E01100 Japan GAAP
前期
895.8億 円
前期比
110.6%
株価
4,725 (04/19)
発行済株式数
18,099,367
EPS(実績)
270.34 円
PER(実績)
17.48 倍
前期
609.4万 円
前期比
100.8%
平均年齢(勤続年数)
39.3歳(16.0年)
従業員数
1,126人(連結:2,819人)
当社及び当社の関係会社(子会社23社及び関連会社1社(2023年3月31日現在))においては、産業用製品(主要製品:プラスチックフイルム、壁紙、自動車内装材、産業資材)と生活用品(主要製品:医療・日用品、シューズ、衣料・スポーツ用品)の製造及び販売を主な内容として密接な相互協力のもと、活動を展開しております。
事業内容の当社と関係会社の位置付けは、次のとおりであります。
なお、事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一のものであります。
〔事業系統図〕
事業の系統図は、次のとおりであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が和らぎ、年度末に向けて厳しい制限が徐々に緩和され、社会経済活動の正常化が進み、約3年ぶりとなる各種催事の復活が相次いだことで人出が増加し、外食、旅行などを中心とした個人消費が持ち直したことに加え、各国の行動規制緩和を受けたインバウンド需要により、景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、一方で、中国市場の景気回復の遅れ、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化に伴う資源・原材料やエネルギー価格の高騰、円安による輸入品価格の上昇などによる物価の上昇もあり、依然として不透明な状況が続いております。
このような、いまだ先行きに不透明感の残る経営環境が続くなか、当社グループは、自動車業界及びフイルム業界等での一時的な需要回復に対応し機会損失を被らないための原材料の調達及び生産体制の構築と、コンドーム事業や家庭用品事業におけるシェア拡大のための新製品開発と供給能力の増強に努めるとともに、環境保全を意識したリサイクル事業の推進とエネルギー消費量の削減に努め、また、依然として予測困難な外部環境の急激な変化に対応し、資金の機動的な活用を実現するため、生産体制の見直しと生産効率の管理のより厳格化に努め、企業グループ全体において収益力の向上を図ってまいりました。
結果、当連結会計年度における売上高は99,076百万円(前年同期比10.6%増)となりました。利益面では、原材料及び電力価格の高騰の影響で営業利益は6,898百万円(前年同期比8.5%減)、経常利益は7,922百万円(前年同期比14.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,893百万円(前年同期比12.3%減)となりました。
a. 経営成績
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(産業用製品)
一般用フイルム及び産業用フイルムは、春先の需要が回復傾向となり売上増となりました。工業用フイルムは、サプライチェーンの混乱による市場在庫過多の影響により売上減となりました。建材用フイルムは、住宅需要の落込みによる影響がありましたが新規商権の取込みにより売上増となりました。多層フイルムは、工業材料用の需要低迷により売上減となりました。壁紙は、新規案件の受注及び価格改定の影響で売上増となりました。農業用フイルムは、価格改定と値上げ前の駆け込み需要により売上増となりました。自動車内装材は、各自動車メーカーの半導体不足解消に伴う増産計画は実現されませんでしたが、受注拡大により売上増となりました。フレキシブルコンテナは、石油化学向けの需要が増加し売上増となりました。粘着テープは、包装用テープの販売が堅調に推移し売上増となりました。工業テープは、精密機械用の受注が堅調に推移したため売上増となりました。食品衛生用品は、業務用ラップ及び小巻ラップは新規採用があり売上増となりましたが、手袋衛生用品は飲食店向けが徐々に回復の兆しですが売上前年並みとなりました。食品用吸水・脱水シートであるピチット製品は、外食関連は回復傾向ですが水産加工向けが漁獲高不安定の影響により売上前年並となりました。研磨布紙等は、機械工具商向け研磨布及び精密加工用フイルム製品が堅調に推移し、半導体向けの研磨材が伸長したことから売上増となりました。
以上により、当セグメントの売上高は64,083百万円(前年同期比12.1%増)、セグメント損失は5百万円(前年同期比100.3%減)となりました。
(生活用品)
コンドームは、訪日外国人によるインバウンド需要が戻りつつあり売上増となりました。浣腸は、主要卸店の受注減及び海外向けの出荷時期の変更の影響により売上前年並となりました。除湿剤は、3月に気温上昇により湿度が高まり店頭での販売が好転し売上増となりました。カイロは、年末年始の急激な気温低下と需要の増加により売上増となりました。手袋は、炊事用は拡販により堅調でしたが、医療用及び産業用が供給過多の影響で売上減となりました。メディカル製品のうち滅菌器は、特需の反動により販売台数減となりました。ブーツ及び雨衣は、ホームセンター等での消費者の購買意欲の低迷で店頭での販売が振るわず売上減となりました。シューズは、輸入品のサプライチェーンの混乱からの回復がみられ売上増となりました。
以上により、当セグメントの売上高は34,761百万円(前年同期比8.0%増)、セグメント利益は8,634百万円(前年同期比13.6%増)となりました。
(その他)
その他事業は、物流受託事業及び太陽光発電事業であります。
当セグメントの売上高(振替前)は3,443百万円(前年同期比3.1%減)、セグメント利益は312百万円(前年同期比10.5%増)となりました。
b. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における総資産は127,176百万円で、前連結会計年度末と比べ9,615百万円増加しております。
流動資産は78,364百万円で、前連結会計年度末と比べ5,337百万円の増加となりました。これは主として、売掛金1,904百万円、現金及び預金776百万円、原材料及び貯蔵品710百万円、電子記録債権699百万円、商品及び製品529百万円が増加したことによるものです。
固定資産は48,812百万円で、前連結会計年度末と比べ4,278百万円の増加となりました。これは主として、投資有価証券1,304百万円、長期性預金1,300百万円、土地810百万円、機械装置及び運搬具526百万円が増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における総負債は48,076百万円で、前連結会計年度末と比べ5,432百万円増加しております。
流動負債は36,330百万円で、前連結会計年度末と比べ5,533百万円の増加となりました。これは主として、支払手形及び買掛金3,460百万円、短期借入金663百万円、未払法人税等356百万円が増加したことによるものです。
固定負債は11,745百万円で、前連結会計年度末と比べ101百万円の減少となりました。これは主として、繰延税金負債が1,055百万円増加し、長期借入金が944百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は79,099百万円で、前連結会計年度末と比べ4,183百万円増加しております。これは主として、その他有価証券評価差額金2,112百万円、為替換算調整勘定1,671百万円、利益剰余金873百万円が増加したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ806百万円(2.5%)増加し、32,616百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、8,318百万円(前年同期比21.8%減)となりました。
増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益7,610百万円、仕入債務の増加による増加2,581百万円、減価償却費2,458百万円、減少の主な内訳は、法人税等の支払額2,132百万円、売上債権の増加による減少1,569百万円、棚卸資産の増加による減少1,118百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2,892百万円(前年同期比22.9%減)となりました。
収入の主な内訳は、持分法の適用範囲の変更を伴う関連会社持分譲渡による収入2,273百万円、支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出3,788百万円、長期性預金の預入による支出1,300百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、5,611百万円(前年同期比46.6%増)となりました。
支出の主な内訳は、自己株式の取得による支出2,671百万円、配当金の支払額2,000百万円、長期借入金の返済による支出284百万円、短期借入金の純減額232百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの事業領域は、大きく産業用製品事業と生活用品事業に分かれ、その代表的な製品は、産業用製品事業ではプラスチックフイルム、壁紙、フレキシブルコンテナ、車輌内装材、粘着テープ、食品衛生用品、食品用脱水・吸水シート等であり、生活用品事業ではコンドーム、カイロ、除湿剤、メディカル製品、手袋、シューズ・雨衣等と多岐に亘ります。これらの事業は1934年の創業以来培ってきた素材の研究と高度な技術の追求、並びに会社の統合・合併・事業の譲受等による製造技術・ノウハウの吸収により、成長してまいりました。これらの事業を基盤として当社グループは環境にやさしい製品を世に送り出し、株主・顧客・取引先・地域社会・従業員などの様々のステークホルダーとの友好な関係の維持、発展に努めてまいりました。このような状況のなか、当連結会計年度における売上高は99,076百万円(前年同期比10.6%増)、在庫圧縮やコストダウンを継続してまいりましたが営業利益は、6,898百万円(前年同期比8.5%減)となりました。営業外損益は、為替レートの変動により169百万円の為替差損となりました。特別利益は、持分法適用会社の持分を譲渡したことにより、関係会社出資金譲渡益649百万円、為替換算調整勘定取崩益277百万円を計上しております。特別損失は、収益性の低下が生じ短期的な業績回復が見込まれないと判断した事業(農業用フイルム事業、カイロ事業、除湿剤事業、壁紙事業、フレキシブルコンテナ事業、ラップ事業、PPフイルム事業、シューズ事業及び研磨布紙事業)に関して減損損失を1,110百万円計上しております。これらにより、親会社株主に帰属する当期純利益4,893百万円(前年同期比12.3%減)となりました。
事業全体としては、新型コロナ感染症は、5類への移行で社会活動が回復しつつあります。また人出が増加し、訪日外国人も戻りつつあるため、それら仮定を定めた上で会計上の見積もりを実施しております。
経営成績については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 a.経営成績」に記載のとおりですが、産業用製品事業のうち特に車輌内装材は、新型コロナウイルス感染症による自動車メーカーの生産調整から回復傾向にありますが、サプライチェーンにおける部品の供給遅延などによる生産拠点の生産活動への影響が一部残っております。また、原材料やエネルギーコストの上昇が収益を圧迫しております。当該状況においても安定して収益を得られるように、より幅広い受注のための研究開発力の強化と、将来を見据えた営業体制の構築に努めてまいります。
生活用品事業のうち特にコンドームは、人出の増加やインバウンドが徐々に戻りつつあるため、コロナ前同様に安定して収益を得られるように、新製品販売や販売強化を国内及び国外で努めてまいります。なお、メディカル製品や衛生用品においては、円安の影響が継続し、先行き不透明ではありますが、値上げや拡販を行い収益の確保するよういたします。
今後、将来への成長をより加速・維持する経営を図るため、当社並びに連結子会社各社に至るまで収益の基盤を広げ、かつ強固なものとするため設備投資を進めてまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ806百万円(2.5%)増加し、32,616百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益は71百万円減少し7,610百万円の増加となりました。また売上債権の増加による減少1,569百万円(前年同期比3,169百万円減)、棚卸資産の増加による減少1,118百万円(前年同期比323百万円減)となりました。さらに、減価償却費2,458百万円(前年同期比31百万円増)、固定資産減損損失1,110百万円(前年同期比360百万円増)などにより、営業活動によるキャッシュ・フロー全体では8,318百万円の増加(前年同期比2,325百万円の収入減)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、将来の事業基盤となる設備投資を実施しており、投資活動によるキャッシュ・フロー全体では2,892百万円の支出(前年同期比859百万円の支出減)となっております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、株主還元の充実及び資本効率の向上等を目的とした施策としての配当金の支払額2,000百万円、自己株式の取得2,671百万円により財務活動によるキャッシュ・フロー全体では5,611百万円の支出(前年同期比1,784百万円の支出増)となっております。
よって、これらにより当連結会計年度末においての現金及び現金同等物は32,616百万円となりました。
また、当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、円滑な事業活動に必要な流動性の確保を主眼とし、主として銀行等から長期借入金及び短期借入金にて資金調達を行っております。なお、現時点では借入れによる資金調達により一定程度手許資金が確保されている状況のため、社債等の資金調達手段は考えておりません。今後も今まで築いてきた金融機関等との良好な関係を確保しつつ、追加で資金が必要になった時点で最良の判断を行っていく考えであります。
さらに当社グループは、様々な事業を展開していることから戦略的に資源配分を行っていく方針であります。特にここ最近では、将来の事業基盤を支える事業に積極的に設備投資を実施しており、設備投資額も高水準となっております。今後も経済状況を鑑み、競争力を維持していくための資源配分を行う考えであります。また同時に、株主還元の充実を図るため配当及び自己株式の取得も併せて実施する考えであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。