売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

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最終更新:

E01048 Japan GAAP

売上高

794.3億 円

前期

805.2億 円

前期比

98.7%

時価総額

224.1億 円

株価

1,085 (04/26)

発行済株式数

20,652,400

EPS(実績)

-239.25 円

PER(実績)

--- 倍

平均給与

694.2万 円

前期

718.8万 円

前期比

96.6%

平均年齢(勤続年数)

42.7歳(17.5年)

従業員数

827人(連結:1,677人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループは、荒川化学工業株式会社(当社)および連結子会社15社で構成されており、機能性コーティング事業、製紙・環境事業、粘接着・バイオマス事業、ファイン・エレクトロニクス事業およびその他事業をおこなっております。当社および当社の関係会社の事業における当社および関係会社の位置付けおよびセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。

 

セグメントの名称

主要品目

会社

機能性コーティング事業

光硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、印刷インキ用樹脂、塗料用樹脂等

当社、南通荒川化学工業有限公司、荒川ケミカル(タイランド)社、台湾荒川化学工業股份有限公司、荒川化学合成(上海)有限公司、日華荒川化学股份有限公司

製紙・環境事業

紙力増強剤、サイズ剤、新規水系ポリマー等

当社、広西梧州荒川化学工業有限公司、荒川ケミカルベトナム社、南通荒川化学工業有限公司、台湾荒川化学工業股份有限公司

粘接着・バイオマス事業

水素化石油樹脂、粘着・接着剤用樹脂、超淡色ロジン、合成ゴム重合用乳化剤等

当社、高圧化学工業㈱、荒川ヨーロッパ社、広西梧州荒川化学工業有限公司、荒川ケミカル(タイランド)社、台湾荒川化学工業股份有限公司、千葉アルコン製造㈱、荒川化学合成(上海)有限公司、荒川ケミカル(米国)社

ファイン・

エレクトロニクス事業

精密部品洗浄剤および洗浄装置、低誘電ポリイミド樹脂、ファインケミカル製品、電子材料用配合製品、精密研磨剤等

当社、ペルノックス㈱、高圧化学工業㈱、山口精研工業㈱、南通荒川化学工業有限公司、荒川ケミカル(タイランド)社、台湾荒川化学工業股份有限公司、荒川化学合成(上海)有限公司、日華荒川化学股份有限公司、ポミラン・テクノロジー社

その他事業

損害保険、不動産管理等

カクタマサービス㈱

 

機能性コーティング事業については、光硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、印刷インキ用樹脂(顔料分散性を良好にし、印刷適性と印刷効果などインキの性能を向上させる樹脂)、塗料用樹脂(塗料の耐熱性、速乾性、光沢など、用途に応じた特性を向上させる樹脂)等が主力製品であります。

製紙・環境事業については、紙力増強剤(紙の強度を向上させる薬品)、サイズ剤(紙に耐水性や印刷適性を与え、インキがにじむのを防ぐ薬品)、新規水系ポリマー等が主力製品であります。

粘接着・バイオマス事業については、水素化石油樹脂、粘着・接着剤用樹脂(粘着・接着剤の粘着力や接着強度並びに耐熱性を向上させる樹脂)、超淡色ロジン、合成ゴム重合用乳化剤等が主力製品であります。

ファイン・エレクトロニクス事業については、精密部品洗浄剤および洗浄装置、低誘電ポリイミド樹脂、ファインケミカル製品、電子材料用配合製品、精密研磨剤等が主力製品であります。

その他事業は、連結子会社のカクタマサービス㈱がおこなっている損害保険、不動産管理等であります。

 

事業の系統図は次のとおりであります。

※画像省略しています。
23/06/20

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の世界経済は、一部の地域を除き緩やかに持ち直しているものの、依然としてウクライナ情勢の長期化、原油・エネルギー価格の高止まり、世界的な金融引き締めに伴う影響等、景気の下振れ懸念が続いております。また、国内経済においても、経済活動の正常化を進めるなか、景気は緩やかに持ち直していますが、生産活動が弱含んでいるなど一部に弱さがみられ、供給面での制約、物価上昇、為替変動などのリスクに留意することが必要な情勢が続いています。

このような環境のもと、当社グループにおきましては、2021年度よりスタートしました第5次中期5ヵ年経営実行計画の方針(KIZUNA経営の推進とKIZUNA指標の達成)に沿った重点施策を進め、コア技術・素材を中核とした事業ポートフォリオ改革や新事業の創出などによる持続可能な地球環境と社会を実現するための取り組みに注力しております。業績面では、高付加価値製品の拡販、収益改善策に取り組んでおりますが、ロジンや石化原料などの原材料価格やエネルギーコストの大幅な上昇に加え、半導体の需給変動による電子部品の需要環境変化が収益性に大きく影響しました。また、2022年9月27日にお知らせしましたとおり、荒川ヨーロッパ社の水素化石油樹脂は、2023年4月初旬をもって製造を終了しました。

その結果、当連結会計年度の売上高は794億31百万円(前年同期比1.3%減)、営業損失は29億7百万円(前年同期は営業利益33億4百万円)、経常損失は26億87百万円(前年同期は経常利益35億66百万円)となりました。また、前述の製造終了決定にともなう特別損失を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純損失は49億41百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益15億2百万円)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。なお、セグメント区分の売上高はセグメント間の内部売上高を含んでおりません。また、報告セグメントに含まれないその他事業は、売上高は1億91百万円(前年同期比31.4%減)、セグメント利益は42百万円(同7.3%減)となりました。

 

機能性コーティング事業

電機・精密機器関連業界は、世界的な半導体不足や中国におけるロックダウンなどを背景とした自動車、スマートフォン、PC、家電の生産調整により、電子部品などの需要が低調に推移しました。このような環境のもと、当事業におきましては、機能性コーティング材料用の光硬化型樹脂はスマートフォンや自動車関連分野、ディスプレイ関連分野での急激な在庫調整により売上高は減少しました。また、印刷インキ用樹脂や塗料用樹脂などの売上高は増加したものの、原材料価格やエネルギーコストの上昇等により収益性は低水準に留まりました。

その結果、売上高は157億円(前年同期比3.2%減)、セグメント利益は3億35百万円(同69.0%減)となりました。

 

製紙・環境事業

製紙業界は、eコマース(電子商取引)市場の世界的な成長にともない堅調に推移していた段ボール原紙など板紙の需要が下期より低調に推移しました。このような環境のもと、当事業におきましては、板紙向け紙力増強剤の売上高は荒川ケミカルベトナム社の稼働開始などにより増加したものの、原材料価格やエネルギーコストの上昇等により収益性が悪化しました。

その結果、売上高は209億91百万円(前年同期比12.5%増)、セグメント利益は3億10百万円(同67.9%減)となりました。

 

 

粘接着・バイオマス事業

粘着・接着剤業界は、世界的に紙おむつ向け接着剤の需要が堅調に推移しましたが、自動車関連分野では生産調整により需要が低調に推移しました。このような環境のもと、当事業におきましては、ロジンや石化原料の価格の高騰に加えて、欧州における天然ガスおよび水素価格の歴史的高騰により、収益性の悪化が継続しました。また、千葉アルコン製造株式会社につきましては、本格生産に向けた試生産を11月に開始し、減価償却費の計上を開始しました。

その結果、売上高は299億77百万円(前年同期比7.8%減)、セグメント損失は38億71百万円(前年同期はセグメント利益2億6百万円)となりました。

なお、荒川ヨーロッパ社における水素化石油樹脂は2023年4月初旬をもって製造を終了しましたが、欧州を中心とした販売拠点としての事業活動は継続いたします。

 

ファイン・エレクトロニクス事業

電子工業業界は、半導体の需給変動による電子部品の需給環境変化に加え、中国での需要低迷による稼働低下や在庫調整が長期化しました。このような環境のもと、当事業におきましては、精密部品洗浄剤は堅調でしたが、精密研磨剤の販売が下期に入り減速し、電子材料用配合製品も低調に推移しました。

その結果、売上高は125億70百万円(前年同期比2.0%減)、セグメント利益は3億49百万円(同36.7%減)となりました。

なお、半導体・先端材料分野でのさらなる拡販を目指し、水島工場(岡山県倉敷市)におけるファインケミカル製品の新たな生産設備投資(約20億円)や、精密研磨剤の将来的な需要増加へ対応するため、100%出資の連結子会社である山口精研工業株式会社(愛知県名古屋市緑区)における精密研磨剤の生産能力増強投資(約11億円)を決定し、計画通りに進めております。詳細につきましては、2022年11月17日に公表しました「ファインケミカル生産設備の新設に関するお知らせ」および「連結子会社における精密研磨剤の生産能力増強に関するお知らせ」をご参照ください。

 

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ12億95百万円増加し、1,190億35百万円となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金が22億52百万円減少しましたが、現金及び預金が7億65百万円、棚卸資産が20億53百万円増加したことによります。

負債は、短期借入金が66億79百万円、長期借入金が16億92百万円、事業整理損失引当金が11億79百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ73億65百万円増加し、625億26百万円となりました。

純資産は、利益剰余金やその他有価証券評価差額金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ60億69百万円減少し、565億9百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ36百万円増加し、92億86百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、5億75百万円の減少となりました。これは、減価償却費(44億77百万円)、減損損失(18億38百万円)、事業整理損失引当金の増加(11億55百万円)、売上債権の減少(28億63百万円)などにより資金が増加した一方、税金等調整前当期純損失(46億52百万円)、棚卸資産の増加(18億98百万円)、仕入債務の減少(16億3百万円)などにより資金が減少した結果であります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、60億46百万円の減少となりました。これは、有形固定資産の売却による収入(12億31百万円)などにより資金が増加した一方、固定資産の取得による支出(61億16百万円)などにより資金が減少した結果であります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、66億66百万円の増加となりました。これは、配当金の支払額(9億52百万円)などにより資金が減少した一方、借入金の純増加(81億78百万円)などにより資金が増加した結果であります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

数量(トン)

前年同期比(%)

機能性コーティング事業

18,163

△10.3

製紙・環境事業

212,878

△1.5

粘接着・バイオマス事業

93,626

△20.1

ファイン・エレクトロニクス事業

11,384

△16.0

合計

336,051

△8.5

 

(注) その他事業においては、生産をおこなっておりません。

 

b 受注実績

当社グループは過去の販売実績と将来の予測に基づいて見込生産方式をとっております。

 

c 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

機能性コーティング事業

15,700

△3.2

製紙・環境事業

20,991

+12.5

粘接着・バイオマス事業

29,977

△7.8

ファイン・エレクトロニクス事業

12,570

△2.0

その他事業

191

△31.4

合計

79,431

△1.3

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の売上高は794億31百万円、営業損失は29億7百万円、経常損失は26億87百万円となりました。また、荒川ヨーロッパ社の製造終了決定にともなう特別損失を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純損失は49億41百万円となりました。業績につきましては、高付加価値製品の拡販、収益改善策に取り組んでおりますが、ロジンや石化原料などの原材料価格やエネルギーコストの大幅な上昇に加え、半導体の需給変動による電子部品の需要環境変化が大きく影響し、収益性が悪化しました。

2023年度以降も国内外の経済の先行きは見通しがたい状況にありますが、ロジンや石化原料などの原材料価格の高止まり、電力をはじめとするエネルギー価格高騰による収益性の低下に対応した価格転嫁や、さらなるコストダウンなどを進めてまいります。それに加えて、下記第5次中期5ヵ年経営実行計画の重点施策を早期達成させることにより、成果の最大化を進めてまいります。

 

千葉アルコン製造㈱における水素化石油樹脂の製造設備につきましては、当初の計画より約1年半遅れとなる2022年11月に試生産を開始、定期修理を経て、2023年5月下旬に連続運転を開始しました。本格稼働後の減価償却費は多額となるため、当面の収益性を押し下げる要因となりますが、中長期的な成長市場の需要に応えるべく、水島工場と合わせた2拠点供給体制によるグローバル販売戦略の再構築を進め、水素化石油樹脂の安定供給と収益性の向上を図ってまいります。

また、荒川ケミカルベトナム社における紙力増強剤製造設備につきましては、2022年3月に稼働を開始しており、ASEAN向け紙力増強剤のさらなる拡販による成果の最大化を目指してまいります。

一方、新型コロナウイルス感染症による影響やロシアによるウクライナ侵攻を発端とした需要構造の変化、原燃料価格の高騰など、外部要因が大きく変化するとともに、千葉アルコン製造㈱の稼働遅延や荒川ヨーロッパ社の製造終了、高付加価値製品の拡大遅れなどにより、第5次中計は、計数・施策とも当初計画から大きく遅れております。

このような状況下、基本方針に変更はございませんが、最終年度にあたる2025年度の計数目標(売上高900億円、営業利益65億円、経常利益65億円、親会社株主に帰属する当期純利益45億円、営業利益率7.0%以上、EBITDA112億円以上、ROE7.0%以上)と施策の見直しを実施しております。

なお、第5次中計期間におけるセグメント別の実績および経営目標は以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

2022年度

(実績)

2023年度

(予想)

2025年度

(当初中計目標)

機能性コーティング事業

売上高

15,700

17,000

20,000

セグメント利益

335

500

2,100

製紙・環境事業

売上高

20,991

22,500

20,000

セグメント利益

310

700

1,250

粘接着・バイオマス事業

売上高

29,977

30,000

31,000

セグメント利益

△3,871

△3,400

2,100

ファイン・エレクトロニクス事業

売上高

12,570

13,400

18,000

セグメント利益

349

500

1,800

 

(参考)千葉アルコン製造㈱の減価償却費(実績および予想)

 

2022年度(実績)

2023年度

2024年度

2025年度

減価償却費(百万円)

1,043

約2,400

約1,900

約1,500

 

 

資本の財源および資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

短期運転資金は自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等の長期的な資金需要に関しては、金融機関からの長期借入や社債の発行により調達しております。

また、グループ会社の資金調達につきましては、当社において一元管理しております。

なお、当社は格付を取得しており、本報告書提出日時点において、日本格付研究所「A-」となっております。また、金融機関には充分な借入枠を有しており、当社グループの事業の維持・拡大、設備資金の調達は今後も可能であると考えております。

 

なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因および対応策につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 

② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。