売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E02296 Japan GAAP

売上高

447.4億 円

前期

440.2億 円

前期比

101.6%

時価総額

240.3億 円

株価

601 (04/23)

発行済株式数

39,985,017

EPS(実績)

43.38 円

PER(実績)

13.85 倍

平均給与

539.8万 円

前期

554.4万 円

前期比

97.4%

平均年齢(勤続年数)

42.8歳(20.7年)

従業員数

522人(連結:1,940人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループは、当社および子会社27社と関連会社7社で構成され、工業用ファスナーおよび工具類(ファスナー事業)、産業用機械および精密機器(産機事業)、計測制御機器およびその他製品(制御事業)、医療機器(メディカル事業)の製造および販売を主たる事業の内容としております。

 当社グループの事業における位置付けおよびセグメントとの主な関連は、次のとおりであります。

 

(1)ファスナー事業

 当部門は、精密ねじ部品を基軸に、大幅な合理化を推進する特殊冷間圧造部品などの製造、販売を行っております。当社は、上記製品の設計、原材料の調達、加工、検査、包装までを一貫して行い、関係会社から仕入れた完成品とともに、これら製品を国内およびアジア、北米を中心とする海外市場にて販売しております。

 国内には、工業用ファスナーの製造・販売を行っている東洋圧造㈱、㈱協栄製作所およびケーエム精工㈱、工業用ファスナーに使用される工具類の製造・販売を行っている東陽精工㈱、工業用ファスナーの製造工程の一部を受託している㈱ニッセイおよび㈱ファイン、精密プレス製品および金型の製造・販売を行っている㈱伸和精工、工業用ファスナーなどの販売を行う関係会社4社(和光㈱、松浦屋㈱、他2社)があります。また、海外には、工業用ファスナーなどの製造・販売を行っている関係会社10社(PT.NITTO ALAM INDONESIA、旭和螺絲工業股份有限公司他8社)などがあります。

 

(2)産機事業

 当部門は、組立工場の自動化、高品質化、高効率化を実現するための自動ねじ締め機、自動リベットかしめ機、搬送コンベア、各種ロボット等の製造、販売を行っております。国内においては、当社および日東公進㈱において、設計、原材料の調達、加工、組立、検査、梱包までを一貫して行い、これら製品を国内および海外各地域で販売しております。また、海外には、産業用機械の製造・販売を行っているTHAI NITTO SEIKO MACHINERY CO.,LTD.およびNITTO SEIKO AMERICA CORPORATIONがあります。

 

(3)制御事業

 当部門は、長年培ってきた精密加工技術を活かし、各種流量計をはじめ数多くの流体計測機器、画像センサを用いた高性能検査選別装置、地盤調査用の自動貫入試験機そして環境負荷を低減するマイクロバブル洗浄装置などを製造、販売しております。国内には、分析関連機器の開発・製造・販売・メンテナンスを行っている日東精工アナリテック㈱があります。また、海外には、分析機器・計測機器の販売・技術サービスおよびアプリケーション開発を行っているNITTOSEIKO ANALYTECH EUROPE GMBHがあります。

 

(4)メディカル事業

 当部門は、医療用ねじの製造で培った技術や経験を活かして、医療用照明機器などの製造、販売を行っております。

 

[事業系統図]

 事業の主な系統図は以下のとおりであります。

※画像省略しています。

 

24/03/28

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、インフレの長期化に伴う欧米を中心とする金融引き締めに加え、中東やウクライナ情勢等の地政学リスクの高まりや中国経済の減速懸念等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。わが国においては、ウィズコロナにおける消費活動の活発化やインバウンド需要の回復、雇用環境の改善等により景気に持ち直しの動きが見られる一方で、海外経済の減速や物価上昇による実質賃金の伸び悩み等により力強さを欠く状況となりました。

このような経営環境において、当社グループは、持続可能な成長重視の4つの戦略(事業拡大戦略・環境戦略・人財戦略・財務戦略)を掲げた中期経営計画「Mission G-second(2023年~2025年)」のもと、欧州市場への進出のほか、生産性向上とCO₂排出量削減を目的とした生産拠点の集約・最適化、中期経営計画目標に連動した株式報酬制度の導入、グループ資金の有効活用による有利子負債の削減等、当社グループや社会を取り巻く課題に対して、積極的に取り組みました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ6千3百万円減少し、533億4千4百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ19億6千4百万円減少し、169億4千1百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ19億円増加し、364億2百万円となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の売上高は447億4千4百万円(前年同期比1.6%増)、営業利益は26億1千4百万円(前年同期比10.8%減)、経常利益は28億3千5百万円(前年同期比12.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は17億3千4百万円(前年同期比5.1%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

<ファスナー事業>

当事業につきましては、2022年4月に子会社化したケーエム精工株式会社および株式会社ピニングが業績に貢献しましたが、資源価格の高止まりや原材料価格の高騰により厳しい利益環境となりました。また、コロナ禍において需要先の生産調整で増加した流通在庫は、夏以降に在庫調整が終了し受注回復の兆しが見られましたが、自動車メーカーの生産停止問題等もあり、終盤の受注環境は再度失速しました。

このような状況のもと、製造時の環境負荷低減や製品物流の工程間短縮を図るため、製造工場の集約を推進しました。また、自動車関連業界を中心に需要が増加傾向にある、薄板の締結に貢献する「ジョイスタッド」、電子基板の締結時に発生する切粉の飛散や落下を防止する「CPグリップ」など、自動車の軽量化やCASE関連製品の需要拡大を図りました。併せて、ドイツで開催の展示会(Fastener Fair Global 2023)に出展し、欧州市場の開拓に努めました。

この結果、売上高は328億5千5百万円(前年同期比2.0%増)、営業利益は16億2千5百万円(前年同期比1.4%減)となりました。

<産機事業>

当事業につきましては、海外では、アジア地域において、ユーザー訪問強化に取り組んだことにより堅調に推移する一方、米国・中国における設備投資意欲の低迷などにより厳しい事業環境となりました。国内は、自動車関連業界を中心に引き合いは回復傾向にあるものの、標準機を中心に需要が低迷しました。また、エネルギー・原材料価格の高騰に対する製品価格への転嫁を促進しましたが、利益環境は厳しい状況となりました。

このような状況のもと、欧州市場の拡充や海外の非日系企業との取引拡大に努めました。また、省人化対応としてのロボットの需要増加を見据え、台湾のテックマンロボット社製協働ロボットTMシリーズの「TM Plug&Play」に対応したねじ締めユニット「PD400TM」シリーズをラインナップに加え市場の開拓に努めました。併せて、持続可能なコストの削減を目指した購買業務の最適化に取り組みました。

この結果、売上高は59億5千5百万円(前年同期比8.6%減)、営業利益は8億2千2百万円(前年同期比33.0%減)となりました。

<制御事業>

当事業につきましては、流量計は、主な需要先である造船業界において、カーボンニュートラルに伴う新燃料への対応製品の受注が増加しました。システム製品は、省人化・自動化対応としての検査選別装置や環境意識の高まりから洗浄液に溶剤等を使用しないマイクロバブル洗浄装置の引き合いが増加しました。地盤調査機「ジオカルテ」は、資源価格の高止まりによる住宅需要の低迷から低調に推移しました。分析機器は、電子部品など部材の供給不足の解消が進み、水分計・元素計を中心に販売が国内外で大幅に増加しました。

このような状況のもと、欧州市場開拓の足掛かりとして、グループ会社の日東精工アナリテック株式会社が、ドイツ・デュッセルドルフを拠点とした子会社を設立しました。また、取込画像を自ら学習し判定を行い、これまでの手法では困難であった検査にも、簡単な設定・操作で対応可能な高性能検査選別装置「ミストルAI」を市場に投入しました。併せて、加工部品の内製化による安定的かつ低コストな生産体制の確立に努めました。

この結果、売上高は59億1千5百万円(前年同期比11.7%増)、営業利益は2億7千8百万円(前年同期比76.4%増)となりました。

<メディカル事業>

当事業につきましては、団塊世代の高齢化など、医療を必要とする高齢者が増加する中、需要先である医療機関においては、コロナ禍において落ち込んだ経営状況も徐々に回復傾向となりましたが、コロナ補助金の減額、食材物価高騰や人材不足解消・待遇改善のための賃金引上げの対応等により、引き続き厳しい事業環境となっております。

このような状況のもと、医療従事者や患者の負担軽減に繋がる「医療用生体内溶解性高純度マグネシウム材料(6月23日に日本国特許取得)」の早期製品化に向け、一貫製造設備の構築と非臨床試験に向けた試料の製作、性能試験に加え、医師の手技確立を目的とした動物実験に取り組みました。

この結果、売上高は1千7百万円(前年同期比64.1%増)、営業損失は1億1千2百万円(前年同期は営業損失1億2百万円)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ2億7千8百万円減少し、80億2千7百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金は、31億5千1百万円の収入(前期は9億9千9百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益28億3千万円に加え、減価償却費14億8千9百万円や売上債権の減少13億4千8百万円などによる資金の増加があった一方、法人税等の支払額10億4千万円、棚卸資産の増加8億2千9百万円や仕入債務の減少4億2千8百万円などによる資金の減少があったことなどによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金は、11億8千7百万円の支出(前期は19億8千7百万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入4億3千6百万円などによる資金の増加があった一方、有形固定資産の取得による支出11億3千1百万円や定期預金の預入による支出4億5千3百万円などによる資金の減少があったことなどによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金は、20億7千4百万円の支出(前期は13億1百万円の支出)となりました。これは主に、自己株式の売却による収入2億8千6百万円などによる資金の増加があった一方、借入金の返済10億6千3百万円、配当金の支払6億3千6百万円や自己株式の取得による支出5億6百万円などによる資金の減少があったことなどによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

(注)「(a)生産実績」及び「(b)受注実績」における金額は販売価格によっております。

(a)生産実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

ファスナー

26,422,968

100.4

産機

5,600,728

93.4

制御

6,757,183

107.3

メディカル

11,443

123.4

合計

38,792,324

100.4

 

(b)受注実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

ファスナー

32,746,182

98.8

3,903,207

97.3

産機

6,234,881

94.1

1,903,277

117.2

制御

6,099,690

104.7

1,906,223

110.7

メディカル

17,035

161.0

合計

45,097,790

98.9

7,712,707

104.8

 

(C)販売実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

ファスナー

32,855,853

102.0

産機

5,955,847

91.4

制御

5,915,303

111.7

メディカル

17,158

164.1

合計

44,744,163

101.6

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態は、次のとおりであります。

(資産)

 当連結会計年度における資産の残高は、棚卸資産が9億4千2百万円、退職給付に係る資産が6億1千8百万円増加した一方、受取手形及び売掛金が11億6千7百万円、未収入金が2億5千1百万円、現金及び預金が2億4千8百万円減少したことなどにより前連結会計年度末に比べ6千3百万円減少し、533億4千4百万円(前年同期比0.1%減)となりました。

(負債)

 当連結会計年度における負債の残高は、繰延税金負債が1億8千9百万円増加した一方、借入金が10億6千3百万円、退職給付に係る負債が7億1千6百万円、電子記録債務が2億6千3百万円減少したことなどにより前連結会計年度末に比べ19億6千4百万円減少し、169億4千1百万円(前年同期比10.4%減)となりました。

(純資産)

 当連結会計年度における純資産の残高は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等に伴う利益剰余金の増加10億9千8百万円や為替換算調整勘定が3億7千5百万円、退職給付に係る調整累計額が3億4千万円増加したこと

などにより、前連結会計年度末に比べ19億円増加し、364億2百万円(前年同期比5.5%増)となりました。

 

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、次のとおりであります。

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は、自動車関連や住宅・建築業界向けのファスナー製品や化学・薬品業界向けの分析機器などの制御製品が好調に推移するとともに、2022年4月に実施したM&Aによる連結子会社増加の影響もあり、447億4千4百万円(前年同期比1.6%増)と過去最高額を計上しました。

(営業利益)

 資源・原材料価格の高騰を受け販売価格の改定や製販一体となったコストダウンを進めたものの、米国・中国経済の減速による受注低迷の影響が大きく、26億1千4百万円(前年同期比10.8%減)となりました。

(経常利益)

 受取賃貸料9千2百万円や円安の進展による為替差益5千7百万円の計上などにより、28億3千5百万円(前年同期比12.4%減)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 退職給付制度移行に伴う改定益が3千6百万円発生した一方で、投資有価証券評価損5千万円を計上したことなどにより、17億3千4百万円(前年同期比5.1%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

 a.資金需要

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料および部品の購入費や製造経費のほか、販売費および一般管理費等であります。また、設備投資需要としては建物や機械装置等の生産設備の投資等があります。

 

 b.財務政策

 当社グループは、運転資金および設備資金については、内部資金または借入により資金調達することにしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備など長期資金につきましては、長期借入金で調達しております。前連結会計年度より、グループ会社との間でCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、グループ各社における余剰資金の有効活用に努めております。

 当連結会計年度末において、取引銀行2行と20億円の貸出コミットメントライン契約(借入実行残高12億円、借入未実行残高8億円)を、また、取引銀行12行との間で合計27億3千5百万円の当座貸越契約(借入実行残高2億2百万円、借入未実行残高25億3千2百万円)を締結しております。

 

③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況

 2023年2月14日に公表いたしました当連結会計年度の当初業績予想に対しては、売上高は3.8%減、営業利益は25.3%減、営業利益率は5.8%(業績予想は7.5%)となりました。

 今後も、資源価格の高止まり、地政学リスクの高まりや中国経済の減速懸念等、先行き不透明な状況が続くと予想されますが、昨年末以降、価格転嫁については理解醸成が進みつつあり、生産性向上活動と並行して利益の創出に取り組んでまいります。また、競合他社との価格競争から脱却を図るべく、新製品をはじめとする高付加価値製品を国内外に市場投入し、成長戦略を再び軌道に戻します。

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値および偶発債務の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りおよび仮定設定を行い、提出日現在において判断したものであり、将来に関しては不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。