売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E31959 Japan GAAP

売上高

50.8億 円

前期

41.1億 円

前期比

123.5%

時価総額

35.6億 円

株価

3,790 (04/18)

発行済株式数

938,560

EPS(実績)

235.88 円

PER(実績)

16.07 倍

平均給与

575.5万 円

前期

541.0万 円

前期比

106.4%

平均年齢(勤続年数)

40.8歳(5.8年)

従業員数

50人

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社は「モノ創りで、笑顔を繋ぐ。」を経営ビジョンとして、変容する働き方やライフスタイルの中で頑張る方々を応援し、心身ともに健康的で美しくありたいと願う女性達やご家族に笑顔で幸せな生活を楽しんでいただくための商品を創出するメーカーです。商品企画開発から、マーケティング、プロモーション、セールスまでを一貫して行い、それぞれにベストな生産方法や工場を選出して製造する機動的なファブレススタイル(製造設備を自社で保有せず、外部へ製造委託する業務形態)を取っております。健康食品、化粧品、日用雑貨を中心に展開しており、女性の潜在ニーズを引き出し、新発想の商品を世の中に定着させることで、ミリオンセラー(累計販売数100万個超え)の商品を複数展開しております。商品をひと目で理解できるパッケージ、ネーミング、店頭販促物、PR活動により生活者の共感や悩みの解決を提案しており、自社オリジナル商品のみならず、海外メーカーからオキシクリーンの日本オリジナル商品の販売を含む独占販売権を取得し、正規輸入販売元として日本国内にてマーケティングを行い販売しております。

主要な販売チャネルはドラッグストア、GMS、ホームセンター、バラエティストアであり、自社にて通信販売も行っております。海外においては各国の代理店を通じて販売を行っております。

当社は健康食品、化粧品、日用雑貨、医薬品の企画及び販売を主たる事業とする単一セグメントでありますが、商品カテゴリーを健康食品を中心とする「ヘルスケア」、化粧品を中心とする「ビューティケア」、日用雑貨の「ハウスホールド」、医療用医薬品と一般用医薬品の「医薬品」、「その他」に区分しております。

なお、「医薬品」カテゴリーにつきましては、2022年11月22日に「会社分割(簡易吸収分割)に関するお知らせ」として公表しておりますとおり、2023年2月1日を効力発生日として他社に医薬品事業を承継しております。

最近の商品カテゴリー別の売上実績は以下のとおりであります。

回次

第26期

第27期

決算年月

2022年6月

2023年6月

商品カテゴリー

売上高

(千円)

構成比

(%)

売上高

(千円)

構成比

(%)

ヘルスケア

310,393

7.5

193,092

3.8

ビューティケア

501,533

12.2

479,105

9.4

ハウスホールド

3,162,912

76.9

4,300,751

84.7

医薬品

103,855

2.5

65,882

1.3

その他

32,816

0.8

40,333

0.8

合計

4,111,511

100.0

5,079,165

100.0

 

 

(1) 商品化から販売までの流れ

当社は、製造、物流を外部へ委託するファブレス企業であり、商品の企画、開発、マーケティング、プロモーション、セールスに経営資源を集中しております。「生活者が必要としている」「使用実感が高い」「ポジティブな気持ちになる」商品を企画開発しており、常に使う人の立場で考え、シーズ(原材料や技術等に基づく製品アイデアや消費者自身が気が付いていないニーズ)を探り、ニーズを把握し、「①調査→②企画→③開発→④宣伝→⑤販売」の5アクションで独自性のある複数のヒット商品を生み出しております

 

2023年6月30日現在、当社におけるミリオンセラー(累計出荷数100万個超え)の商品は以下のとおりであります。

 満腹30倍 キャンディシリーズ ※2005年3月発売

 なかったコトに! サプリメントシリーズ ※2009年5月発売

 ウィズフェム よもぎ温座パット(個包装換算) ※2008年10月発売

 オキシクリーン(粉タイプ) ※2008年10月発売

 オキシクリーン マックフォースシリーズ ※2009年8月発売

 フットメジ 足用角質クリアハーブ石けんシリーズ ※2010年5月発売

 フットメジ 足用ピーリングスプレー ※2014年3月発売

 スキンピース ファミリーUVシリーズ ※2016年3月発売

 

 

 ① 調査

調査段階においては、ブランド育成のため、新商品として可能性のあるアイテムを検討し、ターゲットとする市場規模や顧客、想定される競合先(商品)、商品の使用感、成分等の調査、分析を行っております。また商品のネーミング候補に係る商標権等について第三者の知的財産権侵害の可能性の事前調査も可能な限り対応を行っております。

② 企画

当社はクリエイティブ事務所として創業以来培われたノウハウを活かして、商品企画、パッケージ企画、コンセプト設計、マーケティングリサーチ等を実施しながら、当社のメインターゲットである女性の潜在ニーズを探り、市場が必要とする商品かつ効果が実感できる商品企画を目指しております。企画部門のほとんどは30代から50代の女性で構成され、ターゲットとなるお客様のニーズをくみ上げることが可能な体制となっており、企画段階においては、「ターゲット層の見極め」「マーケット分析」「市場ニーズの高い商品企画」「効果実感の高い商品」を意識して商品化を進めております。

③ 開発

当社はファブレスメーカー(製造設備を自社で保有せず、外部へ製造委託するメーカー)として最適な原料・資材の調達、生産委託先の選定や製造管理等を行うことで、製造コストを抑え、市場ニーズの変化に対応できる機動力を高めて、当社の強みである顧客訴求力の高い表現方法やニーズを捉えるデザイン・表現等のクリエイティブ力を活かした独自性のあるアイデア商品を柔軟に展開できる体制となっております。その他、当社開発商品以外に、当社のマーケティング力を活かして、オキシクリーンの日本における独占販売権取得による海外商品の輸入販売や、製造元との協議による日本向け商品の共同開発を行っております。

④ 宣伝

当社は、販促計画及び広告戦略を立案し、その戦略を推進するための効果的なセールス・プロモーションツール(営業用提案資料)を制作しております。制作した各種店頭用販促物や印刷媒体を活用し、費用対効果を検討しながら雑誌やウェブ等のメディアを主体に広告宣伝活動を実施し、各ブランドの認知度向上への取組みを行っております。

⑤ 販売

市場、競合、商品使用感等についての分析を基に、より効果的な販売戦略を立案し、消費者に訴求力のある販促物を活用しながら、販売店舗の売り場作りやPB(プライベート・ブランド)商品等の提案営業を進めております。当社の主要な顧客は国内の問屋であり、問屋を通じて国内のドラッグストア、GMS(General Merchandise Storeの略で大規模総合スーパー)、ホームセンター、バラエティストア等へ販売しております。海外事業においても国内外の代理店を通じ、中国、韓国、米国、香港、台湾、タイ等で商品を販売しております。また、自社サイトや他社のプラットフォームを活用した通信販売も行っております。

 

(2) 当社商品について

当社は健康食品、化粧品、日用雑貨、医薬品の企画及び販売を主たる事業とする単一セグメントであるため、セグメント情報に代えて商品カテゴリー(健康食品を中心とする「ヘルスケア」、化粧品を中心とする「ビューティケア」、日用雑貨の「ハウスホールド」)別に、ブランド名及び代表商品の概要を記載しております。

なお、「医薬品」カテゴリーにつきましては、2023年2月1日を効力発生日として他社に承継しているため、記載を省略しております。

カテゴリー毎の主なブランド名及び代表商品は以下のとおりです。

① ヘルスケア

ブランド名

代表商品の概要

なかったコトに!

食事のおともに飲むことで、気にせず食事を楽しめるサプリメントシリーズです。

満腹30倍

水を含むと30倍以上に膨らむ種(タネ)バジルシード(シソ科メボウキ属の多年草であるバジルの種)を用いたキャンディシリーズです。

 

 

 

② ビューティケア

ブランド名

代表商品の概要

フットメジ

洗って足の角質や菌・ニオイをケアできる「足用角質クリアハーブ石けん」をはじめとするフットケアシリーズです。

優月美人

韓国の「よもぎ蒸し」をイメージして開発された、下着に貼って温めるタイプの「よもぎ温座パット」をはじめとした温活サポートブランドです

スキンピース

途上国の教育・産業支援を行う「FEEL PEACE プロジェクト」から生まれたブランド。シアバター(シアの木「シアーバターノキ」の実の種から採れる天然の植物油脂)と食べ物由来成分(※)で作った高保湿スキンケアシリーズです。

 

(※)食べ物由来成分だけを使用しているという意味です。食べ物ではありません。

 

③ ハウスホールド

ブランド名

代表商品の概要

オキシクリーン

酸素パワーで衣類等の汚れ・シミを落とす酸素系漂白剤ブランドです。衣類だけでなくキッチンやお風呂など家中の汚れ(※1)にも使用でき米国大手家庭用消費材メーカーであるChurch & Dwight Co., Inc.が世界展開するブランドで、内国企業において、唯一、日本オリジナル商品の販売を含む独占販売権(※2)を取得して展開しております。

 

(※1)すべての汚れ・ニオイが落ちるわけではありません。

(※2)例外的に海外の多国籍企業が米国において仕入れた商品を日本国内の小売店舗で販売することが許容されております。

 

事業系統図に示すと、以下のとおりであります。

 

※画像省略しています。

 

 

23/09/29

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

(当事業年度の営業の概況)

 

2022年6月

2023年6月

増減額

増減率(%)

売上高(千円)

4,111,511

5,079,165

967,654

23.5

営業利益(千円)

225,909

274,797

48,888

21.6

経常利益(千円)

211,847

322,724

110,877

52.3

当期純利益(千円)

145,607

221,391

75,784

52.0

1株当たり当期純利益(円)

156.58

236.76

 

 

 当社の当事業年度における業績は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で長期化する外出自粛等で化粧品需要が減少しており、「ビューティケア」では苦戦を強いられましたが、一方で、コロナ禍における日用品や衛生用品の巣ごもり需要を受けて「ハウスホールド」の酸素系漂白剤「オキシクリーン」が好調に推移し業績を牽引しました。「ヘルスケア」におきましても、通年でインバウンド需要減少の影響で苦戦を強いられました。

以上の結果、当事業年度の売上高は5,079,165千円前年同期比23.5%増)、営業利益は274,797千円前年同期比21.6%増)、経常利益は322,724千円前年同期比52.3%増)、当期純利益は221,391千円前年同期比52.0%増)となりました。

 

② 財政状態の状況

 

2022年6月

2023年6月

増減額

総資産(千円)

2,694,130

3,842,772

1,148,642

純資産(千円)

2,093,537

2,315,127

221,590

自己資本比率(%)

77.7

60.2

△17.5

1株当たり純資産(円)

2,244.51

2,466.93

 

 

(資産)

 当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ1,148,642千円増加し、3,842,772千円となりました。流動資産は、前事業年度末に比べ346,214千円増加し、2,921,528千円となりました。これは主に、2022年9月に資金調達を行ったことにより現金及び預金389,801千円増加したことに加え、原材料及び貯蔵品146,314千円増加、さらに余剰資金の一部を為替ヘッジ対策を目的として、外貨建て債券で運用を開始したことにより投資有価証券797,091千円増加した一方で、商品及び製品272,503千円減少したことによるものであります。

 

(負債)

当事業年度末における負債は、前事業年度末に比べ927,051千円増加し、1,527,644千円となりました。これは主に、前事業年度末に季節借入として行っていた短期借入金200,000千円を返済した一方で、長期的な運転資金を確保し安定的な経営戦略を採用するために、社債および長期借入金にてそれぞれ500,000千円ずつの資金調達を行ったことによるものであります。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べ221,590千円増加し、2,315,127千円となりました。これは主に、当期純利益の計上により利益剰余金が221,391千円増加したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は60.2%(前事業年度末77.7%)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 

2022年6月

2023年6月

増減額

営業活動によるキャッシュ・フロー(千円)

△550,291

481,506

1,031,798

投資活動によるキャッシュ・フロー(千円)

△21,410

△765,567

△744,157

財務活動によるキャッシュ・フロー(千円)

209,269

673,732

464,463

現金及び現金同等物の増減額(千円)

△361,340

389,801

751,141

現金及び現金同等物の期首残高(千円)

671,641

310,301

△361,340

現金及び現金同等物の期末残高(千円)

310,301

700,103

389,801

 

 

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ389,801千円増加し、700,103千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における営業活動による資金の増加は、481,506千円となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上322,724千円、棚卸資産の減少額126,189千円の増加要因と、売上債権の増加額70,564千円、法人税等の支払額34,818千円等の減少要因によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における投資活動による資金の減少は、765,567千円となりました。これは投資有価証券の取得による支出763,512千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における財務活動による資金の増加は、673,732千円となりました。これは主に、長期借入れによる収入500,000千円社債の発行による収入492,960千円として資金を調達した一方で、前年度末季節借入として行っていた短期借入金を200,000千円返済したこと、調達資金の一部について既に期限返済および償還が行われていることによるものであります。

 

キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2022年6月

2023年6月

自己資本比率(%)

77.7

60.2

時価ベースの自己資本比率(%)

70.0

51.7

キャッシュ・フロー対有利子

負債比率(年)

1.8

インタレスト・カバレッジ・

レシオ(倍)

99.0

 

 自己資本比率             :自己資本/総資産

   時価ベースの自己資本比率       :株式時価総額/総資産

   キャッシュ・フロー対有利子負債比率  :有利子負債/営業キャッシュ・フロー

   インタレスト・カバレッジ・レシオ   :営業キャッシュ・フロー/利払い

  (注)1.当社は連結財務諸表を作成していないため、単体ベースの財務数値により計算しております。

2.2021年6月期は有利子負債及び利払いがないため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは記載しておりません。

3.2022年6月期は営業キャッシュ・フローがマイナスのため表示しておりません。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

 当社は健康食品、化粧品、日用雑貨の企画及び販売を主たる事業とする単一セグメントであります。

a.生産実績

  当事業年度における生産実績は、次のとおりであります。

当事業年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

生産高(千円)

前年同期比(%)

196,808

168.6

 

    (注) 1.金額は、製造原価によっております。

 

b.受注実績

  当社は、見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

c.販売実績

  当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。

区分

当事業年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

ヘルスケア

193,092

62.2

ビューティケア

479,105

95.5

ハウスホールド

4,300,751

136.0

医薬品

65,882

63.4

その他

40,333

122.9

合計

5,079,165

123.5

 

    (注) 1.当社は単一セグメントであるため、セグメント情報に代えて商品カテゴリー毎の販売実績を記載し

                 ております。

          2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

当事業年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社あらた

2,034,627

49.5

2,667,959

52.5

中央物産株式会社

1,083,655

26.4

1,326,544

26.1

 

       3.主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につ

         きましては記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。

 

① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当事業年度におけるわが国の経済は、ウィズコロナの新たな段階への移行が進み、インバウンド需要の回復の兆しや、経済活動の正常化への動きがみられ、緩やかに回復しておりました。一方、地政学的リスクの上昇により端を発した原材料価格の高騰、世界的な金融引締め等による景気下振れリスク、為替相場の変動に対する懸念等、依然として先行きが不透明な状態が継続しておりました。

当社が属する健康食品、化粧品及び日用雑貨業界におきましては、国内の個人消費に緩やかな持ち直しの動きが見られると共に、訪日外国人によるインバウンド需要に回復基調も見られております。一方で、原材料価格や物流費の高騰に直面すると共に、輸入商品におきましては為替相場の変動の影響もあり、各種消費財の値上げが継続しており、今後の消費動向も含めた影響の予測が難しい状況にありました。また、業態間の競争環境が激化しており、業界再編の動きや人で不足による物流コスト上昇を解消するための生産性向上のへの取組み、デジタル化進展への対応など業界を取り巻く環境は大きく変化してまいりました。

このような状況の下、当社は「モノ創りで、笑顔を繋ぐ。」を経営ビジョンとして、変容する働き方やライフスタイルの中で頑張る方々を応援し、笑顔で幸せな生活を楽しんでいただくための商品を創出するメーカーとして、常にお客様の立場に立って、興味・共感を得られる実感値の高いモノ創りに挑戦し続けてまいりました。

コロナ禍からウィズコロナへの移行において、生活様式に関連した消費行動の変容を中心に、当社の強みである企画・開発力、プロモーション力を活かし、多様化する消費者ニーズを捉えた高付加価値で競争力の高い商品の開発に取り組んでおり、主力ブランドにおきましては新商品投入や既存商品のリニューアル、商品ラインナップの拡充に向けた取り組みを進めております。

当社は、ESGやSDGsへの取り組みも重視しており、途上国の産業基盤の確立に資する化粧品の企画・販売を行うフィール・ピースプロジェクト、つめかえ用商品の投入やパッケージ仕様変更による廃棄プラスチックの削減、返品等の廃棄対象商品を単純焼却ゼロ・埋め立て処分ゼロでリサイクルを行うゼロエミッション達成に向けた取り組みなどを継続して推進しているなど、事業を通じて社会課題の解決に貢献し、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。

 

a.売上高

当事業年度の販売面におきましては、引き続き販売先との緊密な連携関係のもと、一層の取り組み強化や流通チャネル戦略により営業効率を上げ、さらなる生産性向上の実現と強固な収益基盤の構築に努めました。また、SNSやWEB、テレビ等でのプロモーションを中心とした宣伝・PR活動の積極展開によるさらなる認知率向上への取り組みを行いました。ハウスホールドの「オキシクリーン」が引き続きコロナ禍での衛生意識の高まりやプロモーション活動の強化により、リピート需要を背景に業績を牽引しました。その他のカテゴリーでは新商品の投入、既存商品のリニューアルを実施いたしましたが、ヘルスケアは前年からのインバウンド需要減少に伴う展開店舗の減少の影響で苦戦を強いられ、ビューティケアもコロナ禍での外出自粛の影響からの回復が遅れており、前年を下回る結果となりました。この結果、当事業年度の売上高は5,079,165千円前年同期比23.5%増)となりました。

 

b.営業利益

利益面では、昨今の原油高等による原材料価格や仕入れ価格の上昇及び急激な円安の影響により売上原価率が前期比で7.0ポイント上昇したものの、利益構造改革を実行したことにより、販売費及び一般管理費のうち、主に物流関連費において79,732千円、一般経費において28,416千円のコスト削減を実現いたしました。この結果、営業利益は274,797千円前年同期比21.6%増)となりました。当社が目標とする経営指標である売上高営業利益率は5.4%(前期比2.3ポイント減少)となりました。

 

c.経常利益

外貨建て債券の取得による為替リスクヘッジ対策を行ったことにより、営業外収益として為替差益46,455千円を計上したことなどにより、経常利益は322,724千円前年同期比52.3%増)となりました。

 

d.当期純利益

 特別利益及び特別損失の発生はなく、当期純利益は221,391千円前年同期比52.0%増)となりました。

 

当社は健康食品、化粧品、日用雑貨、医薬品の企画及び販売を主たる事業とする単一セグメントであるため、セグメント情報に代えて商品カテゴリー毎の取り組み状況について記載しております。カテゴリーは、健康食品を中心とする「ヘルスケア」、化粧品を中心とする「ビューティケア」、日用雑貨の「ハウスホールド」、医療用医薬品と一般用医薬品の「医薬品」、「その他」で構成されております。

なお、「医薬品」カテゴリーにつきましては、2022年11月22日に「会社分割(簡易吸収分割)に関するお知らせ」として公表しておりますとおり、2023年2月1日を効力発生日として他社に医薬品事業を承継しております。

 

 

 

2022年6月

2023年6月

前年同期比

 

金額(千円)

構成比

(%)

金額(千円)

構成比

(%)

金額(千円)

増減率

(%)

ヘルスケア

310,393

7.6

193,092

3.8

△117,300

△37.8

ビューティケア

501,533

12.2

479,105

9.4

△22,427

△4.5

ハウスホールド

3,162,912

76.9

4,300,751

84.7

1,137,838

36.0

医薬品

103,855

2.5

65,882

1.3

△37,973

△36.6

その他

32,816

0.8

40,333

0.8

7,517

22.9

合計

4,111,511

100.0

5,079,165

100.0

967,654

23.5

 

 

(ヘルスケア)

ヘルスケアに区分される商品におきましては、インバウンド需要に回復の兆しが見えてきていることもあり、特定店舗における販売はコロナ前の水準に戻ってきております。全体としてはコロナ禍での売り場減少、ヘルスケア市場全体の低下が影響したことにより、売上は低調に推移いたしました。その結果、ヘルスケア商品の売上高は、193,092千円前年同期比37.8%減)となりました。

 

(ビューティケア)

ビューティケアに区分される商品におきましては、フェムテック商品である「よもぎ温座パット」において、リブランディングを行うと共に、積極的にPR活動やメディア露出を行った成果もあり、売上拡大に貢献いたしました。また、足ケアブランド「フットメジ」では世界的人気のサッカー漫画「キャプテン翼」との期間限定コラボ―レーション商品を発表したものの、コロナ禍での売り場減少の影響が続いたこともあり、売上は前年を上回ることが出来ませんでした。その結果、ビューティケア商品の売上高は、479,105千円前年同期比4.5%減)となりました。

 

(ハウスホールド)

ハウスホールドに区分される商品におきましては、酸素系漂白剤ブランド「オキシクリーン」では、継続して積極的なPRイベントの実施や更なる認知度向上のためのプロモーション活動を実施してまいりました。認知度は引続き向上しており、導入店舗数の増加、つめかえタイプの商品を中心としたリピート需要も好調に推移いたしました。その結果、ハウスホールド商品の売上高は4,300,751千円前年同期比36.0%増)となりました。

 

(医薬品)

2023年2月1日を効力発生日として行った会社分割により他社に医薬品事業を譲渡したため、2023年1月で事業を終了しております。当事業年度の医薬品の売上高は65,882千円前年同期比36.6%減)となりました。

 

(その他)

その他売上につきましては、主として植物石鹸等のプライベートブランド商品を販売しており、売上高は40,333千円前年同期比22.9%増)となりました。

 

② 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択、適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1.財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」及び「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因

当社経営成績等に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり 、事業環境、事業運営・組織体制、取引先の動向、関連する法的規制、人材の確保、自然災害や疫病の発生等の様々な要因があると認識しております。

そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ内部管理体制を強化し、柔軟な働き方の導入と有能な人材の獲得、より一層商品力・競争力の高い企画開発やお客様への認知率向上、取引先との連携強化による収益基盤の向上等の施策を実施していく事により当社の経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

当社の運転資金需要のうち主なものは、売上原価に係るもの、人件費、広告宣伝費や物流費等の営業費用であります。短期運転資金は、自己資金を基本としておりますが、不足事態に備え、金融機関と合計800,000千円のコミットメントライン契約や当座貸越契約を締結しております。設備投資資金や長期運転資金については、自己資金を基本としておりますが、世界的な金融市場の不安定な状況を鑑みて、当事業年度において金融機関からの長期借入や社債発行等を検討した上で運転資金の調達を行っております。当事業年度末における借入金及び社債を含む有利子負債残高は875,000千円、現金及び現金同等物は700,103千円であり、一定の流動性を確保しております。

なお、当社のキャッシュ・フローにつきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 

⑤ 経営戦略の現状と見通し

当社は『モノ創りで、笑顔を繋ぐ。』という経営ビジョンのもと、「本当に求められている物」とは何かを、常に消費者の立場で考え、独自性のある商品力で高付加価値、そして人々を楽しく幸せにできる商品づくりに取り組んでまいりました。当社が属する健康食品、化粧品、日用雑貨及び医薬品業界におきましては、健康志向の高まり、女性の社会進出やライフスタイルの変化などにより消費者ニーズは多様化しております。当社は消費者との更なる信頼関係構築のために、既存の重点ブランドにおいて、効果的な広告宣伝活動による認知度向上を図るとともに、消費者ニーズに基づいた商品企画で市場や消費者の求める安全性と確かな品質を届ける企業として、市場シェアの更なる拡大を目指してまいります。また、将来的な国内市場の縮小に備えたグローバル化の推進を行い、世界に貢献出来る企業へ成長したいと考えております。

そのため当社は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、様々な施策に取り組み、収益拡大を図るとともに、より一層社会に貢献してまいります。

 

⑥ 経営者の問題認識と今後の方針

当社が今後一層の成長を図るためには、経営者は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していく必要があると認識しております。それらの課題に対応するために、経営者は常に外部環境の構造やその変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を認識したうえで、当社の経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。