株式会社アイデミー

上場日 (2023-06-22) 
ブランドなど:ModeloyAidemy
情報・通信業ITコンサルグロース

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

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最終更新:

E38690 

売上高

16.7億 円

前期

11.6億 円

前期比

144.2%

時価総額

63.7億 円

株価

1,602 (05/08)

発行済株式数

3,976,900

EPS(実績)

72.99 円

PER(実績)

21.95 倍

平均給与

656.9万 円

平均年齢(勤続年数)

35.3歳(1.9年)

従業員数

72人(連結:79人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

(1)事業の概況

 当社は「先端技術を、経済実装する。」をミッションに掲げ、AIをはじめとした新たなソフトウエア技術を、い

ち早くビジネスの現場にインストールし、次世代の産業創出を加速させることを目的として事業を展開しておりま

す。

 当社は、主にAI/DX(注1、注2)に関するプロダクト・ソリューション事業を展開しており、法人向けのAI/DX

プロダクト、AI/DXソリューション、個人向けのAI/DXリスキリングから成り立っております。

 AI/DXプロダクトでは、主にエンタープライズ企業(従業員1,000名以上の企業約4,000社、当社定義)のデジタ

ル変革を行う土台づくりやデジタル技術内製化のために、デジタル人材の育成支援を行うオンラインDXラーニング

「Aidemy Business(アイデミービジネス)」及び講師を派遣し研修を実施する講師派遣型デジタル人材育成研修

「Aidemy Practice(アイデミープラクティス) 」を提供しております。

 AI/DXソリューションでは、主にエンタープライズ企業向けに様々な現場のデジタル変革に必要なテーマ選定、

PoC開発(注3)、システム開発、運用までの全ての領域を顧客企業に伴走しながら支援する「Modeloy(モデロ

イ)」のサービスを提供しております。

 AI/DXリスキリングでは、個人領域におけるデジタル人材育成支援プログラム「Aidemy Premium(アイデミープ

レミアム)」のサービスを提供し、個人のリスキリングを支援しております。

 

(2)AI/DXプロダクト~デジタル人材育成支援~(Aidemy Business、Aidemy Practice)

 当社の主要サービスである「Aidemy Business」は、主にエンタープライズ企業に対してAIやIoT(注4)、DX、

ブロックチェーン技術等のデジタル技術内製化に向けて必要なデジタル人材育成支援を行うオンラインDXラーニン

グであります。PCやスマートフォン、タブレット等を使ってオンラインでデジタル人材を育成することが可能であ

り、コンテンツはオフィス内だけでなく、在宅、営業所、店舗、外出先、移動中、海外拠点など離れていても活用

することが可能であります。コンテンツには、分かりやすい動画形式や実際にタイピングして習得する形式があ

り、動画形式のコンテンツは、1つのセクション当たりの時間が5~10分程度であり、忙しいビジネスパーソンが

「すきま時間」を使ってデジタル技術を習得することが可能であります。

  「Aidemy Business」では、AI、DX等のデジタル技術を中心にエンジニア向け、ビジネス職向けに全189コース

 (2023年5月現在)を提供しており、ユーザーはコンテンツを自由に受講可能であります。また、難易度を4段階

 に分けてコンテンツを提供しており、顧客企業側が育成したい人材のレベルに合わせたカリキュラム設定が可能で

 あります。顧客企業に対して、当社の担当者がニーズをヒアリングし、顧客企業に合ったカリキュラムをカスタマ

 イズして提供しております。管理者向けのツールでは、ユーザーのデジタル人材育成の進捗状況がひと目で分かる

 ような管理画面や、各種データをダウンロードして分析できる機能が付随しております。また、ユーザー管理画面

 を通じてデジタル推進、デジタル変革のリーダー候補を見つけることが可能であります。

 また、デジタルに強い組織の構築のため、役員・管理者向けにデジタル人材育成、デジタル変革の事例紹介を行

うクローズドユーザー会をオンライン・オフラインで開催しており、顧客企業間の垣根を越えて、デジタル人材育

成の進め方やデジタル活用事例等のナレッジが共有されております。

 「Aidemy Business」は、ライセンス数に応じた利用料金を支払うSaaS(注5)形態のサービスであります。顧

客企業内での利用人数が多くなるにつれて、1ユーザー当たりの利用単価が低減するボリュームディスカウントの

価格モデルであります。サービスの提供は、原則12ヵ月以上での契約を基本としており、12ヵ月以上の契約顧客企

業を「標準契約企業」、12ヵ月未満を「トライアル契約企業」と位置付けております。

 「Aidemy Business」では、サービス開始後4年以上にわたって継続的にアップデートを行っており、最新の内

容を反映したコンテンツの質と量、顧客企業の目的に合う最適な学習カリキュラムの提案や学習アドバイス、他社

交流会の開催、顧客企業専任の担当者やカスタマーサクセスによる手厚いサポートが評価され、エンタープライズ

企業を中心に、幅広いサービス提供実績を積み上げております。提供するコンテンツの領域を継続的に拡大してお

り、今後も一層のシステム、コンテンツ、サポートの強化を図りながら、オンラインDXラーニングを展開してまい

ります。

 また、「Aidemy Business」に付随したサービスとして、「Aidemy Practice」では講師を派遣しデジタル人材育

成研修を実施する講師派遣型研修を提供しております。さらに、顧客企業の事情に合わせたカスタマイズ研修や、

デジタル技術活用のためのコンサルティング、複数の企業の社員が1つの研修に参加するオープン型研修も実施し

ております。デジタル時代に必要なAI・DXスキルを実践形式の研修で提供しており、「Aidemy Business」と組み

合わせた反転学習により、通常の研修よりも学習効果の高い研修プログラムとなっております。「Aidemy

Business」でデジタルリテラシーの習得を事前に行うことで、研修中はワークショップやハンズオンといった、よ

り実践的な内容に集中することが可能となります。そして、理論の習得だけでなく、現場ですぐに使えるデジタル

スキルやノウハウの習得を重視したプログラム構成となっております。主に提供しているプログラムは、「実践型

Python研修」「DX事業立案ワークショップ」「AI活用企画ワークショップ」「新入社員向けDXプログラム」

「Power BIローコードデータ可視化研修」等でありますが、顧客企業のニーズに応じて研修内容を柔軟にカスタマ

イズしております。

 「DSAT(Digital Skill Assessment Test)」は、個人のデジタルスキルを総合的に評価、可視化できるアセス

メントテストであります。AI/DX推進を実施する上で必要なスキルを、「スタンダード」「エンジニアリング」

「データサイエンス」「ビジネスプランニング」の4つに区分し、それぞれの区分に対してスキルレベルを数値化

できるテストであります。4つのテストを複数組み合わせることで、一人格を総合的に評価することも可能であり

ます。デジタル人材の育成に必要な4つのスキルレベルを数値化し、組み合わせて評価することで、スキルの可視

化や学習効果の測定、デジタル人材の発掘、スキル別人材の分析、人材育成計画の立案・見直し、及び適材配置が

可能になり、企業や組織の競争力向上やデジタル変革を促進します。「DSAT」は、各区分20~30分間で20~30問に

答える選択肢式のアセスメントテストで、Web上で受験することが可能であります。

 顧客企業内におけるGX(グリーントランスフォーメーション、企業における温室効果ガスの排出源である化石燃

料や電力の使用を、再生可能エネルギーや脱炭素ガスに転換することで、社会経済を変革させること)の実現に向

けた事業・サービス開発を伴走型により支援するサービスも提供しており、オンラインでGXを学ぶ「Aidemy GX」

及びGX新規事業支援を提供しております。「Aidemy GX」はGX人材育成を目的とし、GXに特化したコンテンツを

SaaS形態で提供しております。付随するサービスとして、「GX事業立案ワークショップ」や「GXリテラシーアップ

研修」等も提供しております。また、顧客企業内のGX新規事業の創出をサポートする中で、AI/DXが関わるプロジ

ェクトに繋がった場合には、当社のプロフェッショナル人材(AIコンサルタント・エンジニア・データサイエンテ

ィスト)が伴走型で支援する体制を構築しております。

 

(3)AI/DXソリューション~デジタル変革伴走型支援~(Modeloy)

 当社の「Modeloy」は、主にエンタープライズ企業向けにデジタル変革におけるテーマ選定、PoC開発、システム

開発、運用までの全ての領域を顧客伴走型で支援するサービスであります。顧客伴走型支援とは、当社が顧客企業

と密接に協力してプロジェクトを進めることにより、顧客企業のデジタル変革を支援するサービスであります。当

社のプロフェッショナル人材が、「Aidemy Business」によって育成された顧客企業側のデジタル人材とともにプ

ロジェクトを立ち上げ、デジタル変革を推進し、顧客企業内にノウハウが蓄積する形でデジタル技術内製化の支援

を行います。

 顧客企業がデジタル変革プロジェクトを実現するにあたっては、人材育成、テーマ選定、PoC開発、運用の4つ

のステップを進む必要があります。「Aidemy Business」を活用することで、社内におけるデジタル人材を幅広に

育成し、その中からデジタル変革に強い顧客企業内のリーダー候補人材を選別・活用してテーマ選定、PoC開発を

行います。デジタル変革プロジェクトは顧客企業のビジネスモデルをデジタル技術を用いて変革することで、新た

な付加価値を創造するものであります。従来の外部ベンダーを使ったシステム開発は業務効率改善が主である一

方、デジタル変革プロジェクトは新規ビジネスとなることが多く、社内のビジネスのコアであるケースが多くなり

ます。そのため、外部ベンダーのノウハウや知見に頼るのではなく、顧客企業の社内にノウハウや知見が残る内製

化が求められるため、当社ではプロジェクトの上流工程から下流工程まで一気通貫で伴走型支援を行っておりま

す。

 「Modeloy」は主に、「テーマ選定支援」「PoC開発支援」「システム開発支援」の3つの領域で構成されてお

り、全ての工程において顧客企業の支援をするケースや、3つの領域のうち1~2つの支援を行うケースがあり、

顧客企業のニーズに合わせて最適な支援を実行しております。

 「テーマ選定支援」のゴールは、現場のメンバーがデジタル技術を使って解決する課題や、必要となるデータを

整理することであります。そのために、現場メンバーと当社のプロフェッショナル人材が協働して、現場の業務理

解をした上で、データサイエンティストが解決可能な課題に落とし込み、デジタル技術で解決すべきテーマの整理

を行います。AIやML(注6)を活用する場合に必要な要素(必要性能や性能が下がった場合のリスクヘッジ、モデ

ルの再学習の定義など)の具体化も行います。

 これまで顧客企業が取り組んだテーマの例としては、「工場内のAIによる製品目視検査システム構築」「業務プ

ロセス効率化のための画像認識アプリケーションの開発」「実験データ管理のためのアプリケーション開発及び予

測モデルの開発」などがあります。

 「PoC開発支援」のゴールは、実際にデータを使って機械学習モデルやWebアプリケーションを構築し、性能の検

証を行うことであります。そのために、整理した課題と顧客企業内のデータを使ってPoCモデルを顧客企業ととも

に開発します。

 「システム開発支援」のゴールは、デジタルで課題解決するシステムを構築することであります。そのために、

実際に現場で利用できるシステムを構築します。デジタルを活用したプロダクトの開発に向いているアジャイル開

発手法(現在主流であるシステムやソフトウエアの開発手法の1つで、「計画→設計→実装→テスト」という開発

工程を機能単位の小さいサイクルで開発を繰り返す手法)を用いることを想定しております。汎用的な

AWS/Azure/GCP(アマゾン社/マイクロソフト社/グーグル社提供のクラウドサービス)等のクラウドサービスの利

用など、案件ごとに最適なものを選択します。

 

※画像省略しています。

 

(4)AI/DXプロダクトとAI/DXソリューションの相互シナジー

  AI/DXプロダクトとAI/DXソリューションは相互にシナジーを発揮することで好循環するビジネスモデルになって

 おります。導入ハードルが低いプロダクトである「Aidemy Business」をまず導入していただくことで、強固な顧

 客基盤を構築することが可能になるため、ドアノックツールとして機能しております。その上で、顧客企業のニー

 ズやデジタル人材育成のノウハウが当社に蓄積されていきます。

  デジタル人材育成に対する顧客企業の期待は、育成された人材が社内で活躍し、新たな価値を創出することであ

 り、そのニーズに対して「Modeloy」を通じたサポートをすることでビジネスの共創が可能であります。当社のプ

 ロフェッショナル人材と共同で開発することで、当社も顧客企業の属する業界特有の課題を把握でき、顧客企業と

 の強い信頼関係を構築できます。そして共同のプロジェクトを通じて得られたノウハウやナレッジを当社のプロダ

 クトにも還元させ、さらに次の新規プロダクト開発に活かしていくことが可能であります。実際にそのようなノウ

 ハウやナレッジを「Aidemy Business」のコンテンツ制作に還元しており、また「Aidemy Business」に続く新規プ

 ロダクトの開発も進めております。

  実際に「Modeloy」による新たな取り組みとして、デジタル変革伴走型支援を通じて、大手材料メーカーととも

 に新たなデジタルプロダクトを共同開発しております。具体的には、顧客企業側のデジタル人材と当社のプロフェ

 ッショナル人材が協力して、材料開発を効率化するための新しいプロダクト「Lab Bank」を開発しております。こ

 のプロダクトは、ビッグデータやAIを使って、材料の製造方法を予測することができます。顧客企業側のデジタル

 人材はペアプログラミング(初心者と上級者又は上級者同士でペアを組み行う開発)などの方法で、スキルを向

 上させることも可能であります。顧客企業が保有する材料開発や研究に関する実験データをもとに、データを構造

 化するためのデータベースやアプリケーション等の管理システムを構築し、蓄積したデータを利活用することがで

 きます。そして、原材料や配合割合から素材加工メーカーでの製造結果を予測するマテリアルズ・インフォマティ

 クス(ビッグデータ、AIなどのデジタル技術の活用により、材料の製造方法を予測するなど、材料開発の効率化を

 図る取り組み)の基礎モデルの開発を顧客企業と共同で進める体制を構築しております。

 

※画像省略しています。

 

(5)AI/DXリスキリング~個人向けAI/DXリスキリング支援~(Aidemy Premium)

  当社の「Aidemy Premium」は、個人領域におけるデジタル人材育成支援プログラムであり、3~6ヶ月間ですぐ

 に使えるデジタルスキルの習得を目指すオンラインのリスキリング支援サービスであります。初心者から始めるこ

 とができ、AI/DX領域に特化していること、マンツーマンサポートでスキルを身につけられることが特徴でありま

 す。

 AI/DX市場は「IT人材需給に関する調査報告書」(出所:「みずほ情報総研 IT人材需給に関する調査報告書

2019年3月」)によれば、IT人材は78.7万人、AI人材は12.4万人不足(ともに2030年予測)すると想定されてお

り、AI/DX市場の成長に伴い最先端人材を現在の教育規模の10倍にあたる年2~3万人の追加育成が急務と言われ

るほど、今デジタル人材のニーズは高まっております。市場環境が当社ビジネスに追い風である中、当社の

「Aidemy Premium」が選ばれる理由は、次の3つであります。

 

①完全オンラインで、時間や場所に縛られずスキル習得が可能

 「Aidemy Premium」は完全オンラインのサービスであります。平日に忙しい会社員や、プログラミング未経験で丁

寧にスキルを習得したい個人でも、自身のペースに合わせて柔軟にスキル習得のスケジュールを立てることができ

ます。また、厚生労働省指定の教育訓練給付制度を利用できる数少ないオンラインプログラムに認定されておりま

す。

 

②マンツーマンサポートにより実践に近い経験ができる

 プログラム受講中は専属のチューターがマンツーマンで、一人ひとりの進捗に合わせてサポートしております。添

削課題や成果物はチューターが丁寧にレビューし、実務でも通用するより質の高いコードを書くためのフィードバッ

クを行います。自身で作成したアプリケーションのポートフォリオ作成もサポートしており、転職活動ではそれを開

示することで、転職先にアピールすることが可能であります。

 「Aidemy Premium」を利用した受講生の中には、エンジニア未経験から機械学習エンジニアへ転職された方も多数

存在しております。プログラムを進める中でつまずいている箇所を質問することができ、実務的な知識を習得するこ

とができることは独学にはないポイントとして評価されております。

 

③「講座受け放題」で、さらに学べる

 「Aidemy Premium」では受講期間内であれば、画像認識・自然言語処理・AIアプリ開発等のプログラムからさらに習得したいプログラムを自由に追加で受講することが可能であります。

 「Aidemy Premium」では2023年5月末時点で計7の講座を提供しておりますが、主にユーザーから選択される講座は次の5つであります。特に(1)~(3)及び(5)の講座は、経済産業省より第四次産業革命スキル取得講座(通称「Reスキル講座」(注7))に認定されており、厚生労働省指定の教育訓練給付制度の活用が可能であることから受講料の最大70%が支給されるため、受講者は自己負担を大幅に軽減することが可能であります。

(1)AIアプリ開発講座

  画像認識を利用した機械学習を用いたWebサービスを作成する講座であります。データの取得から、機械学習ア

 ルゴリズム、Webアプリの実装までの流れを学ぶことができます。

(2)データ分析講座

  データの自動取得(スクレイピング)、機械学習、時系列解析等のスキルが習得できます。応用課題では、タイ

 タニック号の乗客の生存率を予測する課題、最終課題ではオリジナルデータを利用したデータ分析を行います。

(3)自然言語処理講座

  機械学習、ディープラーニング、自然言語処理を学び、応用課題ではツイッターのデータから、会社の株価を予

 測するモデルを作成します。

(4)実践データサイエンス講座

  Kaggle(世界中の機械学習・データサイエンスに携わる人のコミュニティ)で上位入賞を目指せるデータサイエ

 ンススキルを、豊富な演習問題をこなしながら学びます。Kaggleに挑戦したい場合やデータ分析力を身に付けたい

 場合に適しております。

(5)JDLA E資格(注8)対策コース

  JDLA(一般社団法人 日本ディープラーニング協会)認定プログラムとして、E資格の試験の対策を行います。機

 械学習、ディープラーニングを中心とした最新技術についての理論を学び、豊富な演習問題で機械学習モデルの実

 装スキルを磨きます。

 ユーザーが受けられるものとして、チャット機能によるサポート、チューターによるコードレビュー、オンライ

ンカウンセリング、転職相談があります。

  申込にあたっては、無料オンライン相談会でユーザーの疑問や不安を解消しております。また、開始後8日以内

 であって、開始後に満足いただけない場合は全額返金保証も付けており、ユーザーは安心してコースを開始するこ

 とができます。

 

[事業系統図]

※画像省略しています。

 

 

(注記)

番号

用語

解説

AI

「Artificial Intelligence」の略。人工知能。識別や推論、問題解決などの知的行動を人間に代わってコンピュータに行わせる技術。

DX

「Digital Transformation」の略。データとデジタル技術を活用して、顧客企業や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

PoC

「Proof of Concept」の略。概念実証。新たなアイデアやコンセプトの実現可能性やそれによって得られる効果などについて検証すること。事前に検討したアイデアやコンセプトの実現可能性を見極め、期待した効果が得られると判断できれば実プロジェクトを進めていくことになる。

IoT

「Internet of Thing」の略。今までインターネットに繋がっていなかったモノをインターネットで繋ぐこと。

SaaS

「Software as a Service」の略。インターネット経由でサービスが提供される形態。

ML

「Machine Learning」の略。機械学習のことで、人工知能技術の主要な研究分野。データを反復的に学習させ、そこに潜むパターンを見つけ出すことで、コンピュータ自身が予測・判断を行うための技術・手法。

Reスキル講座

講座を受講した修了生に対して、受講費用の50%(年間上限40万円)、更に受講修了日から1年以内に資格取得等し、被保険者として雇用された又は雇用されている等の場合には20%の追加支給(合計70%、年間上限56万円)を雇用保険から支援がなされる。

E資格

ディープラーニングを実装するエンジニアの技能を認定するAIエンジニア向けの資格であり、「一般社団法人日本ディープラーニング協会」(JDLA)が創設した資格試験のこと。

 

23/08/30

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

a.財政状態の状況

(資産)

 当事業年度末における流動資産は1,344,877千円となり、前事業年度末に比べ284,579千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が312,712千円増加したことによるものであります。固定資産は106,819千円となり、前事業年度末に比べ78,056千円増加いたしました。これは主に、当事業年度より計上することとなった自社開発のソフトウエアやコンテンツの無形固定資産が43,825千円増加し、繰延税金資産の計上により50,955千円増加した一方で、敷金及び保証金が本社移転に伴い15,525千円減少したことによるものであります。

 この結果、総資産は、1,451,696千円となり、前事業年度末に比べ362,635千円増加いたしました。

 

(負債)

 当事業年度末における流動負債は547,601千円となり、前事業年度末に比べ72,373千円増加いたしました。これは主に、売上代金を事前に回収する事業を主としていることから受注の増加に伴い前受金が38,287千円増加、人員の増加による給与等の人件費の増加により未払費用が21,653千円増加したことによるものであります。

 この結果、負債合計は、547,601千円となり、前事業年度末に比べ72,373千円増加いたしました。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産合計は904,095千円となり、前事業年度末に比べ290,261千円増加いたしました。これは、当期純利益290,261千円の計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。

 

b.経営成績の状況

 当社は「先端技術を、経済実装する。」をミッションに掲げ、AIをはじめとした新たなソフトウエア技術を、いち早くビジネスの現場にインストールし、次世代の産業創出を加速させることを目的として事業を展開しております。

 当社は、主にAI/DXに関するプロダクト・ソリューション事業を展開しており、法人向けのAI/DXプロダクト、AI/DXソリューション、個人向けのAI/DXリスキリングから成り立っております。

 AI/DXプロダクトでは、主にエンタープライズ企業(従業員1,000名以上の企業約4,000社、当社定義)のデジタル変革を行う土台づくりやデジタル技術内製化のために、デジタル人材の育成支援を行うオンラインDXラーニング「Aidemy Business(アイデミービジネス)」及び講師を派遣し研修を実施する講師派遣型デジタル人材育成研修「Aidemy Practice(アイデミープラクティス)」を提供しております。

 AI/DXソリューションでは、主にエンタープライズ企業向けに様々な現場のデジタル変革に必要なテーマ選定、PoC開発、システム開発、運用までの全ての領域を顧客企業に伴走しながら支援する「Modeloy(モデロイ)」のサービスを提供しております。

 AI/DXリスキリングでは、個人領域におけるデジタル人材育成支援プログラム「Aidemy Premium(アイデミープレミアム)」のサービスを提供し、個人のリスキリングを支援しております。

 当事業年度(2022年6月1日から2023年5月31日)におけるわが国の経済状況は、新型コロナウイルス感染症の影響や、ウクライナ問題をはじめとした世界情勢の悪化、世界的なインフレの進行により、依然として先行きが不透明な状況にあります。一方でデジタル市場においては、働き方改革に伴う生産性向上や業務効率化の需要拡大、ソフトウエアを活用した新規ビジネス展開が求められる中、企業は既存のビジネスモデルや組織の変革に迫られ、社会におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性が高まっており、当社にとって追い風とも言える事業環境が継続しています。また、最近ではChatGPTを始めとした生成AIのビジネス活用ニーズが高まっており、当社においても社内の業務効率改善や新規ビジネスへの応用など、追い風となっております。

 当事業年度につきまして、法人向けAI/DXプロダクトの「Aidemy Business」においては、前事業年度に引き続き新規コンテンツの作成や既存コンテンツの改善、アップデート、カスタマーサクセスの充実に注力いたしました。ユーザー数も順調に拡大しており、2023年5月には累計14万人(個人向けと合わせると累計22万人)を突破しました。コンテンツはエンジニア向け講座だけでなく、近年顧客ニーズの強いいわゆる文系人材向けのDXリテラシー向上を目的とした講座を多数リリースしました。また新たな取り組みでは、カーボンニュートラル(炭素中立のための活動)やグリーン・トランスフォーメーション(企業における温室効果ガスの排出源である化石燃料や電力の使用を、再生可能エネルギーや脱炭素ガスに転換することで、社会経済を変革させること)などのコンテンツや生成AI関連のコンテンツもリリースしており、提供可能なコンテンツの領域を拡大しています。また、カスタマーサクセスによる手厚いサポートは顧客企業から好評を得ています。

 「Aidemy Practice」ではデジタル時代に必要なAI/DXスキルを実践形式の研修で提供しており、「DX事業立案ワークショップ」「AI活用企画ワークショップ」「現場で活きる!新入社員向けDXプログラム」「Power BIローコードデータ可視化研修」等を顧客ニーズに応じて研修内容を柔軟にカスタマイズして提供いたしました。

 法人向けAI/DXソリューションの「Modeloy」においては、当社のプロフェッショナル人材が、「Aidemy Business」によって育成された顧客企業側のデジタル人材とともにプロジェクトを立ち上げ、デジタル変革を推進し、顧客企業内にノウハウが蓄積する形でデジタル技術内製化の支援を行っています。提供可能なサービス領域の拡張や既存顧客からの受注に注力した結果、既存顧客からの受注も順調に拡大し、1社あたりの受注額も増加しております。

 「Modeloy」による新たな取り組みとして、デジタル変革伴走型支援を通じて、大手材料メーカーとともに新たなデジタルプロダクトを共同開発しております。具体的には、顧客企業側のデジタル人材と当社のプロフェッショナル人材が協力して、材料開発を効率化するための新しいプロダクト「Lab Bank」を開発しております。このプロダクトは、ビッグデータやAIを使って、材料の製造方法を予測することができます。顧客企業側のデジタル人材はペアプログラミング(初心者と上級者又は上級者同士でペアを組み行う開発)などの方法で、スキルを向上させることも可能であります。顧客企業が保有する材料開発や研究に関する実験データをもとに、データを構造化するためのデータベースやアプリケーション等の管理システムを構築し、蓄積したデータを利活用することができます。そして、原材料や配合割合から素材加工メーカーでの製造結果を予測するマテリアルズ・インフォマティクス(ビッグデータ、AIなどのデジタル技術の活用により、材料の製造方法を予測するなど、材料開発の効率化を図る取り組み)の基礎モデルの開発を顧客企業と共同で進める体制を構築しております。

 以上の結果、当事業年度末時点の長期継続顧客数は118社(前期比+34社)となり、順調に拡大しました。法人向け売上高は1,385,008千円となりました。

 個人向けAI/DXリスキリングの「Aidemy Premium」においても、前事業年度に引き続きチューターによるサポート体制の充実、既存コンテンツのアップデート、Webマーケティングの強化などに注力いたしました。2020年10月から一部の講座が厚生労働省の教育訓練給付制度の対象となっており、利用者も増加しています。

 以上の結果、個人向け売上高は281,610千円となりました。

 このような状況の中、当事業年度の経営成績は売上高1,666,618千円(前期比44.1%増)となりましたが、今後の成長を見据えたシステムやコンテンツの開発、新規事業の開発、人材採用への先行投資等により、営業利益は

238,207千円(前期は12,069千円の損失)、経常利益は240,070千円(前期は8,425千円の損失)、当期純利益は

290,261千円(前期は8,957千円の損失)となりました。

 なお 、当社はAI/DXに関するプロダクト・ソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末より312,712千円増加し、1,247,670千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果増加した資金は、350,877千円(前事業年度は42,507千円の増加)となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上239,838千円、代金を事前に収受して開始される事業形態であることから受注増による前受金の増加額38,287千円、人員の増加による給与等の人件費の未払費用の増加額19,302千円や減価償却費の計上15,956千円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果減少した資金は、38,164千円(前事業年度は6,512千円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出10,498千円、当事業年度より計上することとなった自社開発のソフトウエアやコンテンツの無形固定資産の取得による支出45,332千円があった一方で、敷金及び保証金が本社移転に伴い返還された20,122千円の収入があったことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

  当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自2022年6月1日

至2023年5月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

AI/DXに関するプロダクト・ソリューション事業

1,666,618

144.1

 (注)1.当社は、AI/DXに関するプロダクト・ソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。(増加理由については、下記事業領域の注記をご確認下さい。)

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

販売先

前事業年度

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

日本ゼオン株式会社

39,744

3.4

182,257

10.9

 

 

 当社は、AI/DXに関するプロダクト・ソリューション事業の単一セグメントであり、主要な顧客との契約から生じる収益を分解した情報は、以下のとおりであります。

事業領域

当事業年度

(自2022年6月1日

至2023年5月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

AI/DXプロダクト

1,160,787

135.7

AI/DXソリューション

224,220

369.8

AI/DXリスキリング

281,610

117.3

 (注)各事業領域の増加理由について

   ・AI/DXプロダクト

    AI/DX推進の流れやDX/AI人材の不足といった外部環境が非常に良好であること及びコンテンツの拡充カスタマ

    ーサクセスによるアップセルが寄与したことによります。

   ・AI/DXソリューション

    法人向けにテーマ選定、PoC開発、システム開発、運用までの全ての領域を「顧客伴走型」で支援する

    「Modeloy」においては、提供可能なサービス領域の拡張や既存顧客からの受注に注力したことによります。

   ・AI/DXリスキリング

    チューターによるサポート体制の充実、既存コンテンツのアップデート、Webマーケティングの強化などに注力

    しました。また、2020年10月から一部の講座が厚生労働省の教育訓練給付金の対象講座に認定されており、利用

    者が増加したことも要因であります。

 

 

 

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

1 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。

この財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 「注記事項」(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。また、財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、当社の実態等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

 財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります

 

2 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 a.経営成績の分析

  当事業年度の業績は売上高1,666,618千円(前期比44.1%増)となりました。これは、デジタル市場において

 は、働き方改革に伴う生産性向上や業務効率化の需要拡大、テレワークの導入拡大等が求められる中、企業はビ

 ジネスモデルや組織の変革に迫られ、社会におけるDXの必要性が高まっており、当社にとって追い風とも言える

 事業環境が継続していることが要因と考えております。

  今後の成長を見据えたシステムやコンテンツの開発、及び来期以降の売上増の基盤となる顧客を獲得するため

 の広告宣伝費の先行投資等により、営業利益は238,207千円(前期は12,069千円の損失)、経常利益は240,070千

 円(前期は8,425千円の損失)、当期純利益は290,261千円(前期は8,957千円の損失)となりました。

 

 b.財政状態の分析

  前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a財政状態の状況」をご参照ください。

 

 c.キャッシュ・フローの分析

  前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

3 資本の財源及び資金の流動性

 資金需要

  資金については、現金及び預金が当事業年度末は1,247,670千円と前事業年度末に比べ312,712千円増加してお

 り、営業活動から得る現金及び現金同等物の水準については、当面事業を継続していく上で十分な流動性を確

 保しているものと考えております。

  当社の運転資金需要のうち主なものは、従業員の給与及び手当の他、販売費及び一般管理費の営業費用であり

 ます。また、今後の成長を見据えたシステムやコンテンツの開発、人材採用及び売上増の基盤となる顧客を獲得

 するための広告宣伝費の先行投資等で活用してまいります。

 

 財務政策

  当社は、事業運営上必要な資金を安定的に確保するために、必要な資金は自己資金、エクイティファイナンス

 等でバランスよく調達していくことを基本方針としております。

 

4 経営成績に重要な要因を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。また、今後の経営成績に影響を与える課題につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

5 経営者の問題意識と今後の方針に関して

 経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

6 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等  (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、主な経営指標として売上高・売上高成長率、売上総利益・売上総利益率、営業利益・営業利益率を経営上重要な指標と位置付けております。また、事業運営上重視する経営指標は、長期継続顧客数をKPI(Key Performance Indicators)としております。

 当事業年度については、長期継続顧客が118社(前期末は84社)、法人向け売上高の増加率が51.2%となりました。これらの結果、売上高510,559千円増加(前期比44.1%増)、売上総利益388,801千円増加(前期比45.6%増)、営業利益238,207千円(前期は△12,069千円)となりました。

 顧客企業が「Aidemy Business」を最初に導入することで、強固で長期的な顧客基盤を構築できるため、ドアノックツールとして機能しております。これにより、顧客企業のニーズやデジタル人材育成のノウハウが当社に蓄積されております。デジタル人材育成に対する顧客企業の期待は、育成された人材が社内で活躍し、新たな価値を創出することであります。当社は「Modeloy」を通じて顧客企業の新規事業創出のニーズに対応し、ビジネスの共創を実現しております。当社のプロフェッショナル人材と共同開発することで、業界特有の課題を把握し、顧客との長期的な信頼関係を築くことができます。共同プロジェクトを通じて得られたノウハウやナレッジは、当社のプロダクトに還元され、新規プロダクト開発に活用されております。

 AI/DXプロダクトとAI/DXソリューションが相互にシナジーを発揮することで、当社の好循環なビジネスモデルが実現しており、長期継続顧客がその基盤になっております。