E39122
前期
10.8億 円
前期比
118.9%
株価
995 (04/26)
発行済株式数
5,627,200
EPS(実績)
37.41 円
PER(実績)
26.60 倍
平均年齢(勤続年数)
41.1歳(2.5年)
従業員数
47人
近年、さまざまなサイバーセキュリティ事故が報道されておりセキュリティ対策に対する世間の関心が高まりつつあるなか、大企業や中堅企業ではCSIRT(注1)の構築やSOC(注2)の設置が進められているのに加え、中小企業においては低コストのセキュリティ対策へのニーズが高まっております。
当社は、「私たちは、最適なセキュリティサービスをより多くのお客様へ提供し、事業の成長を支える環境づくりに貢献いたします。」をミッションとして、CSIRTやSOCを運営する大企業及び中堅企業以上のお客様に対し情報システムへのセキュリティアドバイザー活動やサイバーセキュリティ事故対応を行い、それらの知見を活かしたセキュリティ監視・運用サービスを企業等に提供しております。
当社のセキュリティ監視・運用サービスの特徴としては、疑わしい事象の検知状況を通知するだけではなく、具体的な対処やアドバイスを実施していることにあります。これはセキュリティアドバイザーとして顧客企業のセキュリティ環境を把握していることに加え、サイバーセキュリティ事故対応で培った経験や対処能力を獲得してきたことによります。これらのサービスはセキュリティに対する高い知見のある企業等のニーズを捉えております。
また、大企業及び中堅企業へのサービス提供で得た知見やニーズを活かして自社製品を開発しております。セキュリティ製品の多くは海外製であり高価であることから、国産のリーズナブルな価格帯での製品開発により、中小企業を中心とした多数のお客様へのサービスを提供しております。
これらのサービス提供においては、当社が顧客企業に販売するほか、SIer(注3)等を販売代理店としております。多様な販売代理店と契約を締結し、それぞれの属性や販売先に応じたサービスを提供することにより、販売先の拡大を図っております。
当社サービスの多くを占めるセキュリティアドバイザーやセキュリティ監視・運用サービスは、年間契約を基本としたストック型売上となっており、この安定的な収益を基盤とした顧客企業との長期的な関係性を構築することにより、高い継続率を維持しております。
なお、当社社名である「S&J株式会社」は、千里眼(せんりがん)の「S」と順風耳(じゅんぷうじ)の「J」に由来します。千里眼(青鬼)と順風耳(赤鬼)は対になり、ともに媽祖(まそ:天上聖母菩薩。元来は航海・漁業の神)の守護神です。千里眼は媽祖の進む先やその周りを監視し、順風耳は悪の兆候や悪巧みを聞き分けて媽祖にいち早く知らせる役目を持つとされています。当社社名には、お客様が安心安全な事業活動の支えになるように「平時からインシデントの兆候を探り、事前に手を打ち、事故が起こった際に迅速に対応して、被害を最小限に食い止めるサービスを提供したい」との思いが込められています。
(注1)CSIRT:Computer Security Incident Response Team:コンピュータセキュリティにかかるインシデント(事象)に対処するための組織の総称です。インシデント関連情報、脆弱性情報、攻撃予兆情報を常に収集、分析し、対応方針や手順の策定などを行います。
(注2)SOC:Security Operation Center:ネットワークの監視を行い、サイバー攻撃の検出と分析、対応を図る組織あるいは役割です。同じくセキュリティ関連の組織であるCSIRTとの違いとしては、CSIRTではインシデントが発生したときの対応に重点が置かれているのに対し、SOCは脅威となるインシデントの検知に重点が置かれているという特徴があります。
(注3)SIer:System Integrater:システムインテグレーター、企業の情報システムの企画、設計、開発、構築、導入、保守、運用などを一貫して請負うサービスを提供する事業者を指します。これらの工程のうち一部を請負う場合もあります。
当社は「サイバーセキュリティ事業」の単一セグメントでありますが、サービスの内容により「コンサルティングサービス」、「SOCサービス」に区分しており、主な特徴は次のとおりであります。
(コンサルティングサービス)
(1)セキュリティアドバイザー
お客様のセキュリティ対策実施状況を把握したうえで、サイバーセキュリティ事故発生時に備えた課題を抽出し、優先度の高い課題への対応支援や中期的な改善提案を行います。そうしたお客様がサイバーセキュリティ事故の発生しづらい環境にするとともにセキュリティの維持・向上を図ることを目的にアドバイザリサービスを提供しております。
(2)インシデント対応
お客様にインシデント(当社事業においてはサイバーセキュリティ事故を示します)が発生した際の対応を支援しております。お客様の事業継続や事業復旧を考慮し、被害にあった特定の機器だけではなくITネットワークを総合的に調査することで、全ての事業が停止してしまうことを防ぎ、原因調査・暫定対処を進めたうえで、事業再開の判断をアドバイスし、再発防止策までの一連の対応をトータルでサポートするサービスを提供しております。また、このような経験やノウハウをCSIRT構築やセキュリティ対策のコンサルティング、セキュリティ運用にフィードバックすることで、サービスの品質向上に努めております。
(3)メールセキュリティ
お客様に届いた不審なメールを分析し、結果を報告します。脅威が疑われるメールの添付ファイルやリンク先調査等の分析を実施し、分析結果をご報告するサービスを提供しております。この知見を活かして、不審メールに対する対応力を向上するため、お客様の従業者がそもそもメールを「開かない」、仮に開いてしまった場合には直ちに「報告」するといった対応を疑似的な不審メールを用いて行う訓練サービスも提供しております。
(4)脆弱性診断
セキュリティ事故の発生につながる脆弱性を診断して、報告書を提出いたします。Webアプリケーション、スマートフォンアプリ、クラウド環境を含めたサーバやネットワークなどのプラットフォームなどを対象として、最新の脅威動向に知見のある専門家が診断を実施し、推奨する対策を記載した診断報告書を提供するサービスとなります。
(5)セキュリティプロダクト
海外の高度なセキュリティ製品を販売代理店として提供しております。取扱い製品の一例としては、マルウェアの疑いのある検体等を安全な環境で実際に動作させ、その振る舞いを詳細に解析するようなプロダクトとなります。
(SOCサービス)
(1)SOCアウトソーシング
① SOC Engine運用
当社独自開発のSIEMであるSOC Engineをサービス提供することにより、お客様の情報システム全体(パソコン、重要サーバ、セキュリティ機器、クラウド環境など)を監視・運用します。このサービスはお客様のSOC支援として、当社のアナリストが24時間365日体制でセキュリティデバイスからのアラートや関連する情報システムのログを高度に脅威分析し、脅威があると判断されたアラートに対して影響度や対応策をお客様に報告することも包含しております。
② 他社製品運用
SOC Engineの開発、監視・運用における高度な知見や経験を活かし、他社のSIEM製品を用いた監視・運用サービスにも対応しております。お客様の環境にあわせたセキュリティデバイスの組み合わせに対応したアラートや関連する情報システムのログを脅威分析し、精度の高い影響度や対応策をお客様に報告しております。
③ AD監視
ディレクトリーサービス機能(注4)に特化した検知ロジックを搭載した当社独自開発の監視用エージェント(S&J AD Agnet)により、SIEMなどでは検知が困難な脅威を検出し、影響度や対応策をお客様に報告しております。
(注4)ディレクトリーサービス機能:ネットワーク上のユーザ情報やコンピュータ情報などのさまざまな情報を一元管理するサービスを指します。
(2)EDR(注5)監視サービス
① KeepEye®運用
当社独自開発のクラウド型EDRであるKeepEye®による監視サービスを提供しております。KeepEye®はお客様のユーザが利用するパソコンにおける既知及び未知のウイルスを検知して防御します。また、当社のアナリストが24時間365日体制で監視しているので、不審な挙動や操作が発生した際には原因や影響の分析を報告いたします。
KeepEye®では運用の多くを当社が行うことで、「お客様がセキュリティ専門家を雇用しない最小限の運用」で、高度なサイバー攻撃への対策運用が実現できることになります。
(注5)EDR:Endpoint Detection and Response:各ユーザが利用するパソコンやサーバなどのエンドポイントにおけるマルウェアなどによる不審な挙動が検知された場合にお客様にエスカレーションを実施し、防御をすることで被害の拡大を防ぐことを目的としたサービスです。
② 他社EDR製品運用
他社のEDR製品を利用した監視・運用サービスを提供しております。EDR製品からは多くの検知アラートが通知されますが、それを当社のアナリストが24時間365日体制で高度に分析し、早急な対象が求められると判断される事象についてはアナリストが対処を行っております。お客様の脅威を判断や対処をしたうえでお客様に報告することにより、お客様のセキュリティ担当者はより重要な判断や対応が可能となります。
[事業系統図]
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
第15期事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(資産)
当事業年度末における資産合計は1,545,457千円となり、前事業年度末に比べ553,102千円増加しました。
流動資産は1,487,913千円となり、前事業年度末に比べ530,055千円増加しました。これは主に、セキュリティプロダクトの仕入減少により前渡金が4,879千円減少したものの、ストック型売上の増加に起因する契約負債の増加等により現金及び預金が513,984千円増加、売上高の増加により売掛金が18,315千円増加したことによるものであります。
固定資産は57,543千円となり、前事業年度末に比べ23,046千円増加しました。これは主に、将来減算一時差異の増加により繰延税金資産が9,534千円、本社事務所の追加敷金差入により敷金及び保証金が12,668千円増加したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は791,888千円となり、前事業年度末に比べ342,579千円増加しました。
流動負債は791,888千円となり、前事業年度末に比べ381,183千円増加いたしました。これは主に銀行借入の約定返済により短期借入金が50,000千円、期限前弁済を行ったことにより1年内返済予定の長期借入金が20,676千円減少したものの、人員増に伴う諸経費の増加により未払金が22,005千円、課税所得の増加により未払法人税等が105,768千円、ストック型売上の受注が堅調に推移したことにより契約負債が302,343千円増加したことによるものです。
固定負債は前事業年度末に比べ38,604千円減少し、残高がなくなりました。これは、期限前弁済を行ったことにより長期借入金が38,604千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は753,568千円となり、前事業年度末に比べ210,523千円増加しました。これは当期純利益210,523千円を計上したためであります。
この結果、自己資本比率は48.8%(前事業年度末は54.7%)となりました。
第16期第2四半期累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
(資産)
当第2四半期会計期間末における資産合計は1,451,272千円となり、前事業年度末に比べ94,184千円減少いたしました。
流動資産は1,394,922千円となり、前事業年度末に比べ92,991千円減少いたしました。これは主に流動資産のその他に含まれる前払費用がサービス提供に利用しているライセンス契約の更新により10,301千円増加したものの、法人税等の支払により現金及び預金が80,091千円、ストック型以外の売上が前事業年度末と比較して減少したため売掛金が24,133千円減少したことによるものであります。
固定資産は56,349千円となり、前事業年度末に比べ1,193千円減少いたしました。これは主に有形固定資産に含まれる工具、器具及び備品が従業員の増加に伴うパソコンの購入等により9,416千円増加したものの、投資その他の資産に含まれる繰延税金資産が将来減算一時差異の減少により7,606千円減少したことによるものであります。
(負債)
当第2四半期会計期間末における負債合計は621,671千円となり、前事業年度末に比べ170,216千円減少いたしました。
流動負債は621,671千円となり、前事業年度末に比べ170,216千円減少いたしました。これは主に外注費の減少により買掛金が11,274千円、課税所得の減少及び申告・納付により未払法人税等が83,004千円、未払消費税等が20,411千円、ストック型売上への振替により契約負債が59,539千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当第2四半期会計期間末における純資産合計は829,600千円となり、前事業年度末に比べ76,031千円増加いたしました。これは四半期純利益76,031千円を計上したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は57.2%(前事業年度末は48.8%)となりました。
②経営成績の状況
第15期事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する規制が徐々に緩和されたことにより、経済活動の正常化が進み、一部では景気の持ち直しの動きがみられました。一方で、長期化するウクライナ情勢による原油・原材料価格の高騰や急激な円安に起因するインフレの加速などが続いていることから、景気の先行きは不透明な状況で推移しました。
当社の属する情報セキュリティ業界においては、多くの事業者・団体においてランサムウェアの被害が拡大しており、特にセキュリティ対策が脆弱な企業・団体へのサイバー攻撃が増加傾向にあることから、セキュリティ対策の重要性が認識され、具体的な対策の実施についての関心が高まっております。そのため、情報セキュリティ関連のIT投資は幅広い業種・事業者にて増加傾向にあることから、需要は比較的堅調に推移しております。
このような経営環境のもと、当事業年度の業績につきましては、監視サービス等の新規案件を着実に獲得したことに加え、セキュリティ評価案件やセキュリティインシデントへの対応及びセキュリティ訓練の支援等が堅調に推移しました。
この結果、当事業年度の経営成績は、売上高は1,281,425千円(前期比18.9%増)、営業利益は331,951千円(同31.9%増)、経常利益は321,612千円(同28.8%増)となりました。一方、前事業年度は繰越欠損金の影響により法人税等の計上が抑えられていた反動から、当期純利益は210,523千円(同5.8%減)となりました。
なお、当社は「サイバーセキュリティ事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。サービス区分別の状況は、次のとおりであります。
(1)SOCサービス
既存顧客への監視・運用サービスを継続して提供したことに加え、KeepEye等の新規案件が獲得できたことにより、SOCサービスの売上高は928,904千円(前期比29.0%増)となりました。
(2)コンサルティングサービス
セキュリティ評価案件やセキュリティインシデントへの対応及びセキュリティ訓練の支援等が堅調に推移しましたが、前事業年度の大型インシデント案件の反動により、コンサルティングサービスの売上高は352,521千円(前期比1.4%減)となりました。
第16期第2四半期累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
当第2四半期累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の分類移行に伴う、社会経済活動の正常化が進む一方で、海外経済の減速懸念やエネルギー価格の高騰などによる世界的なインフレ加速、急激な為替変動により、景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。
当社の属する情報セキュリティ業界を取り巻く環境としては、サプライチェーンに影響が及ぶ事業者・団体を狙ったサイバー攻撃が頻発していることや、中堅・中小企業におけるランサムウェア被害の発生が増加傾向となっております。大企業に比べてセキュリティ対策が脆弱な中堅・中小企業においても対策の重要性が改めて認識されていることなどから、情報セキュリティ関連のIT投資は幅広い業種・事業者にて増加傾向にあり、需要は比較的堅調に推移しております。
このような経営環境のもと、当第2四半期累計期間の業績につきましては、監視サービス等の新規案件を着実に獲得したことに加え、メール訓練の支援やセキュリティインシデントへの対応等を実施いたしました。
この結果、当第2四半期累計期間の経営成績は、売上高713,305千円、営業利益122,924千円、経常利益115,999千円、四半期純利益76,031千円となりました。
なお、当社は「サイバーセキュリティ事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。サービス区分別の状況は、次のとおりであります。
(1)SOCサービス
既存顧客への監視・運用サービスを継続して提供したことに加え、KeepEye等の新規案件の獲得により、SOC事業の売上高は540,975千円となりました。
(2)コンサルティングサービス
セキュリティ評価案件やメール訓練案件の獲得により、コンサルティング事業の売上高は172,329千円となりました。
③キャッシュ・フローの状況
第15期事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ513,984千円増加し、1,353,734千円となりました。
当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は645,709千円(前事業年度は421,420千円の獲得)となりました。主な減少要因としては、売上債権の増加額18,315千円(前年同期は売上債権の減少額34,900千円)、法人税等の支払額14,855千円(前年同期比14,564千円増加)であり、主な増加要因としては、税引前当期純利益321,612千円(前年同期比71,971千円増加)、未払金の増加額22,005千円(前年同期は未払金の減少額10,324千円)、ストック型売上の受注が堅調に推移したことに伴う契約負債の増加額302,343千円(前年同期比160,889千円増加)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は22,444千円(前事業年度は28千円の使用)となりました。主な要因は有形固定資産の取得による支出8,668千円(前年同期比11,541千円減少)、本社事務所の敷金及び保証金の差入による支出13,786千円(前年同期はありません)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は109,280千円(前事業年度は21,376千円の獲得)となりました。これは銀行借入の約定返済により短期借入金の純減少額50,000千円(前年同期は短期借入金の純増加額50,000千円)、期限前弁済を行ったことに伴う長期借入金の返済による支出59,280千円(前年同期比30,656千円増加)によるものであります。
第16期第2四半期累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ80,091千円減少し、1,273,643千円となりました。
当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は68,941千円となりました。主な増加要因としては、税引前四半期純利益115,999千円、売上債権の減少額24,133千円であり、主な減少要因としては、仕入債務の減少額11,274千円、未払消費税等の減少額20,411千円、契約負債の減少額59,539千円、法人税等の支払額115,366千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は11,149千円となりました。これは有形固定資産の取得による支出11,149千円よるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
該当事項はありません。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
第15期事業年度及び第16期第2四半期累計期間の受注実績は次のとおりであります。なお、当社は、サイバーセキュリティ事業の単一セグメントであるため、主なサービス区分別に記載しております。
サービス区分の名称 |
第15期事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
第16期第2四半期累計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年9月30日) |
||||
受注高 (千円) |
前年同期比(%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比(%) |
受注高 (千円) |
受注残高 (千円) |
|
SOCサービス |
1,219,717 |
141.6 |
834,659 |
153.5 |
433,339 |
727,022 |
コンサルティングサービス |
400,892 |
112.3 |
133,319 |
156.9 |
233,583 |
194,573 |
合計 |
1,620,610 |
133.0 |
967,978 |
153.9 |
666,923 |
921,596 |
(注)第15期事業年度において、SOCサービス及びコンサルティングサービスの受注実績に著しい変動がありました。これはいずれもストック型売上の受注が堅調に推移したことのよるものです。
c.販売実績
第15期事業年度及び第16期第2四半期累計期間の販売実績は次のとおりであります。なお、当社は、サイバーセキュリティ事業の単一セグメントであるため、主なサービス区分別に記載しております。
サービス区分の名称 |
第15期事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
第16期第2四半期累計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年9月30日) |
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
金額(千円) |
|
SOCサービス |
928,904 |
129.0 |
540,975 |
コンサルティングサービス |
352,521 |
98.6 |
172,329 |
合計 |
1,281,425 |
118.9 |
713,305 |
(注)1.最近2事業年度及び第16期第2四半期累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
第14期事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
第15期事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
第16期第2四半期累計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年9月30日) |
|||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
株式会社マクニカ |
384,655 |
35.7 |
466,497 |
36.4 |
241,815 |
33.9 |
日興システムソリューションズ株式会社 |
141,615 |
13.1 |
170,220 |
13.3 |
91,030 |
12.8 |
株式会社ソフトクリエイト |
- |
- |
170,194 |
13.3 |
100,815 |
14.1 |
2.最近2事業年度及び第16期第2四半期累計期間の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
財政状態の記載は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載しております。
b.経営成績
第15期事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(売上高)
当事業年度における売上高は1,281,425千円(前期比18.9%増)となりました。これは主に、監視サービス等の新規案件を着実に獲得したことに加え、セキュリティ評価案件やセキュリティインシデントへの対応及びセキュリティ訓練の支援等が堅調に推移したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度における売上原価は653,511千円(前期比10.0%増)となりました。これは主に、コンサルティングサービスにおける脆弱性診断の受注が減少したことにより外注費が減少したものの、売上高の増加に伴い採用活動を進めたことによる人件費の増加、宿泊を伴う研修の実施、インフレへの対応のためのインフレ手当(賞与)を支給したこと等により、当事業年度の売上総利益は627,913千円(同29.9%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は295,962千円(前期比27.6%増)となりました。これは主に、売上高が前事業年度と比較して大幅な増加となる一方、専門スキルを持った人材投資や事業拡大に伴う事業基盤整備費用などの先行コストにより売上原価、販売費及び一般管理費が増加したこと等により営業利益は331,951千円(同31.9%増)となりました。
(経常利益)
当事業年度における経常利益は321,612千円(前期比28.8%増)となりました。これは主に、営業利益と同様の理由によることに加え、上場関連費用の発生によるものであります。
(当期純利益)
当事業年度における法人税等は111,089千円(前期比326.4%増)となりました。これは主に、経常利益と同様の理由によることに加え、前事業年度は税務上の繰越欠損金の影響により、法人税等の負担が抑えられておりましたが、当事業年度ではそれが無くなったため税金費用が増加したことによるものであります。これらの結果、当期純利益は210,523千円(同5.8%減)となりました。
第16期第2四半期累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
(売上高)
当第2四半期累計期間における売上高は713,305千円となりました。これは主に、監視サービス等の新規案件を着実に獲得したことに加え、メール訓練の支援やセキュリティインシデントへの対応が堅調に推移したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当第2四半期累計期間における売上原価は393,280千円となりました。これは主に、売上高の増加に伴う人件費の増加及び派遣社員等の増員によるものであります。
この結果、当第2四半期累計期間における売上総利益は320,024千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当第2四半期累計期間における販売費及び一般管理費は197,100千円となりました。これは主に、従業員の増加による人件費や上場に関連する一時的な費用等によるものであります。
この結果、営業利益は122,924千円となりました。
(経常利益)
当第2四半期累計期間における経常利益は115,999千円となりました。これは主に、営業外費用で上場関連費用7,486千円を計上したことによるものであります。
(四半期純利益)
当第2四半期累計期間において法人税等を39,967千円計上した結果、四半期純利益は76,031千円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資金需要
当社の運転資金需要のうち主なものは、サービスの提供のための外注費及びセキュリティ機器の仕入のほか、人件費、家賃等の営業経費であります。
c.財務政策
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社では、運転資金及び設備資金については、主に内部留保により調達を行っております。なお、当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物の残高は1,273,643千円となっております。
③経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、継続的なサービスの提供によるストック型売上の積上げであるARRを成長性の重要な経営指標としております。
第15期事業年度末のARRは1,231,091千円(前期比41.4%増)となりました。これは、セキュリティアドバイザーやSOCサービスにおける新規獲得が好調であったことに加え、年間契約を基本とした顧客との長期的な関係性を構築したことから、高い継続率を維持できたことによります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものは次のとおりであります。
(繰延税金資産)
当社は、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。課税所得の見積りにあたって当該見積りの基礎となる次年度予算ならびに中期経営計画といった将来の利益計画は、計画の策定時点で得られる情報に基づいており、これらの情報により市場環境及び顧客の獲得動向や継続状況などを考慮したうえで将来の利益計画を見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じて減少した場合には、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。