E01402 Japan GAAP
前期
474.4億 円
前期比
112.6%
株価
489 (04/19)
発行済株式数
34,057,923
EPS(実績)
16.35 円
PER(実績)
29.90 倍
前期
574.0万 円
前期比
101.9%
平均年齢(勤続年数)
39.4歳(16.4年)
従業員数
664人(連結:2,262人)
当社の企業集団は、サンコール株式会社(当社)と子会社11社及び関連会社5社で構成され、「自動車分野」、「電子情報通信分野」における製品、及び「その他製品」を製造・販売しております。
(1) 「自動車分野」の製造・販売事業における区分は、次のとおりであります。
[材料関連製品](日本、北米、アジア)
オイルテンパー線、硬鋼線、ピストンリング材、精密異形線、精密細物ピアノ線等の製造・販売を行っております。
[自動車関連製品](日本、北米、アジア)
自動車エンジン用弁ばね、AT部品、自動車用安全装置機能部品、ABS用センサーリング、ABS用アクチュエーター、バルブコッター、ブーツクランプ、各種異形ばね、異形リング、細工ばね、薄板ばね、リアクトルコイル、LED関連、バスバー、シャントバスバー、電流センサー等の製造・販売を行っております。
(2) 「電子情報通信分野」の製造・販売事業における区分は、次のとおりであります。
[HDD用サスペンション](日本)
ハードディスク・ドライブ用サスペンションの製造・販売を行っております。
[プリンター関連](日本、アジア)
プリンター用精密紙送りローラー等の製造・販売を行っております。
[通信関連](日本、北米、アジア)
光ファイバー用精密部品等の製造・販売を行っております。
(3) 「その他製品」(日本)の製造・販売事業における位置付けは、次のとおりであります。
電子回路検査機器用プローブ、歩行アシストロボット等の製造・販売を行っております。
事業の系統図は、次のとおりであります。※画像省略しています。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症からの回復が一巡する一方で、ロシアのウクライナ侵攻長期化によるエネルギー・食料価格の高騰や、各国の金融引き締めにより景気後退懸念が深まってまいりました。
また、わが国経済においては社会経済活動の正常化が進みつつある中、非製造業で改善が見られるものの、製造業においては不安定な為替相場・原材料価格の高騰・エネルギー価格高騰が継続しており、収益の下押し要因となっております。
当社グループの主な事業領域である自動車分野は、半導体不足等供給制約は緩和し始めているものの、自動車生産の回復については停滞感が継続しております。
また、電子情報通信分野では、デジタル社会進展によりデータセンター向け投資に旺盛な需要が続いておりましたが、9月以降各国の金融引き締めや地政学的リスクによる景気後退の懸念が強まり、データセンター向け投資抑制の影響が継続しております。
当社グループの業績もこのような外部環境の影響を強く受け、売上高は533億99百万円(前連結会計年度比12.6%増)となりました。
利益面では、鋼材値上げやエネルギー・輸送コストアップ、HDD用サスペンションでの新機種増産準備にかかる費用の増加及び訴訟対応に要する弁護士費用・その他の費用などの影響により営業利益は3億4百万円(同53.1%減)、為替差益の発生や受取配当金により経常利益は8億48百万円(同17.0%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、2022年12月16日に公表致しました連結子会社の補償費用や投資有価証券売却益を計上した結果、5億57百万円(同38.4%減)となりました。
≪セグメント別の業績≫
[日本]
電子情報通信分野でHDD用サスペンションの上期需要増や円安の影響から、セグメント売上高は354億35百万円(前連結会計年度比8.5%増)となりました。利益面では自動車分野での鋼材値上げやエネルギー・輸送コストアップ、HDD用サスペンションでの新機種増産準備にかかる費用の増加及び訴訟対応に要する弁護士費用・その他の費用などの影響により、セグメント損失は2億28百万円(前連結会計年度は5億83百万円のセグメント利益)となりました。
[北米]
メキシコ子会社、米国子会社の自動車関連製品は、自動車減産の影響を受け回復が鈍化しておりますが、円安及び鋼材価格アップ分の価格転嫁により、セグメント売上高は81億66百万円(前連結会計年度比26.4%増)となりました。利益面ではセグメント損失は2億23百万円(前連結会計年度は3億97百万円のセグメント損失)となりました。
[アジア]
自動車分野は、自動車減産の影響を受け回復が鈍化しておりますが、通信関連及びプリンター関連が増加しました。
結果として、セグメント売上高は118億36百万円(前連結会計年度比16.1%増)、セグメント利益は16億30百万円(同31.4%増)となりました。
≪製品区分別の売上業績は次のとおりであります。≫
製品区分の名称 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
|
|
|||
自 2021年4月1日 |
自 2022年4月1日 |
増 減 |
|||||
至 2022年3月31日 |
至 2023年3月31日 |
|
|
||||
金 額 |
構成比 |
金 額 |
構成比 |
金 額 |
前期比 |
||
|
|
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
|
材料関連製品 |
6,447 |
13.6 |
7,430 |
13.9 |
983 |
15.2 |
|
自動車関連製品 |
24,330 |
51.3 |
26,487 |
49.6 |
2,157 |
8.9 |
自動車分野 |
30,777 |
64.9 |
33,918 |
63.5 |
3,140 |
10.2 |
|
|
HDD用サスペンション |
10,948 |
23.0 |
12,931 |
24.2 |
1,983 |
18.1 |
|
プリンター関連 |
3,694 |
7.8 |
4,239 |
8.0 |
544 |
14.7 |
|
通信関連 |
1,228 |
2.6 |
1,563 |
2.9 |
334 |
27.3 |
電子情報通信分野 |
15,871 |
33.4 |
18,734 |
35.1 |
2,862 |
18.0 |
|
その他製品 |
789 |
1.7 |
746 |
1.4 |
△42 |
△5.4 |
|
合 計 |
47,438 |
100.0 |
53,399 |
100.0 |
5,960 |
12.6 |
(自動車分野)
[材料関連製品]
材料関連製品は、メキシコ子会社の売上が為替影響により前連結会計年度から増加しました。その結果、売上高は74億30百万円(前連結会計年度比15.2%増)となりました。
[自動車関連製品]
自動車関連製品は、中国のロックダウン(都市封鎖)や半導体不足等供給制約の継続による自動車生産の減産影響がありましたが、バスバー等電動化関連やLED関連製品等一部の製品で大きく増加し全体としては前連結会計年度から増加しました。その結果、売上高は264億87百万円(前連結会計年度比8.9%増)となりました。
(電子情報通信分野)
[HDD用サスペンション]
HDD用サスペンションは、上期旺盛なデータセンター向け投資の高い需要が継続しておりましたが、9月以降各国の金融引き締めや地政学的リスクによる景気後退の懸念が強まり、データセンター向け投資抑制の影響が発生しております。結果、通期としては上期需要増と円安の影響から、売上高は129億31百万円(前連結会計年度比18.1%増)となりました。
[プリンター関連]
プリンター関連は、新型コロナウイルス感染症の影響によるリモートワークへの移行により家庭用(コンシューマ向け)の需要増加があった前連結会計年度から減少が続いておりましたが、下期から増加し、売上高は42億39百万円(前連結会計年度比14.7%増)となりました。
[通信関連]
通信関連は、主な市場である北米・アジアにおける需要回復の影響や新規拡販により、売上高は15億63百万円(前連結会計年度比27.3%増)となりました。
(その他製品)
その他製品では開発品の量産移行による製品区分の変更影響があり、売上高は7億46百万円(前連結会計年度比5.4%減)となりました。
②財政状態の状況
[資産]
総資産は637億35百万円(前連結会計年度末比58億3百万円増)となりました。これは主に、棚卸資産が23億50百万円、HDD用サスペンションの能増投資等により有形固定資産が15億84百万円、関係会社株式の取得等により投資有価証券が13億89百万円増加したことによります。
[負債]
負債は256億96百万円(前連結会計年度末比49億46百万円増)となりました。これは主に、流動負債のその他に含まれる設備投資等に係る未払金が9億15百万円増加したほか、短期借入金及び長期借入金が40億10百万円増加したことによります。
[純資産]
純資産は380億38百万円(前連結会計年度末比8億56百万円増)となりました。これは主に、利益剰余金が配当により6億68百万円、投資有価証券の売却等によりその他有価証券評価差額金が2億16百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が5億57百万円、為替変動等により為替換算調整勘定が12億63百万円増加したことによります。
③ キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1億97百万円増加し、当連結会計年度末には77億7百万円となりました。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動によるキャッシュ・フローは、16億91百万円の収入(前連結会計年度比14億78百万円の収入減)となりました。増加要因としては、主に減価償却費(42億3百万円)のほか、税金等調整前当期純利益(9億34百万円)があり、減少要因としては、棚卸資産の増加額(17億99百万円)、法人税等の支払額(5億46百万円)などがあったことによります。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動によるキャッシュ・フローは、49億46百万円の支出(前連結会計年度比1億23百万円の支出増)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入(8億45百万円)があった一方、関係会社株式の取得による支出(17億19百万円)や固定資産の取得による支出(40億7百万円)があったことによります。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動によるキャッシュ・フローは、27億80百万円の収入(前連結会計年度比16億26百万円の収入増)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出(5億69百万円)及び配当金の支払額(6億67百万円)があったものの、外部借入れによる収入(42億27百万円)があったことによります。
④資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは手許資金、株主還元、投資への資金配分を重視し、強固な財務基盤を築いてまいりましたが、近年は持続的成長可能な企業の実現に向けて成長投資を加速させております。当方針については今後も継続する予定にしており、事業環境の変動等により一時的に資金の保有水準が低下することも予想されますが、資本コストを上回る厳選した投資判断をいたします。
また、当社は資金調達の機動性及び安定性の確保を図るため、既に借入枠の設定及び借入実行をしており、機動的かつ円滑な資金調達が可能な体制を構築しております。当社の資金調達余力に問題はないと考えておりますが、今後の事業環境の変化等を注視しつつ、現在必要とされる資金水準を充分満たす流動性を保持し、財務の健全性維持に努めてまいります。
⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表及び財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」 及び 「2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
⑥生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産、受注及び販売の実績は売上実績に類似しているため、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」をご参照下さい。
主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
売上高(百万円) |
割合(%) |
売上高(百万円) |
割合(%) |
|
WESTERN DIGITAL STORAGE TECHNOLOGIES (PHILIPPINES) CORP |
9,249 |
19.5 |
8,861 |
16.6 |