売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E01122 IFRS

売上高

2.02兆 円

前期

2.04兆 円

前期比

99.2%

時価総額

1.25兆 円

株価

5,758 (04/24)

発行済株式数

217,434,681

EPS(実績)

379.35 円

PER(実績)

15.18 倍

平均給与

863.8万 円

前期

825.9万 円

前期比

104.6%

平均年齢(勤続年数)

43.2歳(17.2年)

従業員数

7,753人(連結:56,724人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社及び当社の子会社(以下、「当社グループ」という。)並びに当社の関連会社は、当社、子会社214社及び関連会社27社により構成され、その主な事業内容は次のとおりであります。

 なお、以下の区分とセグメント情報における事業区分とは、同一です。

 

報告セグメント

主要製品

建築ガラス

フロート板ガラス、型板ガラス、網入り磨板ガラス、Low-E(低放射)ガラス、装飾ガラス、建築用加工ガラス(断熱・遮熱複層ガラス、防災・防犯ガラス、防・耐火ガラス等)等

オートモーティブ

自動車用ガラス、車載ディスプレイ用カバーガラス等

電子

液晶用ガラス基板、有機EL用ガラス基板、ディスプレイ用特殊ガラス、

ディスプレイ用周辺部材、半導体プロセス用部材、オプトエレクトロニクス用部材、

プリント基板材料、理化学用製品等

化学品

塩化ビニル、塩化ビニル原料、苛性ソーダ、ウレタン原料、フッ素樹脂、ガス、溶剤、

ヨウ素製品等

ライフサイエンス

合成医農薬中間体・原体、バイオ医薬品等

 

 上記製品の他、当社グループは、セラミックス製品、物流・金融サービス等も扱っています。

 前連結会計年度のセグメント情報は、当連結会計年度の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。

 

 事業の系統図は以下のとおりであります。

※画像省略しています。

各区分の会社数には当社を含んでおりません。

 

なお、2023年度よりセグメントを以下のとおり変更しております。

 

※画像省略しています。

 

24/03/28

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度期間(2023年1月1日から2023年12月31日まで)における当社グループを取り巻く世界経済は、米国等の一部地域において持ち直しの動きがみられたものの、中国の景気低迷やロシア・ウクライナ情勢をはじめとする地政学リスク、米国・欧州などにおける金融引き締めなどの影響を受け、全体としては成長率が鈍化しました。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

(ⅰ) 財政状態

イ. 資産

 当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末比1,190億円増の29,330億円となりました。これは主に、有形固定資産が増加したことによるものであります。

ロ. 負債

 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末比502億円増の12,787億円となりました。これは主に、有利子負債が増加したことによるものであります。

ハ. 資本

 当連結会計年度末の資本は、前連結会計年度末比687億円増の16,543億円となりました。これは主に、前連結会計年度末比で円安になったことにより在外営業活動体の換算差額が増加したことによるものであります。

 

(ⅱ) 経営成績

 当社グループは、2021年2月に長期経営戦略「2030年のありたい姿」を策定しました。この戦略では、長期安定的な収益基盤となる「コア事業」と高成長分野である「戦略事業」を両輪として、最適な事業ポートフォリオへの転換を図り、継続的に経済的・社会的価値を創出することを目指します。この長期経営戦略「2030年のありたい姿」を確実に実現するため、同年に2023年を最終年度とする中期経営計画 AGC plus-2023 を策定しました。当計画においては、コア事業の深化と戦略事業の探索を実現する“両利きの経営”を更に追求するとともに、サステナビリティ経営の推進とDX(デジタルトランスフォーメーション)の加速による競争力の強化を主要な戦略として設定しました。

 この戦略に沿って、当連結会計年度(2023年1月1日から2023年12月31日まで)においては、日本でのフッ素関連製品、EUV露光用フォトマスクブランクスの製造能力増強を決定しました。一方で、ロシアでの建築ガラス、オートモーティブ事業について譲渡の検討を開始するとともに、ディスプレイ事業において関西工場高砂事業所における液晶用ガラス基板製品の生産を終了するなど、最適な事業ポートフォリオへの転換を着実に実行しています。

 このような事業環境の下、当連結会計年度の業績においては、戦略事業では、エレクトロニクスは、オプトエレクトロニクス用部材の出荷は減少したものの、EUV露光用フォトマスクブランクス等の出荷が堅調に推移しました。ライフサイエンスは、バイオ医薬品の受託売上減少の影響を受けました。コア事業では、オートモーティブは、半導体を中心とした部品供給不足の影響の緩和により自動車生産台数が回復し、当社グループの出荷も増加するとともに、販売価格も上昇しました。一方で、エッセンシャルケミカルズは塩化ビニル樹脂等の販売価格が下落しました。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は、為替による増収効果はあったものの、前連結会計年度比166億円(0.8%)減の20,193億円となりました。営業利益は、原燃材料価格が下落したものの、製造原価の悪化や塩化ビニル樹脂等の販売価格の下落により同552億円(30.0%)減の1,288億円となりました。税引前利益は、前連結会計年度に減損損失を計上した影響等により、同643億円(109.8%)増の1,228億円、親会社の所有者に帰属する当期純利益は、同690億円増の658億円となりました。

 

 

<当連結会計年度の業績>

(億円:千万単位四捨五入)

売上高

2兆193億円

(前連結会計年度比 0.8%減)

営業利益

1,288億円

(前連結会計年度比 30.0%減)

税引前利益

1,228億円

(前連結会計年度比 109.8%増)

親会社の所有者に帰属する当期純利益

658億円

(-)

 

 なお、営業利益(前連結会計年度比△552億円)の主な増減要因は以下のとおりです。

販売数量・売値・品種構成

△630億円

原燃材料価格

+460億円

コストその他

△382億円

 

<報告セグメント別の概況>

 

(億円:千万単位四捨五入)

 

 

売上高

営業利益

第99期

第98期

第99期

第98期

建築ガラス

4,763

4,837

328

327

オートモーティブ

4,997

4,178

218

△98

電子

3,132

3,072

184

147

化学品

5,741

6,604

648

1,261

ライフサイエンス

1,268

1,418

△124

169

セラミックス・その他

834

866

33

37

消去又は全社

△542

△616

1

△3

合計

20,193

20,359

1,288

1,839

 前連結会計年度のセグメントにつきましても、変更後の報告セグメント区分に基づき作成したものを開示しております。

 

 報告セグメント別の経営成績は次のとおりです。

イ. 建築ガラス

 欧米は、景気減速の影響を受けた欧州で出荷が減少し、販売価格が下落した結果、前連結会計年度に比べ減収となりました。アジアは、日本を除く地域で出荷が減少しましたが、販売価格の上昇により前連結会計年度に比べ増収となりました。

 以上の結果から、当連結会計年度の建築ガラスの売上高は、前連結会計年度比74億円(1.5%)減の4,763億円となりました。営業利益は、製造原価の悪化の影響などがありましたが、原燃材料価格の下落により同0.5億円(0.1%)増の328億円となりました。

 

ロ. オートモーティブ

 自動車用ガラスは、自動車生産台数の増加により、当社グループの出荷も増加しました。また、販売価格の上昇や品種構成の改善、為替の影響もあり、当連結会計年度のオートモーティブの売上高は、前連結会計年度比819億円(19.6%)増の4,997億円となりました。営業利益は、製造原価の上昇などの影響を受けたものの、上記の要因により、同316億円増の218億円となりました。

 

ハ. 電子

 ディスプレイは、液晶用ガラス基板の出荷が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ増収となりました。電子部材は、スマートフォン市場減速の影響によりオプトエレクトロニクス用部材の出荷は減少したものの、EUV露光用フォトマスクブランクス等の半導体関連製品の出荷が増加したことに加え、為替の影響により、前連結会計年度に比べ増収となりました。

 以上の結果から、当連結会計年度の電子の売上高は、前連結会計年度比60億円(1.9%)増の3,132億円となりました。営業利益は、同37億円(25.0%)増の184億円となりました。

 

ニ. 化学品

 エッセンシャルケミカルズは、塩化ビニル樹脂等の販売価格が下落したことから、前連結会計年度に比べ減収となりました。パフォーマンスケミカルズは、フッ素関連製品の出荷は減少しましたが、販売価格の上昇や為替の影響により売上高は前連結会計年度並みとなりました。

 以上の結果から、当連結会計年度の化学品の売上高は、前連結会計年度比863億円(13.1%)減の5,741億円となり、営業利益は、同613億円(48.6%)減の648億円となりました。

 

ホ. ライフサイエンス

 ライフサイエンスは、為替の影響があったものの、新型コロナウイルス関連製品の特需消失、バイオベンチャーへの資金流入減や、米国での新規ラインの立ち上げ遅延及び設備改善のための稼働調整等によりバイオ医薬品の受託売上が減少したため、当連結会計年度のライフサイエンスの売上高は、前連結会計年度比150億円(10.6%)減の1,268億円となりました。営業利益は、前述の減収要因に加え、バイオ医薬品分野における能力増強に伴う先行費用の発生により、同292億円減の124億円の損失となりました。

 

 各報告セグメントに属する主要な製品の種類は以下のとおりです。

報告セグメント

主要製品

建築ガラス

フロート板ガラス、型板ガラス、網入り磨板ガラス、Low-E(低放射)ガラス、装飾ガラス、建築用加工ガラス(断熱・遮熱複層ガラス、防災・防犯ガラス、防・耐火ガラス等)等

オートモーティブ

自動車用ガラス、車載ディスプレイ用カバーガラス等

電子

液晶用ガラス基板、有機EL用ガラス基板、ディスプレイ用特殊ガラス、

ディスプレイ用周辺部材、半導体プロセス用部材、オプトエレクトロニクス用部材、

プリント基板材料、理化学用製品等

化学品

塩化ビニル、塩化ビニル原料、苛性ソーダ、ウレタン原料、フッ素樹脂、ガス、

溶剤、ヨウ素製品等

ライフサイエンス

合成医農薬中間体・原体、バイオ医薬品等

 上記製品の他、当社グループは、セラミックス製品、物流・金融サービス等も扱っています。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フロー(営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、税引前利益やその他の金融資産の売却等により、328億円の収入(前連結会計年度は718億円の収入)となりました。一方で、財務活動によるキャッシュ・フローにおいて、自己株式の取得による支出、配当金の支払等があり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末より637億円(30.4%)減少し、1,461億円となりました。

(ⅰ) 営業活動によるキャッシュ・フロー

   当連結会計年度における営業活動により得られた資金は、前連結会計年度比46億円(2.1%)減の2,125億円となりました。

(ⅱ) 投資活動によるキャッシュ・フロー

   当連結会計年度における投資活動により使用された資金は、前連結会計年度比345億円(23.7%)増の1,798億円となりました。当該支出は、有形固定資産の取得による支出等があったことによるものであります。

(ⅲ) 財務活動によるキャッシュ・フロー

   当連結会計年度における財務活動により使用された資金は、前連結会計年度比298億円(38.1%)増の1,080億円となりました。当該支出は、自己株式の取得、配当金の支払等があったことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種製品であっても、その形態、単位等は必ずしも一様ではなく、また製品のグループ内使用(製品を他のセグメントの設備に使用)や、受注生産形態をとる製品が少ないため、セグメントごとの生産規模や受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

 販売の実績については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 (ⅱ) 経営成績」における各セグメント業績に関連付けして示しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

① 重要性がある会計方針及び見積り

当社グループの重要性がある会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2 作成の基礎 及び 3 重要性がある会計方針」に記載しております。

また、電子セグメントに属するディスプレイ事業、ライフサイエンス事業に属するバイオ医薬品原薬及び遺伝子・細胞治療医薬品の開発製造の受託を営むAGC Biologics, Inc.の非金融資産の減損テストに関しては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 11 非金融資産の減損」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループは、中期経営計画に則り、持続的な業績成長のための成長基盤の構築や事業体質・競争力の強化に取り組み、資産効率を高めながら株主価値の継続的な向上に努めております。また、今後の成長のために必要な設備及び研究開発活動に投資するために、適切な資金確保を行い、最適な流動性を保持し、健全なバランスシートを維持することを財務方針としており、D/Eについては0.5以下を目標値として定めております。
 資金調達活動については、当社グループを取り巻く金融情勢に機動的に対応し、金融機関借入、社債発行、コマーシャル・ペーパー発行等、多様な手段により、より安定的で低コストの資金調達を目指しております。また、長期資金の年度別償還額の集中を避けることで、借り換えリスクの低減を図っております。
 資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、主要金融機関とコミットメントライン契約を締結しており、現在必要とされる資金水準を充分満たす流動性を保持していると考えております。

 

④ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループの経営財務目標については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。