E01393 Japan GAAP
前期
217.2億 円
前期比
113.4%
株価
1,345 (04/23)
発行済株式数
4,153,370
EPS(実績)
14.48 円
PER(実績)
92.88 倍
前期
457.4万 円
前期比
110.3%
平均年齢(勤続年数)
42.8歳(14.4年)
従業員数
366人(連結:1,959人)
当社の企業集団は、当社、連結子会社14社及び非連結子会社2社で構成され、日本、米州、欧州、アジアにおいて、精密ばねの製造販売を主な内容として事業活動を展開しております。
当企業集団の主な事業に係る位置付け及びセグメントの関連は、次のとおりであります。
なお、次の区分は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。
非連結子会社であるAdvanex Deutschland GmbHは、2023年5月29日の取締役会で清算決議をしております。
※1 連結子会社
※2 非連結子会社
企業集団の系統図
企業集団の状況について事業系統図で示すと次のとおりであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、中国のゼロコロナ政策解除など国内外で行動制限が緩和されたものの、エネルギーコストや物流コストの上昇、インフレの加速に各国中央銀行の急激な金利引き上げなど不透明な状況が続いています。当社の主要市場である自動車業界は、中国での減速や半導体不足を理由に生産計画の下方修正が相次ぐなど厳しい状況が続きました。
このような状況のもと、当連結会計年度における売上高は前連結会計年度比13.4%増の246億28百万円、営業利益は同58.7%減の61百万円となりました。経常利益は為替の影響などにより同65.1%増の5億85百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は60百万円(前連結会計年度は82百万円の損失)となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
(日本)
精密・産業機器向けの増加と一部値上げ効果がありましたが、一方で半導体不足などを理由に自動車・OA機器向けが減少したことから売上高は前連結会計年度比0.0%減の85億92百万円となりました。セグメント利益は材料費やエネルギーコスト高騰の影響などもあり同39.4%減の1億65百万円となりました。
(米州)
テネシー新工場の操業遅延があったものの、円安の影響もあり売上高は前連結会計年度比14.5%増の29億4百万円となりました。セグメント損失は、テネシー新工場の操業遅延や材料費高騰の影響などもあり10億41百万円(前連結会計年度は6億11百万円の損失)となりました。
(欧州)
医療及び航空機向けの回復、円安の影響、値上げ効果などにより、売上高は前連結会計年度比43.6%増の29億39百万円となりました。セグメント利益は材料費やエネルギーコスト高騰などの収益圧迫要因もありましたが、値上げ効果が大きく同613.3%増の3億75百万円となりました。
(アジア)
自動車、OA機器、医療向けが好調だったことや円安の影響もあり売上高は前連結会計年度比19.3%増の101億92百万円、セグメント利益は同22.4%増の5億41百万円となりました。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ12億62百万円増加し、264億70百万円となりました。
主な要因は以下のとおりです。
(資産)
資産の部においては、流動資産合計額が6億96百万円増加し、130億16百万円となりました。主な理由は、棚卸資産が44百万円、流動資産その他が2億32百万円減少しましたが、現金及び預金が6億72百万円、受取手形及び売掛金が3億1百万円増加したことによるものであります。また、固定資産合計額は5億66百万円増加し、134億53百万円となりました。有形固定資産が5億68百万円増加したことによるものであります。
(負債)
負債の部においては、負債合計額は192億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億62百万円増加しました。主な理由は、支払手形及び買掛金が3億41百万円、流動負債その他が1億98百万円減少しましたが、借入金が15億77百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
純資産の部においては、純資産合計額が72億21百万円となり、前連結会計年度末に比べて2億99百万円増加しました。主な理由は、為替換算調整勘定が3億21百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は27.2%(前連結会計年度末は27.4%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末に比べ2億30百万円増加し、27億73百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、営業活動により資金が2億79百万円増加(前連結会計年度は9億45百万円の資金増加)しました。主な資金増加の要因は、減価償却費による資金留保14億85百万円、棚卸資産の減少2億21百万円によるものであり、主な資金減少の要因は、売上債権の増加1億19百万円、仕入債務による減少6億3百万円、利息の支払額2億52百万円及び法人税等の支払額3億61百万円によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資活動により資金が15億99百万円減少(前連結会計年度は15億57百万円の資金減少)しました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出11億48百万円によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、財務活動により資金が14億47百万円増加(前連結会計年度は1億69百万円の資金減少)しました。主な要因は、借入金の増加によるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 上記の金額は、販売価格によっております。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」に記載のとおりであります。
なお、見積り及び判断・評価については、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
(退職給付債務)
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率、死亡率等の要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合は、その影響が累積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。
(固定資産の減損会計)
当社グループは、固定資産の減損会計を適用しております。減損会計は資産のグルーピング、割引前キャッシュ・フローの総額、回収可能価額を当社グループに固有の事情を反映した合理的で説明可能な仮定及び予測に基づいて算出しておりますが、その仮定及び予測に変動が生じた場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、2015年の船橋電子株式会社の編入を皮切りに、埼玉工場の開設及び拡張、メキシコ工場の開設及び拡張、米国のElectronic Stamping Corporationの事業譲受、インドネシアのPT. Advanex Precision Indonesiaの買収、インド工場の開設、チェコ工場の開設などグローバルビジネス拡大に向けた積極投資を進めてまいりました。
これらの新設工場が加わったことで、精密金属加工メーカーとしては突出したグローバルネットワークを持つに至り、Tier1(自動車一次部品メーカー)のメガサプライヤー化・グローバル化に追随できる稀有なTier2(自動車二次部品メーカー)としての地位を確立しました。一方、それらの新工場は自動車向けがメインであり、通常、新規受注獲得から量産(販売)開始まで数年の時間を要するなど宿命的に投資と回収にタイムラグがあることから先行投資負担が嵩み近年業績は悪化しておりました。
2023年3月期は新工場収益のブレイクイーブンに向けた取り組みは進みましたが、半導体不足による顧客の生産調整や、原材料費・電力料・運送費・人件費の高騰などが収益を圧迫し厳しい結果となりました。
2024年3月期は欧米の金融不安やインフレ加速に伴う景気後退リスク、ウクライナ情勢の悪化や中台の緊張関係など地政学的なリスクも懸念されますが、アメリカ工場・インド工場・チェコ工場など新工場の黒字化の目途が立ってきたことや、コストアップ分の価格転嫁も進むことから収益改善は進展すると見ています。
(当社グループ工場別収益実績比較)
③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(資金需要の主な内容)
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの運転資金は、主に製品製造に使用する原材料や部品の調達に費やされており、製造費や販売費及び一般管理費に計上される財・サービスに対しても同様に費消されております。また、設備投資資金は生産設備取得等生産体制の構築、情報システムの整備等に支出されております。
(資金調達)
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金の基本方針は、利益の計上、減価償却費等により生み出される内部資金により賄うこととしております。但し、安定的に確保するため外部資金(主に金融機関からの借入)を有効に活用しております。
なお、キャッシュ・フローの状況の詳細は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりであります。