E01115 Japan GAAP
前期
72.1億 円
前期比
99.7%
株価
575 (07/12)
発行済株式数
4,618,520
EPS(実績)
28.98 円
PER(実績)
19.84 倍
前期
512.1万 円
前期比
102.3%
平均年齢(勤続年数)
41.4歳(16.8年)
従業員数
317人(連結:484人)
当企業集団は、親会社である株式会社朝日ラバーおよび子会社5社より構成されており、工業用ゴム製品および医療・衛生用ゴム製品の製造・販売事業ならびにこれらに付帯する事業を営んでおります。
事業内容と各社の当該事業にかかる位置付けは、次のとおりであります。
なお、次の2部門は「第5 経理の状況 1.(1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。
(1) 工業用ゴム事業…………… 主要な製品は、車載用機器、電子・電気機器、産業機器、スポーツ用品等に使用されるゴム製品であります。当社および東莞朝日精密橡膠制品有限公司で製造し、販売は当社、子会社朝日橡膠(香港)有限公司が国内および中国を除くアジア諸国へ販売し、東莞朝日精密橡膠制品有限公司は中国へ販売し、欧米向けには子会社Asahi Crosslink Corporationが販売しております。朝日科技(上海)有限公司は主にLED関連製品、ゴム製品の開発・設計を行い、中国へ販売しております。
(2) 医療・衛生用ゴム事業…… 主要な製品は、医療用ゴム製品及び衛生性、衝撃吸収性に優れた衛生用ゴム製品であります。当社が製造し、国内およびアジア諸国へ販売しております。
また、子会社㈱朝日FR研究所は、各事業の素材開発、新製品開発等を行っております。
事業内容と各社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。
※画像省略しています。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度の業績は、連結売上高は、工業用ゴム事業の販売が、下期の受注は回復傾向であるものの、上期の販売減少があったことから連結売上高は71億8千万円(前期比0.3%減)となりました。利益面においても売上高が減少したこと等により、連結営業利益は1億5千6百万円(前期比15.5%減)、連結経常利益は保険解約払戻金等があったことから1億9千5百万円(前期比0.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は風車事業の一つとして取り組んでいる風車のブレードを保護するカバーの開発において、実機に取り付けたカバーの劣化に対する再施工費用を特別損失として計上したことや、光学事業の再構築と挑戦の加速を図るため設備の回収可能性を考慮した減損損失を計上したこと等により1億3千3百万円(前期比34.1%減)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりです。
工業用ゴム事業
工業用ゴム事業では、自動車向け製品の受注は、精密ゴム製品やスイッチ用ゴム製品の受注は増加したものの、自動車内装照明用のASA COLOR LEDは上期までの在庫調整等の影響により受注は減少しました。また、自動認識機器に使用されるRFIDタグ用ゴム製品の受注は金利上昇などの厳しい事業環境が続き低迷しました。一方で、卓球ラケット用ラバーは前連結会計年度から受注増加が続き売上高は増加しました。
この結果、工業用ゴム事業の連結売上高は56億4千5百万円(前期比2.1%減)となりました。セグメント利益は3億4百万円(前期比23.9%減)となりました。
医療・衛生用ゴム事業
医療・衛生用ゴム事業では、診断・治療向けのプレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の受注が堅調であったことや医療用逆止弁の受注が増加したこと、新たに参入を果たした医療シミュレータの受注も加わり売上高は増加しました。
この結果、医療・衛生用ゴム事業の連結売上高は15億3千5百万円(前期比6.7%増)となりました。セグメント利益は製品の販売構成や試作コストの増加等により1億2千万円(前期比3.7%減)となりました。
② 財政状態の状況
(資産の状況)
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べて2千7百万円増加し、94億1千4百万円となりました。この主な増加要因は、商品及び製品、建物及び構築物、投資有価証券が減少したものの、現金及び預金、電子記録債権が増加したものであります。
(負債の状況)
当連結会計年度末の負債は前連結会計年度末に比べて1億2千4百万円減少し、43億7千2百万円となりました。この主な減少要因は、短期借入金が増加したものの、1年内返済予定の長期借入金、長期借入金が減少したものであります。
(純資産の状況)
当連結会計年度末の純資産は前連結会計年度末に比べて1億5千2百万円増加し、50億4千2百万円となりました。この主な増加要因は、当連結会計年度の利益計上に伴う利益剰余金、為替換算調整勘定が増加したものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度に比べ4億9千5百万円増加の13億8千6百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、6億4千1百万円の収入(前期は4億3千2百万円の収入)となりまし
た。
これは主に、税金等調整前当期純利益1億6千2百万円(前期は2億1千4百万円の利益)、減価償却費4億3千3百万円(前期は4億2千万円)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、7千1百万円の収入(前期は8千7百万円の収入)となりました。
これは主に、定期預金の預入による支出10億2千5百万円(前期は14億7百万円の支出)、有形固定資産の取得による支出4億3千7百万円(前期は2億8千7百万円の支出)があったものの、定期預金の払戻による収入12億2千7百万円(前期は17億8千1百万円の収入)、投資有価証券の売却による収入2億7千4百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、2億3千9百万円の支出(前期は6億1千9百万円の支出)となりまし
た。
これは主に、短期借入れによる収入15億円(前期は5億円の収入)、長期借入れによる収入4億円(前期は5億円の収入)があったものの、短期借入金の返済による支出12億円(前期は5億円の支出)、長期借入金の返済による支出8億4千7百万円(前期は10億2千4百万円の支出)、配当金の支払額9千万円(前期は9千1百万円の支払)によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
工業用ゴム事業(千円) |
5,499,258 |
△5.2 |
医療・衛生用ゴム事業(千円) |
1,551,495 |
8.2 |
合計(千円) |
7,050,753 |
△2.6 |
(注)金額は販売価格によっております。
b 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
工業用ゴム事業 |
5,663,211 |
△0.9 |
901,064 |
2.0 |
医療・衛生用ゴム事業 |
1,535,385 |
4.5 |
141,277 |
△0.0 |
合計 |
7,198,597 |
0.2 |
1,042,342 |
1.7 |
(注)金額は販売価格によっております。
c 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
工業用ゴム事業(千円) |
5,645,453 |
△2.1 |
医療・衛生用ゴム事業(千円) |
1,535,428 |
6.7 |
合計(千円) |
7,180,882 |
△0.3 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
日亜化学工業株式会社 |
1,063,115 |
14.8 |
1,048,784 |
14.6 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは「私たちは人を豊かにしてグローバル社会貢献度が高い技術会社になる」ことを未来に通ずる姿とし、2030年を見据えた「AR-2030VISION」を定めております。当連結会計年度は「AR-2030VISION」の実現に向けて2023年4月からスタートした第14次三ヵ年中期経営計画の初年度になります。中期経営方針として「魅力を高めて新たな価値を提供しよう」を掲げ、これまで以上に柔軟かつ好奇心旺盛な思考で行動し、事業活動を通じて様々な方々と一緒に未来につながるカタチをつくってまいります。
当社グループの重点事業分野を「光学事業」、「医療・ライフサイエンス事業」、「機能事業」、「通信事業」の4つとし、事業展開を進めるうえで、独自の競争力の源泉となるコア技術である「色と光のコントロール技術」「素材変性技術」「表面改質およびマイクロ加工技術」に、それぞれの事業分野に成長のキーワードとなる視点を加えて、ゴムが有する無限の可能性をさらに進化させる活動を進めてまいりました。
当連結会計年度における事業環境は、社会経済活動の正常化により需要は緩やかに回復してきましたが、インフレ抑制懸念や脆弱化したサプライチェーンの再構築など不確実性が高まりました。事業活動におきましては、円安により海外需要が高まる反面、原材料や部材価格の上昇、エネルギー価格の高止まりが続くなどの様々な影響を受けました。この中で当社グループは、当期経営方針に「魅力を高めて新たな価値を提供しよう」を掲げ、それぞれの事業分野のお客様との共創活動を積極的に行い、事業が貢献できる範囲を拡大してまいりました。機能事業の再生可能エネルギー分野では、脱炭素社会の実現に向けた風力発電機の設置拡大に伴い、これまでの研究段階から事業化に向けた活動にステージアップし、補助事業の採択を受けながら風力発電向け製品の実証実験やO&M事業形成に向けた準備を図ってまいりました。また、医療・ライフサイエンス事業では、光学事業に続く収益の第二の柱として成長すべく商社機能を持った新たな販売子会社の設立や第二福島工場の生産能力の増強を目的に増築を決定するなど、お客様の要望に素早く応える体制を整えてまいります。併せて、生産活動におきましては、技術基盤の成長を促す内外作政策や合理化投資を行うなど、新たな施策を積極的に展開しました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
工業用ゴム事業
社会経済活動の正常化により需要は緩やかに回復してきましたが、長くにわたり世界規模で発生したリスクは、事業環境や働き方に対して大きな変化をもたらしました。当社グループは、それら課題を解決しながら第14次三ヵ年中期経営計画で掲げる重点目標を達成させるため、積極的な改善活動でリスクを最小限に抑える活動を展開し、果敢に挑戦してまいりました。
自動車分野は、電動化が進むことで乗員に対する新たな快適空間の提供が求められ、照明部品や操作部品の役割が変わりつつあります。お客様が求めるインテリア空間に対して提案力を高めるため、より一層、当該事業製品の開発に力を注ぐとともに、営業活動や生産活動の有効性や効率性を高める体制の構築を進めてまいります。
スポーツ分野は、活況な市場環境が継続し、新製品の投入や増産投資は一定の成果が得られております。さらに次年度はオリンピックイヤーであることから新たな要求が加わることも想定します。今後も御客様に密着しながら質的成長に向けた活動を展開してまいります。
通信分野は、人手不足を背景とした生産合理化やウエアラブル製品が屋外で使用される機会が増えたことから、自動認識技術を必要とする事業環境が拡大しております。これまで特定のお客様に対するOEM製品を供給しておりましたが、弾性体の性質を生かした自社製品の提供を始め、市場参入機会の拡大を進めております。通信分野は、重点事業分野の全てにかかわりが得られる可能性を秘めており、それぞれをつなぐ活動を強化してまいります。
医療・衛生用ゴム事業
新型コロナウイルス感染症も5類に分類され診断・治療分野の市況も回復し、プレフィルドシリンジガスケット製品、採血用・薬液混注用ゴム製品の受注は堅調に推移しております。また自社開発製品である医療用逆止弁の採用が広がるとともに、白河第二工場で医療機器の品質管理システム構築のための国際標準規格であるISO13485を取得したことから、市場参入機会の拡大につながる開発投資や、海外市場も視野に入れた販売活動を展開しております。光学事業に続く収益の第二の柱として成長すべく商社機能を持った新たな販売子会社の設立や第二福島工場の生産能力の増強を目的に増築を決定するなど、さらにお客様の要望に素早く応える体制を整えてまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループでは各事業の受注状況に基づき、生産能力を検討し設備投資を実施、また新たな事業分野への研究開発投資を積極的に実施しております。その必要資金については財政状態の良化を考慮し、主に売上代金及び金融機関からの長期借入金による調達を基本としております。金融機関からの借入金は主として固定金利で調達しております。また、資金調達の機動性確保及び資金効率の改善等を目的に、主要取引金融機関と10億円のコミットメントライン契約を締結しております。これらの契約に基づく当連結会計年度末の借入未実行残高は10億円であります。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は17億6千万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。