E01041 Japan GAAP
前期
310.3億 円
前期比
104.5%
株価
1,067 (12/27)
発行済株式数
30,321,283
EPS(実績)
54.33 円
PER(実績)
19.64 倍
前期
678.1万 円
前期比
101.0%
平均年齢(勤続年数)
43.4歳(19.0年)
従業員数
479人(連結:722人)
当社は、連結子会社6社を有し、DIC株式会社の連結子会社であるとともに、そのグループ各社と業務上、次ページの図の取引関係を有しております。当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、製紙用薬品、樹脂及び化成品の製造販売を主な事業としております。
当社グループの事業内容は、次の通りであります。
製紙用薬品事業…… |
この事業の主な製品は、紙力増強剤・サイズ剤(注)であり、当社、星光精細化工(張家港)有限公司、及びSEIKO PMC VIETNAM CO., LTD.において製造・販売しております。また、星悦精細化工商貿(上海)有限公司において営業活動を行っております。 |
樹脂事業…………… |
この事業の主な製品は、印刷インキ用樹脂・記録材料用樹脂・粘着剤であります。この内、印刷インキ用樹脂・記録材料用樹脂に関しては、当社において製造・販売しており、中国におきましては、星悦精細化工商貿(上海)有限公司において仕入・販売しております。 また、粘着剤に関しては、新綜工業股份有限公司において製造・販売しております。 |
化成品事業………… |
この事業の主な製品は、機能性モノマーであり、KJケミカルズ株式会社において製造・販売しております。 |
・当社の親会社であるDIC株式会社は、印刷インキ、有機顔料、合成樹脂等の製造販売を行っております。
・当社は、同社との間に、製紙用薬品及び印刷インキ用・記録材料用樹脂の同社への販売、原材料の仕入等の取引があります。
・当社及びKJケミカルズ株式会社は、同社に対し、DICグループ内の資金融通システムを通じて資金の貸借を行っております。
・当社は、連結子会社である星悦精細化工商貿(上海)有限公司から原材料等を仕入れ、当社の製品を販売しております。また、連結子会社である星光精細化工(張家港)有限公司から製品を仕入れ、得意先へ販売しております。更に、連結子会社であるKJケミカルズ株式会社から原材料等を仕入れ、当社で使用しております。
(注)紙力増強剤…乾燥紙力増強剤は紙の乾燥時の強度を高める目的で使用され、紙・板紙の製造時に広く使われます。湿潤紙力増強剤は、紙を水に浸した時の紙力低下を補う目的で、ティッシュペーパーや紙タオルに使用されます。
サイズ剤……紙に耐水性を付与する目的で使用され、例えば筆記用紙、PPC用紙、インクジェット用紙などの印刷用紙、液体容器に使用されます。
事業の系統図は、次の通りであります。
※画像省略しています。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染防止対策と社会経済活動の両立が進められ、緩やかに持ち直しの動きが見られました。但し、物価上昇や急激な為替変動など不安定な状況が続きました。一方、世界経済に目を転じても、2022年2月以降のロシアのウクライナ侵攻に端を発した資源エネルギー価格の高騰等に伴う、インフレ進行や金融引き締めなどにより、極めて不透明感が増しました。
当社グループの主要販売先におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響やデジタル化の流れの中で印刷情報用紙・印刷インキ等の需要減少等も継続しており、依然として厳しい経営環境となりました。
当社グループは、製品の高品質化・生産性の向上を図り、環境保護・省資源等、販売先業界の経営戦略に対応した差別化商品を市場に投入しました。主に製紙用薬品の拡販と各事業において原料価格の上昇に伴う製品価格への転嫁に努めた結果、当連結会計年度の売上高は32,418百万円(前連結会計年度比4.5%増)となりました。
利益面では、原料・エネルギー価格の高騰に伴う売上原価の増加により、営業利益は1,884百万円(前連結会計年度比34.3%減)、経常利益は2,394百万円(同23.7%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、1,647百万円(同20.9%減)となりました。
セグメント別の経営成績は次の通りであります。
・製紙用薬品事業
2022年の国内の紙・板紙生産量(速報値)は2,366万トンと前年同期比1.2%の減少で推移しました。当社グループは、国内市場、海外市場へ差別化商品の拡販、特に国内板紙・衛生用紙向けの拡販等を実施すると共に、原料価 格上昇分の販売価格への転嫁に努めた結果、当事業の売上高は、20,033百万円(前連結会計年度比14.1%増)となりました。
セグメント利益は、売上高の増加はありましたが、国内の原料価格上昇の影響が大きく、828百万円(前連結会 計年度比30.6%減)となりました。
・樹脂事業
2022年の国内の印刷インキ生産量(速報値)は27万6千トンと前年同期比1.6%の減少で推移しました。当社グループは、厳しい事業環境に対応するべく製品ポートフォリオ変革と原料価格上昇分の販売価格への転嫁に努めましたが、中国の景気減速に伴う粘着剤の販売数量減が響き、当事業の売上高は6,888百万円(前連結会計年度比 14.8%減)となりました。
セグメント利益は、粘着剤の販売数量減、及び国内の原料価格上昇により、353百万円(前連結会計年度比56.0%減)となりました。
・化成品事業
化成品事業の売上高は、主力製品の輸出数量の増加、及び原料価格上昇分の販売価格への転嫁に努めた結果、5,497百万円(前連結会計年度比1.9%増)となりました。
セグメント利益は、売上高の増加はありましたが、原料価格上昇の影響もあり、1,043百万円(前連結会計年度比20.5%減)となりました。
当連結会計年度末における総資産は、46,557百万円で前連結会計年度末に比べ4,675百万円の増加となりました。主な要因は、有形固定資産の増加1,649百万円、現金及び預金の増加1,064百万円、商品及び製品の増加556百万円、受取手形及び売掛金の増加467百万円、原材料及び貯蔵品の増加463百万円、及び短期貸付金の減少682百万円であります。
負債は、15,448百万円で前連結会計年度末に比べ5,159百万円の増加となりました。主な要因は、短期借入金の増加4,842百万円、及び支払手形及び買掛金の増加817百万円であります。
純資産は、31,108百万円で前連結会計年度末に比べ484百万円の減少となりました。主な要因は、非支配株主持分の減少1,561百万円、及び利益剰余金の増加1,162百万円であります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、3,476百万円となり、前連結会計年度末と比べ713百万円増加いたしました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、873百万円の資金の獲得(前連結会計年度は1,620百万円の資金の獲得)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益2,340百万円、減価償却費1,434百万円、売上債権の増加に伴う減少額753百万円、棚卸資産の増加に伴う減少額1,103百万円、及び法人税等の支払額895百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、2,763百万円の資金の支出(前連結会計年度は1,442百万円の資金の支出)となりました。これは有形固定資産の取得による支出3,002百万円、及び定期預金の預入による支出350百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、2,249百万円の資金の獲得(前連結会計年度は694百万円の資金の支出)となりました。これは主として、短期借入金の純増加額4,842百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出1,999百万円などによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
前年同期比増減(%) |
製紙用薬品事業(千円) |
19,207,511 |
13.7 |
樹脂事業(千円) |
6,632,442 |
△15.1 |
化成品事業(千円) |
6,123,429 |
3.5 |
合計(千円) |
31,963,383 |
4.4 |
(注)金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当社グループは、販売計画に基づいて生産計画を立て、これによって生産を行っているため、受注生産は行っておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
前年同期比増減(%) |
製紙用薬品事業(千円) |
20,033,193 |
14.1 |
樹脂事業(千円) |
6,888,321 |
△14.8 |
化成品事業(千円) |
5,497,314 |
1.9 |
合計(千円) |
32,418,829 |
4.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額は販売価格によっております。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
||
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
日本製紙株式会社 |
3,249,128 |
10.5 |
3,787,037 |
11.7 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成において、決算日における資産・負債の状況及び報告期間に発生した収益・費用、並びに将来の財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすような事項に関して、適切な分析・見積りを行っております。また、資産の評価方法及び引当金の計上方法等の方針は、保守主義の原則に沿って、健全性を重視して適切に定めております。重要な会計方針の具体的な状況については、経理の状況に記載しております。
②当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析
1)財政状態
当連結会計年度末における当社グループの財政状態は以下の通りとなりました。
(流動資産)
現金及び預金の増加、棚卸資産(商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品)の増加、及び短期貸付金の減少などにより、流動資産は25,444百万円(前連結会計年度末比2,629百万円増)となりました。
(固定資産)
有形固定資産の増加などにより、固定資産は21,113百万円(前連結会計年度末比2,046百万円増)となりました。
(流動負債)
短期借入金の増加などにより、流動負債は14,346百万円(前連結会計年度末比5,159百万円増)となりました。
(固定負債)
長期借入金の減少、繰延税金負債の増加により、固定負債は1,102百万円(前連結会計年度末比若干増)となりました。
(純資産)
親会社株主に帰属する当期純利益の計上、及び当社連結子会社である新綜工業股份有限公司の株式追加取得に伴う非支配株主持分の減少などにより、純資産は31,108百万円(前連結会計年度末比484百万円減)となりました。その結果、当連結会計年度末における自己資本比率は66.1%となりました。また、有利子負債残高6,218百万円を自己資本で除した倍率(D/Eレシオ)は0.20倍となりました。
2)経営成績
(売上高)
「第2[事業の状況] 3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。
(売上原価)
売上原価は、売上高の増加などにより24,818百万円(前連結会計年度比2,284百万円増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、運賃の増加、及び従業員給料手当の増加などにより5,716百万円(前連結会計年度比84百万円増)となりました。
(営業外損益)
営業外収益は、為替差益の増加、補助金収入の増加などにより535百万円(前連結会計年度比244百万円増)となりました。
営業外費用は、借入金増加に伴う支払利息の増加などにより25百万円(前連結会計年度比7百万円増)となりました。
(特別利益)
特別利益は、補助金収入の計上などにより104百万円(前連結会計年度比85百万円増)となりました。
(特別損失)
特別損失は、補助金収入による固定資産圧縮損の計上、固定資産除却損などにより158百万円(前連結会計年度比137百万円増)となりました。
(税金費用等及び親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益は2,340百万円(前連結会計年度比797百万円減)、税金費用は676百万円(前連結会計年度比190百万円減)、非支配株主に帰属する当期純利益は16百万円(前連結会計年度比170百万円減)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,647百万円(前連結会計年度比435百万円減)となりました。
3)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(製紙用薬品事業)
売上高は、20,033百万円(前連結会計年度比14.1%増)となり、セグメント利益は、828百万円(前連結会計年度比30.6%減)となりました。また、セグメント資産は、25,202百万円(前連結会計年度末比3,848百万円増)となりました。
(樹脂事業)
売上高は、6,888百万円(前連結会計年度比14.8%減)となり、セグメント利益は、353百万円(前連結会計年度比56.0%減)となりました。また、セグメント資産は、12,696百万円(前連結会計年度末比49百万円増)となりました。
(化成品事業)
売上高は、5,497百万円(前連結会計年度比1.9%増)となり、セグメント利益は、1,043百万円(前連結会計年度比20.5%減)となりました。また、セグメント資産は、6,994百万円(前連結会計年度末比812百万円増)となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与えると推測される要因は、事業等のリスクに記載したとおりであります。各リスクに対しては、影響を最小限に抑えられるように、発生の可能性や結果の重大性に応じた対策を講じてまいります。
(4) 戦略的現状と見通し
当社グループは、「第2[事業の状況] 1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等] (5) 会社の対処すべき課題」に記載した諸課題に適切に対処することにより、グループ全体の成長を目指した経営を推進してまいります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末のキャッシュ・フローの状況につきましては、「②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループの資金状況は、キャッシュ・フローの状況に記載したとおりであり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、財務活動及び営業活動による資金の獲得により、投資活動による支出を賄ったため、前連結会計年度末に比較して713百万円増加し、3,476百万円となりました。
当社グループの連結貸借対照表における代表的な財務指標は、流動比率が177.4%、自己資本比率が66.1%となっており、短期的支払能力及び長期的支払能力とも十分な健全性を保っております。また、過度の流動性を保持することなく、資産の有効活用に努めております。