売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01041 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行により、経済活動の正常化が進んだものの、原燃料価格の高止まりや円安トレンドの継続による物価上昇等、不安定な状況が継続しました。世界経済においても、インフレ進行や金融引き締め等の影響は大きく、全世界的に景気減速が継続しました。当社グループの主要販売先におきましては、国内は紙・板紙、印刷インキ等の需要減少が継続したものの、中国・台湾の需要環境に持ち直しの動きが見られて、事業毎に濃淡がありました。

 

 当社グループは、中国・東南アジアを主とする海外での拡販に努めた結果、国内の軟調な需要環境による販売数量の減少はありましたが、当第3四半期連結累計期間の売上高は23,932百万円(前年同期比1.0%減)とほぼ前年同期並みとなりました。利益面では、価格転嫁の進展や原料市況の緩みにより引き続き回復基調にありますが、国内の販売数量減少の影響が大きく営業利益は1,441百万円(前年同期比9.4%減)となりました。また、経常利益は、海外子会社へのグループ内貸付金に対する評価替えによる為替差益はありましたが、2,011百万円(前年同期比15.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、1,466百万円(前年同期比16.7%減)となりました。

 

 セグメント別の経営成績は次の通りであります。

 

・製紙用薬品事業

 当第3四半期連結累計期間の国内の紙・板紙生産量(速報値)は1,652万トンと、物価上昇による消費マインドの冷え込みにより、これまで堅調だった段ボール原紙の生産量が減少し、前年同期比7.1%の減少となりました。当社グループでは、国内では需要減少の影響を受けましたが、中国・東南アジアでのマーケティング活動強化による拡販を実施した結果、当事業の売上高は15,079百万円(前年同期比2.8%増)となりました。セグメント利益は、価格転嫁の進展や原料市況の緩み等により、838百万円(前年同期比17.2%増)となりました。

 

・樹脂事業

 当第3四半期連結累計期間の国内の印刷インキ生産量(速報値)は19.2万トンと、前年同期比6.1%の減少となり市場の縮小傾向は継続しています。当社グループは、厳しい事業環境に対応するべく製品ポートフォリオ変革と中国をはじめとする海外での拡販に努めましたが、国内印刷インキ用樹脂、及び中国の景気回復の遅れに伴う粘着剤の需要減により、販売数量が減少したため、当事業の売上高は、4,858百万円(前年同期比5.9%減)となりました。セグメント利益は、価格転嫁の進展はありましたが、売上高の減少により、206百万円(前年同期比22.0%減)となりました。

 

・化成品事業

 化成品事業の売上高は、欧米での景気減速の影響を受けた主力製品の輸出販売数量の減少等により3,995百万円(前年同期比7.8%減)となりました。セグメント利益は、販売数量の減少等により649百万円(前年同期比25.6%減)となりました。

 

 当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末比で604百万円増加し、47,162百万円となりました。勘定科目別では、有形固定資産が905百万円、現金及び預金が367百万円増加いたしましたが、受取手形及び売掛金が394百万円、短期貸付金が267百万円減少いたしました。

 負債は、支払手形及び買掛金が915百万円、短期借入金が904百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末比で1,280百万円減少し、14,167百万円となりました。

 純資産は、前連結会計年度末比で1,885百万円増加し、32,994百万円となりました。利益剰余金が981百万円、為替換算調整勘定が659百万円、その他有価証券評価差額金が181百万円増加いたしました。

 

(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は1,299百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。