部門では、国内の映像配信権販売が好調に稼働したことから、前年同期と比較して大幅な増収となりました。
この結果、映像製作・販売事業全体では、売上高は372億67百万円(前連結会計年度比79.4%増)、セグメント利益は106億80百万円(同85.6%増)と増収増益となりました。
国内版権部門では、映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」、「ONE PIECE FILM RED」の公開と連動した展開により、両作品ともゲーム化権、商品化権が好調に稼働したこと等から、大幅な増収となりました。
海外版権部門では、「ドラゴンボール」シリーズや「ワンピース」のゲーム化権販売に加え、「ドラゴンボール」シリーズや「ワンピース」、「デジモンアドベンチャー」シリーズの商品化権販売が好調に稼働したことから、大幅な増収となりました。
この結果、版権事業全体では、売上高は420億60百万円(前連結会計年度比27.5%増)、セグメント利益は209億45百万円(同31.3%増)と大幅な増収増益となりました。
商品販売部門では、映画「THE FIRST SLAM DUNK」の商品販売や、「ワンピース」のショップ事業が好調に稼働したこと等から大幅な増収となりました。
この結果、売上高は61億49百万円(前連結会計年度比175.6%増)、セグメント利益は6億48百万円(前連結会計年度は、1億89百万円のセグメント損失)となりました。
その他部門では、催事イベントやキャラクターショー等を展開しました。「プリキュア」シリーズや「金色のガッシュベル!!」、「ワンピース」の催事が好調に稼働したことから大幅な増収となりました。
この結果、売上高は22億16百万円(前連結会計年度比100.6%増)、セグメント利益は1億3百万円(前連結会計年度は、2億53百万円のセグメント損失)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ87億81百万円増加し、448億85百万円となりました。
その要因は以下のとおりであります。
なお、連結貸借対照表に掲記されている現金及び預金勘定669億9百万円との差異は、預入期間3ヶ月超の定期預金220億70百万円等であります。
営業活動の結果得られた資金は、152億60百万円(前連結会計年度は150億67百万円の獲得)となりました。資金の増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益297億91百万円、仕入債務の増加13億84百万円、資金の減少の主な内訳は、売上債権の増加97億30百万円、法人税等の支払額67億33百万円、棚卸資産の増加16百万円であります。なお、減価償却費6億3百万円は、資金流出の発生しない費用であるため、キャッシュ・フロー計算書では資金増の要因となっております。
投資活動の結果使用した資金は、29億54百万円(前連結会計年度は153億89百万円の使用)となりました。資金の増加の主な内訳は、定期預金の払戻による収入388億87百万円、資金の減少の主な内訳は、定期預金の預入による支出408億55百万円であります。
財務活動の結果使用した資金は、45億41百万円(前連結会計年度は24億69百万円の使用)となりました。これは、主に配当の支払によるものであります。
当社グループは、映像製作・販売事業において、劇場アニメ作品・テレビアニメ作品の受注製作を行っており、当連結会計年度の製作実績及び受注実績を示すと次のとおりであります。
(注) アニメ作品製作について、作業の一部を外注に依存しております。
(主な外注先:㈱青二プロダクション、㈱スタジオディーン、㈱TENH ANIMTATION MAGIC)
なお、当連結会計年度における外注費は5,816百万円であります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
3.東映グループ(除く東映㈱及び当社の子会社)に対する販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(資産の部)
当連結会計年度末の総資産は、前期末比236億25百万円増の1,505億8百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて19.1%増加し、1,107億2百万円となりました。これは、現金及び預金が67億59百万円、受取手形及び売掛金が103億16百万円、商品及び製品が44億1百万円、関係会社短期貸付金が1億27百万円それぞれ増加し、仕掛品が43億98百万円減少したこと等によるものです。
その結果、流動資産合計は前期末比177億72百万円増の1,107億2百万円となりました。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて17.2%増加し、398億6百万円となりました。これは、建物及び構築物(純額)が11百万円、ソフトウエアが5億50百万円、長期預金が55億円、投資その他の資産のその他が1億4百万円それぞれ増加し、有形固定資産のその他(純額)が1億35百万円、投資有価証券が2億9百万円、関係会社長期貸付金が6百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
その結果、固定資産合計は前期末比58億52百万円増の398億6百万円となりました。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債合計は、前期末比51億67百万円増の360億6百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて17.3%増加し、351億50百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が27億56百万円、未払法人税等が24億7百万円増加したこと等によるものです。
その結果、流動負債合計は、前期末比51億83百万円増の351億50百万円となりました。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて1.8%減少し、8億55百万円となりました。これは、退職給付に係る負債が87百万円増加し、固定負債のその他が1億61百万円減少したこと等によるものです。
その結果、固定負債合計は、前期末比16百万円減の8億55百万円となりました。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産合計は、前期末比184億58百万円増の1,145億2百万円となりました。
株主資本については、利益剰余金が前期に係る剰余金の配当により38億47百万円減少し、親会社株主に帰属する当期純利益により209億円増加いたしました。
その結果、株主資本は、前期末比169億19百万円増の1,087億68百万円となりました。
その他の包括利益累計額については、為替換算調整勘定が17億51百万円増加し、その他有価証券評価差額金が2億9百万円減少いたしました。
その結果、その他の包括利益累計額は、前期末比15億38百万円増の57億34百万円となりました。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、すべてのセグメントで増収であったため、前期比304億36百万円増の874億57百万円となりました。
各セグメントの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績等の状況」、海外部門の売上高につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の「セグメント情報等 関連情報」をご参照ください。
(売上原価及び売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、前期比161億63百万円増の464億90百万円となりました。
増収に伴い売上原価も増加しましたが、原価率は前期と同水準の53.2%となりました。
その結果、当連結会計年度の売上総利益は、前期比142億72百万円増の409億66百万円となりました。
(販売費及び一般管理費並びに営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、劇場、TVアニメ作品に係る広告宣伝費の増加や、人件費の増加等により、前期比37億10百万円増の122億96百万円となりました。
その結果、当連結会計年度の営業利益は、前期比105億62百万円増の286億69百万円となりました。
また、売上高営業利益率は31.8%から32.8%となりました。
(営業外損益及び経常利益)
当連結会計年度の営業外損益は、為替差損を計上した一方、受取配当金及び助成金収入が増加したこと等により、営業外損益の純額では、前期比4億7百万円の増となりました。
その結果、当連結会計年度の経常利益は、前期比109億69百万円増の297億91百万円となりました。
また、売上高経常利益率は33.0%から34.1%となりました。
(特別損益)
当連結会計年度の特別損益は、投資有価証券評価損の計上が無かったことにより、特別損益の純額では、前期比2億3百万円の増となりました。
その結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前期比111億72百万円増の297億91百万円となりました。
(法人税等及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の法人税等合計は、前期比30億92百万円増の88億91百万円となりました。また、税効果会計適用後の法人税等の負担率は29.8%となりました。
その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比80億80百万円増の209億円となりました。
当連結会計年度は、事業内容では、前連結会計年度から引き続いて、売上高、利益に占める国内外のアプリゲーム化権、中国向けの大口映像配信権の割合が大きい状況にあります。
また、作品でも、「ドラゴンボール」シリーズ、「ワンピース」の2タイトルの売上高、利益に占める割合が大きな状況も続いております。
特定の事業内容、作品への比重の拡大に加え、当社グループを取り巻く事業環境も大きく変化しています。
製作現場においては「働き方改革」推進での残業時間削減や労働生産性の再検討、CG・デジタル作画をはじめとしたアニメーション製作技術の急速な進化への対応等、さまざまな課題が山積するなか、人気作品・コンテンツの開発競争は更に激化しています。
また、ビジネス面では、コンテンツのデジタル化が進展する中、スマートデバイスの普及による映像配信やアプリゲーム市場の拡大等、今後とも、アニメーションを収益化する機会は、世界的に拡大すると予想されています。
これらの変化に対応し、中長期での持続的な成長・発展を目指すべく、当社グループは、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)対処すべき課題」に記載した方針に基づき、各種課題に取組んでいきます。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しておりますが、営業活動によるキャッシュ・フローの収入から、投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは123億5百万円(前連結会計年度は△3億21百万円)となりました。
これは、営業活動によるキャッシュ・フローが増加したこと及び定期預金の払戻による収入が増加したことが主な要因です。
なお、翌連結会計年度において、重要な資本的支出の予定はございません。
アニメーションビジネスは、先行投資型ビジネスであり、製作段階で、多額の製作資金を投入し、その後、完成した作品の映像著作権をベースに、各種事業を展開し、製作資金を回収していくのが基本的なスキームです。作品によって、回収に要する期間はさまざまであり、複数の作品が、一定の成績に達しない場合、営業活動から創出される資金が減少することも想定されますが、新規作品の企画製作は、当社グループが成長・発展していくために欠かせないものです。
そのため、当社グループは、運転資金、設備投資資金はもとより、新規作品の企画製作費用についても、充分な資金流動性を確保し、堅固な財務体質を維持することに努めております。
また、各子会社の余剰資金につきましては、配当金により当社へ集約することを基本に考えておりますが、将来におけるより効率的な資金運用に向けた施策として、キャッシュ・マネジメント・システムにより、一部の海外子会社より資金を集約しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、非上場株式の評価、貸倒引当金の計上、退職給付に係る負債の計上、役員株式給付引当金の計上等について見積り計算を行っております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果が見積りと異なる場合があります。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響について、連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき、2023年6月以降も一定程度影響が残るものの、緩やかに回復するものと仮定し、繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。