E01034 Japan GAAP
前期
624.0億 円
前期比
104.0%
株価
2,999 (04/25)
発行済株式数
42,708,154
EPS(実績)
156.20 円
PER(実績)
19.20 倍
前期
715.6万 円
前期比
101.6%
平均年齢(勤続年数)
44.4歳(17.7年)
従業員数
1,105人(連結:1,847人)
当社グループは、当社、子会社11社及び関連会社1社で構成されており、香料の製造並びに販売あるいはこれらに関連する事業を行っております。
当社グループの主な事業内容及び事業系統図は以下のとおりであります。
セグメント |
部門区分(注) |
日本 |
フレグランス部門(製品・商品) 食品部門(製品・商品) |
米国 |
食品部門(製品・商品) |
アジア |
フレグランス部門(製品) 食品部門(製品) |
(注)各部門の主要品目、主要用途は以下のとおりであります。
○ フレグランス部門:香水・クリーム等の化粧品、シャンプー・石鹸等のトイレタリー製品、洗剤等のハウスホールド製品に用いられる香粧品香料等
○ 食品部門:飲料・菓子・冷菓・デザート・即席麺スープ等に用いられるエッセンス・食品用油性香料・食品用粉末香料・シーズニング・フルーツ加工品・天然色素等
区分 |
主要品目 |
主要用途 |
|
製品 |
フレグランス部門 |
香粧品香料 |
香水、オーデコロン等のフレグランス製品。クリーム、 口紅、ヘアトニック等の化粧品。シャンプー、石鹸等の トイレタリー製品。芳香剤、洗剤等のハウスホールド製品 |
香粧品製品 |
|||
合成香料 |
|||
食品部門 |
エッセンス |
飲料、冷菓、デザート等 |
|
食品用油性香料 |
菓子、スープ、酪農・油脂製品等 |
||
食品用乳化香料 |
飲料、菓子、冷菓等 |
||
食品用粉末香料 |
菓子、スープ、食肉・水産加工品等 |
||
食品用抽出香料 |
飲料、冷菓、菓子等 |
||
シーズニング |
スープ、菓子、調味料等 |
||
エキストラクト |
飲料、冷菓、デザート等 |
||
加工食品素材 |
加工食品、飲料、菓子等 |
||
フルーツ加工品 |
飲料、冷菓、デザート等 |
||
天然色素 |
飲料、加工食品等 |
||
商品 |
フレグランス部門 |
化粧品素材等 |
化粧品等 |
食品部門 |
フルーツ加工品 |
飲料、冷菓、デザート等 |
|
果汁 |
[事業系統図]
※画像省略しています。
主な事業内容は下記のとおりであります。
セグメント |
会社名 |
部門区分 |
事業内容 |
日本 |
長谷川ビジネスサービス㈱ |
食品部門 |
農畜産物の加工及び販売 |
㈱小海コンポース |
その他 |
有機質肥料の製造及び販売 |
|
アジア |
長谷川香料(上海)有限公司 |
フレグランス及び食品部門 |
各種香料の製造及び販売 |
長谷川香料(蘇州)有限公司 |
食品部門 |
各種食品香料の製造及び販売 |
|
上海長谷川香精貿易有限公司 |
フレグランス及び食品部門 |
各種香料及び香料原材料の販売 |
|
台灣長谷川香料股份有限公司 |
フレグランス及び食品部門 |
各種香料の販売 |
|
T HASEGAWA FLAVOURS (KUALA LUMPUR) SDN. BHD. |
食品部門 |
各種食品香料の製造及び販売 |
|
T. HASEGAWA (SOUTHEAST ASIA) CO., LTD. |
フレグランス及び食品部門 |
各種香料の販売 |
|
PT. HASEGAWA FLAVOURS AND FRAGRANCES INDONESIA |
フレグランス及び食品部門 |
各種香料の販売 |
|
米国 |
T. HASEGAWA U.S.A., INC. |
食品部門 |
各種香料の製造及び販売、各種香料・原材料・食品加工の調査 |
MISSION FLAVORS & FRAGRANCES, INC. |
食品部門 |
各種食品香料の製造販売 |
(注)1.当社は堆肥原料となる農産物系の廃棄物を産業廃棄物処理業者経由にて㈱小海コンポースへ供給しているため、当社と㈱小海コンポースの間に直接の取引はありません。
2.2018年1月にマレーシアのT HASEGAWA FLAVOURS AND FRAGRANCES (MALAYSIA) SDN. BHD.(非連結子会社で持分法非適用会社)が当社子会社となりましたが、現在、事業活動開始に向けて準備中であり、当連結会計年度中に当社との間に営業取引はありません。なお、同社のセグメント区分は「アジア」であります。
3.T. HASEGAWA (SOUTHEAST ASIA) CO., LTD.はタイ王国に所在しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類感染症に移行したことに伴い行動制限が緩和され、社会経済活動が正常化に向かい、景気は緩やかな回復が見られました。一方で、ウクライナ情勢の長期化、原材料価格や資源価格の高騰、円安の進行等が国内外の経済活動に与える影響が懸念され、依然として先行きは不透明な状況で推移いたしました。
香料業界は、国内市場の成熟化、同業者間での競争激化、品質保証に関する要求増加など、依然として厳しい状況にありました。
このような環境の中で、当社グループは製品の品質管理と安全性の確保を第一に、研究・技術開発力の一層の向上に努め、当社独自の高品質・高付加価値製品の開発に注力してまいりました。
当連結会計年度におきましては、売上高は前連結会計年度に比べ2,476百万円(4.0%)増加し、64,874百万円となりました。なお、当社単体の売上高は前連結会計年度比1.4%の増収、主要な海外連結子会社の売上高は、米国子会社が円安の影響により前連結会計年度比4.6%の増収(現地通貨ベースでは同6.3%の減収)、中国子会社が前連結会計年度比8.6%の増収(現地通貨ベースでは同4.6%の増収)、マレーシア子会社が前連結会計年度比24.2%の増収(現地通貨ベースでは同16.9%の増収)となりました。
部門別に見ますと、食品部門は、当社単体、中国子会社、及び円安の影響による米国子会社の売上増加を主因に前連結会計年度比5.0%増加し、57,075百万円となりました。
フレグランス部門は、当社単体の売上が減少したことを主因に前連結会計年度比3.0%減少し、7,799百万円となりました。
利益につきましては、営業利益は原料費等の増加に伴う売上原価率の悪化、並びに販売費及び一般管理費の増加を主因に前連結会計年度に比べ544百万円(6.8%)減少し、7,507百万円となりました。経常利益は営業利益の減少並びに為替差益の減少を主因に、前連結会計年度に比べ890百万円(9.8%)減少し、8,185百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の減少並びに投資有価証券売却益の減少を主因に、前連結会計年度に比べ1,335百万円(16.7%)減少し、6,671百万円となりました。
なお、当連結会計年度おける損益計算書の換算に適用する主要通貨の日本円への換算レート(期中平均レート)は、下記のとおりです。
1米ドル=138.98円(前年同期124.46円、前年同期比11.7%円安)
1人民元=19.68円(前年同期18.96円、前年同期比3.8%円安)
1マレーシアリンギット=30.71円(前年同期28.90円、前年同期比6.3%円安)
セグメントの経営成績は次のとおりであります。なお、セグメントごとの経営成績については、セグメント間の内部売上高等を含めて表示しております。
(日本)
売上高は、食品部門の売上増加を主因に39,718百万円(前連結会計年度比1.4%増)となりました。セグメント利益は、原料費等の増加に伴う売上原価率の悪化を主因に4,518百万円(前連結会計年度比12.5%減)となりました。
(アジア)
売上高は、中国子会社及びマレーシア子会社の売上増加を主因に15,077百万円(前連結会計年度比10.1%増)となりました。セグメント利益は、中国子会社が売上高の増加及び売上原価率の改善により増益となったことを主因に3,094百万円(前連結会計年度比27.3%増)となりました。
(米国)
売上高は、米国景気の先行き不透明感への懸念を背景に、フレーバー業界全体が落ち込んだ影響を受けるも、円安の影響により12,861百万円(前連結会計年度比4.8%増)となりました。セグメント損失は、売上原価率の悪化、並びに円安の影響による販売費及び一般管理費の増加を主因に166百万円(前連結会計年度は511百万円のセグメント利益)となりました。
b.財政状態の状況
資産、負債及び純資産の状況
(流動資産)
前連結会計年度に比べ、現金及び預金が5,348百万円、売掛金が1,073百万円、それぞれ増加した一方で、有価証券が1,999百万円減少したことを主因として、流動資産は前連結会計年度に比べ4,675百万円増加し、70,665百万円となりました。
(固定資産)
有形固定資産は、前連結会計年度に比べ、建物及び構築物(純額)が449百万円、建設仮勘定が1,049百万円、それぞれ増加したことを主因として、前連結会計年度に比べ1,562百万円増加し、35,314百万円となりました。
無形固定資産は、償却が進んだことによりのれんが755百万円、顧客関連資産が320百万円、それぞれ減少した一方で、その他に含まれるソフトウエアとソフトウエア仮勘定が合わせて511百万円増加したことを主因として、前連結会計年度に比べ、570百万円減少し、19,624百万円となりました。
投資その他の資産は、投資有価証券を売却したことを主因として、前連結会計年度に比べ94百万円減少し、13,521百万円となりました。
(流動負債)
前連結会計年度に比べ、買掛金が786百万円、未払法人税等が874百万円それぞれ減少したことを主因として、流動負債は前連結会計年度に比べ1,202百万円減少し、12,129百万円となりました。
(固定負債)
前連結会計年度に比べ、繰延税金負債が253百万円、その他に含まれる長期リース債務が1,107百万円それぞれ増加したことを主因に、固定負債は前連結会計年度に比べ1,473百万円増加し、10,677百万円となりました。
(純資産の部)
前連結会計年度に比べ、利益剰余金が4,120百万円,為替換算調整勘定が1,253百万円それぞれ増加した一方で、その他有価証券評価差額金が103百万円減少しました。これらを主因として、純資産合計は前連結会計年度に比べ5,301百万円増加し、116,319百万円となりました。
1米ドル=149.58円(前連結会計年度末144.81円、前連結会計年度末比3.3%円安)
1人民元=20.46円(前連結会計年度末20.37円、前連結会計年度末比0.4%円安)
1マレーシアリンギット=31.88円(前連結会計年度末31.24円、前連結会計年度末比2.0%円安)
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ2,531百万円増加(前連結会計年度は8,562百万円増加)し、29,957百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は8,012百万円(前連結会計年度は8,001百万円増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が9,322百万円、減価償却費が3,700百万円であった一方で、法人税等の支払額が3,226百万円、投資有価証券売却及び評価損益が1,203百万円、売上債権の増加額が1,042百万円であったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は3,092百万円(前連結会計年度は1,208百万円増加)となりました。これは主に定期預金の預入が2,283百万円、同払戻が1,511百万円であったことと、有形固定資産の取得による支出2,805百万円、投資有価証券の売却による収入1,270百万円が、それぞれあったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は2,657百万円(前連結会計年度は2,721百万円減少)となりました。これは主に配当金の支払額が2,552百万円であったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年10月1日 至 2023年9月30日) |
前年同期比(%) |
日本 (百万円) |
37,719 |
102.7 |
アジア (百万円) |
12,108 |
108.3 |
米国 (百万円) |
13,873 |
107.4 |
合計 (百万円) |
63,701 |
104.7 |
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間取引の相殺消去前の数値によっております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年10月1日 至 2023年9月30日) |
前年同期比(%) |
日本 (百万円) |
2,254 |
89.8 |
アジア (百万円) |
1,882 |
141.9 |
米国 (百万円) |
- |
- |
合計 (百万円) |
4,136 |
107.8 |
(注) 金額は仕入価格によっており、セグメント間取引の相殺消去前の数値によっております。
c.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比(%) |
日本 |
37,063 |
100.6 |
1,896 |
91.4 |
アジア |
13,489 |
98.0 |
900 |
98.7 |
米国 |
12,980 |
106.0 |
1,753 |
190.2 |
合計 |
63,533 |
101.1 |
4,551 |
116.4 |
(注) 金額は販売価格で表示しております。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年10月1日 至 2023年9月30日) |
前年同期比(%) |
日本 (百万円) |
37,243 |
101.3 |
アジア (百万円) |
14,920 |
110.5 |
米国 (百万円) |
12,710 |
104.6 |
合計 (百万円) |
64,874 |
104.0 |
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであり、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
(売上高)
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(営業利益)
売上原価は前連結会計年度に比べ2,409百万円増加し、39,185百万円となりました。また、販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ611百万円増加し、18,181百万円となりました。
これらの結果、営業利益は前連結会計年度に比べ544百万円(6.8%)減少し、7,507百万円となりました。
(経常利益)
経常利益は、営業利益並びに為替差益の減少を主因に前連結会計年度に比べ890百万円(9.8%)減少し、8,185百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益は、投資有価証券の売却益が前連結会計年度より減少したことを主因として、1,027百万円減少し、1,203百万円となりました。特別損失は、前連結会計年度に比べ27百万円増加し、65百万円となりました。
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ1,944百万円減少し、9,322百万円となりました。税金費用は、前連結会計年度に比べ556百万円減少し、2,650百万円となりました。
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ1,335百万円(16.7%)減少し、6,671百万円となりました。
b.財政状態
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.財政状態の状況」に記載のとおりであります。
c.キャッシュ・フローの状況
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループでは、中期3ヵ年経営計画(連結)(毎期見直しを行うローリング方式)を定め、会社として達成すべき目標を明確にしております。2023年9月期は、売上高66,000百万円、営業利益7,000百万円、経常利益7,450百万円、親会社株主に帰属する当期純利益6,170百万円の計画(2022年11月11日公表)を掲げ、その実現に取り組んでまいりました。
その後、売上高については、2023年9月期第3四半期時点で日本国内は概ね想定通り推移した一方で、米国において市場の回復が当初想定よりも遅れ、米国子会社が当該影響を受け、想定を下回って推移したことから、連結の通期計画を64,600百万円に下方修正しました。利益につきましては、日本国内において、売上構成の変化により売上原価率が想定よりも改善したこと、また販売費及び一般管理費が想定を下回って推移したことから当社単体の営業利益、経常利益、当期純利益の通期計画を上方修正したこと、並びに中国子会社において売上構成の変化により売上原価率が想定よりも改善したことから、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の連結の通期計画を上方修正(営業利益7,600百万円、経常利益8,050百万円、親会社株主に帰属する当期純利益6,600百万円)しました。
当連結会計年度は、日本国内において、食品部門の売上が増加し堅調に推移いたしました。海外では、中国子会社において食品部門の売上が増加したこと、並びに円安の影響により米国子会社の売上が増加いたしました。以上の要因により、売上高は修正計画を上回る結果となりました。利益につきましては、売上高は修正計画を上回ったものの、日本国内において売上原価が想定よりも増加したことを主因に、営業利益は修正計画を下回る結果となりました。経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、為替差益等が想定よりも増加したことを主因に修正計画を上回る結果となりました。
セグメントごとの状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
日本は、食品部門の売上増加を主因に前連結会計年度比増収となりました。セグメント利益は、原料費等の増加に伴う売上原価率の悪化を主因に前連結会計年度比減益となりました。
アジアは、中国において食品部門の売上が増加したこと、及びマレーシアにおいてスナック向け等の売上が増加した結果、売上高は前連結会計年度比増収となりました。セグメント利益は、中国子会社が売上高の増加及び売上原価率の改善により増益となったことを主因に前連結会計年度比増益となりました。
米国は、米国景気の先行き不透明感への懸念を背景に、フレーバー業界全体が落ち込んだ影響を受け、現地通貨ベースでは前連結会計年度比減収となりましたが、円安の影響により円ベースでは前連結会計年度比増収となりました。セグメント利益は、売上原価率の悪化、並びに円安の影響による販売費及び一般管理費の増加を主因に赤字となりました。
今後のわが国経済は、社会経済活動の正常化が進み、景気が持ち直していくことが期待されるものの、国際情勢の動向、原材料価格や資源価格の高騰、為替の大幅な変動、物価の上昇等が国内外の経済活動に与える影響が懸念され、先行きが不透明な状況が続くことが見込まれますが、当社グループは、「技術立社」の社是のもと、研究・技術開発力の一層の向上により、特長のある差別化された製品開発を行うとともに、生産性の向上や業務全般の効率化によるコスト削減に努めてまいります。また、少子高齢化に伴う成熟化が進行する国内市場でのシェア拡大に努める一方で、グローバル展開を更に強化し、海外市場での業績拡大を目指してまいります。
e.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、持続的・安定的な発展を通じて中長期的な企業価値の向上を実現していくために、必要かつ可能な範囲を意識して、連結売上高伸長率4.0%以上、2026年9月期に連結売上高営業利益率14.0%、連結売上高経常利益率15.0%を目標としております。
当連結会計年度の連結売上高伸長率は、当社単体、中国子会社、円安の影響による米国子会社の売上増加を主因に4.0%となり、連結売上高伸長率4.0%以上の目標を達成いたしました。また、連結売上高営業利益率は、原料費等の増加に伴う売上原価率の悪化、並びに販売費及び一般管理費の増加を主因に前連結会計年度比1.3ポイント悪化の11.6%、連結売上高経常利益率は、営業利益の減少並びに為替差益の減少を主因に前連結会計年度比1.9ポイント悪化の12.6%となりました。当連結会計年度は、連結売上高営業利益率及び連結売上高経常利益率が前連結会計年度比悪化いたしましたが、当社グループは、引き続きこれらの指標を向上させるべく努めてまいります。
なお、当連結会計年度を含む、直近3連結会計年度の代表的な指標の推移は以下のとおりです。
(単位:%)
|
2021年9月期 |
2022年9月期 |
2023年9月期 |
連結売上高伸長率 |
11.1 |
11.9 |
4.0 |
連結売上高営業利益率 |
12.3 |
12.9 |
11.6 |
連結売上高経常利益率 |
13.4 |
14.5 |
12.6 |
f.経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
g.資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業活動及び設備投資のための適切な資金確保を常に目指しており、その財源として安定的な営業キャッシュ・フローの創出を重視しております。
当連結会計年度末の資金の流動性は十分に確保されていると認識しており、また、金融機関との間にコミットメントラインを設定することで、急な資金需要や不測の事態にも備えております。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。当社グループが採用している会計方針は、以下の事項及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたって、当社経営陣は決算日における資産・負債の金額、並びに報告期間における収益・費用の金額のうち、見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績・現在の状況を勘案して可能な限り正確な見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これら見積りと異なる場合があります。連結財務諸表に関して、認識している特に重要な見積りを伴う会計方針は、以下のとおりです。
(a)繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(b)退職給付債務及び退職給付費用の算定
当社グループは、退職給付債務及び退職給付費用について、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
(c)固定資産の減損
当社グループは、有形固定資産及び無形固定資産等について、減損の兆候を判定しており、必要に応じて減損テストを実施しております。減損テストにおける回収可能価額の算定において、将来のキャッシュ・フロー、割引率等について一定の仮定を設定しております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表等において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。