E38755 Japan GAAP
前期
15.2億 円
前期比
125.4%
株価
915 (01/09)
発行済株式数
15,925,168
EPS(実績)
9.22 円
PER(実績)
99.26 倍
前期
990.3万 円
前期比
97.8%
平均年齢(勤続年数)
36.2歳(2.4年)
従業員数
91人(連結:100人)
(1) 事業の概況
当社グループは「すべての産業の新たな姿をつくる。」「テクノロジーとビジネスを、つなぐ。」をミッションに、「カスタムAIソリューション事業」及び「システム開発事業」の2つの事業を展開しております。「カスタムAIソリューション事業」は幅広い産業の顧客企業に、戦略や経営課題に合わせたオーダーメイドのAIソリューションを提供しております。顧客企業の成長や構造転換に直結する新規製品・サービス創出やビジネスモデル変革等のビジネスの新しい施策展開に関連するAIテーマ(当社では「バリューアップ型AIテーマ」と定義)に注力しております。「システム開発事業」は、2025年9月期よりグループ会社とした株式会社CAGLAの事業領域です。自動車をはじめとする製造業の顧客企業を中心に、顧客のニーズに合わせたシステム開発やUI/UXデザインの開発を行っております。
なお、上記に記載しておりますとおり、株式会社CAGLAをグループ会社としたことにより、当連結会計年度より報告セグメントを追加しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
図1:「カスタムAI」の概要
当社グループが展開する「カスタムAIソリューション事業」と「システム開発事業」の提供内容、及び、当社の事業の柱である「カスタムAIソリューション事業」の提供を支える当社独自の手法体系である「ソリューションデザイン」の内容は以下のとおりであります。
1. カスタムAIソリューション事業
顧客企業固有の成長戦略や事業課題に合わせ、最先端の機械学習技術を応用したAIソリューションを開発し、その導入を通した事業変革のコンサルティングを行うことで顧客企業とAIイノベーションを共創するサービスです。AI技術に対して深い知見を持ちソリューション設計とコンサルティングを行う当社独自のAIコンサルタントとエンジニアが、顧客企業のメンバーと共にプロジェクトチームを組み、事業変革の企画構想、AIソリューションの要件定義から開発・PoC(Proof of Concept: 実現したいサービスやプロダクトの簡易版を用い実効性を検証する取組)、導入・実装、継続的な再学習・チューニングまでを一気通貫で行います。
1-1. カスタムAIの提供を支える手法体系
当社では、カスタムAIサービスの提供において、AI技術に対する深い理解・知見と顧客企業の成長戦略や事業課題への深い理解・洞察を両立し繋ぎ合わせ、適切なAIソリューションの設計とその導入を通した企業変革のデザインを行うことが最も重要と考え、このような営みやそれを遂行する能力を「ソリューションデザイン」と呼ぶ概念で定義しております。
そして、これまで幅広い業界の代表的な企業と通算400を超えるプロジェクトで行なってきた「ソリューションデザイン」の事例を常に組織内で共有し、手法体系として整理・拡張を行っております。
当社独自のAIコンサルタントである「ソリューションデザイナ」「エージェントトランスフォーメーションプロデューサー」は、ソリューションデザインの体現を通して、AIイノベーションを再現性を持ち創出する能力を備える、新しいタイプのプロフェッショナル(専門家人材)を目指す人材集団です。
図2:「カスタムAI」提供の流れ
1-2. カスタムAIの提供サービス
カスタムAIを提供する具体的な形態として「AI-ソリューションデザイン」と「エージェントトランスフォーメーション」の二つの取組みを展開しております。(図3)
「AI-ソリューションデザイン」は、AIの新たな価値の探索に主眼をおき、顧客企業の戦略や課題に合わせたAIソリューションの設計とAI導入を通じたコンサルティングを行い、フルカスタムでAIソリューションを開発します。
「エージェントトランスフォーメーション」は、生成AIを活用した価値の深化に主眼をおき、汎用的な技術基盤を用いてセミカスタムでAIソリューションを開発し、顧客組織へのAI導入及びAI導入による事業変革のコンサルティングを行います。
図3:カスタムAIの2つの提供形態
当社がこれまで取り組んできた「カスタムAIソリューション事業」のプロジェクトの例は、図4および図5のとおりです。
図4:プロジェクト事例(BtoB業界)
図5:プロジェクト事例(BtoC業界)
1-3. カスタムAIの狙う市場・外部環境について
現在、AI技術は幅広い産業で実用に向けた実証実験が実施され、様々なAIソリューションが市場に登場しております。但し、「DX白書2023」(注1)によると、特に国内においてはその多くがアナログ・物理データのデジタル化(デジタイゼーション)や業務の効率化による生産性の向上(デジタライゼーション)を目的に導入されていると考えられ、新規製品・サービスの創出や顧客起点の価値創出によるビジネスモデルの根本的な変革(デジタルトランスフォーメーション)の成果は先行する米国に比べ限定的です。このことから当社は、新規製品・サービスの創出やビジネスモデルの根本的な変革を目的としたビジネスの新しい施策展開に関連するAIソリューションの開発と導入支援サービス(当社では「バリューアップ型AIテーマ」と定義)に大きな市場機会があると考えております。
当社は、AI技術を今後20~30年以上かけて進む“第四次産業革命”の一つの要素と捉えております。“第四次産業革命”とは、18世紀の最初の産業革命以降4番目の主要な産業の転換期を指し、世界経済フォーラムによればその特徴はデジタルな世界、物理的な世界、人間が繋がり融合することで産業や社会構造の変革が起こることとされています(注2)。当然それはAI技術という一つの要素だけで起こるものではなく、様々な要素が関係しながら各企業や産業、そして社会のアーキテクチャ(全体構造)が転換することによりはじめて実現します。したがって、AI技術活用の本格的な進展は、単に多くのAIソリューションが市場に出回るだけでは進まず、各企業がビジネスそれ自体の在り方に加え、ハードウェア、ソフトウェア、データなどの企業活動を支える技術要素も含めた会社のアーキテクチャ(全体構造)を転換していけるかにかかっていると考えております。
図6:第四次産業革命の構図(当社の見立て)
同時に、当社はAI技術を、ソフトウェア全般の在り方を大きく変える技術であるとも捉えております。一部の専門家の間では、従来のIT技術を人間が全ての処理ロジックを定義する「演繹的なプログラミング」により開発される“Software1.0”とした場合、AIの中核を成す機械学習技術はデータから処理ロジックを学習する「帰納的なプログラミング」により開発される“Software2.0”であると言われています(注3)。このプログラミング方法の根本的な違いが、例えば画像認識や生成、機械翻訳、文章の生成や自然な会話などIT技術では実現が難しかったことを可能にしました。ソフトウェアの性質が根本から異なるのであれば、従来のソフトウェア開発や運用を支える技術基盤とは異なる新たな技術基盤の整備がAIソフトウェアには不可欠であると当社は考えております。
図7:Software1.0からSoftware2.0への転換のイメージ
当社は以上を踏まえ、企業がAI技術を使ってイノベーションを生み、社会や産業の構造が変わっていくことを支援したいと考えています。そのためには、AI技術を深く理解した上で企業のアーキテクチャ(全体構造)を変えるプロフェッショナル人材(専門家人材)と、AIソフトウェアの開発と運用を支える新たな技術基盤の整備の二つが鍵になると考えております。
対して、前述のとおり「DX白書2023」(注1)によれば国内では未だデータのデジタル化や業務効率化を目的とした取組内容が多く、新規製品・サービス創出やビジネスモデル変革など本来の意味での「デジタルトランスフォーメーション」(デジタルで構造転換を図ること)の進展は先行する米国に比較し大きく遅れております。そして、現在のAIソリューション市場はそれらの取組状況に呼応する形で企業の部分的な業務の効率化を目的とするSaaS型ソリューション(注4)提供やソリューション受託開発を行う企業が多く、新規製品・サービス創出やビジネスモデル変革を通した企業の構造転換を支援するサービスは限定的であると考えております。他方で、先行する米国ではデータのデジタル化や業務効率化と近い水準で構造転換に関する取組内容が進んでいることから、国内においても同様の取組内容が今後進展する潜在可能性は大きいと考えております。このことから当社は、データのデジタル化や業務効率化等のソリューションとは一線を画す「トランスフォーマティブな(企業の構造転換に踏み込む)」指向を持ち、顧客企業固有の成長戦略や事業課題に合わせ、新規製品・サービスの創出やビジネスモデルの変革を目的としたビジネスの新しい施策展開に関連するオーダーメイドのAI開発とAI導入・事業変革のコンサルティングを行うサービスに対する需給ギャップが今後拡大すると考え、このようなサービスに関連する市場を今後大きな市場機会が生まれる「バリューアップ型AIテーマ」市場と定義し捉えております。
(注1) 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「DX白書2023」(2023年3月)
(注2) 総務省「第4次産業革命における産業構造分析とIoT・AI等の進展に係る現状及び課題に関する調査研究」(平成29年)
(注3) 国立研究開発法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター(CRDS)「研究開発の俯瞰報告書 システム・情報科学技術分野(2021年)」(2021年3月)
(注4) Software as a Service:サービス提供事業者のサーバーで稼働しているソフトウェアを、インターネットなどのネットワークを経由してユーザーが利用するサービス
1-4. カスタムAIソリューション事業の特徴と優位性
「カスタムAIソリューション事業」の特徴は、顧客企業の成長と構造転換に直結する新規製品・サービス創出やビジネスモデル変革等のビジネスの新しい施策展開に関連するAIテーマ(「バリューアップ型AIテーマ」)に注力をおいてオーダーメイドのAI開発とAI導入・事業変革のコンサルティング(「カスタムAI」)を提供するというサービスコンセプトの下、AIソリューションの開発とその導入によるビジネスの変革を支援する専門人材(AIコンサルタントとエンジニア)が行う、フルカスタムのAIソリューション開発(「AI-ソリューションデザイン」)とセミカスタムのAIソリューション開発(「エージェントトランスフォーメーション」)という二つのサービスを主力に、顧客企業と重要なテーマに共に取り組む強固な関係を築いていることです。
優秀な専門人材が揃い、各産業を代表する企業や産業の変革に係る難易度の高いテーマに挑み、いち早く成功事例を創出し、そうした成功事例を拡大再生産し、結果幅広いテーマのプロジェクトが拡充されることで強固な顧客基盤が形成される。さらに、強固な顧客関係があることでより知的にチャレンジングかつ産業インパクトの大きいテーマに取り組むことが可能となり、そのような魅力的な取組機会がさらに優秀な専門人材を惹きつけ育成を加速する。このようにそれぞれの特徴が連携し相互強化するサイクルが回ることが、当社の優位性を構築しております。(図8)
図8:カスタムAIの特徴と優位性構築のサイクル
① <人材> 専門人材の集積
当社は、戦略コンサルティングファームや総合コンサルティングファームにてビジネスコンサルティングの専門経験を積んだ人材、SIer(システムインテグレータ)にてITシステムの開発や運用の専門経験を積んだ人材、データサイエンティストとして高度なデータ解析の専門経験を積んだ人材、事業会社において新規事業の企画・開発の経験を積んだ人材などから、テクノロジーとビジネスに関連する複数の領域において専門経験を積んだ人材を厳選して採用し、OJT(プロジェクトへの従事を通したトレーニング・育成)/Off-JT(プロジェクトへの従事とは別に行われるノウハウや知見の共有や教育)双方を通してソリューションデザインの体系を習得体現する「ソリューションデザイナ」、「エージェントトランスフォーメーションプロデューサー」を育成し組織化しております。当人材が顧客企業のプロジェクト担当チームと合同プロジェクトチームを組成し、プロジェクトを率いる役割を担うことによりAI技術を活用した事業構想や企業変革の推進を行っております。
当社にはAI・機械学習技術の幅広い領域に対応できる専門性を持つ機械学習エンジニアが、幅広い業界から集まっております。そして、当社がメインターゲットとするバリューアップ型AIテーマの中にはAI技術の中でも最先端の手法の実用化に挑むケースが多いことから、例えば、深層強化学習や確率モデリング、最適化、生成AIなどのまだ産業応用事例が多くない先端AI技術の実用化に関する専門的知見を持つ人材の育成が進んでいることが、当社の機械学習エンジニアチームの特徴となっております。また、大規模な開発案件やAIエージェントの需要の高まりを受けて、システム開発エンジニアや、エンドユーザー向けのUI/UX開発/設計を行うデザイナーを始め、機械学習エンジニア以外にも専門的知見を持つ人材の採用・育成を進めています。
② <拡大再生産の仕組み> カスタムとスケールの両立
当社は、先行する取組実施を通して構築したAIソリューションの開発及びその導入による企業変革のノウハウ・技術を、ソリューション(参照可能なプログラムソースコードやドキュメント)と技術プラットフォーム(ハードウェア一体型基盤、AI開発フレームワーク)として蓄積しております。
当社は、こうした蓄積ノウハウ・技術を、SaaSやパッケージソフトとして提供するのではなく、カスタムAIソリューション開発の効率・効果・スピードを向上させるために応用することで、カスタム(顧客固有のソリューション提供)での価値提供を維持しながらスケール(当社の事業規模拡大)の実現を図っております。
ノウハウ・技術の蓄積と応用は複数のプロジェクトや自社R&D等の取組を跨いで重層的に行われ、それぞれの深化と拡大を同時並行で進めております。(図9)
図9:ノウハウ・技術の蓄積と応用のイメージ
このような流れを通して実際にカスタムとスケールを両立している代表的な事例は次のとおりです。
図10は、当社が注力する技術領域の一つである深層強化学習をはじめとする最適化領域に関連するプロジェクトを面展開してきた流れを示しております。2019年に開始したAI振動制御システムの開発が源流となり、その開発ノウハウを纏めた『強化学習による振動制御ソリューション』のリリース、スケジュール最適化問題への取組の拡張、そのノウハウを纏めた『強化学習による組合せ最適化ソリューション』のリリースと複数の応用プロジェクトの開始へと進み、4年以上の期間をかけ継続的にノウハウ・技術蓄積とプロジェクトの拡大が進んで参りました。合わせて、2023年9月期以降、深層強化学習以外の技術領域を活用した最適化関係のプロジェクトも増加してきたことから、最適化領域に関する知見の整理・集約を進め、2025年10月に『最適化ソリューションズ』をリリースしました。現在のプロジェクト構成において、強化学習をはじめとする最適化領域に関するプロジェクトは全体の約40%以上を占めており、収集・蓄積したノウハウ・技術は当社の重要な技術基盤となっております。
図10:深層強化学習関連プロジェクトの面展開の流れ
図11は、現在高い注目を集めているAIエージェントの取組に関連するノウハウ・技術蓄積と応用展開の実績を示しております。当社は、2022年後半より、現在の生成AIブームに先駆けて多様な自然言語処理技術に加えてGPT-3(ChatGPT以前にOpenAIがリリースしたLLM)等のLLMを用いたソリューションの開発を進めておりました。加えて、2024年度以降、ChatGPTをはじめとする大規模言語モデル(LLM)の技術革新及び、業務を自律的に遂行するAIエージェントに対する社会的な関心を受けて、技術やプロジェクト知見の蓄積と応用プロジェクトの展開が加速しております。2025年10月にはこれまで蓄積した知見やノウハウ及び、AIエージェントの開発を支える技術基盤を整理し、『AGT-Xソリューション』としてリリースいたしました。現在のプロジェクト構成において、生成AI領域に関するプロジェクトは全体の約40%以上を占めており、収集・蓄積したノウハウ・技術は当社の重要な技術基盤となっております。本領域は今後も顧客企業のニーズの拡大が期待される領域であり、更なる取組みの拡大を目指しております。
図11:AIエージェント(注1)の取組に関連するノウハウ・技術蓄積と応用展開の実績
(注1) AIエージェント- ユーザーから与えられた指示に対し、自律的に問題解決やタスク実行を行うシステム
ソリューションと技術プラットフォームの詳細内容については、「(4) 展開するサービスと販売形態 – B)蓄積応用するノウハウ・技術」をご参照ください。
③ <顧客基盤> 重要テーマを任される顧客との強固な関係
当社は、新規製品・サービス創出やビジネスモデル変革等、顧客企業に大きな成長をもたらし、かつアカデミア(学術研究)発の最先端のAI技術の自前実装が求められる難易度の高い取組みを「バリューアップ型AIテーマ」と定義し注力しております(図12)。このようなテーマは顧客企業の中長期的成長を左右する重要テーマであることから、一般的な受託開発やコンサルティングサービスに増して、強固な関係による顧客基盤が形成され、より長期安定的かつ持続的に拡大可能な収益を産みやすいビジネスモデルを構築しております。
図12:当社が注力する「バリューアップ型AIテーマ」の定義と競合環境
例えば当社は、半導体、産業機械、材料、化学、ライフサイエンス、自動車などの研究開発を通じて革新的な製品・サービスの創出を目指す分野(当社では「研究開発型産業」と定義)において、AIを用いたR2Bプロセス(Research to Business – 研究開発から事業化までのプロセス)の変革に取り組んでおります。こうした産業領域では、研究開発から事業化までの期間を五〜数十年程度のスパンで捉え大規模な研究開発投資を継続的に行うため、そのR2Bプロセスの根幹の変革に取り組むプロジェクトは長期化・大規模化する性質を持っています。また、研究開発型企業は未だ自前主義の文化が強く、特にその競争力の中核を担うR2Bプロセスにおいて他社と協働するケースは非常に稀である中で、当社は既に複数の顧客企業との取組実績を有し、そのような取組実績を通してさらに当該領域におけるソリューションデザインの能力及びノウハウ・技術の蓄積を深めております。これが、当社の競合企業への高い参入障壁を築き、当社に安定した取引をもたらしております。
また当社は、主に消費材、流通・小売、交通・都市インフラ、メディア、金融、エンターテイメントなど消費者・生活者に直接製品・サービスを提供したり社会インフラを担う分野(当社では「社会基盤・生活者産業」と定義)において、AIを用いた新たなデジタルサービスの開発や顧客との1to1コミュニケーション(一人ひとりの顧客に合わせたコミュニケーション)の活性化、交通運行や都市管理の最適化など社会インフラの変革に取り組んでおります。こうした新規サービスの創出やビジネスモデル変革への取り組みは企業にとって新たな収益創出に直結するため、創出される収益規模に応じてプロジェクトが長期化・大規模化する性質を持っています。
以上のような取組における強みが評価され、研究開発型産業では株式会社SCREENホールディングス、株式会社SCREENアドバンストシステムソリューションズ、日本ガイシ株式会社、THK株式会社と、社会基盤・生活者産業では株式会社博報堂との資本提携等に至りました。
1-5. 展開するサービスと販売形態
当社では、顧客企業固有の成長戦略や事業課題に合わせたオーダーメイドのAI開発とAI導入・事業変革のコンサルティングを行う「カスタムAI」を、「AI-ソリューションデザイン」と「エージェントトランスフォーメーション」の二つのサービスを主力として展開しております。
「AI-ソリューションデザイン」は、顧客の個別事業課題を踏まえてフルカスタムでAIソリューションを開発する形態、「エージェントトランスフォーメーション」は、汎用的な技術基盤を用いてセミカスタムでAIソリューションを開発し顧客組織への組み込みで価値貢献する形態で、ともにAI開発・コンサルティングを提供します。
実際のサービス提供において両提供形態は完全に分離されるものではなく、プロジェクトによりノウハウ・技術の新たな構築と応用の両要素を異なるバランスで含むため、経営管理上は事業セグメントの分離は行わず「カスタムAIソリューション事業」単一での事業体制をとっております。
なお、当社と顧客企業との間の契約形態はAI開発の特性上、成果物の性能・精度等を予め合意形成することが困難であることから、請負契約の形態を採用することは適しておらず、いわゆる成果完成型準委任契約を採用することが多くなっております。
A) 提供形態
A-1.AI-ソリューションデザイン
当社が注力する「バリューアップ型AIテーマ」(顧客企業の成長と構造転換に直結する新規製品・サービス創出やビジネスモデル変革等のビジネスの新しい施策展開に関連するAIテーマ)を対象に、AIに対する高度な専門的知見とビジネス知見を併せ持つ当社独自のAIコンサルタント(ソリューションデザイナ)と機械学習エンジニアで構成されるプロフェッショナルチームが顧客企業の個別課題を踏まえて、一からソリューション構築に挑みながらAI開発・コンサルティングサービスを提供する形態を、「AI-ソリューションデザイン」として展開しております。
主にAIソリューションの設計・開発およびその導入を通した企業変革コンサルティングが販売単位となり、プロジェクトメンバーのアサインに応じた委託料を対価として受け取る収益モデルとなります。
A-2.エージェントトランスフォーメーション
当社が注力する「バリューアップ型AIテーマ」を対象とする点はAI-ソリューションデザインと同様ですが、サービスを提供するのは、生成AIに対する知見とビジネス知見を持つ当社独自のAIコンサルタント(エージェントトランスフォーメーションプロデューサー)とエンジニアで構成されるプロフェッショナルチームです。一からソリューションを構築するのではなく、エージェントAIの開発における汎用的な技術基盤を活用してセミカスタムでAIソリューションをクイックに開発し、顧客との議論を通じてチューニング、及び顧客の組織へのAI導入やAI導入を前提にした組織や業務の変革の伴走で価値を創出します。当社で蓄積されたノウハウを結晶化した技術基盤を活用することにより、効率的・スピーディなサービス提供が可能になります。
AI-ソリューションデザインと同様に、AIソリューションの設計・開発およびその導入を通した企業変革コンサルティングが販売単位となり、プロジェクトメンバーのアサインに応じた委託料を対価として受け取る収益モデルとなります。
B) 蓄積応用するノウハウ・技術
当社の先行する取組実施を通して構築したAIソリューションの開発及びその導入による企業変革のノウハウ・技術を、ソリューション開発ノウハウ(参照可能なプログラムソースコードやドキュメント)と技術プラットフォーム(ハードウェア一体型基盤、AI開発フレームワーク)として蓄積しております。
図13:代表的なソリューション群
B-1. ソリューション開発ノウハウ(『〇〇ソリューション』の形で展開)
主要なAIアルゴリズムやシステムアーキテクチャの設計、また技術検証や事業検証を行うために参照可能なプログラムソースコードや開発及びコンサルティングの方法論に関するドキュメントをまとめたものです。ラインナップとして、以下の特定用途向けソリューションを展開しております。
● 最適化
・ 『最適化ソリューションズ:製造・建設・物流をはじめとしたリアル産業における各種の計画策定や設計業務などを高度化するソリューションを複数ラインナップ。
● 生成AI
・ 『AGT-Xソリューション』:企業変革を目的としたAIエージェントの企画・開発をワンストップで伴走支援。
● その他
・ 『強化学習による振動制御ソリューション』:建設物や精密機器の製造機械などの大敵である揺れへの対策として、自ら最適なパターンを獲得する強化学習を用いたAIが振動を制御。
・ 『ビジネス潜在ニーズ探索ソリューション』:自然言語処理を用いて、企業の研究開発成果の販売先や提供先、協業先を探索・発見。
・ 『不良・異常検出ソリューション』:ディープラーニングの画像認識アルゴリズムが、画像から特定の不良品や異常箇所を検出し、検査・点検業務の効率を向上。
・ 『安全管理ソリューション』:動画映像から特定の対象物や行動・シーンを認識し、検出内容に即した注意喚起や安全監視を実現。
・ 『物体カウントソリューション』:学習データ作成の負荷を低減し、画像や映像から人や物体の個数を効率的にカウント。
・ 『文章分類・タグ付けソリューション』:大量のドキュメントもAIが分類・タグ付けし、内容把握や文章評価が簡単に。
・ 『マッチングソリューション』:人と職、それぞれの情報の関係性をAIが学習。ニューラルネットワークが相思相愛の最適なマッチングを実現。
・ 『類似画像検索ソリューション』:画像そのものをディープラーニングで解析。キーワード検索や色合いだけでは探し出すことができなかった類似画像を見つけ出す。
B-2. ハードウェア一体型基盤
センサーを搭載したハードウェア(センシングデバイス)と取得したセンシングデータのAI処理基盤をセットとして整備したものです。現実世界の情報を取得し、デバイス内に登載したAI処理基盤によりリアルタイムにAIによる認識を可能にします。特定の業界・企業・用途に限定せず、幅広い用途に向け人の五感を代替するようなカスタムAIソリューション開発に応用できる点が特徴です。現時点では、カスタムAI搭載カメラソリューションとして『L-Vision(エルビジョン)』を提供しております。
● 『L-Vision』:AIカメラが人・物・空間を認識することを超え、ビジネス課題を成果へとつなぐ、最適なソリューションを提供します。
B-3. AI開発フレームワーク
カスタムAIソリューション開発の開発工程を短縮するために、繰り返し使う基礎機能やプログラムソースコードの基本テンプレートをあらかじめ一つにまとめ開発者を支援するツール・開発環境として整備したAI開発フレームワークの開発を進めております。オープンソースの深層強化学習フレームワークである『Border』及びAIエージェント開発における共通機能を提供するフレームワークである『Laboro Agent Template』を提供しており、既に当社が実施する複数のプロジェクトの実装基盤を担い、顧客企業へ提供されております。
● 『Border』:Rust言語で開発された、強化学習の開発・運用フレームワークで、強化学習モデルの高速な実装・チューニング・運用をサポート。
● 『Laboro Agent Template』:マルチエージェント型のAIエージェントを迅速に開発するための共通機能を集約したプラットフォーム。
2. システム開発事業
システム開発事業は、2025年9月期よりグループ会社とした株式会社CAGLAの事業領域です。自動車をはじめとする製造業の顧客企業を中心に、顧客のニーズに合わせたシステム開発やUI/UXデザインの開発を行っております。
株式会社CAGLAは、グラフデータベースの開発に強みを持ち、自動車産業をはじめとする顧客に対し、データ管理システムの構築も行っております。株式会社CAGLAが強みを持つグラフデータベース技術は、当社が強みを持つ生成AI領域と関連性の深い技術です。今般、グラフデータベース技術に強みを持つCAGLAをグループに迎えることで、生成AI関係の開発プロジェクト等において、当社が展開するカスタムAIソリューション事業とのシナジーを見込んでおります。実際に、当社の受託したAI開発案件の中で株式会社CAGLAが顧客向けアプリケーションのUI/UX開発を担ったり、グラフデータベース技術に関する協働研究を実施したりするなど、当社とCAGLAのそれぞれの強みを生かした協働を開始しております。
(2) 関連会社の事業内容
当社の有するAI技術の産業実装機能と、グロービング株式会社の有する戦略×DXコンサルティング機能を活用し、自動車・エネルギー産業をはじめとした日本を代表するクライアントへ、AI-X(AIトランスフォーション)に関わるソリューション・コンサルティングを提供していくことを目的に、2024年7月にX-AI.Labo株式会社へ出資いたしました。
この合弁会社の枠組みを起点に多くの成果を創出することができましたが、JVというエンティティを介さずに直接的にグロービング、Laboro.AIの本体同士の協業を実施することでも明確な成果が出てきたことから、2025年9月に当社の有するX-AI.Labo株式会社の株式を売却し、グロービング株式会社との合弁契約を解消し、本体同士の連携を深めていくこととしました。
このため、グロービング株式会社とは新たに業務提携契約を締結し、日本を代表する企業への経営/AI戦略の策定からAI開発の実装までを一気通貫して提供していくため、共同での案件創出に向けた協業を進めていくことを目指しております。
[事業系統図]
用語集
当社グループの報告セグメントは、従来「カスタムAIソリューション事業」の単一セグメントでありましたが、株式会社CAGLAの株式を取得したため、当該事業を「システム開発事業」として定義し、当連結会計年度より報告セグメントを追加しております。なお、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前期との比較・分析の記載はしておりません。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
当社グループは、「すべての産業の新たな姿をつくる。」「テクノロジーとビジネスを、つなぐ。」をミッションに掲げ、各業界の代表的な企業との協働を通し、企業や産業、そして社会の長期的・本質的な構造転換に貢献することを目指しております。
当連結会計年度における我が国の経済環境は、景気が緩やかに持ち直されてきている一方で、米国における追加関税の動きや国内外マクロ経済におけるインフレ・金融引き締め、継続的な物価上昇などの結果、金融市場や景気動向は先行き不透明な情勢が続いております。
このような中、当社グループが属するAIソリューション市場においては、「ChatGPT」をはじめとする大規模言語モデルの技術革新や自律的に業務を遂行するAIエージェントに関する社会的な関心の高まりなどの結果、企業の競争力の強化や人材不足への対応から幅広い産業で積極的なDX(デジタルトランスフォーメーション)投資が行われており、事業環境は堅調に推移しております。
これらの結果、当連結会計年度における経営成績は以下のとおりとなりました。
(売上高)
売上高は、堅調な顧客のDX投資需要を捉え、新規顧客獲得累計件数は11件に達し、当連結会計年度における売上高は1,900,339千円となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、628,244千円となりました。主な内訳は、労務費及び業務委託料であります。
以上の結果、売上総利益は1,272,094千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は1,080,657千円となりました。これは主に、人件費、採用研修費、広告宣伝費であります。
加えて、株式会社CAGLAのM&Aに伴う一時費用としての取得関連費用や、連結に伴うのれん等の償却を計上しております。
以上の結果、営業利益は191,436千円となりました。
(営業外損益、経常利益)
経常損益については、営業外収益として3,417千円、営業外費用として28,607千円計上し、166,246千円の利益となりました。営業外費用は、主に持分法適用関連会社であるX-AI.Labo株式会社に係る持分法による投資損失を計上しております。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度において、保有する関係会社株式(グロービング株式会社との合弁会社であるX-AI.Labo株式会社株式)を売却した結果、特別利益48,919千円計上しております。
以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は215,166千円となり、法人税等を68,363千円計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は146,802千円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①カスタムAIソリューション事業
当セグメントにおきましては、積極的な顧客のDX投資に伴う堅調な事業環境を捉え、新規顧客や既存顧客との新たな切り口の案件を獲得いたしました。この結果、2025年9月期通期累計では11社の新規顧客を獲得いたしました。
一方で、一部大型の受注済案件において、見積もり時からのプロジェクトの進行計画に変更が発生したことから、収益計上のタイミングが2025年9月期から2026年第1四半期に後ろ倒れることとなりました。
以上の結果、売上高は1,892,494千円、セグメント利益は250,515千円となりました。
②システム開発事業
当セグメントにおきましては、当連結会計年度に検収を迎える案件が少なかったことから、売上高は限定的に着地いたしました。一方で、当社と株式会社CAGLAでの共同提案や、当社の受託した開発案件において株式会社CAGLAが顧客向けUI/UXの開発を担当するなど、グループ内での連携が強化され、新たな事業機会を深耕いたしました。
売上高が限定的に進捗する一方で、人件費等の事業運営に関わるコストに加え、子会社取得関連費用とのれん償却等を計上し、当連結会計年度は赤字で着地いたしました。
以上の結果、売上高は12,945千円、セグメント損失は59,278千円となりました。
(資産)
当連結会計年度における資産合計は、2,813,321千円となりました。流動資産は2,623,661千円となり、固定資産は189,660千円となりました。流動資産の主な内訳は、現金及び預金2,048,825千円、売掛金及び契約資産552,508千円であり、固定資産の内訳は有形固定資産81,105千円、無形固定資産69,688千円、投資その他の資産38,866千円であります。
株式会社CAGLAの子会社化に伴い、のれん等を計上しております。また保有していた関係会社株式(グロービングとの合弁会社であるX-AI.Labo株式会社株式)の売却に伴い、固定資産が減少し、流動資産が増加しております。
(負債)
当連結会計年度における負債合計は265,374千円となりました。流動負債は265,374千円となり、固定負債の計上はありません。流動負債の主な内訳は、買掛金23,067千円、未払法人税等66,315千円であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、2,547,947千円となりました。主な内訳は、資本金1,014,181千円、資本剰余金1,004,181千円、利益剰余金529,312千円であります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、2,048,825千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュフローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は215,846千円となりました。これは主に税引金等調整前当期純利益215,166千円、売上債権及び契約資産の増加額39,884千円、関係会社株式売却損益48,919千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は300,752千円となりました。これは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得(株式会社CAGLAの株式取得)による支出55,192千円及び関係会社株式(グロービング株式会社との合弁会社であるX-AI.Labo株式会社株式)の売却による収入410,874千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果調達した資金は8,828千円となりました。これは、主に新株予約権の行使に伴う株式の発行による収入9,873千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当社グループが提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループが提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者の会計方針の選択や適用、資産・負債や収益・費用の計上に際し、合理的な基準による見積りが含まれております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りは不確実性を伴うため、実際の結果はこれらの見積りによる数値と異なる場合があります。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要となる会計方針につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。
会計上の見積りのうち、特に重要なものは次のとおりであります。
(一定の期間にわたり履行義務を充足し認識する収益)
当社グループは主として契約等に基づき、顧客が要求するカスタムAIの開発を、定められた期間に応じて役務の提供等を通じた又は一定の成果物のサービスの提供を行っております。当該契約に基づき一定の期間にわたり履行義務の充足が認められる場合には、契約金額に対応して発生すると見込まれる見積総原価に対する発生原価の割合(インプット法)により算出した進捗率により売上高を計上しております。進捗率の算定は見積総原価に影響を受けるため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、売上高の計上額に影響する可能性があります。
(のれんの評価)
のれんについては、減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がこれらの帳簿価額を下回るか否かにより、減損損失の認識を判定しております。割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を使用価値(割引後将来キャッシュ・フローの現在価値)まで減額し、当該減少額を減損損失として認識することとしております。
減損の判定で必要な将来キャッシュ・フローの見積りは、事業計画を基礎とし、その期間経過後は将来の不確実性を考慮した成長率をもとに算定しております。
当該会計上の見積りについては、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づいており、今後の経営環境の変化により、将来の事業計画と実績が大きく異なる結果となった場合は翌連結会計年度の連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。被取得企業ののれんについては、当該事業計画の仮定に変動が生じることで、将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合は、減損損失が発生する可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、「すべての産業の新たな姿をつくる。」「テクノロジーとビジネスを、つなぐ。」をミッションに掲げ、各業界の代表的な企業との協働を通し、企業や産業、そして社会の長期的・本質的な構造転換に貢献することを目指しております。当該ミッションを達成するため、より高い成長性及び収益性を確保する点から、売上高成長率及び売上高総利益率を主な経営指標と捉えております。加えて、売上の主要な割合を占めるカスタムAIソリューション事業においては、顧客企業との長期的な関係性を構築し付加価値を拡大させていくことを重視する観点から継続顧客売上高成長率を、産業全体のイノベーション促進に貢献していくことを目指すことから年間新規顧客獲得件数を重要な経営指標と考えております。
(注)連結の開示項目について、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前期との比較・分析の記載はしておりません。そのため、前期との比較で算出する年間売上高成長率は記載しておりません。
売上総利益率はクライアントに提供する付加価値量をモニタリングするため重要な経営指標と位置付けております。2025年9月期においては、昨年と同水準の人件費及び外注費により売上高総利益率は66.9%と昨年同様の水準で着地いたしました。
年間新規顧客獲得件数は、売上の主要な割合を占めるカスタムAIソリューション事業において、顧客基盤を広げる活動をモニタリングするために重要な指標と位置付けております。株式会社CAGLAや他企業と連携して新たな顧客にアプローチし、その結果2025年9月期は11件の新規顧客を獲得いたしました。
継続顧客売上高成長率は、売上の主要な割合を占めるカスタムAIソリューション事業において、前事業年度から継続して取引がある顧客に対する売上高の成長率として算定しており、顧客基盤を深める活動をモニタリングするために重要な指標と位置付けております。顧客毎の売上高の変動はあるものの、全体としては既存顧客との堅調な関係性を維持することができ、継続顧客売上高成長率はほぼ横ばいの△2.6%となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、事業拡大のための採用活動費及び新規顧客獲得のための広告宣伝費であります。これらの資金需要に対しては、営業キャッシュフロー、借入金及びエクイティファイナンスで調達していくことを基本方針としております。
なお、現金及び現金同等物の残高は、2025年9月末において2,048,825千円であり、当社グループの事業を推進していく上で十分な流動性を確保していると考えております。