株式会社テリロジーホールディングス

上場日 (2022-11-01)  卸売業システムスタンダード

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

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最終更新:

E37914 

売上高

56.8億 円

前期

0.0 円

前期比

0%

時価総額

53.4億 円

株価

312 (05/02)

発行済株式数

17,111,742

EPS(実績)

3.49 円

PER(実績)

89.34 倍

平均給与

702.0万 円

平均年齢(勤続年数)

42.5歳(0.3年)

従業員数

22人(連結:177人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

当連結会計年度において、当社は、2022年11月1日に単独株式移転により、株式会社テリロジーの完全親会社として設立されました。

当社は、持株会社としてグループ会社の経営管理及びこれに附帯する業務を行っております。また、当社グループの事業の内容は以下の通りであります。

当社グループは、当社、子会社5社、関連会社1社(2023年5月31日に株式を取得しましたアイティーエム株式会社)及びその他の関係会社1社からなります。当社グループは、製品・サービス別の営業部門を設置し、各営業部門は、取り扱う製品、サービスについて包括的な戦略を立案・実行することで、事業活動を展開しております。

したがって、当社グループは、営業部を基礎とした製品・サービス別の事業から構成されており、「ネットワーク部門」、「セキュリティ部門」、「モニタリング部門」、「ソリューションサービス部門」の4部門に区分しております。

なお、当社は特定上場会社であります。特定上場企業等に該当することにより、インサイダー取引規制の重要事項の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

セグメント情報を記載していないため、事業部門別に記載しております。

 

事業部門

主要製品分野

ネットワーク部門

・ネットワーク機器(スイッチ、ルータ、無線LAN、DNS/DHCP等)

・企業内情報通信システムやインフラの設計・構築

・テレビ会議システム等、広範囲なネットワーク関連製品の販売およびプロフェッショナルサービスの提供

・当該部門販売のネットワークおよび付帯機器の保守業務

セキュリティ部門

・CTI(サイバー脅威情報)インテリジェントセキュリティサービスの提供

・ネットワークセキュリティ製品(ファイアウォール、侵入検知・防御、情報漏えい対策等)

・セキュリティ認証基盤

・ワンタイムパスワード製品

・当該部門販売のセキュリティ機器およびソフトウェア製品の保守業務

モニタリング部門

・自社開発製品(THX)によるパケット分析

・自社クラウド性能監視サービス(CloudTriage)

・ネットワーク運用・管理・監視機器

・海外販売パートナー経由による自社開発製品(THX)

・当該部門販売の自社開発製品(THX)、ネットワーク運用、管理、監視機器およびソフトウェア製品の保守業務

ソリューションサービス部門

・自社開発ソフトウェアRPAツール(EzAvater)

・リアルタイム多言語映像通訳サービス(みえる通訳)

・クラウド管理型マネージドVPNサービス(MORA VPN Zero-Con)

・ウェブ会議サービス(Zoom、MORA Video Conference)

・法人向けインターネット接続サービス(MORA光)

・高速モバイルデータ通信サービス(MORAモバイル)

・自社運営の訪日インバウンドメディアを活用したプロモーション事業

・情報システム開発・運用サービス提供事業(Cre-Fit / テクノロジー・アウトソーシング・サービス)

 

● ネットワーク部門

当部門は、顧客のニーズに最も適したネットワーク製品(ルータ、スイッチ、無線LAN、DNS/DHCP)等の販売をはじめ、企業内情報通信システムやインフラの設計・構築をおこなっています。

また、テレビ会議システム等、広範囲な製品の販売とプロフェッショナルサービスの提供のほか、当部門が納入したテレビ会議システム等、広範囲な製品およびソフトウェア製品の保守業務を、24時間365日の対応が可能な体制を整備しております。

● セキュリティ部門

当部門は、日々巧妙化するサイバー攻撃や不正アクセスによる情報漏えいなどの脅威に向けた対策として、CTI(サイバー脅威情報)インテリジェントセキュリティサービスによる脅威情報の提供サービスをはじめ、ネットワークセキュリティ製品(ファイアウォール、侵入検知・防御(IPS)、情報漏えい対策等)、セキュリティ認証基盤(ネットワーク上のサービス利用者を識別すること)等の製品の販売のほか、不正取引対策(ワンタイムパスワード製品)等のセキュリティシステムの販売・構築をおこなっています。

また、当部門が納入したセキュリティ機器およびソフトウェア製品の保守業務を、24時間365日の対応が可能な体制を整備しております。

● モニタリング部門

当部門は、自社開発製品によるネットワーク上を流れるすべてのトラフィックデータ収集・分析・可視化をはじめ、サービス品質の検証、不具合場所の特定およびその対策を支援するソリューション(パケットキャプチャ製品、ネットワーク・アプリケーションの性能管理製品等)の販売・構築をおこなっています。

なお、自社開発製品については、アジア・パシフィック地域の現地パートナーを経由し、通信事業者、一般企業に向けた販売をおこなっています。

また、当社独自のサービスであるアプリケーション等の性能を監視するクラウドサービス(CloudTriage)の提供や、当部門が納入した当社開発製品(THX)、ネットワーク運用・管理・監視機器およびソフトウェア製品の保守業務を、24時間365日の対応が可能な体制を整備しております。

● ソリューションサービス部門

当部門は、顧客が抱える問題を改善するために必要なソフトウェアやサービスの提供をおこなっています。

・訪日外国人旅行客が増加するなか、外国人観光客と円滑にコミュニケーションを取るための対策として言葉の壁を解決するリアルタイム多言語映像通訳サービスの提供

・働き方改革や業務効率化の実現に向けて注目されている自社開発ソフトウェアRPAツール(EzAvater)の販売

・中堅・中小規模の法人顧客に向けたクラウド管理型マネージドVPNサービス、ウェブ会議サービスなどのネットワ ーク・ソリューション・サービスをはじめ、テクノロジー・アウトソーシング・サービスや情報システム開発・運用サービスの提供、また、欧米豪・中東市場に特化した自社運営の訪日インバウンドメディア「VOYAPON(ヴォやポン)」を活用したプロモーション事業を展開しております。

 

[事業系統図]

※画像省略しています。

 

 

用語解説

 

ルータ(router)

ある場所からある場所にインターネットを介してデータを送受信するときに、その電送経路を制御する装置をいいます。

DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)

コンピュータを起動したとき、そのコンピュータに対して、IPアドレスなどのネットワーク情報を自動的に割り振るためのプロトコル(ネットワークでコンピュータ同士が情報を交換するための通信手順、通信規約)です。

DNS(Domain Name Service)

インターネット上でのコンピュータの名前にあたるドメイン(ホスト)名を、住所にあたるIPアドレスと呼ばれる4つの数字の列に変換する名前解決メカニズムの総称です。

IP(Internet Protocol)

米国防総省のネットワークプロジェクトで開発された通信手順で、ネットワークに参加している機器の住所付け(アドレッシング)や、相互に接続された複数のネットワーク内での通信経路の選定(ルーティング)をするための方法を定義しています。

IPTV(Internet Protocol TeleVision)

IPTVとは、IP(Internet Protocol)を利用してデジタルテレビ放送を配信するサービスのこと、またはその放送技術の総称をいいます。QoSを活用することにより、音声や動画の生中継や、テレビ会議など、リアルタイム性が要求される通信において、優先的に帯域を割り当てるなどの制御を行い、通信の停滞を防止します。

PPPoE(Point to Point Plotocol over Ethernet)

PPPは電話回線とモデムを使って2点間でコンピュータ接続するダイアルアップサービスで使用する通信手順です。PPPoEはADSL、ケーブルテレビ、光ファイバーサービスなどの常時接続において使用される通信手順です。

QoE(Quality of Experience)

QoEとは、主に通信事業者が提供する各種通信サービスに対して「ユーザから見たサービス品質(ユーザの体感品質)」を意味します。具体的には、映像配信やIP電話などのリアルタイム性が求められる通信サービスの品質について、ユーザの目線で評価する品質の尺度です。

QoS(Quality of Service)

QoSとは、主にネットワークにおける回線の「通信サービスの品質」を意味し、通信の品質を制御する技術を指します。具体的には、ネットワーク上で通信のための帯域をあらかじめ予約し、特定の通信の通信速度・品質を保証する技術のことをいいます。

SLA(Service Level Agreement)

元々は米国でのアナログ電話回線サービスの品質保証から生まれた用語で、これが広義的に普及し、今では、インターネット通信サービス事業者が利用者に対して回線通信速度、通信不能時間といった特別なサービス品質を保証するサービス契約をいいます。もし、締結ユーザに対してインターネット通信サービス事業者が保証できなかった場合、サービス事業者は契約ユーザにペナルティを支払わなければなりません。

SLM(Service Level Management)

これは前述のSLAがきちんと守られているかどうかを実際の数値として監視する仕組みをいいます。

DDoS(Distributed Denial of Service)

DDoSとは、インターネットを通じた攻撃手法の1つで、複数のコンピュータから大量のデータを一斉に送信することで、標的となる企業や組織のコンピュータに大量の処理負荷を与え、サービスを機能停止状態へ追い込む手法です。

ストレージ(Storage)

ストレージとは、コンピュータなどのデータを長期的に保存しておくことを目的とした記憶装置です。

ダークネット

ダークネットとは、Tor(The Onion Router:TCP/IPにおける接続経路の匿名化を実現するための規格またはソフトウェアの名称)などのツールを利用することで誰でもアクセスできる利便性があり、また、暗号化された通信技術などを利用することで高いレベルの匿名性が確保されているネットワークです。しかしながら、匿名性が確保されることで利用者の特定が困難であるため、様々な犯罪の温床になっています。

RPA(Robotic Process Automation)

RPAとは、これまで人間が手作業で行っていた定型的な事務作業を、ルールエンジン、機械学習、人工知能などの認知技術を取り入れたソフトウェアロボットが代行することで、オフィス業務の効率化や自動化を実現する取り組みです。

 

23/06/26

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限等の緩和に伴い、経済活動の正常化に向けた動きが見られました。一方、長期化するウクライナ情勢に伴う原材料価格の高騰に加え、急激な為替変動等もあり、景気の先行きは不透明な状況が続いております。

このような経営環境のもとで、当社グループでは、社会インフラを取り巻く脅威はさらに多様化・複雑化し、社会生活や経済活動におけるインターネットサービスへの依存度が高まりを見せる中、サイバー攻撃等から社会インフラを守り、安定した運用を実現するためのサイバーセキュリティ対策とOT/IoTのセキュリティ対策に向けた「サイバースレットインテリジェンスサービス」、「脆弱性診断サービス」、「産業系制御システムのセキュリティ対策」等の導入を促す活動に取り組んでまいりました。

 

また、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の変化を背景に、業務プロセスや作業の自動化と生産性の向上を図る「究極的にカンタンなRPAツール」、新型コロナウイルス対応における在留外国人や聴覚障がい者に向けたコミュニケーション支援の「多言語リアルタイム映像通訳サービス」では、当社グループのオリジナリティを発揮し、各分野での独自のポジションを確立するための営業活動に努めました。

 

当連結会計年度における部門別の概要は次のとおりであります。

 

(ネットワーク部門)

当部門では、国際的スポーツイベント以降も続くDDoS攻撃への対策のほか、テレワークや在宅勤務によりひっ迫した企業内ネットワークの課題解決として、「Radware」製品が得意とするDDoS対策サービスやWAN回線の負荷分散装置、Webアプリケーションの最適化等の案件獲得に向けた受注活動は堅調に推移しました。

また、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の変化に対応するため、企業内でのテレワーク、フリーアドレス制の導入によるWi-Fi環境の構築や利用拡大に伴い、セキュアなクラウド型無線LANシステムによるネットワーク構築案件の受注活動に注力しました。

なお、当社グループが得意とするIPアドレス管理サーバ製品は、新モデルへのリプレース需要が一巡したことから、テレワークや在宅勤務の増加に伴うセキュリティ対策の需要拡大を背景に、DNSセキュリティソリューションの提案活動に努めましたが、当部門の売上高は前期に比べ減少しました。

この結果、売上高は1,286百万円(前期1,399百万円、前期比8.1%減)となりました。

 

(セキュリティ部門)

当部門では、社会生活や経済活動におけるインターネットサービスへの依存度が高まりから、産業系ネットワークに接続されるOT/IoTを標的としたサイバー攻撃の脅威は増大しています。

電力系等の重要インフラや工場及びビル管理等の産業制御システム分野では、OT/IoTのセキュリティ対策の需要拡大に伴う引き合いの増加により、制御システム・セキュリティリスク分析案件の受注は増加しました。

また、昨今のクラウド利用の加速とリモートワークの定着により、既存のシステムやセキュリティ・ツール、SaaS、PaaS等のログ情報から、外部・内部の脅威をいち早く正確に捉えることができるログ管理・分析クラウドサービスのほか、特定の組織、企業等を標的にしたサイバー攻撃への対策として、官公庁をはじめ国内製造業向けのネットワーク不正侵入防御セキュリティ案件の引き合いが増加したことで、受注を獲得しています。

さらに、当社グループが得意とする、ダークネットと呼ばれる匿名性の高いネットワークにて、APTに代表される高度な技術を持つ攻撃集団や、サイバー犯罪グループ等がやり取りする悪意ある情報を収集、分析し、契約先企業に提供するサイバースレットインテリジェンスサービスや、サプライチェーンのリスクを可視化するサイバーリスク自動評価サービス等の受注活動は堅調に推移しました。

なお、様々な犯罪で利用されることの多いSNSをAIで分析し、犯罪グループ間の隠れた関係や裏アカウント等を特定するサービスを本格的に開始したほか、次の大きなテーマとして取り組んでいるソフトウェアサプライチェーンリスクのサービスも順調な立ち上がりを見せております。

この結果、売上高は2,155百万円(前期1,726百万円、前期比24.8%増)となりました。

 

(モニタリング部門)

当部門では、新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークや在宅勤務の急拡大したことにより、ネットワークの負荷やセキュリティリスクの高まりから、当期より本格的に販売を開始した当社グループ独自のパケットキャプチャ製品の新モデルを採用したネットワーク監視やセキュリティ対策、トラブルシューティング対応等の新規案件の獲得に向けた営業活動に注力しました。

また、クラウドサービス等で提供されるソフトウェアやアプリケーションのパフォーマンスの可視化と問題の原因追究をする当社グループ独自開発の運用監視クラウドサービスは、当社グループの主要顧客を中心に受注活動に努めました。

なお、長年使用されてきたレガシーな製品のサポート終了による保守サービス売上が減少したことに伴い、当部門の売上高は前期に比べ減少しました。

この結果、売上高は269百万円(前期387百万円、前期比30.3%減)となりました。

 

(ソリューションサービス部門)

当部門の多言語リアルタイム映像通訳サービスは、ワクチン接種会場や官公庁及び自治体での利用は引き続き堅調に推移したほか、インバウンド需要の再開による訪日外国人の増加に伴い、これまでの契約ユーザーである宿泊施設、商業施設、メガネショップ等での利用が増加したことに加え、新規の引き合いも増加しました。

また、Zoomの新しい利用スタイルとして「みえる通訳」との組み合わせによる「遠隔会議通訳サービス」は、国際会議での需要が拡大したほか、オフィスへの出社回帰の動きから、会議室で利用するオールインワンモニター等の機器の需要も増加しました。

さらに、当社グループ独自開発のRPAツールは、誰でも簡単に使える特徴と認知度の高まりから、業界、業種、規模を問わず利用が拡大し、契約件数は堅調に推移しました。

なお、訪日インバウンドメディアを活用したプロモーション事業を行うIGLOOO(イグルー)社は、インバウンドの受け入れ再開により、訪日外国人を誘客するPR需要が増加したほか、情報システム業務支援及び業務開発のクレシード社は、受注活動が堅調に推移しました。

この結果、売上高は1,965百万円(前期1,710百万円、前期比14.9%増)となりました。

 

以上の結果、当連結会計年度における受注高は5,638百万円(前期6,058百万円、前期比6.9%減)、売上高は5,676百万円(前期5,223百万円、前期比8.7%増)、受注残高は1,851百万円(前期1,890百万円、前期比2.0%減)となりました。

 

損益面では、急激な円安の進行により売上原価率が上昇したことで売上総利益は減少しました。また、事業の拡大に向けた人的資本の増強に伴う費用に加え、当期予想していなかった資本業務提携に伴う費用20百万円のほか、譲渡制限付株式の精算等組織再編に伴う諸費用46百万円を計上したことで、営業利益115百万円(前期は441百万円の利益)、経常利益127百万円(前期は439百万円の利益)となりました。

また、繰延税金資産の取り崩しに伴う法人税等調整額21百万円を計上したことで、その結果、親会社株主に帰属する当期純利益46百万円(前期は273百万円の利益)となりました。

 

②財政状態の状況

当連結会計年度末における総資産は、6,144百万円となり、前連結会計年度末に比べ152百万円増加いたしました。

当連結会計年度末における負債合計は、3,698百万円となり、前連結会計年度末に比べ146百万円増加いたしました。

当連結会計年度末における純資産合計は、2,445百万円となり、前連結会計年度末に比べ5百万円増加いたしました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ431百万円増加し、2,298百万円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は287百万円(前年同期は414百万円の獲得)となりました。これは主に前受金の減少額96百万円、減価償却費131百万円、税金等調整前当期純利益117百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は34百万円(前年同期は243百万円の使用)となりました。これは主に定期預金の払戻による収入290百万円、定期預金の預入による支出90百万円、無形固定資産取得による支出84百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は112百万円(前年同期は428百万円の使用)となりました。これは主に長期借入れによる収入300百万円、自己株式取得よる支出299百万円、新株株式による収入203百万円等によるものであります。

 

④仕入、受注及び販売の実績

当社グループは単一事業であるため、仕入、受注及び販売の実績については事業部門ごとに記載しております。

 

a . 仕入実績

当連結会計年度の仕入実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。

事業部門別

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

ネットワーク部門(千円)

634,794

8.1

セキュリティ部門(千円)

1,301,185

38.1

モニタリング部門(千円)

73,283

△33.6

ソリューションサービス部門(千円)

586,616

14.5

合計(千円)

2,595,880

20.6

 

b . 受注実績

当連結会計年度の受注実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。

事業部門別

受注高

前年同期比

(%)

受注残高

前年同期比

(%)

ネットワーク部門(千円)

1,360,933

△15.7

408,958

22.2

セキュリティ部門(千円)

2,066,661

△7.1

1,314,276

△6.3

モニタリング部門(千円)

270,342

△31.8

28,527

1.9

ソリューションサービス部門(千円)

1,940,266

6.4

99,839

△19.9

合計(千円)

5,638,204

△6.9

1,851,602

△2.0

 

c . 販売実績

当連結会計年度の販売実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。

事業部門別

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

ネットワーク部門(千円)

1,286,745

△8.1

セキュリティ部門(千円)

2,155,072

24.8

モニタリング部門(千円)

269,817

△30.3

ソリューションサービス部門(千円)

1,965,092

14.9

合計(千円)

5,676,728

8.7

(注)当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

伊藤忠テクノソリューションズ(株)

335,158

5.9

 

(2)経営者の視点による経営者成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容等

a.経営成績等

(売上高)

当社グループの当連結会計年度の売上高は、前期に比べ453百万円増加した5,676百万円となりました。

これは主に、社会生活や経済活動におけるインターネットサービスへの依存度の高まりから、サイバー攻撃や不正アクセス等の脅威が増加したことで、官公庁、国内企業向けのネットワークセキュリティ構築案件が堅調に推移した他、社会インフラや工場、ビル管理システム等に向けた産業制御システム分野のセキュリティ対策として、当社グループが得意とする制御システム・OTセキュリティリスクアセスメントサービスが社会インフラ企業、国内大手製造業等に採用されたことによるものです。

また、サイバー犯罪やサイバーテロ等に関する情報を収集分析するサイバースレットインテリジェンスが官公庁等に採用された他、サプライチェーンのリスクを可視化するサイバーリスク自動評価サービスの受注活動は堅調に推移しました。

なお、インバウンド需要の再開による訪日外国人の増加に伴い、ソリューションサービス部門の多言語リアルタイム映像通訳サービスでは、これまでの契約ユーザーである宿泊施設、商業施設、メガネショップ等での利用が増加した他、訪日インバウンドメディアを活用したプロモーション事業を行うIGLOOO(イグルー)社では、訪日外国人を誘客するPR需要が増加しました。

(売上総利益)

売上総利益は、前連結会計年度に比べ67百万円減少し、1,994百万円となりました。

これは主に、急激な円安の進行により仕入原価が上昇したことによるものであります。

(営業利益)

販売管理費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ258百万円増加し、1,878百万円となりました。これは主に、事業の拡大に向けた人的資本の増強に伴う費用に加え、当期予想していなかった資本業務提携に伴う費用の他、譲渡制限付株式の精算等組織再編に伴う諸費用を計上したことによるものであります。これらの結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ326百万円減少し、115百万円となりました。

(経常利益)

経常利益は、前連結会計年度に比べ312百万円減少し、127百万円となりました。これは主に、為替差益5百万円等を計上したためであります。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

特別損益は、会員権評価損9百万円が計上されております。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ227百万円減少し、46百万円となりました。

b.経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

c.財政状態

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は5,068百万円となり、前連結会計年度末に比べ196百万円増加いたしました。これは主に受取手形、売掛金及び契約資産が40百万円減少したものの、現金及び預金が231百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は1,075百万円となり、前連結会計年度末に比べ44百万円減少いたしました。これは主に無形固定資産が44百万円減少したことによるものであります。

この結果、総資産は6,144百万円となり、前連結会計年度末に比べ152百万円増加いたしました。

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は3,325百万円となり、前連結会計年度末に比べ53百万円増加いたしました。これは主に前受金が96百万円減少したものの、一年内返済予定長期借入金が55百万円増加、賞与引当金が44百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は373百万円となり、前連結会計年度末に比べ93百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が106百万円増加したものの、長期未払金が12百万円減少したこと等によるものであります。

この結果、負債合計は3,698百万円となり、前連結会計年度末に比べ146百万円増加いたしました。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産合計は2,445百万円となり、前連結会計年度末に比べ5百万円増加いたしました。これは主に資本金が1,131百万円減少したものの、資本剰余金が1,257百万円増加したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は39.1%(前連結会計年度末は40.2%)となりました。

d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、社会生活や経済活動におけるインターネットサービスへの依存度の高まりから、サイバー攻撃等から社会インフラを守り、安定した運用を実現するためのサイバーセキュリティ対策、制御システム・OTセキュリティリスクアセスメントサービスの他、インバウンド需要の再開による訪日外国人の増加に伴い、宿泊施設、商業施設、メガネショップ等での多言語リアルタイム映像通訳サービス利用が増加した他、訪日外国人を誘客するための訪日インバウンドメディアを活用したプロモーション需要が増加したことで、2022年度については、売上高5,676百万円/営業利益115百万円/経常利益127百万円/親会社株主に帰属する当期純利益46百万円/1株当たり当期純利益2.80円となりました。

当社グループは、デジタル社会の変化に自ら対応・進化し、お客様が欲する最適・的確なソリューションとサービスを提供し続けられるテクノロジーオーガナイズ企業グループを目指し、2022年11月1日に純粋持株会社として当社を設立致しました。

中核事業会社である㈱テリロジーは、1989年の創業以来、政府・自治体、文教分野、そして各業界のグローバル企業において欠かすことのできないインターネット技術や今日のデジタル社会を支える世界の先進・先端技術トレンドを常に追い駆け、この国にとって必要・有益とされる新たなテクノロジーの発掘・開発・導入に数多く挑戦して参りました。また、各グループ会社においては、サイバーセキュリティ、ICTサービス、ITマネージドサービス、インバンドソリューションサービス等の国内展開や、アジアグルーバル分野において、当社グループならではのユニークな事業ポートフォーリオを展開し、各社連携のもと業容の拡大に努めております。

当社グループでは、昨年11月の純粋持株会社体制への移行を経て、ポストコロナの新しい社会活動、企業活動を見据えた当社グループ事業構築の拡充、変革を行っていかなければならない時期に直面していると考えております。

デジタルの利活用が進み、旧来のビジネスモデルが変革され産業のDX化が急速に進む中、産業構造も大きく変化・進化していくことになると考えます。

当社グループは、このデジタル変革の期を大きなチャンスと捉え、「安心・安全なデジタルの活用を支えるサイバー・セキュリティ技術の提供」、「簡単で負担を感じないクラウドサービスの提供」、「ログ解析・管理からデータマネージメント技術の提供」を挑戦領域の軸として、国内外の市場を問わずお客様のDX化推進に貢献して参ります。

現在進めておりますお客様が抱える情報システムやセキュリティに関わる「現場課題」、我が国の国策である観光DX、環境DXに関わる「社会課題」解決に向けての事業の加速のみならず、今後の社会にとって「必要不可欠な新たな課題領域」に向けての意欲的な挑戦も続けて参ります。

当社グループの提供するソリューション&サービスが持続可能な社会の支えになることを目的とし、中期経営計画の目標数値については毎年見直しを行うローリング方式とし、2024年3月期を初年度とする新たな3カ年計画を策定致しました。

①グループ連携によるストック型事業モデルへの強化・人材育成

・グループ事業シナジーの追及強化(事業価値連鎖、連結収益力の増強)

・人的資本経営の実践に伴う人材育成・能力開発・組織開発の強化(人材の多様化、人材のグループ間交流、リーダー人材の育成)

・ビジネス・システム・マネージメント事業拡大(情報システム業務・リモート運用監視サービス事業領域をカバー、システム開発事業)

②グループ・ポートフォリオ事業の更なる拡充・拡大

・IT/OT/IoT/DXセキュリティ&テクノロジー事業領域の強化(主力事業領域のトップライン拡大)

・クラウドセキュリティ事業への挑戦(マルチクラウド、SIEM/SASE等新規開発事業)

・ビッグデータマネージメント事業への挑戦(ログ管理、AI/オートメーションテクノロジー)

・ダイナミックなグループ事業の拡大(成長・安定事業のグループ取込、M&Aアライアンスの推進、投資育成対象会社(CBA/NCD)の支援強化)

③グローバルな事業展開

・アジア事業戦略展開強化

 ・アジアグローバル市場へのビジネス強化(JV事業、事業提携の促進)

 ・ベトナム市場への集中(VNCS-Global経営支援)

・米国・イスラエル連携

 ・先進技術のソーシングの強化(IL Ventures/KG Ventureとの連携強化)

 ・事業開発投資機能の発揮

・グローバル運用監視支援サービス強化

 ・24/365モニタリング体制の保有、強化

 ・NoC/Socサービスの各種メニュー拡充

 

なお、当社グループでは、新中期経営計画の初年度である2023年度は、売上高6,345百万円/営業利益240百万円/経常利益240百万円/親会社株主に帰属する当期純利益168百万円/1株当たり当期純利益10.13円を連結業績目標としております。

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

b.資本の財源及び資産の流動性

当社グループの事業活動における短期の運転資金については、基本的には自己資金および金融機関からの短期借入金を主な財源としており、設備投資や長期の運転資金に関しては、金融機関からの長期借入金によっております。

また、グループ内の資金効率向上のため、当社は子会社と当座貸越契約を契約し、資金の集中管理をおこなっております。

当社グループの資金の流動性については、上記方策により十分な現金及び現金同等物を確保しております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積もりに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表を作成するに当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありますが、特に下記の会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断等に影響を及ぼすと考えております。

a.市場販売目的のソフトウェアの減価償却の方法

市場販売目的のソフトウェアの減価償却は、見込販売収益を基礎とする当連結会計年度の実績販売収益に対応して計算した金額と残存有効期間に基づく均等配分額のいずれか多い金額で償却を行っております。見積もった見込み販売収益が減少した場合は、減価償却費が増加する可能性があります。

b.繰延税金資産

当社グループの連結財務諸表に計上されている資産及び負債の金額と課税所得計算上の資産及び負債の金額との間に生じる一時差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して、繰延税金資産を計上しております。将来の税金の回収可能予想額は、当社グループの将来の課税所得の見込額に基づき算出されておりますが、将来の課税見込額の変動により、繰延税金資産が変動する可能性があります。

c.のれんの減損

のれんの償却方法については、投資効果の及ぶ期間にわたり、定額法により償却しております。なお、のれんの対象事業の収益性が低下し、減損の必要性を認識した場合には、のれんの減損処理を行う可能性があります。重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。