E01109 Japan GAAP
前期
81.5億 円
前期比
99.2%
株価
1,874 (04/19)
発行済株式数
1,286,199
EPS(実績)
402.20 円
PER(実績)
4.66 倍
前期
512.4万 円
前期比
101.1%
平均年齢(勤続年数)
40.7歳(12.9年)
従業員数
272人(連結:276人)
当社の企業集団は、当社、子会社2社で構成され、主にゴム製品及び精密機器等の製造・販売及びそれらに付帯する事業を行っております。
当社グループの事業に係わる位置づけ及びセグメントの関連は、次のとおりであります。
また、当社グループの事業は、セグメントと同一の区分であります。
(1)医療機器事業
当社が医療機器等のゴム製品の製造・販売を行っております。
不二ライフ㈱が主に当社製品(コンドーム)の販売を行っております。
(2)精密機器事業
当社が精密機器(主に緩衝器)の製造・販売を行っております。
FUJI LATEX SHANGHAI CO.,LTD.が、主に緩衝器の輸出入及び中国国内での販売を行っております。
(3)SP事業
当社が風船及び販売促進用品等の販売を行っております。
(4)食品容器事業
当社が食品容器等の製造・販売を行っております。
事業の系統図は次のとおりであります。
※画像省略しています。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、供給制約や原材料価格の高騰などによる景気下振れリスクが顕在化し、円安や資源高の一服感はあるものの、輸出の不振等を背景に、製造業においては景況感が引続き後退、コロナ収束後のサービス消費回復を受け非製造業では改善と二極化の傾向となりました。
世界経済については、欧米を中心にインフレの急速な進行と金融引締めによる金利上昇により経済成長が停滞し、インフレ下での景気後退リスクへの懸念が続いております。
このような状況の下、当社は精密機器事業を中心に市場需要を丹念に取込み、ほぼ想定どおりの年間売上となりました。また、部材高騰等のコスト上昇を合理化等により吸収したほか、利鞘の確保に注力し、前年比で大幅な増益となりました。
当社は「世界の人々の健康と豊かな暮らしに貢献する」との経営理念に基づく製品造りに注力し、お客様の多様なニーズに迅速・的確に対応するため、新技術・新製品開発へ積極的に取り組んでまいりました。
また、生産設備の整備により生産体制の強化と生産性向上が実現いたしましたが、さらに、総人員の適正配置、間接費用の継続的削減活動の展開等、生産体制の合理化と業務の効率化を継続して推進し、企業体質の強化と強固な事業基盤の構築に努めてまいりました。
医療機器事業が展開する主力のコンドーム事業については、国内市場向けは依然として少子高齢化に伴う市場縮小の傾向が続いており、取扱いアイテムの構成見直しと製造コストの削減による採算強化に取り組んでおりましたが、生産販売体制や新規設備の見直しと共に、設計や製造工程の再構築を通じた「ものづくり力」の強化に着手いたしました。
精密機器事業においては、国内外の製造関連企業を中心とした顧客ニーズに対応すべく、ハイレベルな製品開発、「with コロナ」時代に即した新たな非対面営業による提案営業の試み、QCDの強化に取り組んでおります。
その結果、当連結会計年度の売上高は、8,085百万円と前年同期と比べ61百万円(△0.8%)の減少となりました。
また、利益面につきましては、生産合理化と投資計画の見直しや諸経費の節減を実施したことにより、営業利益は760百万円と前年同期と比べ231百万円(43.8%)の増益、経常利益は730百万円と前年同期と比べ243百万円(50.1%)の増益となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は517百万円(前年同期は142百万円の損失)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。なお、セグメント損益は、営業利益又は営業損失に基づいております。
医療機器事業
主力のコンドームは、国内市場においては主要な販売チャネルとしての大型小売店・ドラッグストア等を中心に販路開拓に注力いたしました。また、引き続きネット販売への取組みを強化すると同時に、ドラッグストア、量販店とのタイアップ企画や販促キャンペーンへの展開、SNSを媒体としたWeb広告に取り組みました。
新素材コンドームSKYNの売上が好調であり、欧州向けの販売が好調なメディカル製品とともに事業売上を牽引しました。
利益面では不採算製品の見直し、販売費節減への継続的な取組みに加えて、在庫評価減の戻し入れ要因等もあり、赤字幅が縮小しました。また、メディカル製品につきましては、生産部門・販売部門一体による効率化、費用削減、生産歩留まり向上策により、前期比増益となりました。
この結果、売上高は2,322百万円と前年同期と比べ21百万円(0.9%)の増加となりました。
セグメント損失は、103百万円と前年同期(282百万円の損失)と比べて減少しました。
精密機器事業
精密機器事業は国内・海外ともに部材調達難に直面しましたが、年度後半に向けて徐々に解消することができました。海外市場を中心に需要の減速感は出てきたものの、積み上がっていた受注に対応した結果、売上は年間を通して概ね好調に推移いたしました。
部材等のコスト上昇を生産の合理化と販売価格の適正化によりほぼ吸収することができたほか、人員の適正配置や工数削減による製造経費削減、販売費節減への継続的取組みに加えて利鞘の厚い製品の売上構成比が高まったことも奏功し、利益率が改善しました。
この結果、売上高は5,111百万円と前年同期と比べ205百万円(△3.9%)の減少となりました。
セグメント利益は、1,223百万円と前年同期と比べ36百万円(△2.9%)の減益となりました。
SP事業
新型コロナウイルス感染症の影響が和らぎ、行動制限がなくなったことから、主力販売先に対して企画商品を中心にバルーンの販売が増加いたしました。
この結果、売上高は414百万円と前年同期と比べ84百万円(25.4%)の増加となりました。
セグメント利益は、売上増もあり16百万円(前年同期は7百万円の損失)となりました。
食品容器事業
主力販売先との取引が伸びたことにより、売上高は237百万円と前年同期と比べ38百万円(19.1%)の増加となりました。
セグメント利益は、生産効率の改善や販売価格の改定により、69百万円と前年同期と比べ54百万円(372.9%)の増益となりました。
生産、仕入、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
医療機器事業 |
1,045,616 |
△8.4 |
精密機器事業 |
4,991,550 |
△1.7 |
食品容器事業 |
204,656 |
81.9 |
計 |
6,241,822 |
△1.4 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 当連結会計年度の食品容器事業におきまして、生産実績が著しく増加しました。
これは、前年同期に発生した原材料の入荷遅延や品質不良による製品不具合が解消し、適正在庫確保のための安定生産の体制を構築できているためであります。
② 仕入実績
セグメントの名称 |
仕入高(千円) |
前年同期比(%) |
医療機器事業 |
1,058,712 |
61.7 |
精密機器事業 |
65,367 |
△44.7 |
SP事業 |
285,607 |
60.5 |
食品容器事業 |
12,044 |
△14.5 |
計 |
1,421,732 |
47.3 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、仕入価格によっております。
3 当連結会計年度の医療機器事業及びSP事業におきまして、仕入実績が著しく増加しました。
医療機器事業については、新素材コンドームSKYN及び冷却枕を中心とした冷却商材の売上が好調に推移したこと、及び円安の影響によるものであります。SP事業については、新型コロナウイルス感染症の影響で制約を受けていたマレーシアの生産が一時的に回復した際に在庫を確保したこと、及び大口顧客向け新商品の売上が好調だったことによります。
③ 受注実績
セグメントの名称 |
受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
精密機器事業 |
4,318,616 |
△1.3 |
875,351 |
4.3 |
計 |
4,318,616 |
△1.3 |
875,351 |
4.3 |
(注) 精密機器事業の一部についてのみ受注生産を行っており、他の精密機器事業及び他のセグメント事業について
は見込み生産を行っております。
④ 販売実績
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
医療機器事業 |
2,322,453 |
0.9 |
精密機器事業 |
5,111,346 |
△3.9 |
SP事業 |
414,439 |
25.4 |
食品容器事業 |
237,149 |
19.1 |
計 |
8,085,388 |
△0.8 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
ダイドー株式会社 |
980,122 |
12.0 |
1,082,332 |
13.4 |
ピップ株式会社 |
978,404 |
12.0 |
918,014 |
11.4 |
株式会社テック |
818,371 |
10.0 |
864,041 |
10.7 |
(2)財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、6,252百万円で前年比54百万円減少しました。主な増加要因は、商品及び製品の131百万円、原材料及び貯蔵品の124百万円などであり、主な減少要因は、受取手形及び売掛金の276百万円などであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、5,214百万円で前年比275百万円減少しました。主な要因は、建物及び構築物の151百万円、リース資産の80百万円の減少などであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、5,052百万円で前年比622百万円減少しました。主な要因は、短期借入金の210百万円、1年内償還予定の社債の200百万円、未払消費税等の73百万円の減少などであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、2,845百万円で前年比189百万円減少しました。主な要因は、リース債務の110百万円、長期借入金の56百万円の減少などであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、3,576百万円で前年比478百万円増加しました。主な要因は、利益剰余金の453百万円の増加などであります。この結果、自己資本比率は31.2%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,608百万円と前年同期と比べ32百万円(2.1%)の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、前年同期と比べ418百万円(△35.2%)減少し、771百万円となりました。
資金の主な増加要因は税金等調整前当期純利益721百万円、売上債権の減少額335百万円などであり、主な減少要因は棚卸資産の増加額238百万円、法人税等の支払額227百万円などであります。棚卸資産の増加は、部材調達難に伴う一部生産の遅れ、海外供給制約に伴う在庫確保、部材高騰と円安による在庫単価上昇の影響によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は前年同期と比べ76百万円(△50.3%)減少し、75百万円となりました。
資金の主な減少要因は有形固定資産の取得62百万円であります。これは主に精密機器事業における生産設備の導入によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は前年同期と比べ127百万円(△15.8%)減少し、675百万円となりました。
資金の主な増加要因は長期借入れによる収入300百万円などであり、主な減少要因は長期借入金の返済376百万円、短期借入金の返済210百万円などであります。営業活動によるキャッシュ・フローを設備投資、有利子負債の削減、内部留保、株主還元にバランス良く配分する方針に基づき活動し、財務体質の強化に努めております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入を資金の源泉としております。運転資金等の短期の資金需要につきましては自己資金に加えて35億円のコミットメントライン契約により機動的な調達を確保しております。設備投資等の長期資金需要につきましては、資金需要の期間及び目的を勘案し、金融機関からの長期借入やリース等の選択肢から最適な調達方法を検討して対応しております。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。これらの見積り及び仮定については過去の実績等に基づいて合理的に判断しておりますが、実際の結果は異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。