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利益

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最終更新:

E00860 Japan GAAP

売上高

156.6億 円

前期

166.4億 円

前期比

94.1%

時価総額

152.7億 円

株価

1,139 (04/25)

発行済株式数

13,404,862

EPS(実績)

45.18 円

PER(実績)

25.21 倍

平均給与

577.2万 円

前期

594.0万 円

前期比

97.2%

平均年齢(勤続年数)

40.8歳(12.7年)

従業員数

299人(連結:308人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社の企業集団(当社グループ)は、当社と連結子会社3社の合計4社で構成されており、土壌消毒剤、害虫防除剤、病害防除剤等農業薬品の製造販売を主な事業としております。

なお、当社グループは、農薬の製造、販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

当社グループ各社の事業に係る位置づけは次のとおりです。

 

連結子会社Kanesho Soil Treatment SRL/BVは、農業用土壌消毒剤の原体及びバルクを当社及び世界90カ国へ販売しております。

連結子会社AGRO-KANESHO KOREA CO., LTD.は、韓国国内での当社グループ製品販売及び普及推進を行っております。

連結子会社株式会社KANESHO CHPは、Dow AgroSciences LLCが日本・韓国で展開しているクロルピリホス剤の営業権を譲受け、取得した知的財産権のライセンス供与を当社に対して行っておりましたが、2023年12月8日開催の取締役会で解散を決議し、清算手続中であります。

 

以上の企業集団について図示すると次のとおりであります。

 

※画像省略しています。
24/03/28

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績

農業を取り巻く環境は、世界の人口増加に伴う食糧需要の拡大から、農業生産は今後も拡大するものと考えられ、世界の農薬市場は、農業生産の拡大から成長基調が継続しております。国内農業では、農業生産者の減少及び高齢化が進んでいる一方で、大規模生産者や農業法人の増加など農業生産構造の変化が現れてきております。このような中、国内農薬業界におきましては、改正農薬取締法(2018年12月施行)により一層の農薬の安全性向上が要求されており、国内の既登録農薬についても最近の科学的知見に基づいた安全性等の再評価が必要となっております。また、世界農薬市場におきましては、国内に先行し農薬登録制度の見直しが行われており、農薬使用時や残留農薬の安全性評価に留まらず生態系に対する環境影響評価が強化され、多くの既存薬剤の登録の失効・淘汰が進んでいます。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化等、国際情勢の悪化により資源価格の高騰が続くなど、依然として先行き不透明な状況が続いています。

このような情勢の中で当社グループは、経営理念である「我が信条」(お客様のため、社員のため、社会のため、株主のためという4か条)ならびに「どこまでも農家とともに」をモットーとして研究開発・技術普及・生産・販売を展開しております。当社グループは、創業以来の経営理念を堅持しつつ100年企業を目指すために、「Lead The Way 2025」をスローガンとした長期事業計画とともに、新中期事業計画(2022年-2025年)を策定し、企業価値の向上に努めております。

研究開発部門では、安全・安心な化学合成農薬の創出、生産現場のニーズに合致した製品の研究開発に加え、他社からの製品導入や無形資産の買収に取り組み、ポートフォリオの拡充に努めております。欧州の「Farm to fork」や日本の「みどりの食料システム戦略」に掲げられる生物多様性や脱炭素化が農業生産における社会課題として大きくクローズアップされ、当社を取り巻く事業環境の変化が予見される状況下、従来の化学合成農薬の範疇にとらわれることなく、IPM(総合的病害虫・雑草管理)に資する農薬や資材を展開するため、研究部内にバイオロジカル・ソリューション室を新設し、微生物農薬や天敵資材等の普及拡大のための技術支援および新剤の開発に取り組んでおります。

生産部門では、東京電力福島第一原子力発電所事故による福島工場の操業停止から12年となる中、山口工場はその代替工場として2018年11月に建設され、2021年2月にISO9001の認証を取得しました。茨城工場・直江津工場と併せて自社生産体制の向上により、製品の安定供給とコスト削減に取り組むとともに、品質保証と顧客満足の向上に努めております。また、農薬製造における製剤技術やノウ・ハウの確立及び継承、製剤研究から工業生産場面へのシームレスな技術移管を目的に、生産本部と研究開発本部との組織横断的な「応用技術研究室プロジェクト」を立ち上げ、100年企業を目指した製剤技術の伝承・発展のためのプロジェクトを推進いたします。

なお、山口工場は西日本の物流拠点としての機能を備えており、東日本の物流拠点である所沢物流倉庫と併せた効率的な運用による一層のサービス向上に努めてまいります。

2011年3月11日の東京電力福島第一原子力発電所の事故による営業損害につきましては、東京電力ホールディングス株式会社に対し損害賠償訴訟を係属中であります。

技術普及部門では、農業生産者への適切な技術情報の提供に加えて、土壌分析室を活用し、農業の根幹となる土づくり、土壌のセンチュウ対策、病害虫診断の支援活動を拡大しています。さらに、グローバルGAP認証取得支援ならびに地域の農業・栽培問題解決のための研究実践農場(カネショウファーム)の運営も全国8か所にて展開し、これらのサービス提供により地域農業や農業生産者への貢献に努めております。また、新型コロナウイルス感染拡大時に強化した「お客様相談窓口」は継続し、能動的に製品の技術情報などお客様のお問合わせに対応するとともに、農薬の基礎情報、安全使用啓発、当社商品情報をお客様に提供する目的でWebツールを利用し「カネショウゼミナール」をWebにて2023年9月より開始し、お客様との関係強化に努めてまいります。

 

海外事業部門では、主力製品「カネマイトフロアブル」の登録が世界53か国で認可され、更に5か国で開発を進めております。また、アセキノシル新製剤である「Veto 30SC」は、2021年10月に米国カリフォルニア州で登録が認可されて以降、全世界的に開発を進めてまいります。「ネマキック粒剤・液剤」については現在10か国で登録が認可され今後も登録国の拡大に取り組んでまいります。また、海外子会社を通じて全世界で「バスアミド微粒剤」、「D-D」の登録維持・拡大・販売活動を継続し、韓国においては現地販売会社・小売店・農家に対する直接的な支援を強化してまいります。

当連結会計年度においては、主にダニ剤「カネマイトフロアブル」が国内、海外向け、特に欧州を中心に好調で売上に貢献しましたが、主要剤である土壌消毒剤のうち、「バスアミド微粒剤」は海外では好調でしたが、その他の土壌消毒剤が前連結会計年度を下回り、売上高、営業利益及び経常利益は前連結会計年度に対し減少しました。なお、米州向け「カネマイトフロアブル」が現地で保管中に品質が劣化したため、営業外費用で3億5千万円の製品補償費を計上しました。当社の連結子会社である株式会社KANESHO CHPに関する特別利益(債務免除益)2億2千4百万円を計上したものの、親会社株主に帰属する当期純利益は減少いたしました。

この結果、当連結会計年度の売上高は156億5千5百万円前連結会計年度比9億8千5百万円の減少前連結会計年度比5.9%減)、営業利益は13億7千8百万円前連結会計年度比2億7千2百万円の減少前連結会計年度比16.5%減)、経常利益は11億7百万円前連結会計年度比6億円の減少前連結会計年度比35.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億5百万円前連結会計年度比3億1千2百万円の減少前連結会計年度比34.0%減)となりました。

当社グループは農薬の製造、販売事業の単一セグメントでありますが、製品の種類別の営業概況は次のとおりであります。

 

(イ) 害虫防除剤

国内では「テデオン剤」、「ダーズバンDF」の販売終了によるマイナス要因や、「バイスロイドEW」、「サムコルフロアブル」、「チューンアップ顆粒水和剤」、「アルバリン粒剤」が前連結会計年度を下回りましたが、「カネマイトフロアブル」、「ペンタック水和剤」、「エコマイト顆粒水和剤」、「アルバリン顆粒水溶剤」、「ヨーバルフロアブル」が前連結会計年度を上回りました。海外では「カネマイトフロアブル」がスペインを中心とした欧州等で好調に売上を伸ばし、害虫防除剤全体では前連結会計年度を上回る結果となりました。この結果、売上高は43億9千5百万円前連結会計年度比1千7百万円の増加前連結会計年度比0.4%増)となりました。

 

(ロ) 病害防除剤

「兼商クプロシールド」、「モレスタン水和剤」、「アフェットフロアブル」が前連結会計年度を下回りましたが、「キノンドーフロアブル」、「キノンドー顆粒水和剤」、「ストライド顆粒水和剤」が前連結会計年度を上回ったため、病害防除剤全体で前連結会計年度を上回りました。この結果、売上高は9億4千6百万円前連結会計年度比1千4百万円の増加前連結会計年度比1.6%増)となりました。

 

(ハ) 土壌消毒剤

国内では「ネマキック粒剤」、「バスアミド微粒剤」及び「D-D」と土壌消毒剤全体が前連結会計年度を下回りました。海外では「バスアミド微粒剤」は欧州、中南米等で前連結会計年度を上回りましたが,「D-D」が前連結会計年度を下回り、土壌消毒剤全体で前連結会計年度を下回りました。この結果、売上高は71億4千2百万円前連結会計年度比12億1千9百万円の減少前連結会計年度比14.6%減)となりました。

 

(ニ) 除草剤

「カソロン粒2.5」、「クリアホープ」が前連結会計年度を上回りましたが、「モゲトン粒剤」、「アークエース1キロ粒剤」が前連結会計年度を下回り、除草剤全体で前連結会計年度を下回りました。この結果、売上高は17億1千9百万円前連結会計年度比1千9百万円の減少前連結会計年度比1.1%減)となりました。

 

 

(ホ) その他

展着剤、園芸用品、植調剤が前連結会計年度を上回り、4月から販売を開始した「生物農薬」も売上増加に寄与し、その他全体で前連結会計年度を上回りました。この結果、売上高は14億5千2百万円前連結会計年度比2億2千万円の増加前連結会計年度比17.9%増)となりました。

 

② 生産、受注及び販売の状況

(イ) 生産実績

当連結会計年度における生産実績は、次のとおりです。なお、当社グループは単一セグメントのため、製品の種類別に記載しています。

区分

金額(千円)

前年同期比(%)

害虫防除剤

4,334,525

+3.5

病害防除剤

896,341

+6.9

土壌消毒剤

5,114,855

+1.3

除草剤

2,119,010

+28.0

その他

1,562,356

+8.2

合計

14,027,090

+6.5

 

(注) 金額は正味販売価格により算出しております。

 

(ロ) 受注状況

前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)及び当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

当社グループ製品は見込生産を主体としており、総販売高に占める受注生産の割合は僅少のため受注状況の記載を省略しております。

 

(ハ) 販売実績

当連結会計年度における販売実績は、次のとおりです。なお、当社グループは単一セグメントのため、製品の種類別に記載しています。

区分

金額(千円)

前年同期比(%)

害虫防除剤

4,395,656

+0.4

病害防除剤

946,042

+1.6

土壌消毒剤

7,142,064

△14.6

除草剤

1,719,290

△1.1

その他

1,452,050

+17.9

合計

15,655,104

△5.9

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

カネコ種苗株式会社

2,381,381

14.3

2,010,476

12.1

 

 

 

③ 財政状態

(イ) 資産

当連結会計年度の総資産272億5千8百万円は、前連結会計年度の280億7千万円に比べ、8億1千1百万円の減少となりました。これは主に棚卸資産が5億2千7百万円増加する一方、売掛金が2億2千3百万円、電子記録債権が1億1千5百万円、現金及び預金が6億8千5百万円、未収還付法人税等が1億1千万円、のれんの償却完了等により無形固定資産が1億5千3百万円減少したことによるものであります。

 

(ロ) 負債及び純資産

当連結会計年度の負債65億4千6百万円は、前連結会計年度の72億8千1百万円に比べ、7億3千5百万円の減少となりました。これは主に未払法人税等が1億9千9百万円、借入金の返済で借入金が5億7千7百万円万円減少したことによるものであります。純資産は207億1千2百万円となり、前連結会計年度に比べ7千6百万円の減少となりました。これは主に自己株式の取得等で7億1千1百万円自己株式が増加したことによるものです。その結果、自己資本比率は71.7%1株当たり純資産額は1,632円81銭となりました。

 

④ キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、資金という。)は103億7千5百万円前連結会計年度比6億8千5百万円の減少前連結会計年度比6.2%減)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は 10億9千5百万円(前連結会計年度は16億3千2百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益(13億3千1百万円)、減価償却費の計上(5億3千8百万円)、売上債権の減少(4億9百万円)による増加があったものの、棚卸資産の増加(5億1千4百万円)、法人税等の支払(3億4千7百万円)により減少したものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は 2億4千4百万円(前連結会計年度は1億1千3百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産(2億3千3百万円)の取得により減少したものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果支出した資金は 17億5千6百万円(前連結会計年度は8億4千4百万円の支出)となりました。これは主に、自己株式の取得(7億円)、長期借入金の返済(3億5千3百万円)、配当金の支払(4億3千万円)、非支配株主への配当金の支払額(2億6千3百万円)により減少したものであります

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討等

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。

(売上高)

売上高は156億5千5百万円前連結会計年度比9億8千5百万円の減少前連結会計年度比5.9%減)となりました。 製品の種類別の売上高につきましては、(1) 経営成績等の状況の概要に記載のとおりです。

(営業利益)

営業利益は13億7千8百万円前連結会計年度比2億7千2百万円の減少前連結会計年度比16.5%減)となりました。これは主に、研究開発に関する費用の減少等により販売費及び一般管理費は減少しましたが、売上原価率が原価高騰等により増加したためです。

(経常利益)

経常利益は11億7百万円前連結会計年度比6億円の減少前連結会計年度比35.2%減)となりました。当連結会計年度は、営業外費用として、製品補償費の計上があり、経常利益では前連結会計年度に対し減少となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は6億5百万円前連結会計年度比3億1千2百万円の減少前連結会計年度比34.0%減)となりました。当連結会計年度は経常利益の減少がそのまま親会社株主に帰属する当期純利益を圧縮し、前連結会計年度を下回る結果となりました。

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、原材料調達価格の動向、市場動向、為替動向、国内外の法令及び政治・経済動向等があります。

資材調達につきましては、重要な供給元とは関係強化を図るとともに、複数のソースを起用することと、生産と販売のバランスの調整、物流体制の見直しや最適化に努め、為替の影響によるリスクヘッジを含めた安定的な調達を進めております。

市場の変化に対しましては、国内販売部門において、マーケティング戦略に基づいた選択と集中を実践し、TCA活動を通して農家への技術普及活動を行い、自社剤の拡販に取り組んでまいります。また生物農薬・資材を中心とした総合的病害虫管理に資する製品(IPM製品)の普及・販売を推進します。海外販売部門においては、ダニ剤「カネマイトフロアブル」・「Veto 30SC」、「ネマキック粒剤」の販売国、適用作物の拡大を最重要課題として取り組んでおります。研究開発部門では引き続き、新剤の開発に取り組んでおります。

国内外の法令や政治・経済動向等につきましては、海外事業本部、法務文書室等を中心とし、情報を入手するとともに、海外子会社や協力企業と連携・情報共有を図ることで対応を行っております。

なお、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える主要なリスクにつきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入を資金の源泉としております。また、設備投資等の長期資金需要につきましては、自己資金はもとより、金融機関からの借入等、金利コストの最小化を図れるように資金調達を行っております。