売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

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最終更新:

E01107 Japan GAAP

売上高

106.9億 円

前期

88.7億 円

前期比

120.5%

時価総額

48.8億 円

株価

2,413 (03/28)

発行済株式数

2,024,000

EPS(実績)

155.23 円

PER(実績)

15.54 倍

平均給与

530.3万 円

前期

520.4万 円

前期比

101.9%

平均年齢(勤続年数)

41.6歳(18.9年)

従業員数

279人(連結:314人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社、連結子会社5社の計6社で構成されており、消防・防災事業、航空・宇宙、工業用品事業、不動産賃貸事業を展開しております。

 

当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであります。

(消防・防災事業)

主に、当社、桜ホース㈱並びに日本エス・エイ・エス㈱において、消防ホース、消防用吸管、防災救助資機材、労働安全機器などの製造販売を行っております。

(航空・宇宙、工業用品事業)

主に、当社、櫻テクノ㈱並びに㈱川尻機械において、航空・宇宙関連部品、金属部品、ダクト、複合材、石油関連ゴム製品、建築土木関連ゴム製品及びゴム製品等製造用金型などの製造販売を行っております。

(不動産賃貸事業)

当社及び㈱二十一世紀において、主に笹塚ショッピング・モールの賃貸、運営を行っております。

 

事業の系統図は次のとおりであります。

※画像省略しています。

 

23/06/30

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の概要

① 経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響の落ち着きから、国内非製造業を中心に回復傾向を示しております。一方、ウクライナ情勢の長期化、欧米諸国のインフレと金融政策、為替の円安推移などの要因からエネルギー価格や原材料価格は上昇を続け、販売価格への転嫁は進んでいるものの、企業の収益や個人の家計を圧迫して推移いたしました。
 このような状況のもと当社グループといたしましては、引き続きお客様に満足される製品・サービスの提供により、安心・安全な社会の維持に貢献するべく事業活動を行っております。また、前期は赤字決算となったことから、収益性の早期回復を目指し、生産体制の見直し、原価構造の改善、売価の再設定等を進めてまいりました。
 当連結会計年度の売上高は、受注環境の好転や積極的な営業活動の成果により増収となりました。
 利益面では、エネルギー価格並びに原材料価格上昇の影響は大きいものの、増収効果、生産体制の見直しの進捗、工場稼働率の向上などの要因から、前期に比べ売上原価率が改善し売上総利益は増加しました。その結果、営業損益並びに経常損益も前期の赤字から黒字転換しております。特別損益では、経営資源の有効活用及び財政基盤の強化を目的として、不動産賃貸事業の物件を売却し、固定資産売却益177百万円を計上しております。また、2022年10月31日を退職日とする希望退職者募集の結果、割増退職金等の事業構造改善費用32百万円を特別損失に計上しております。

その結果、売上高は10,691百万円(前期比20.5%増)、営業利益425百万円(前期は営業利損失128百万円)、経常利益409百万円(前期は経常損失150百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益314百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失94百万円)となりました。

当連結会計年度における報告セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。


(消防・防災事業)

消火栓ホースはコロナ禍の反動から点検交換需要増となった前期と比べ販売数量は減少しておりますが、消防ホース・消火栓ホースともに、原材料価格の高騰を考慮した営業活動を進め販売単価は上昇しております。

資機材では、世界的な半導体不足から消防車両関連にも供給遅れが一部で残り、消防車両積載向け資機材は販売が減少しておりますが、大規模災害対応資機材案件が伸長し、前期を大幅に上回る販売となりました。

その結果、売上高6,767百万円(前期比24.8%増)、セグメント利益(営業利益)は415百万円(前期比130.6%増)となりました。
(航空・宇宙、工業用品事業)

航空・宇宙部門では、官需大型機向けエンジン部品及び配管類は、前期が受注の底となり、当期の受注状況は緩やかに回復していることから販売が増加しました。民間機向けシール材なども、新型コロナウイルス感染症の影響から一時は受注が低調に推移しておりましたが、販売が増加しております。

工業用品部門では、原油貯蔵施設等の点検改修が活発になっていることからタンクシールの販売が大幅に増加しております。子会社における金属加工品も前期から継続して高水準な販売を維持しました。

利益面では、生産体制の見直しの進捗、工場稼働率の向上などにより、前期の営業損失から黒字転換を果たしました。

その結果、航空・宇宙、工業用品事業の売上高は3,426百万円(前期比16.3%増)、セグメント利益(営業利益)は255百万円(前期はセグメント損失105百万円)となりました。
(不動産賃貸事業)

商業施設の賃貸及び運営管理は順調に推移しましたが、経営資源の有効活用及び財政基盤の強化を目的として賃貸住宅1棟を売却し、また、収益性向上のため別の賃貸住宅1棟を全面改装いたしました。

その結果、売上高は497百万円(前期比0.9%減)、セグメント利益(営業利益)は105百万円(前期比19.9%減)となりました。

 


② 財政状態の状況

(流動資産)

当連結会計年度末の流動資産残高は11,925百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,398百万円の増加となりました。主として、受取手形、売掛金及び契約資産が2,598百万円、棚卸資産が243百万円それぞれ増加した一方、現金及び預金が333百万円、電子記録債権が137百万円それぞれ減少したことによるものです。

(固定資産)

当連結会計年度末の固定資産残高は4,398百万円となり、前連結会計年度末に比べ449百万円の減少となりました。主として、有形固定資産が460百万円減少したことによるものです。

(流動負債)

当連結会計年度末の流動負債残高は5,991百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,840百万円の増加となりました。主として、支払手形及び買掛金が1,310百万円、電子記録債務が381百万円それぞれ増加したことによるものです。

(固定負債)

当連結会計年度末の固定負債残高は2,569百万円となり、前連結会計年度末に比べ211百万円の減少となりました。主として、社債が220百万円減少したことによるものです。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産残高は7,763百万円となり、前連結会計年度末に比べ318百万円の増加となりました。主として、利益剰余金は親会社株主に帰属する当期純利益314百万円の増加と剰余金の処分24百万円により減少し、その他の包括利益累計額は、その他有価証券評価差額金が15百万円増加したことによるものです。

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より333百万円減2,853百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、254百万円の資金の減少(前期は71百万円の資金の増加)となりました。これは、主として税金等調整前当期純利益547百万円に対し、減価償却費276百万円、仕入債務の増加額1,691百万円、賞与引当金の増加額93百万円などの資金増加要因と、売上債権の増加額2,460百万円、たな卸資産の増加額243百万円などの資金減少要因によるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、292百万円の資金の増加(前期は90百万円の資金の減少)となりました。これは、主として有形固定資産の取得による支出126百万円、有形固定資産の売却による収入444百万円などによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、370百万円の資金の減少(前期は29百万円の資金の増加)となりました。これは、主として社債及び借入金による収支338百万円の減少、配当金の支払額24百万円などによるものです。

 

 

④ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前期比(%)

消防・防災事業

1,509,754

+6.7

航空・宇宙、工業用品事業

3,428,362

+20.1

合計

4,938,117

+15.7

 

(注) 金額は、販売価格によっております。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

消防・防災事業

6,838,384

+23.7

253,149

+38.9

航空・宇宙、工業用品事業

4,562,498

+20.5

4,352,279

+35.3

合計

11,400,883

+22.4

4,605,429

+35.5

 

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

消防・防災事業

6,767,481

+24.8

航空・宇宙、工業用品事業

3,426,247

+16.3

不動産賃貸事業

497,693

△0.9

合計

10,691,422

+20.5

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

官公庁

1,504,489

17.0

2,572,885

24.1

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループは、最近の当社グループを取り巻く経営環境の変化が大きいことから、まずは安定的な収益率の確保へ注力することとし、当連結会計年度から目標とする経営指標を「連結売上高経常利益率3%の維持」と再設定し、事業活動を進めてまいりました。

当連結会計年度は、消防・防災事業並びに航空・宇宙、工業用品事業において増収となりました。売価の再設定など値上げ効果もありますが、主たる要因は受注の増加です。利益面では、前期から継続する人員の再配置など生産体制の見直し、航空・宇宙、工業用品事業の受注回復を受けた工場稼働率の向上とそれに伴う固定費の吸収、設備投資の抑制、収益性の回復から評価減の対象となる棚卸資産の減少などを要因として、売上原価率は前期83.7%から当期79.8%と良化、販売費及び一般管理費も売上高に対する比率は前期17.8%から当期16.2%と良化しました。その結果、連結売上高経常利益率3.8%となり目標とする経営指標の水準に戻っておりますが、現状は収益性の回復途上と認識しております。今後も予想される物価上昇と、設備投資抑制の解除や人的資本投資の課題に当連結会計年度から取り組み、次期以降に目標である「経常利益率3%の維持」の達成へ事業活動を進めております。

報告セグメントごとの経営成績については次のとおりであります。

 

(消防・防災事業)

大規模災害対応資機材案件の販売増の増収効果と、工場稼働率の向上により消防・防災事業も共用費負担が減少したことから、外部顧客への売上高に対するセグメント営業利益率は6.1%(前期3.3%)に上昇し、当期の経営成績は十分なものと判断しております。

(航空・宇宙、工業用品事業)

航空・宇宙部門では、エンドユーザーの中期的な計画のもと、大型機のエンジン部品及び配管類の受注は緩やかに回復しております。原材料価格の上昇などコスト増加要因は多いものの、受注回復による工場稼働率の向上から原価率を抑制することができました。

工業用品部門では、世界的な需給のひっ迫からゴム材料の一部が入手困難という課題は前期から継続したものの、受注納期の調整や代替原材料の選定など対策を進めており、案件を順調に消化し増収となりました。

その結果、外部顧客への売上高に対するセグメント営業利益率 は7.5%(前期△3.6%)となっております。収益性は回復途上にあると認識しておりますが、当期の経営成績は一定の成果を上げたと判断しております。

(不動産賃貸事業)

外部顧客への売上高に対するセグメント営業利益率は21.3%(前期26.3%)となりました。賃貸不動産1件を売却、1件を全面改装しました。改装費用により利益率は低下しておりますが、事業保有資産を最適化した結果であり、当期の経営成績は十分なものと判断しております。

 

 

② 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
(流動資産)

主要な科目残高の前期比は、現金及び預金90.1%、売上債権(受取手形、売掛金及び契約資産並びに電子記録債権の合計。)168.2%、棚卸資産(商品及び製品、半製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品の合計)109.9%となり、それぞれ安定した水準で維持しております。

現金及び預金は、地政学的リスクをはじめとする外部環境の動向を踏まえ、適切な流動性を確保しております。

 売上債権は、例年、消防・防災事業の販売が顧客予算との関連性から年度後半に集中するため、期末の残高が増加する傾向にあり、当連結会計年度においては特にその傾向が顕著となりました。また、航空・宇宙、工業用品事業の増収も売上債権残高の増加要因となっております。

棚卸資産は、受注の増加、物価上昇と為替レートの円安進行による原材料価格の高騰に伴い残高が増加しましたが、金額ベースによる在庫回転率は僅かながら良化しております。引き続き調達及び生産の効率化に向けた取り組みが必要と認識しております。

 

(固定資産)

当連結会計年度は、有形固定資産及び無形固定資産への投資額87百万円(建設仮勘定を除く。)に対し、減価償却費(無形固定資産の償却費を含む。)276百万円となり、償却費の範囲内で投資を行っております。前期同様、当連結会計年度も期首から厳しい経営見通しであったことから、投資額は喫緊の課題に向けた投資に絞った結果となっております。また、賃貸住宅1棟を売却し、収益性向上を目的とした別の賃貸住宅1棟の全面改装を行っております。これらは中長期的な投資行動として適切であると判断しております。

 

(流動負債、固定負債)

支払手形及び買掛金と電子記録債務の合計残高は前期比199.3%となっております。消防・防災事業の販売取引が年度後半に集中することと相関して購買取引も増加する傾向にあり、当連結会計年度も売上債権同様増加しております。

資金調達関連として、社債、長期借入金並びに短期借入金の合計残高は前期比90.2%となりました。当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の影響低減等を考慮し、固定資産の売却による収入を原資として有利子負債を圧縮した結果、前期に比べ残高は減少致しました。

(純資産)

親会社株主に帰属する当期純利益の計上や配当実施の結果、株主資本残高は前期比103.9%となりました。その他の包括利益累計額の変動に重要な要因はありません。

なお、自己資本比率は47.6%(前期51.8%)と前期に比べ減少しておりますが、その主な要因は期末の営業取引集中に伴う一時的な仕入債務の増加であり、経営基盤の安定性は引き続き確保しているものと判断しております。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、期末に売上が集中し債権の回収が翌期に繰り越されたことで、営業キャッシュ・フローがマイナスに転じました。投資活動によるキャッシュ・フローでは、前期に引き続き資金のバランスを維持しつつ設備投資を行うとともに、当期は経営資源の有効活用および財政基盤の強化のため、所有している賃貸不動産を一棟売却しております。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響も収まりつつあることから手元資金の流動性水準を見直し、固定資産の売却資金を原資として借入金を圧縮いたしました。その結果、現金及び現金同等物の残高は前期比89.5%となっております。

資金調達については、金融機関からの借入を基本としております。調達した資金は自己資金とあわせ、原材料や商品購入資金、人件費や経費支払いなどの運転資金と、研究開発費や設備投資資金に充当しております。長期借入を行う場合、借入期間は原則5年以内としておりますが、不動産取得などの投資資金については、投資回収期間を考慮し借入期間を別途設定する場合があります。なお、当社は運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行5行と当座貸越契約を締結しており、突発的な資金需要が発生した場合の手許流動性を確保する手段を準備しております。当連結会計年度末日現在の当座貸越契約の未実行残高は1,790百万円であります。

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産、負債の報告数値及び報告期間における収益、費用の報告数値に影響を与える見積りを行う必要があります。見積りを行った時点で合理的と考えられる仮定に基づき判断を行いますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる可能性があります。

当期の連結財務諸表に対して、重要な会計上の見積りとして認識している項目は以下のとおりであります。

(棚卸資産の評価)

棚卸資産について適正な価値で貸借対照表に計上するため、評価を行っております。過剰、滞留、陳腐化した棚卸資産については、合理的な見積り在庫回転期間に基づき評価損を計上しております。また、収益性の低下した棚卸資産については、将来の需要や販売価格等の見積りに基づき、正味実現可能価額まで評価損を計上しております。

(固定資産の減損)

固定資産について、その帳簿価額が回収できないという兆候を示す事象や経営状況の変化が発生した場合、減損の判定を行っております。将来キャッシュ・フローの見積りに基づき減損の判定を行い、減損の認識が必要と判断した場合、帳簿価額が回収可能価額を上回る部分について減損損失を計上しております。

(繰延税金資産)

繰延税金資産について、将来の課税所得の見積りやタックス・プランニングに基づき、一定期間における回収可能性が高いと判断した部分に限り計上しております。回収可能性が見込めないと判断した部分については評価性引当金を計上しております。将来の課税所得の見積りやタックス・プランニングは、事業計画を基礎として過去の業績等も考慮し策定しておりますが、経済情勢の変動、経営成績の悪化、事業計画の変更などにより、適宜、見直しが行われます。繰延税金資産の回収可能性についても定期的に検討を行い、繰延税金資産の計上額及び税金費用に適切に反映しております。
 

詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。