E38169 Japan GAAP
前期
25.5億 円
前期比
153.0%
株価
638 (03/04)
発行済株式数
27,170,514
EPS(実績)
-25.79 円
PER(実績)
--- 倍
前期
806.1万 円
前期比
102.1%
平均年齢(勤続年数)
38.7歳(3.9年)
従業員数
93人(連結:103人)
当社グループは、当社、国内の連結子会社5社(株式会社Liquid、株式会社アドメディカ、X PLACE株式会社、株式会社ポラリファイ、株式会社ELEMENTS CLOUD四国)、持分法適用関連会社1社(株式会社IDEAL)及び持分法非適用関連会社1社(PT. Indoliquid Technology Sukses)により構成されております。
当社グループは、グループミッションに「BEYOND SCIENCE FICTION」を掲げております。ヒトがネットワークに直接繋がることがビジョンの達成に必要な要素と考えており、その世界観を「IoP(Internet of Persons)」と定義しております。また、「IoP」の実現のために、「IoTセンサー」と「ヒトに関するビッグデータ」と「AI」を組み合わせることで、個人を自動で認証し、個人の特徴を解析し、モノ・サービスを個人に最適化するためのシステムを「AIクラウド基盤(IoP Cloud)」と定義しております。
当社グループのビジネスモデルは、主に BtoBtoC になります。一般ユーザーに各種デジタルサービスを提供する事業者に対して、AIクラウド基盤(IoP Cloud)を導入しており、2018年から導入を開始しております。
当社グループは、「IoP Cloud事業」の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりませんが、「個人認証」「個人最適化」、並びに「個人情報管理」の3つのソリューションに区分されております。
当社グループの大きな特徴として、サービス提供の過程でユーザーから取得した「ヒト」に関するデータを、ユーザーにサービスを直接提供する事業者ではなく、当社グループが保管している点が、競合他社と異なっていると考えております。日々取得するヒトに関するデータを継続的に機械学習することで、サービス品質の維持・向上に繋げており、導入先サービスにおける離脱率(ユーザーが途中で離脱してしまう割合)の低さに高い評価を得ております。また、当社グループは、事業者の業種・規模を問わず汎用的なサービスを提供するため、導入事業者ごとに多額の開発費用が発生せず、高利益構造となっております。さらには、ユーザーの機微なデータを自社で保管している点から、情報漏洩を防ぐためにセキュリティに積極的な投資をしており、金融機関等が求める高いレベルのセキュリティ要件をクリアしております。以上の3点が、当社グループの競争優位性の源泉になっていると考えております。
(2) 個人認証ソリューション
個人認証ソリューションでは、生体情報を用いた認証サービスを提供しております。サービスを導入する事業者がユーザーに提供するデジタルサービスの利用件数に応じた従量課金で、対価を受領します。一部の事業者には、パートナー事業者を通じてサービスを提供します。具体的な提供サービスは以下の通りであります。
① LIQUID eKYC、ポラリファイ eKYC
2019年から提供を開始したオンライン本人確認サービス「LIQUID eKYC」及び「ポラリファイ eKYC」は、金融機関の口座開設や通信会社の回線契約時などに必要な「申込者が実在する本人であるかどうか」の確認を行う、当社グループの主力サービスです。スマートフォン等で顔写真付きの本人確認書類と自分の顔を撮影し、それらを照合したり、本人確認書類のICチップの読み取りを実施したりすることで、オンライン・非対面で完結する安全でスピーディーな本人確認を実現しております。eKYC ※1は事業者側とユーザーの双方にメリットがある本人確認手段となります。事業者にとっては、本人確認作業を自動化・効率化し、本人確認書類の受領・確認・保管の一連の作業で発生するコストや人的ミスを防ぐことができます。ユーザーにとっては、窓口に足を運ぶ、または、書類をコピーして郵送する、といった手間をかけずに即時に口座開設等を行うことができます。
2018年11月に犯罪収益移転防止法(犯収法)の改正により、従来窓口または郵送での対面で行っていた本人確認をオンラインで実施することが認められるようになりました。犯収法は犯罪によって得た金銭などを移動させることを防止する法律で、金融機関をはじめとした特定の事業者を対象に本人確認等を義務付けており、マネーロンダリング(資金洗浄)、反社会的勢力などへのテロ行為につながる資金提供を未然に防ぐことを目的としています。従来の窓口や郵送での対面による本人確認は、完了まで時間がかかるという利便性における課題や、成りすましによる不正アクセスや不正利用が発生するリスク面の課題があり、2018年11月に改正されました。また、2020年4月の改正において、郵送を利用する本人確認の要件がさらに厳格化したことから、eKYCの需要はさらに高まっております。
金融機関においては、口座開設時だけでなく、住所や電話番号、振り込み限度額の変更などユーザーの重要情報変更時の手続きや継続的顧客、口座管理アプリの利用開始時の手続きも、eKYCによりオンライン化する動きが活発化しております。今後も利用シーンは拡大する見込みです。
さらに、金融機関や通信会社など、犯収法により本人確認業務が求められている業種に留まらず、CtoCのシェアリングサービスやマッチングサービス等、日常生活に欠かせない幅広い業種において、成りすましによる不正を防止しユーザーからの信頼性を高めるニーズが高まっており、導入が進んでおります。
「LIQUID eKYC」と「ポラリファイeKYC」は、KDDI株式会社、株式会社NTTドコモ、ソフトバンク株式会社、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社三井住友銀行、株式会社ジェーシービー、楽天証券株式会社など業界のリーディングカンパニーとされる事業者に導入いただいております。これらをはじめとする幅広い事業者が運営する各種デジタルサービスを通じて、広くユーザーに提供され、eKYC市場で国内トップシェア ※2となっております。2025年11月末現在で650社以上の事業者に採用され、累計で1.5億万回以上の利用があり、かつ、成長が続いております。
② LIQUID Auth
2022年から提供を開始したオンライン当人認証サービス「LIQUID Auth」は、ネットバンキング、ECサイト、オンライン試験などの幅広い場面において、導入事業者が運営するサービスのユーザーが「登録された本人(当人)であるか」を認証するサービスです。金融機関での利用シーンにおいては、「LIQUID eKYC」にて口座開設した際に本人確認済みのデータと、撮影した自分の顔画像を照合することで、継続的な当人認証を行い、成りすまし不正を防止することが可能となります。また、パスキー(FIDO2)のサービス提供も行っており、主力サービスである初回登録(LIQUID eKYC)から都度認証(LIQUID Auth)へ領域を広げ、利便性とセキュリティを両立させたサービスとして、拡大を目指します。
(3) 個人最適化ソリューション
個人最適化ソリューションでは、個人のデータを取得し、特徴を解析し、モノ・サービスを個人に最適化するためのサービスを提供しております。あらゆる商材におけるECサイト経由による販売量の増加、テレワークの普及、仮想空間における新たな事業化の取り組み等、暮らしのデジタル化が進む中、「衣食住」と密接に関係する事業者を対象にサービスを提供しております。
以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
※1 Electronic Know Your Customerの略で、電子本人確認と訳されます。
※2 「ITR Market View: アイデンティティ・アクセス管理 / 個人認証型セキュリティ市場 2025」
eKYC市場 : ベンダー別売上金額シェア (2019年度実績〜2024年度予測)
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症対策の緩和を背景に、経済活動が正常化に向かい、景気は緩やかに持ち直す動きがみられました。しかしながら、円安の影響による物価高、欧米における金融引き締めの影響や中国経済に対する先行き懸念など、依然として不透明な状況が続いております。
当社グループの提供するAIクラウド基盤(IoP Cloud)は、「個人認証ソリューション」と、主にヒトの生活三大要素であります「衣食住」の分野において、モノやサービスの「個人最適化ソリューション」を提供しております。新型コロナウイルス感染症の蔓延を契機に、社会全体のデジタル化が進む中、当社グループが提供する「個人認証ソリューション」と「個人最適化ソリューション」を用いたDX化の需要は拡大傾向にあります。
「個人認証ソリューション」が提供するオンライン本人確認サービス「LIQUID eKYC」及び「ポラリファイeKYC」は、犯罪収益移転防止法の改正及びコロナ禍の影響を受け、市場が拡大しております。株式会社矢野経済研究所「eKYC/当人認証ソリューション市場に関する調査(2025年)」(2025年3月28日発表)によれば、eKYC及び当人認証ソリューション市場の規模は2027年度には248億円に達すると見込まれており、業界を横断して更なる広がりが予想されています。
また、中長期的には各業界におけるDXは加速し、活発な投資が行われることが見込まれます。このような環境の中で当社グループは、当連結会計年度を前期に引き続き、国内における主力サービスの拡大期と位置付け、事業を展開してまいりました。
当連結会計年度における売上高は3,895,112千円(前連結会計年度比53.0%増)、EBITDA(注)は270,687千円(前連結会計年度比21.1%減)、営業損失は215,316千円(前連結会計年度は営業利益57,916千円)、経常損失は301,411千円(前連結会計年度は経常損失27,290千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は700,666千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失132,915千円)となりました。
なお、当社グループはIoP Cloud事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(注)EBITDA=営業利益+減価償却費(有形・無形固定資産)+株式報酬費用+のれん償却額
当連結会計年度末における総資産の残高は、前連結会計年度末に比べ2,323,086千円増加し、7,239,954千円となりました。流動資産は1,288,260千円増加し、4,495,523千円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加529,062千円、売掛金の増加365,908千円、前払費用の増加425,876千円などであります。固定資産は1,034,825千円増加し、2,744,431千円となりました。主な要因は、有形固定資産の増加77,511千円、無形固定資産の増加948,494千円などであります。
当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末に比べ1,346,915千円増加し、3,654,749千円となりました。流動負債は1,138,122千円増加し、1,845,244千円となりました。主な要因は、短期借入金の増加409,384千円、1年内返済予定の長期借入金の増加391,848千円、未払金の増加139,076千円などであります。固定負債は208,793千円増加し、1,809,504千円となりました。主な要因は、長期借入金の増加390,317千円、繰延税金負債の減少202,168千円などであります。
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ976,171千円増加し、3,585,205千円となりました。主な要因は、事業拡大に伴う資金調達として新株を発行したことによる資本金及び資本剰余金それぞれの増加887,970千円、親会社株主に帰属する当期純損失計上による利益剰余金の減少700,666千円などであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ529,062千円増加し、3,275,338千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは497,744千円の減少となりました。主な要因は、税金等調整前当期純損失1,013,918千円(前連結会計年度は税金等調整前当期純損失27,239千円)、減価償却費272,035千円、のれん償却額90,152千円、減損損失823,031千円、株式報酬費用123,889千円などの非資金損益項目の計上、条件付対価受入益の計上116,503千円、売上債権の減少120,145千円、前払費用の増加229,435千円、未払金の減少598,049千円、法人税等の支払額46,604千円などであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは1,899,893千円の減少となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出183,487千円、無形固定資産の取得による支出772,147千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,038,106千円、条件付対価の決済による収入116,503千円などであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは2,926,700千円の増加となりました。主な要因は、短期借入金の増加409,384千円、長期借入れによる収入870,000千円、セール・アンド・リースバックによる収入171,063千円、株式の発行による収入1,713,720千円などであります。
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループはIoP Cloud事業の単一セグメントであります。
主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、総販売実績に対する割合が10%未満であるため、記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積もりを必要としております。経営者は、これらの見積もりについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(売上高)
当連結会計年度の売上高につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載の通り、主に個人認証ソリューションの好調が継続したことにより、3,895,112千円(前連結会計年度比53.0%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価につきましては、主に個人認証ソリューションの売上原価が増加したことにより、876,563千円(前連結会計年度比141.9%増)となりました。その結果、売上総利益は3,018,548千円(前連結会計年度比38.3%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は株式会社ポラリファイの連結子会社化に伴う影響や株式報酬費用が42,931千円(前連結会計年度比53.0%増)増加した影響等を受け、3,233,864千円(前連結会計年度比52.1%増)となりました。その結果、営業損失は215,316千円(前連結会計年度は営業利益57,916千円)となりました。
(営業外損益、経常損失)
当連結会計年度の営業外収益は4,032千円(前連結会計年度比300.1%増)となりました。これは主に、受取利息3,538千円(前連結会計年度比1,098.3%増)の計上によるものであります。営業外費用は90,128千円(前連結会計年度比4.5%増)となりました。これは主に、支払利息41,955千円(前連結会計年度比63.5%増)、持分法による投資損失13,153千円(前連結会計年度比48.7%減)、株式交付費31,499千円(前連結会計年度比231.1%増)の計上によるものであります。その結果、経常損失は301,411千円(前連結会計年度は経常損失27,290千円)となりました。
(特別損益、法人税等合計、親会社株主に帰属する当期純損失)
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度比117,347千円増加し、117,398千円となりました。これは条件付対価受入益116,503千円(前連結会計年度は計上なし)の計上によるものであります。特別損失は829,906千円(前連結会計年度比-%)となりました。これは主に、減損損失823,031千円(前連結会計年度は計上なし)の計上によるものであります。法人税等合計は△168,466千円となりました。その結果、親会社株主に帰属する当期純損失は700,666千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失132,915千円)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、事業開発に係る人件費であります。当社グループは、必要な資金を主に事業会社及びベンチャーキャピタルからの第三者割当増資、並びに金融機関からの借入により調達してきました。今後につきましては、更なる事業開発のための投資を引き続き行っていく想定であります。これらの資金需要は内部留保で賄うことを原則としながら、中長期における資金需要並びに金利動向等を注視したうえで必要に応じて機動的に資金調達を行い、財務の健全性を維持する方針であります。
経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、持続的な事業拡大と企業価値向上を重要な経営目標とし、各経営課題に取り組んでおります。