E01122 IFRS
前期
2.02兆 円
前期比
102.4%
株価
4,266 (07/18)
発行済株式数
217,434,681
EPS(実績)
-358.38 円
PER(実績)
--- 倍
前期
863.8万 円
前期比
102.8%
平均年齢(勤続年数)
43.2歳(16.9年)
従業員数
8,014人(連結:53,687人)
当社及び当社の子会社(以下、「当社グループ」という。)並びに当社の関連会社は、当社、子会社205社及び関連会社27社により構成され、その主な事業内容は次のとおりであります。
なお、以下の区分とセグメント情報における事業区分とは、同一です。
報告セグメント |
主要製品等 |
建築ガラス |
建築用板ガラス、建築用加工ガラス(複層ガラス、強化ガラス、合わせガラス) |
オートモーティブ |
自動車用ガラス、車載ディスプレイ用カバーガラス |
電子 |
・ディスプレイ 液晶/有機ELディスプレイ用ガラス基板、ディスプレイ用特殊ガラス ・電子部材 半導体関連部材、光学関連部材 |
化学品 |
・エッセンシャルケミカルズ 苛性ソーダ、塩化ビニル樹脂、ウレタン原料 ・パフォーマンスケミカルズ フッ素製品(樹脂、ガス、溶剤)、ヨウ素製品 |
ライフサイエンス |
合成医農薬開発製造受託、バイオ医薬品開発製造受託、医農薬中間体・原体 |
上記の他、当社グループは、セラミックス製品、物流・金融サービス等も扱っています。
前連結会計年度のセグメント情報は、当連結会計年度の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。
事業の系統図は以下のとおりであります。
※画像省略しています。
各区分の会社数には当社を含んでおりません。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度期間(2024年1月1日から2024年12月31日まで)における当社グループを取り巻く世界経済は、持ち直しの動きがみられたものの、中国経済の停滞、欧米における高い金利水準の継続、欧州におけるエネルギー情勢、中東地域をめぐる情勢、主要国における大統領選挙や総選挙の行方等、先行きの不透明な状況が続きました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(ⅰ) 財政状態
イ. 資産
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末比433億円減の28,897億円となりました。これは主に、有形固定資産が増加した一方で、のれんや現金及び現金同等物、無形資産が減少したことによるものであります。
ロ. 負債
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末比607億円減の12,180億円となりました。これは主に、有利子負債が減少したことによるものであります。
ハ. 資本
当連結会計年度末の資本は、前連結会計年度末比174億円増の16,717億円となりました。これは主に、利益剰余金が減少した一方で、在外営業活動体の換算差額や非支配持分が増加したことによるものであります。
(ⅱ) 経営成績
当社グループは、2021年2月に長期経営戦略「2030年のありたい姿」を策定しました。この戦略では、長期安定的な収益基盤となる「コア事業」と高成長分野である「戦略事業」を両輪として、最適な事業ポートフォリオへの転換を図り企業価値の向上を目指しています。この長期経営戦略「2030年のありたい姿」を着実に実現するため、前中期経営計画 AGC plus-2023 に続き、2024年2月に2026年を最終年度とする中期経営計画 AGC plus-2026 を策定しました。その主要戦略として、コア事業の深化と戦略事業の探索を実現する“両利きの経営”の進化、サステナビリティ経営・DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速、経営基盤の強化を設定しています。
この戦略に沿って、当連結会計年度(2024年1月1日から2024年12月31日まで)においては、日本でグリーン水素製造に適したフッ素系イオン交換膜の製造設備新設を決定しました。一方で、ロシアでの建築ガラス・オートモーティブ事業について譲渡を完了するなど、最適な事業ポートフォリオへの転換を着実に実行しています。
このような事業環境の下、当連結会計年度の業績においては、戦略事業のうちエレクトロニクスは、EUV露光用フォトマスクブランクス等の出荷が堅調に推移しました。コア事業のうちディスプレイは液晶ディスプレイ用ガラス基板の出荷が増加し、販売価格が上昇しました。一方、建築ガラスは、欧州で販売価格が下落したことに加え、ロシア事業譲渡に伴う減収影響がありました。自動車用ガラスは、日本を中心に自動車生産台数が減少した結果、当社グループの出荷が減少しました。また、エッセンシャルケミカルズは、苛性ソーダや塩化ビニル樹脂の販売価格が下落しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、為替による増収効果もあり、前連結会計年度比483億円(2.4%)増の20,676億円となりました。営業利益は、原燃材料価格が下落したものの、前述の減収要因に加え、オートモーティブ、ライフサイエンス等でのコストの悪化により同29億円(2.3%)減の1,258億円となりました。税引前利益は、その他費用として、ロシア事業譲渡に伴う関係会社株式売却損及びライフサイエンス(バイオ医薬品CDMO)に係る減損損失が発生したことから、同1,728億円減の501億円の損失(前期は税引前利益1,228億円)となりました。親会社の所有者に帰属する当期純利益は、同1,598億円減の940億円の損失(前期は親会社の所有者に帰属する当期純利益658億円)となりました。
<当連結会計年度の業績>
(億円:千万単位四捨五入)
売上高 |
2兆676億円 |
(前連結会計年度比 2.4%増) |
営業利益 |
1,258億円 |
(前連結会計年度比 2.3%減) |
税引前利益 |
△501億円 |
(-) |
親会社の所有者に帰属する当期純利益 |
△940億円 |
(-) |
なお、営業利益(前連結会計年度比△29億円)の主な増減要因は以下のとおりです。
販売数量・売値・品種構成 |
△148億円 |
原燃材料価格 |
227億円 |
コストその他 |
△108億円 |
<報告セグメント別の概況>
|
(億円:千万単位四捨五入) |
|
売上高 |
営業利益 |
||
第100期 |
第99期 |
第100期 |
第99期 |
|
建築ガラス |
4,380 |
4,763 |
164 |
328 |
オートモーティブ |
4,988 |
4,997 |
139 |
218 |
電子 |
3,645 |
3,132 |
545 |
184 |
化学品 |
5,936 |
5,741 |
568 |
648 |
ライフサイエンス |
1,412 |
1,268 |
△212 |
△124 |
セラミックス・その他 |
791 |
834 |
51 |
33 |
消去又は全社 |
△477 |
△542 |
4 |
1 |
合計 |
20,676 |
20,193 |
1,258 |
1,288 |
報告セグメント別の経営成績は次のとおりです。
イ. 建築ガラス
欧米は、為替による増収効果があったものの、欧州で販売価格が下落したことに加え、ロシア事業譲渡に伴う減収影響により、前連結会計年度に比べ減収となりました。アジアは、出荷が減少したものの、為替による増収効果により売上高は前連結会計年度並みとなりました。
以上の結果から、当連結会計年度の建築ガラスの売上高は、前連結会計年度比383億円(8.0%)減の4,380億円となりました。営業利益は、原燃材料価格が低下したものの、前述の減収要因により同164億円(50.0%)減の164億円となりました。
ロ. オートモーティブ
自動車用ガラスは、日本と欧州を中心に自動車生産台数が減少した結果、当社グループの出荷が減少したものの、為替による増収効果等により売上高は前連結会計年度並みとなりました。
以上の結果から、当連結会計年度のオートモーティブの売上高は、前連結会計年度比9億円(0.2%)減の4,988億円となりました。営業利益は、北米の生産・出荷トラブルを主たる要因とする製造原価の悪化等により同79億円(36.1%)減の139億円となりました。
ハ. 電子
ディスプレイは、液晶ディスプレイ用ガラス基板の出荷増加や価格政策の見直し等により、前連結会計年度に比べ増収となりました。電子部材は、EUV露光用フォトマスクブランクス等の半導体関連部材やオプトエレクトロニクス用部材の出荷が増加したことに加え、為替の効果により、前連結会計年度に比べ増収となりました。
以上の結果から、当連結会計年度の電子の売上高は、前連結会計年度比514億円(16.4%)増の3,645億円、営業利益は、同361億円(196.8%)増の545億円となりました。
ニ. 化学品
エッセンシャルケミカルズは、苛性ソーダや塩化ビニル樹脂の販売価格が下落したものの、為替による増収効果があったことから、売上高は前連結会計年度並みとなりました。パフォーマンスケミカルズは、販売価格の上昇や為替の影響により、売上高は前連結会計年度に比べ増収となりました。
以上の結果から、当連結会計年度の化学品の売上高は、前連結会計年度比195億円(3.4%)増の5,936億円となりました。営業利益は、エッセンシャルケミカルズの販売価格下落や生産トラブルによる稼働減の影響等により、同80億円(12.4%)減の568億円となりました。
ホ. ライフサイエンス
ライフサイエンスは、新型コロナウイルス関連製品の特需消失による減収影響を受けたものの、為替による増収効果に加え、受託案件精算に伴う一時収入や受託案件増加等により前連結会計年度に比べ増収となりました。
以上の結果から、当連結会計年度のライフサイエンスの売上高は、前連結会計年度比144億円(11.4%)増の1,412億円となりました。営業利益は、バイオ医薬品CDMOにおける能力増強に伴う先行費用の発生等により、同88億円減の212億円の損失となりました。
各報告セグメントに属する主要な製品等の種類は以下のとおりです。
報告セグメント |
主要製品等 |
建築ガラス |
建築用板ガラス、建築用加工ガラス(複層ガラス、強化ガラス、合わせガラス) |
オートモーティブ |
自動車用ガラス、車載ディスプレイ用カバーガラス |
電子 |
・ディスプレイ 液晶/有機ELディスプレイ用ガラス基板、ディスプレイ用特殊ガラス ・電子部材 半導体関連部材、光学関連部材 |
化学品 |
・エッセンシャルケミカルズ 苛性ソーダ、塩化ビニル樹脂、ウレタン原料 ・パフォーマンスケミカルズ フッ素製品(樹脂、ガス、溶剤)、ヨウ素製品 |
ライフサイエンス |
合成医農薬開発製造受託、バイオ医薬品開発製造受託、医農薬中間体・原体 |
上記の他、当社グループは、セラミックス製品、物流・金融サービス等も扱っています。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フロー(営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、営業利益やその他の金融資産の売却等により、892億円の収入(前連結会計年度は328億円の収入)となりました。一方で、財務活動によるキャッシュ・フローにおいて、有利子負債の返済による支出、配当金の支払等がありました。当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末より381億円(26.1%)減少し、1,080億円となりました。
(ⅰ) 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動により得られた資金は、前連結会計年度比723億円(34.0%)増の2,848億円となりました。
(ⅱ) 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動により使用された資金は、前連結会計年度比158億円(8.8%)増の1,956億円となりました。当該支出は、有形固定資産の取得による支出等があったことによるものであります。
(ⅲ) 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動により使用された資金は、前連結会計年度比239億円(22.2%)増の1,319億円となりました。当該支出は、有利子負債の返済による支出、配当金の支払等があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種製品であっても、その形態、単位等は必ずしも一様ではなく、また製品のグループ内使用(製品を他のセグメントの設備に使用)や、受注生産形態をとる製品が少ないため、セグメントごとの生産規模や受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
販売の実績については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 (ⅱ) 経営成績」における各セグメント業績に関連付けして示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの重要性がある会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2 作成の基礎 及び 3 重要性がある会計方針」に記載しております。
また、ライフサイエンスセグメントに含まれているバイオ医薬品原薬及び遺伝子・細胞治療医薬品の開発製造の受託を営むAGC Biologics, Inc.、バイオ医薬品原薬の開発製造の受託を営むAGC Biologics,A/S、遺伝子・細胞治療医薬品の開発製造を営むAGC Biologics,S.p.A.、電子セグメントに含まれている化学強化用特殊ガラス事業等の非金融資産の減損テストに関しては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 11 非金融資産の減損」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、中期経営計画に則り、持続的な業績成長のための成長基盤の構築や事業体質・競争力の強化に取り組み、資産効率を高めながら株主価値の継続的な向上に努めております。また、今後の成長のために必要な設備及び研究開発活動に投資するために、適切な資金確保を行い、最適な流動性を保持し、健全なバランスシートを維持することを財務方針としており、D/Eについては0.5以下を目標値として定めております。
資金調達活動については、当社グループを取り巻く金融情勢に機動的に対応し、金融機関借入、社債発行、コマーシャル・ペーパー発行等、多様な手段により、より安定的で低コストの資金調達を目指しております。また、長期資金の年度別償還額の集中を避けることで、借り換えリスクの低減を図っております。
資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、主要金融機関とコミットメントライン契約を締結しており、現在必要とされる資金水準を充分満たす流動性を保持していると考えております。
④ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営財務目標については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。