E01111 Japan GAAP
前期
837.3億 円
前期比
105.1%
株価
3,850 (04/19)
発行済株式数
30,272,503
EPS(実績)
358.51 円
PER(実績)
10.74 倍
前期
678.1万 円
前期比
101.6%
平均年齢(勤続年数)
43.3歳(18.9年)
従業員数
1,072人(連結:2,976人)
当社及び当社の関係会社(当社、子会社32社及び関連会社11社(当連結会計年度末日現在)により構成)においては、ベルト・ゴム製品、ホース・チューブ製品、化工品、その他産業用製品、不動産、経営指導を主たる事業としております。
各事業における当社及び主要関係会社の位置づけ等は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
事業の系統図は、次のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度の世界経済は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や世界的な金融引き締めなどの影響で景気に下振れが見られ、また、原油をはじめとする資源・エネルギー価格の高騰が継続するなど、景気減速の懸念が高まる状況となりました。国内経済は、新型コロナウイルス感染症対策の行動制限緩和により社会経済活動は正常化へと向かいましたが、資源・エネルギー価格の高騰や物価の上昇による消費の下振れ懸念や、堅調であった半導体需要の減少など、先行きの不透明感を払拭できない状況が続きました。
当社グループ製品の主要需要業界におきましては、これまで堅調に推移してきた半導体業界向けや物流業界向けは、設備投資の抑制などにより年度後半にかけて減速しました。一方、半導体不足等の影響を受け低調に推移していた自動車業界向けは、年度後半にかけて回復傾向となりました。
このような環境下、当社グループの当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度比42億6千5百万円増(5.1%増)の880億円となりました。
損益面では、原材料価格やエネルギー価格及び物流コストなどの上昇、また、コロナ禍からの営業活動再開に伴う販管費増加の影響もあり、営業利益は49億8千9百万円と前連結会計年度比3億4千7百万円の減益(6.5%減)となりました。
また、経常利益は、持分法適用会社の主要需要業界である半導体業界向けが概ね堅調に推移した反面、自動車業界向けが低調であったため、持分法による投資利益は減少しましたが、円安の影響で為替差益が増加した結果、129億円と前連結会計年度比2億9千2百万円の減益(2.2%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、108億5千3百万円と前連結会計年度比3億6千4百万円の増益(3.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
ベルト・ゴム製品事業
主力のベルト製品(受注額154億6千5百万円、前期比23.7%減、当社単独ベース)、ゴム製品(受注額45億5千8百万円、前期比4.7%減、当社単独ベース)は、国内では、物流業界向けは概ね堅調でしたが年度後半にかけて減速傾向となりました。電子部品業界向けの感温性粘着テープが低調でした。海外では、繊維業界向け等のベルト製品が堅調でした。
ベルト・ゴム製品の生産規模は、143億4千4百万円(前期比0.1%増・販売価格ベース、当社単独ベース)となりました。
以上の結果、売上高は286億円と前連結会計年度比26億8千4百万円の増加(10.4%増)となりました。セグメント利益は、31億2千2百万円と前連結会計年度比5億3千2百万円の減少(14.6%減)となりました。
ホース・チューブ製品事業
ホース・チューブ製品(受注額225億9千8百万円、前期比1.4%減、当社単独ベース)は、国内では、半導体製造装置向けや建設機械向け製品が堅調に推移しました。自動車業界向け製品は半導体不足による生産調整等の影響を受けておりましたが、年度後半にかけて回復傾向となりました。海外では、アジア圏で建設機械向けホース製品が低調でしたが、EV車製造ライン向けのメカトロ製品や半導体製造装置向けチューブ製品が堅調に推移しました。
ホース・チューブ製品の生産規模は、231億3千3百万円(前期比0.3%減・販売価格ベース、当社単独ベース)となりました。
以上の結果、売上高は332億5千1百万円と前連結会計年度比11億3千8百万円の増加(3.5%増)となりました。セグメント利益は、9億3千5百万円と前連結会計年度比5億9千万円の減少(38.7%減)となりました。
化工品事業
化工品製品(受注額148億6千1百万円、前期比8.4%増、ニッタ化工品株式会社単独ベース)は、国内では、鉄道向けゴム製品が堅調に推移しましたが、土木業界向けの遮水製品等が低調でした。海外では、OA機器向けエラストマー製品や鉄道向けゴム製品が堅調に推移しました。
化工品製品の生産規模は、149億7千3百万円(前期比10.0%増、販売価格ベース、ニッタ化工品株式会社単独ベース)となりました。
以上の結果、売上高は115億9千7百万円と前連結会計年度比5億5千6百万円の減少(4.6%減)となりました。セグメント利益は、2億2百万円と前連結会計年度比2億8千7百万円の増加となりました。
その他産業用製品事業
空調製品(受注額42億3千2百万円、前期比3.6%増、当社単独ベース)は、半導体や電子部品、製薬業界等のクリーンルーム向けフィル他製品や測定器の需要が堅調でした。
以上の結果、売上高は104億4千9百万円と前連結会計年度比6億8千6百万円の増加(7.0%増)となりました。セグメント利益は、2億2千7百万円と前連結会計年度比4百万円の増加(1.8%増)となりました。
不動産事業
コロナ禍で減少していたテナント収入の回復などにより、売上高は8億3千7百万円と前連結会計年度比2千6百万円の増加(3.3%増)となりました。セグメント利益は、1億8千3百万円と前連結会計年度比4千万円の減少(18.0%減)となりました。
経営指導事業
経営指導の対象となる関連会社の業績が好調に推移した結果、売上高は19億6千8百万円と前連結会計年度比3億2千3百万円の増加(19.6%増)となりました。セグメント利益は、17億2千5百万円と前連結会計年度比2億6千7百万円の増加(18.4%増)となりました。
その他
自動車運転免許教習事業や北海道における山林事業等で構成されるその他の事業の売上高は、12億9千5百万円と前連結会計年度比3千6百万円の減少(2.8%減)となりましたが、セグメント利益は、1億5千8百万円と前連結会計年度比4千1百万円の増加(35.1%増)となりました。
当連結会計年度末における資産合計は1,583億8千5百万円となり、前連結会計年度末に比べて109億3千4百万円の増加となりました。流動資産は840億2千4百万円となり46億8千1百万円の増加となりました。主な要因は現金及び預金や棚卸資産が増加したことによるものです。
固定資産は743億6千万円となり62億5千3百万円増加しました。そのうち有形固定資産は259億5千2百万円と20億2千1百万円増加しました。無形固定資産は7億8千4百万円と1億6千5百万円の減少となりました。投資その他の資産は476億2千3百万円と、43億9千6百万円増加しました。
負債合計は289億3千5百万円と6億9千9百万円の増加となりました。純資産合計は1,294億5千万円となり102億3千5百万円の増加となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加や為替換算調整勘定が増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の80.3%から81.3%となりました。
期末発行済株式総数(自己株式控除後)に基づく1株当たり純資産は、前連結会計年度末の4,188.15円から4,623.35円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、354億3百万円(前連結会計年度末比45億3千1百万円の増加)となりました。各キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、119億9千5百万円の収入(前連結会計年度比29億8千3百万円の収入増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益128億3千1百万円等があったことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、30億4千4百万円の支出(前連結会計年度比1億7千万円の支出増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出34億2千4百万円等があったことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、49億6千8百万円の支出(前連結会計年度比16億1千万円の支出増)となりました。これは主に配当金の支払額32億7千7百万円、自己株式の取得による支出15億6千1百万円があったことによるものです。
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であってもその容量、構造、形式等は、必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。
このため、生産、受注及び販売の状況については、各セグメントの業績に関連付けて示しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度比42億6千5百万円増(5.1%増)の880億円となりました。主要な需要業界であります物流業界向けや半導体業界向けは、前連結会計年度から当連結会計年度の前半までは好調に推移していましたが、年度の後半にかけて減速傾向となりました。物流業界向けでは、主に欧米での需要が物流倉庫の設備投資抑制などの影響を受け減少し、半導体業界向けは旺盛であった需要の減速が影響しています。自動車業界向けは半導体不足等の影響を受け低調に推移していましたが、当連結会計年度の後半にかけて回復傾向となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ3億4千7百万円減少(6.5%減)し、49億8千9百万円となりました。原材料価格やエネルギー価格の上昇や、コロナ禍からの営業活動再開に伴う販管費増加の影響もあり、減益となりました。原材料価格の上昇に対して、販売価格への転嫁を進めていますが、原材料価格の上昇額を吸収するだけの転嫁は進んでいません。
(持分法による投資利益)
当社グループの持分法適用会社には、ゲイツ・ユニッタ・アジア㈱グループと、ニッタ・デュポン㈱グループの2グループがあり、それぞれの主要需要業界は自動車業界と半導体業界となります。
ゲイツ・ユニッタ・アジア㈱グループは合弁契約に従って、日本を含むアジア地区で自動車メーカーや一般産業向けのタイミングベルト、テンショナー、プーリーなどの製造販売を行っております。ゲイツ・ユニッタ・アジア㈱グループの2022年度の業況は、中国でのロックダウンの影響などもあり減収となりました。
ニッタ・デュポン㈱グループは合弁契約に従って、日本及び海外の日系メーカーを中心に半導体研磨材料の製造販売を行っております。ニッタ・デュポン㈱グループの2022年度の業況は、旺盛な半導体需要を受け増収となりました。
上記の結果、当連結会計年度における持分法投資利益は、前連結会計年度に比べ3億7千6百万円減少し、68億9千4百万円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ2億9千2百万円減少(2.2%減)し、129億円となりました。前連結会計年度より持分法による投資利益は減少しましたが、円安により為替差益は増加しています。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ3億6千4百万円増加(3.5%増)し、108億5千3百万円となりました。前連結会計年度より減損損失の計上や法人税等が少なかったことが影響しています。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は1,583億8千5百万円となり、前連結会計年度末に比べて109億3千4百万円の増加となりました。主な要因は親会社株主に帰属する当期純利益の増加による現金及び預金の増加や棚卸資産の増加、持分法適用会社の評価により投資有価証券が増加したこと等によるものです。
(負債)
負債合計は289億3千5百万円と6億9千9百万円の増加となりました。繰延税金負債や退職給付に係る負債の増加によるものです。
(純資産)
純資産合計は1,294億5千万円と102億3千5百万円の増加となり、自己資本比率は81.3%となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ① 財政状態及び経営成績の状況 (i)経営成績」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度の営業キャッシュ・フローは119億9千5百万円であり、当連結会計年度末において現金及び現金同等物を354億3百万円保有しております。
営業活動上の運転資金、設備投資、研究開発のための資金及び配当支払など、主に短期的に資金需要を満たすための資金は、原則として営業活動によるキャッシュ・フローを財源としますが、M&A等の巨額の資金需要に対応する場合は、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保及び財務の健全性・安定性を維持するため、自己資金もしくは銀行等から資金調達を行う方針です。資金調達を行う際は、期間や国内外の市場金利動向等、また自己資本比率やROEといった財務指標への影響度等を総合的に勘案しながら、最適な調達を実施します。
株主還元の考え方
当社では、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つとして位置づけ、企業体質の強化・充実を図りつつ、業績に応じた適正な利益配分を行うことを「基本方針」としております。また、中長期経営計画『SHIFT2030』のフェーズ1(2022年3月期~2025年3月期)の期間における配当方針は、この「基本方針」を維持しつつ、連結配当性向30%を目安に、安定的且つ着実な配当を継続的に実施する事で、株主の皆様のご期待にお応えしてまいります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループの連結財務諸表の作成に当たっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用する事が必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じた合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。