E00032 Japan GAAP
前期
1,991.0億 円
前期比
107.6%
株価
1,922 (04/26)
発行済株式数
40,445,568
EPS(実績)
153.56 円
PER(実績)
12.52 倍
前期
777.7万 円
前期比
102.5%
平均年齢(勤続年数)
45.0歳(19.0年)
従業員数
208人(連結:2,831人)
当社グループ(当社および当社の関係会社)は、当社、子会社32社および関連会社11社で構成されております。主な事業は、古河産機システムズ㈱を中核事業会社とする産業機械部門、古河ロックドリル㈱を中核事業会社とするロックドリル部門および古河ユニック㈱を中核事業会社とするユニック部門から構成される機械事業ならびに古河メタルリソース㈱を中核事業会社とする金属部門、古河電子㈱を中核事業会社とする電子部門および古河ケミカルズ㈱を中核事業会社とする化成品部門から構成される素材事業ならびに事業持株会社である当社を中心とする不動産事業等です。
当社グループの事業内容と関係会社の位置づけは次のとおりです。なお、グループの概要記載に当たり、以下の事業区分は、「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一です。
産業機械部門 :中核事業会社古河産機システムズ㈱が、ポンプ、破砕機、粉砕機、分級機、造粒機、ベルトコンベヤ、環境機器、リサイクルプラント、鋼構造物、橋梁等産業機械の製造販売および各種工事の請負を行っております。
(子会社2社)
ロックドリル部門:中核事業会社古河ロックドリル㈱が、油圧ブレーカ、油圧圧砕機、ブラストホールドリル、トンネル工事・鉱山用機械等を製造販売しております。
(子会社11社)
ユニック部門 :中核事業会社古河ユニック㈱が、ユニッククレーン、ミニ・クローラクレーン、オーシャンクレーン、ユニックキャリア等を製造販売しております。
(子会社7社、関連会社6社)
金属部門 :中核事業会社古河メタルリソース㈱が、原料鉱石を海外から買い入れ、関連会社日比共同製錬㈱等に委託製錬して生産された銅、金、銀、硫酸等の供給を受け、販売しております。
(子会社4社、関連会社2社)
電子部門 :中核事業会社古河電子㈱が、高純度金属ヒ素、結晶製品、コア・コイル、窒化アルミセラミックス、光学部品等を製造販売しております。
(子会社2社、関連会社1社)
化成品部門 :中核事業会社古河ケミカルズ㈱が、硫酸、ポリ硫酸第二鉄水溶液、硫酸バンド、亜酸化銅、酸化銅等の製造販売および酸化チタン等の販売を行っております。
(子会社1社)
不動産部門 :不動産の賃貸、売買および仲介を行っております。
(子会社1社)
その他の部門 :上記の7つの部門に分類できない運輸業、金属粉体事業、鋳物事業等を本部門に分類しております。子会社古河運輸㈱が、子会社の製品等の一部の運送を行っております。また、子会社古河C&F㈱が、子会社に鋳物製品を供給しております。
(子会社4社、関連会社2社)
事業の概要図は、次のとおりです。会社名の前に※を付していない会社は連結子会社であり、付している会社は持分法を適用している関連会社です。
※画像省略しています。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりです。
①経営成績の状況
|
前期 |
当期 |
対前期増△減 |
売上高(百万円) |
199,097 |
214,190 |
15,093 |
営業利益(百万円) |
7,734 |
9,031 |
1,297 |
経常利益(百万円) |
8,996 |
9,348 |
351 |
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) |
6,477 |
6,211 |
△266 |
当連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)の我が国経済は、ウィズコロナの下、各種政策の効果もあって、景気は持ち直しの兆しがみられました。サービス消費やインバウンド需要の回復を受け、非製造業では増益が続いています。一方、海外需要の回復に伴う輸出の増加などを背景に、前半好調だった製造業の企業収益は、円安や資源高による原材料価格の高騰などの影響で、素材業種を中心に足元では弱含んでいます。世界的な金融引締め等が続く中、欧米を中心とする海外経済の減速など、下振れリスクが高まっており、不確実性が大きい状況が続いています。
このような経済環境の下、当社グループの当期の売上高は、2,141億90百万円(対前期比150億93百万円増)、営業利益は、90億31百万円(対前期比12億97百万円増)となりました。産業機械部門およびロックドリル部門は増収増益となり、ユニック部門は減収減益となりましたが、機械事業全体では、増収増益となりました。素材事業では、金属部門は増収増益、電子部門は減収減益、化成品部門は増収減益となり、全体では、増収減益となりました。また、不動産事業は減収増益となりました。営業外収益に為替差益14億62百万円ほかを計上した結果、経常利益は、93億48百万円(対前期比3億51百万円増)となりました。特別利益に投資有価証券売却益3億62百万円ほかを計上し、特別損失に古河大阪ビルの解体工事費用について、工事の進捗に対応した費用4億70百万円ほかを計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、62億11百万円(対前期比2億66百万円減)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりです。
〔産業機械〕
|
前期 |
当期 |
対前期増△減 |
売上高(百万円) |
17,723 |
17,943 |
220 |
営業利益(百万円) |
1,396 |
1,515 |
118 |
産業機械部門の売上高は、179億43百万円(対前期比2億20百万円増)、営業利益は、15億15百万円(対前期比1億18百万円増)となりました。当期末の受注残高は、橋梁において道路橋、マテリアル機械において砕石プラントなどの受注があったため、前期末に比べ増加しました。また、ポンププラント、環境製品および橋梁は増収となりましたが、マテリアル機械は減収となりました。大型プロジェクト案件は、中央自動車道新小仏トンネル工事向け密閉式吊下げ型コンベヤ(SICON®)等について出来高に対応した売上高を計上しましたが、一部工事の延期の影響もあり、減収となりました。
〔ロックドリル〕
|
前期 |
当期 |
対前期増△減 |
売上高(百万円) |
30,910 |
35,752 |
4,841 |
営業利益(百万円) |
1,117 |
3,030 |
1,913 |
ロックドリル部門の売上高は、357億52百万円(対前期比48億41百万円増)、営業利益は、30億30百万円(対前期比19億13百万円増)となりました。国内については、油圧ブレーカの大型機種の出荷増や、トンネルドリルジャンボの高機能機種へのシフトが進み、補用部品の出荷増および特注機の整備台数増などにより、増収増益となりました。海外については、主として、北米における油圧ブレーカ、油圧クローラドリルおよび補用部品の出荷増に加え、円安による増収効果もあり、増収増益となりました。
〔ユニック〕
|
前期 |
当期 |
対前期増△減 |
売上高(百万円) |
28,305 |
27,961 |
△343 |
営業利益(百万円) |
2,165 |
1,547 |
△617 |
ユニック部門の売上高は、279億61百万円(対前期比3億43百万円減)、営業利益は、15億47百万円(対前期比6億17百万円減)となりました。国内については、トラックの生産遅延および減産によるクレーン架装の遅れを主因として減収となり、また、鋼材など原材料価格の値上げ等により原価率が悪化して減益となりました。海外については、欧米におけるミニ・クローラクレーン、東南アジア、オセアニアおよび中近東におけるユニッククレーンの出荷が増加し、増収増益となりました。
≪機械事業合計≫
|
前期 |
当期 |
対前期増△減 |
売上高(百万円) |
76,938 |
81,658 |
4,719 |
営業利益(百万円) |
4,679 |
6,093 |
1,414 |
産業機械、ロックドリルおよびユニックの機械事業の合計売上高は、816億58百万円(対前期比47億19百万円増)、営業利益は、60億93百万円(対前期比14億14百万円増)となりました。
〔金 属〕
|
前期 |
当期 |
対前期増△減 |
売上高(百万円) |
102,995 |
111,424 |
8,429 |
営業利益(百万円) |
940 |
1,276 |
336 |
金属部門の売上高は、1,114億24百万円(対前期比84億29百万円増)、営業利益は、12億76百万円(対前期比3億36百万円増)となりました。電気銅の海外相場は、10,247米ドル/トンで始まりましたが、主要中央銀行の金融引締策が加速したことや、中国のゼロコロナ政策の影響で値を下げる展開となり、7月15日には7,000米ドル/トンまで下落しました。その後は、1月に中国の需要回復期待と米利上げ減速観測に支えられ、9,400米ドル/トン台まで一時的に回復しましたが、期末には8,935米ドル/トンとなりました。電気銅の販売数量は減少しましたが、電気金の販売数量は増加し、為替相場が円安に振れたこともあり、増収となりました。
〔電 子〕
|
前期 |
当期 |
対前期増△減 |
売上高(百万円) |
7,271 |
6,926 |
△345 |
営業利益(百万円) |
666 |
500 |
△165 |
電子部門の売上高は、69億26百万円(対前期比3億45百万円減)、営業利益は、5億円(対前期比1億65百万円減)となりました。高純度金属ヒ素は、国内外ともに主要用途である化合物半導体向けの市場が在庫調整期に入ったため、減収となりました。また、窒化アルミセラミックスは、熱対策部品向けや半導体製造装置用部品向けなどの需要が堅調に推移し、増収となりました。コイルは、半導体不足などの影響による自動車の減産の影響を受け、減収となりました。
〔化成品〕
|
前期 |
当期 |
対前期増△減 |
売上高(百万円) |
7,896 |
8,454 |
557 |
営業利益(百万円) |
743 |
532 |
△210 |
化成品部門の売上高は、84億54百万円(対前期比5億57百万円増)、営業利益は、5億32百万円(対前期比2億10百万円減)となりました。売上高については、酸化銅は、パソコン需要が減少し、販売数量が減少したため、銅価の上昇を主因として販売単価が上昇したものの、減収となりました。また、亜酸化銅は、主要用途である船底塗料の需要が回復したことに加え、銅価の上昇を主因として販売単価が上昇し、増収となりました。一方、営業利益については、原料価格の上昇等により製造コストが増加し、減益となりました。
≪素材事業合計≫
|
前期 |
当期 |
対前期増△減 |
売上高(百万円) |
118,163 |
126,804 |
8,640 |
営業利益(百万円) |
2,349 |
2,309 |
△40 |
金属、電子および化成品の素材事業の合計売上高は、1,268億4百万円(対前期比86億40百万円増)、営業利益は、23億9百万円(対前期比40百万円減)となりました。
〔不動産〕
|
前期 |
当期 |
対前期増△減 |
売上高(百万円) |
2,115 |
2,056 |
△58 |
営業利益(百万円) |
743 |
835 |
92 |
不動産事業の売上高は、20億56百万円(対前期比58百万円減)、営業利益は、8億35百万円(対前期比92百万円増)となりました。主力ビルである室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)は、商業施設については、コロナ禍前の水準までは回復していないものの、行動制限の解除に伴って売上げが増加し、また、商業テナントに対する一部賃料の減免がなくなったため、増収となりました。一方で、賃料収入全体としては、事務所賃料収入の減少などにより、減収となりました。
〔その他〕
|
前期 |
当期 |
対前期増△減 |
売上高(百万円) |
1,879 |
3,671 |
1,791 |
営業利益(百万円) |
17 |
△133 |
△150 |
金属粉体事業、鋳物事業、運輸業等を行っています。売上高は、36億71百万円(対前期比17億91百万円増)、営業損失は、1億33百万円(前期は17百万円の利益)となりました。
②財政状態の状況
|
前期 |
当期 |
対前期増△減 |
総資産(百万円) |
229,727 |
232,745 |
3,017 |
負債(百万円) |
129,652 |
126,695 |
△2,957 |
(うち有利子負債 (百万円)) |
65,671 |
62,848 |
△2,822 |
純資産(百万円) |
100,075 |
106,050 |
5,975 |
自己資本比率(%) |
42.3 |
44.2 |
1.9 |
当期末の総資産は、対前期末比30億17百万円増の2,327億45百万円となりました。これは主として、受取手形、売掛金及び契約資産が増加し、現金及び預金や原材料及び貯蔵品が減少したこと、また、売却などにより投資有価証券が減少したことによるものです。有利子負債(借入金)は、対前期末比28億22百万円減の628億48百万円となり、負債合計は、支払手形及び買掛金、未払金の減少などにより、対前期末比29億57百万円減の1,266億95百万円となりました。純資産は、対前期末比59億75百万円増の1,060億50百万円となり、自己資本比率は、対前期末比1.9ポイント増加し44.2%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
|
前期 |
当期 |
対前期増△減 |
営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円) |
8,768 |
6,148 |
△2,620 |
投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円) |
△5,857 |
△1,617 |
4,239 |
財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円) |
△6,568 |
△5,934 |
633 |
現金及び現金同等物(百万円) |
14,468 |
13,606 |
△862 |
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、主として税金等調整前当期純利益の計上などにより61億48百万円の純収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、主として、有形固定資産の取得による支出により、16億17百万円の純支出となり、財務活動によるキャッシュ・フローは、主として、借入金返済による支出や配当金の支払額等の支出により、59億34百万円の純支出となりました。この結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、対前期末比8億62百万円減の136億6百万円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、61億48百万円の純収入で、対前期比26億20百万円の収入減となりました。主として、非資金損益項目等の調整後収入は増加したものの、仕入債務の減少ほかの営業活動に係る資産・負債の増減により支出が増加したこと、また、法人税等の純支払額が増加したことによるものです。
(参考)
|
2021年度 (百万円) |
2022年度 (百万円) |
増△減 (百万円) |
税金等調整前当期純利益 |
9,137 |
8,506 |
△630 |
非資金損益項目等の調整※ |
2,462 |
5,039 |
2,577 |
非資金損益項目等の調整後収入 |
11,599 |
13,546 |
1,946 |
|
|
|
|
営業活動に係る資産・負債の増減 |
△895 |
△4,653 |
△3,757 |
純支払利息および配当金の受取額 |
455 |
579 |
124 |
法人税等の純支払額 |
△2,390 |
△3,324 |
△934 |
|
|
|
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
8,768 |
6,148 |
△2,620 |
※減価償却費や減損損失等の非資金損益項目のほか、営業外損益、特別損益項目の調整を含みます。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期の投資活動によるキャッシュ・フローは、16億17百万円の純支出で、対前期比42億39百万円の支出減となりました。主として、有形固定資産および無形固定資産の取得による支出34億13百万円(対前期比21億58百万円の支出減)、投資有価証券の売却による収入13億80百万円(対前期比12億73百万円の収入増)によるものです。有形固定資産および無形固定資産の取得による支出の減少は、主として、前期は小山工場の新事務所棟建築などがあった産業機械部門における、11億32百万円の支出の減少によるものです。投資有価証券の売却による収入の増加は、政策保有株式について、毎年、保有継続の適否を検証するとともに、資産の有効活用および財務体質の健全化を図るべく適宜売却を進めていることによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期の財務活動によるキャッシュ・フローは、59億34百万円の純支出で、対前期比6億33百万円の支出減となりました。主として、有利子負債(借入金)削減による支出(借入れによる収入および返済による支出の純減)28億69百万円(対前期比11億55百万円の支出減)によるものです。
④生産、受注および販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
産業機械 |
18,128 |
8.5 |
ロックドリル |
34,565 |
17.0 |
ユニック |
28,614 |
△0.8 |
金属 |
106,675 |
10.5 |
電子 |
6,936 |
△4.3 |
化成品 |
7,101 |
9.2 |
その他 |
2,725 |
47.7 |
合計 |
204,748 |
9.4 |
(注)1.生産金額の算出方法は、販売価格および製造原価によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.産業機械、ロックドリルおよびユニックの一部については外注生産を、また、金属は委託製錬を行っております。
b.受注実績
産業機械、ユニックおよびその他の一部については受注生産を行っており、当連結会計年度における受注実績を示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前期比 (%) |
産業機械 |
15,050 |
31.6 |
14,242 |
51.5 |
ユニック |
2,267 |
△47.9 |
1,537 |
△32.0 |
その他 |
645 |
- |
578 |
- |
合計 |
17,962 |
13.7 |
16,357 |
40.3 |
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
産業機械 |
17,943 |
1.2 |
ロックドリル |
35,752 |
15.7 |
ユニック |
27,961 |
△1.2 |
金属 |
111,424 |
8.2 |
電子 |
6,926 |
△4.8 |
化成品 |
8,454 |
7.1 |
不動産 |
2,056 |
△2.8 |
その他 |
3,671 |
95.3 |
合計 |
214,190 |
7.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
古河電気工業(株) |
38,805 |
19.5 |
32,340 |
15.0 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討の内容
(当社グループの当連結会計年度の経営成績)
※画像省略しています。 |
※画像省略しています。 |
当連結会計年度の売上高は、対前期比150億93百万円(7.6%)増加し、2,141億90百万円、営業利益は、対前期比12億97百万円(16.8%)増加し、90億31百万円となりました。営業利益率は、0.3ポイント増加し、4.2%となりました。セグメント別の売上高および営業利益の状況につきましては、(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況に記載のとおりです。
※画像省略しています。 |
※画像省略しています。 |
当連結会計年度の営業外収益は、為替差益14億62百万円(対前期比7億85百万円増)などを計上したことにより、対前期比1億1百万円増加し、31億46百万円となりました。営業外費用は、持分法による投資損失8億60百万円(前期は3億70百万円の持分法による投資利益)などを計上したことにより、対前期比10億47百万円増加し、28億29百万円となりました。以上の結果、経常利益は、対前期比3億51百万円(3.9%)増加し、93億48百万円となりました。
当連結会計年度の特別利益は、投資有価証券売却益3億62百万円(対前期比2億69百万円増)などの計上がありましたが、前期は2021年10月1日付で子会社化した山石金属株式会社の株式取得に伴う負ののれん発生益8億33百万円の計上があったため、対前期比7億3百万円(△63.1%)減少し、4億10百万円となりました。特別損失は、ロックドリル部門の海外販売子会社2社(パナマ、中国)の清算に伴う費用3億24百万円を子会社整理損として計上したほか、古河大阪ビルの解体工事の進捗に対応した費用4億70百万円(前期は6億68百万円)などを計上したことにより、対前期比2億79百万円(28.7%)増加し、12億52百万円となりました。以上の結果、税金等調整前当期純利益は、対前期比6億30百万円(△6.9%)減少し、85億6百万円となりました。
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合計した税金費用は、4億1百万円減少し、20億49百万円となりました。法人税等の負担率は、子会社留保利益による調整(△7.8%)などにより、2.7ポイント減少し、24.1%となりました。なお、法定実効税率30.6%と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因の内訳については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」に記載しています。
非支配株主に帰属する当期純利益は、36百万円増加し、2億45百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、対前期比2億66百万円(△4.1%)減少し、62億11百万円となりました。
(当社グループの当連結会計年度末の財政状態)
※画像省略しています。 |
※画像省略しています。 |
当連結会計年度末の流動資産は、対前期末比36億44百万円(3.8%)増加し、998億82百万円となりました。増加の要因は、金属部門における原材料の数量減少により、棚卸資産が23億35百万円(△4.8%)減少しましたが、受取手形、売掛金及び契約資産が71億58百万円(25.3%)増加したことによるものです。
当連結会計年度末の固定資産は、対前期末比6億26百万円(△0.5%)減少し、1,328億62百万円となりました。減少の要因は、投資有価証券が、売却を主因として11億49百万円(△3.2%)減少したことによるものです。なお、当社の株式の保有状況については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (5) 株式の保有状況」に記載しています。
以上の結果、当連結会計年度末の総資産は、対前期末比30億17百万円(1.3%)増加し、2,327億45百万円となりました。
当連結会計年度末の流動負債は、対前期末比32億52百万円(5.4%)増加し、631億11百万円となりました。増加の要因は、仕入債務(支払手形及び買掛金、電子記録債務)および未払金の合計額が21億59百万円(△5.6%)減少しましたが、短期借入金(1年以内返済予定の長期借入金を含みます。)が、31億3百万円(23.0%)増加したことによるものです。
当連結会計年度末の固定負債は、対前期末比62億9百万円(△8.9%)減少し、635億83百万円となりました。減少の要因は、主に長期借入金が、59億26百万円(△11.4%)減少したことによります。
以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は、対前期末比29億57百万円(△2.3%)減少し、1,266億95百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、対前期末比59億75百万円(6.0%)増加し、1,060億50百万円となりました。増加の要因は、主に親会社株主に帰属する当期純利益62億11百万円を計上し、剰余金の配当19億41百万円を実施したことなどにより、株主資本合計が34億1百万円(4.2%)増加したこと、また、円安が進行したことによる為替換算調整勘定の増加などにより、その他の包括利益累計額合計が22億91百万円(13.7%)増加したことによるものです。
(当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因)
産業機械製品は、主に民間設備投資と公共投資の動向の影響を受けます。ロックドリル製品は、国内では民間設備投資と公共投資の動向、海外では出荷先各国の景気動向の影響を受けます。ユニック製品は、トラックの国内需要動向の影響を受けます。
電気銅をはじめとする金属製品は、原料銅鉱石、地金製品ともに国際市況動向の影響を受け、製錬採算は、鉱石買鉱条件の影響を受けます。電子製品は、半導体市場の動向の影響を受けます。
なお、主要なリスクを含む事業等のリスクについては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しています。
(当社グループの資本の財源および資金の流動性)
a)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b)契約債務
2023年3月31日現在の契約債務の概要は、以下のとおりです。
|
年度別要支払額(百万円) |
||||||
合計 |
1年以内 |
1年超 2年以内 |
2年超 3年以内 |
3年超 4年以内 |
4年超 5年以内 |
5年超 |
|
短期借入金 |
7,449 |
7,449 |
- |
- |
- |
- |
- |
長期借入金 |
55,399 |
9,158 |
6,058 |
3,480 |
7,076 |
6,969 |
22,655 |
リース債務 |
573 |
186 |
154 |
111 |
56 |
30 |
33 |
上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年以内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めています。
当社グループの第三者に対する保証は、連結会社以外の会社の金融機関等からの借入等に対する債務保証です。保証した借入金等の債務不履行が発生した場合、代わりに弁済する義務があり、2023年3月31日現在の債務保証額は、30億15百万円です。なお、運転資金等の効率的な調達を行うため、取引金融機関と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、2023年3月31日現在の契約総額は、505億93百万円(借入実行額74億49百万円)です。
c)連結キャッシュ・フロー配分と資本政策
「2025年ビジョン」達成に向けた最終フェーズを担う「中期経営計画2025」において、経営資源の配分等については、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現するための投資を優先し、そのうえで、安定的・継続的な株主還元を実行することを基本方針としています。
※画像省略しています。
連結キャッシュ・フローの配分については、株主還元に配慮しつつ、堅固な財務基盤の確立を目指し、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現するための設備投資の実施に努めていきます。
「2025年ビジョン」の各フェーズにおける連結キャッシュ・フロー配分の概要は、以下のとおりです。
※画像省略しています。
設備投資ヘの資金配分については、第1フェーズの設備投資実績累計額は164億3百万円(設備投資等の支払額は163億94百万円)、第2フェーズは131億10百万円(設備投資等の支払額は124億59百万円)となりました。第3フェーズの設備投資累計額は200億円を見込み、70%に当たる140億円をコア事業と位置づける機械事業に投下する予定です。今後もモノづくり力の強化を支える設備投資を実施していきます。
有利子負債(借入金)の削減については、2016年度末の有利子負債(借入金)残高735億7百万円から、第1フェーズで30億94百万円、第2フェーズで75億64百万円を削減(「連結キャッシュ・フロー配分の概要」の有利子負債の増△減には、為替換算差額による増△減額を含んでいません。)し、当連結会計年度末の有利子負債(借入金)残高は、628億48百万円となりました。第3フェーズでは有利子負債100億円の削減を予定しており、引き続き、金融情勢に左右されない資金調達を可能にする堅固な財務基盤の確立を目指していきます。更に、「2025年ビジョン」の最終年度となる2025年度には、日系格付機関による発行体格付で、現行の「BBB+」から「A-」以上の格付引上げが可能となる財務水準をイメージし、今後とも継続して財務の健全性向上に努めていきます。
※画像省略しています。
配当については、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現するための投資を優先したうえで、増配および中間配当の実施を検討し、原則として1株当たり50円以上の年間配当金および連結自己資本総還元率3%以上を目安として、安定的・継続的な利益還元に努めていきます。第1フェーズの剰余金の処分累計額は59億58百万円で、平均の連結自己資本総還元率は3.2%でした。第2フェーズの剰余金の処分累計額は58億円で、平均の連結自己資本総還元率は2.6%でした。
自己株式の取得・消却については、株価の動向や資本効率、キャッシュ・フロー等を勘案しつつ適宜検討していきます。なお、1事業年度における自己株式の取得の目安は、おおむね10億円程度とします。第1フェーズで取得した自己株式の総数は1,186,300株、取得価額の総額は16億28百万円、第2フェーズは1,099,400株、13億87百万円(「連結キャッシュ・フロー配分の概要」の自己株式の取得額には、単元未満株式の買取請求による自己株式の取得を含みます。)でした。
政策保有株式の縮減については、毎年、個別の銘柄ごとにその保有目的、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか、また同時に定性面、定量面からの総合的な判断を含め精査し、保有継続の適否を検証しています。保有の必要性が認められなくなった銘柄は、適宜売却を行うなど縮減に努め、縮減に関する指標として、政策保有株式の連結純資産に対する比率を継続的に開示していきます。当連結会計年度末の比率は35.1%となりました。
(当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
創業150周年を迎える2025年度に向けた当社グループの2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」において連結営業利益150億円超の常態化、二桁台のROEを掲げ、「2025年ビジョン」を具現化していくための最終フェーズ(2023年度~2025年度)を担う「中期経営計画2025」を策定し、最終年度である2025年度に、連結営業利益130億円程度、ROE8%程度とする経営指標を設定しました。
目標達成に向けての成長戦略として、事業ポートフォリオの見直し強化に加え、各事業部門内の事業(製品)ポートフォリオ戦略も可視化し、収益性の改善や低収益事業(製品)の見極めを推進していきます。特に、コア事業と位置づける機械事業については、持続的拡大を新たなステージに引き上げるために、経営資源を集中していきます。
ROE向上に向けた取り組みの強化については、投資に伴うリスクおよび資本コストを勘案した採算性に留意し、個別の投資判断を行うとともに、効率性、収益性の改善に努めます。また、資本コストを活用した事業ポートフォリオマネジメントを運用することにより、経営資源配分の全体最適を追求し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現していきます。
※画像省略しています。
※画像省略しています。
(セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析検討の内容)
ROE向上の取り組みの強化・浸透を図るべく、ROA(総資産営業利益率)をセグメントごとの経営指標・管理指標とし、ROAの構成要素として収益性(売上高営業利益率)、効率性(総資産回転率)の改善に取り組んでいます。2016年度(比較基準年)、2019年度(第1フェーズの最終年度)および2022年度(第2フェーズの最終年度)の状況は以下のとおりです。なお、セグメントごとの今後の課題については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(5)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題」に記載のとおりです。
※画像省略しています。
※画像省略しています。
産業機械部門のROAは、2016年度(比較基準年)の0.5%から、第1フェーズの最終年度である2019年度には12.9ポイント改善して13.4%、第2フェーズの最終年度である2022年度には5.5ポイント改善して6.0%となりました。単なる機器メーカーからの脱却を目指し、エンジニアリング力の強化を図ってきた成果として、コントラクタ事業の拡大や、マテリアル機械におけるセクションプラント工事案件への技術提案による受注獲得などが、業績向上に大きく貢献し、収益性(営業利益率)が改善しました。収益性(営業利益率)については、2019年度は、複数の大型プロジェクト案件の出来高に対応した売上の計上があったことにより、12.2%と高い水準となりましたが、第2フェーズにおいても、安定的に推移(2020年度 10.7%、2021年度 6.8%、2022年度 7.3%)しました。
※画像省略しています。
ロックドリル部門のROAは、2016年度(比較基準年)の2.9%から、第1フェーズの最終年度である2019年度には2.5ポイント悪化して0.4%、第2フェーズの最終年度である2022年度には5.2ポイント改善して8.1%となりました。第1フェーズにおいては、2017年度および2018年度は、国内外ともに出荷が好調で、収益性(営業利益率)の改善を主因にROAも改善しましたが、2019年度には、油圧クローラドリルの先進国での排ガス規制対応に伴うコストアップおよび設備投資による減価償却費などの負担増加による収益性(営業利益率)の悪化に加え、固定資産投資のほか在庫投資の増加などにより効率性(総資産回転率)も悪化しました。第2フェーズにおいては、2020年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が大きく、営業損失を計上しましたが、2021年度および2022年度は、国内外ともに増収となったことにより、収益性(営業利益率)が改善し、また、売上債権回転率の改善や、在庫水準適正化の取り組みによる棚卸資産回転率の改善を主因として、効率性(総資産回転率)も改善しました。
※画像省略しています。
ユニック部門のROAは、2016年度(比較基準年)の11.2%から、第1フェーズの最終年度である2019年度には1.8ポイント改善して13.0%、第2フェーズの最終年度である2022年度には6.2ポイント悪化して5.0%となりました。第1フェーズにおいては、国内では、ユニッククレーンの操作性・安全性を格段に高めたフルモデルチェンジ機(G-FORCEシリーズ)の安全強化モデルの販売や、海外では、販売店網の再整備・販売力の強化に加え、海外輸出機の生産拠点の拡張、整備を行い、また、2016年度から開始した佐倉工場の設備投資による生産効率の向上などにより、収益性(営業利益率)が改善しました。第2フェーズにおいては、2021年度以降、国内において、海外部品の調達難に伴うトラックの生産遅延や減産によるクレーン架装の遅れを主因として減収となり、また、鋼材など原材料価格の値上げ等による原価率の悪化により、収益性(営業利益率)が悪化しました。ユニック部門では、佐倉工場の設備投資に伴う減価償却費負担が増加し、固定資産回転率が悪化しているため、収益性(営業利益率)の改善とともに、設備投資効果の追求と最大化が課題となっています。
※画像省略しています。
金属部門のROAは、第1フェーズにおいては、収益性(営業利益率)の悪化により、2016年度(比較基準年)の6.2%から第1フェーズの最終年度である2019年度には5.1ポイント悪化し、1.1%となりました。第2フェーズにおいては、金属価格の上昇による増収増益に加え、銅生産量減少による委託製錬収支の改善もあり、効率性(総資産回転率)および収益性(営業利益率)ともに改善し、第2フェーズの最終年度である2022年度には3.7%となりました。金属部門では、原料銅鉱石、地金製品ともに国際的な需給バランス、投機的取引、国際政治・経済情勢など国際市況の動向の影響を受け、製錬採算は、鉱石買鉱条件の影響を受けるため、収益の変動は大きくなります。特に、近年の銅製錬事業環境については、主に中国の旺盛な買鉱需要を背景とした需給の不安定化による鉱石買鉱条件の悪化に加え、製錬会社においては、増加する環境対策投資および老朽化する施設に対する維持更新投資ならびにその減価償却費の負担、操業費用の高騰などにより、製錬費の高止まり傾向が続き、製錬採算は年々厳しいものとなっています。このことから、委託製錬の事業性は厳しいものと判断し、2023年3月末をもって小名浜製錬株式会社との委託製錬契約を終了しました。これにより、不採算である輸出を大幅に削減することが可能となり、金属部門の重点課題である委託製錬事業の抜本的な見直しにめどが立ち、委託製錬損益の採算を確保し、ROAの改善に寄与するものと判断しています。
※画像省略しています。
電子部門のROAは、2016年度(比較基準年)の0.2%から、第1フェーズの最終年度である2019年度には0.7ポイント悪化して△0.5%、第2フェーズの最終年度である2022年度には5.8ポイント改善して6.0%となりました。第1フェーズにおいては、2017年度および2018年度は、成熟製品と位置づける高純度金属ヒ素が、主要用途である化合物半導体用などが好調であったことなどによる収益性(営業利益率)の改善を主因にROAも改善しましたが、第1フェーズの最終年度である2019年度は、半導体市況の悪化による成熟製品の減収減益を主因として営業損失を計上しました。第2フェーズにおいては、高純度金属ヒ素は、化合物半導体用などの需要が安定し堅調であったこと、また、戦略製品と位置づける窒化アルミセラミックスは、熱対策部品向けや半導体製造装置用部品向けなどの需要が増加し、増収となったことにより、効率性(総資産回転率)および収益性(営業利益率)ともに改善しました。電子部門では、電子機器の高性能化や高集積化、微細化、薄型化が進み、それに伴う放熱部材の需要が高まっている窒化アルミセラミックスの生産能力増強のための設備投資を行っており、収益基盤の強化を図っていきます。
※画像省略しています。
化成品部門のROAは、第1フェーズにおいては、硫酸、亜酸化銅、酸化銅などの既存製品や高品質硫酸の増販などによる安定的な収益計上による収益性(営業利益率)の改善により、2016年度(比較基準年)の0.7%から第1フェーズの最終年度である2019年度には2.4ポイント改善し、3.1%となりました。第2フェーズにおいては、酸化銅は、基板用向けの需要が旺盛であり、また、銅価の上昇を主因とした販売単価の上昇による増収により、効率性(総資産回転率)および収益性(営業利益率)ともに改善し、3.1%となりました。化成品部門では、酸化銅の生産設備について増産投資を予定しており、既存製品の収益拡大と高品質硫酸の差別化展開強化、金属銅粉の事業化・育成に取り組んでいきます。
※画像省略しています。
不動産事業のROAは、2016年度(比較基準年)の4.0%から、第1フェーズの最終年度である2019年度には1.3ポイント悪化して2.7%、第2フェーズの最終年度である2022年度には0.9ポイント悪化して3.1%となりました。第1フェーズにおいては、2017年度および2018年度は、主力ビルである室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)の順調な稼働により、ROAも4%前後を維持していましたが、2019年度には、2019年12月に閉館した古河大阪ビルのテナント退出による賃料収入減少、また、室町古河三井ビルディングの大口事務所テナントの減床に伴う賃料収入の減少により、収益性(営業利益率)が悪化しました。第2フェーズにおいては、新型コロナウイルス感染症拡大により、臨時休館や来館者の減少などの影響を受けた室町古河三井ビルディングの商業テナントに対して、2020年度および2021年度に実施していた一部賃料の減免は、2022年度にはなくなりましたが、賃料収入全体としては、事務所賃料の減少などにより減収となりました。不動産事業では、経営資源の有効活用を図ることを目的として、遊休資産や収益貢献が見込まれなくなった資産の売却を進めるなど、効率性(総資産回転率)の維持に努めていきます。
②重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。