売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E31408 Japan GAAP

売上高

69.0億 円

前期

55.7億 円

前期比

123.9%

時価総額

174.9億 円

株価

1,093 (03/29)

発行済株式数

16,002,900

EPS(実績)

59.53 円

PER(実績)

18.36 倍

平均給与

498.9万 円

前期

520.7万 円

前期比

95.8%

平均年齢(勤続年数)

35.1歳(2.7年)

従業員数

91人(連結:242人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループは、当社及び連結子会社9社で構成され、スキー場運営を主たる事業としております。

 当社グループは「自然、お客様、そして地域社会の全てがハッピーに」を経営理念として掲げ、「スキー場の運営に関するあらゆる問題を解決し、非日常的な時間と空間を演出することにより、一人でも多くの方に自然の素晴らしさ、ウィンタースポーツの楽しさを味わって頂くこと」をミッションとし、スキーをはじめとした雪上スポーツの醍醐味、自然の素晴らしさを一人でも多くの人に伝えたいという思いのもと、お客様の満足度を高めるべく、新たなソリューションを提供しております。

 当社グループの「事業の内容」、「各会社の役割」、「運営するスキー場」及び「事業系統図」は以下のとおりであります。なお、当社は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

 

「事業の内容」

1.スキー場再生の取組み

 当社グループは、当社及び白馬観光開発株式会社をはじめとする連結子会社9社から構成され、スキー場事業を行っております。

 当社グループは、大都市圏から近距離にあるスキー場や、大規模なゲレンデを有し過去にオリンピック会場となったスキー場など、特徴あるスキー場を取得し、地方公共団体を含む地元関係者や従業員と一体となって、スキー場の活性化に取組んでおります。

 スキー場の運営においては、地域の文化や伝統を重んじ、関係者と十分な協議を行い、スキー場や地域の有する強みを引き出すことにより、優位性を実現していく手法を重視して進めることとしております。

 また、当社グループがスキー場を取得した場合は、必ず当社グループの役職員が地元に常駐するようにしております。当社グループの役職員が地元の従業員と一体となってスキー場を運営し、地域社会との意思疎通を深め、意見交換を行い、現場での感覚を共有すること等により、迅速かつ適切な経営判断を行うことができ、改善のスピードを向上させることが可能となります。今後もこのハンズオンの手法を継続する方針であります。また、こうしたハンズオンを実施しつつ、公平で適正な人事考課により地元出身者を経営陣や幹部に積極的に登用し、スキー場の運営をより一層改善してまいります。

 当社が事業草創期に少数のスキー場を運営していた時点では、他のスキー場での成功事例を共有することについて、一定の限界がありましたが、複数のスキー場を経営することにより、グループ内で情報共有を推進し、スキー場の運営の合理化を進めることが可能となりました。特に、事業の特質として、自然と向き合うため、安全面での取組みの重要性は高く、独自の基準ではなく、メーカーと意見交換を入念に行い、メーカーの自主規制基準を尊重したメンテナンスを進め、潜在的なリスクの洗出しと対策等を事前に充実して行うことが可能となっております。

 

2.シーズンの取組み

 当社グループのスキー場は、ウィンターシーズンにおいて、スキーヤーやスノーボーダーにスキー場で楽しんで頂く機会を提供し、グリーンシーズンにおいて、お客様に高山植物や山頂から望む美しい風景や景色を楽しんで頂く機会を提供しております。なお、当社グループにおいて、ウィンターシーズンとは、スキー場の営業開始日から営業終了日の期間を指しており、グリーンシーズンとは、ウィンターシーズン以外の期間を指しております。

 (ウィンターシーズン)

 ウィンターシーズンのスキー場事業の収入は、主にリフト券の販売、料飲の提供、スキー及びスノーボード等の用品のレンタル、土産物等の物販などから構成され、集客を増加させる施策や魅力的なスキー場作りを推進しております。

 来場者を増加させる施策として、スキー・スノーボードに関係する大規模な展示会での販売促進、旅行会社との商品企画の折衝、スキー場の認知度向上を企図した広告宣伝活動の実施などがあります。HAKUBA VALLEYエリアでは、近年多くの外国人旅行者が訪れ、長期間滞在される方が増加する傾向にあります。新型コロナウイルス感染症が収束傾向となった現在においては、海外の旅行代理店や現地のスキークラブ等への営業をダイレクトに再開して海外からの集客を獲得できるよう努めております。

 当社グループは継続して魅力的で快適なスキー場作りに努めております。HAKUBA VALLEYエリアではエリア共通リフト券を展開し、エリア内の10スキー場全てのリフトを乗車頂くことができます。また、ICリフト券を用いた自動ゲートシステムの導入や、リフト券の事前ウェブ販売による受け渡しの効率化等の取組みを行っております。施設面では定期的な改装や新施設の導入、また、地域独自のテナントや都市圏で人気のあるテナント等を誘致することにより、リニューアルを継続しております。

スキー場のゲレンデづくりにおいても顧客層ごとに対応した取組みを実施しております。スキーやスノーボードの上級者に対しては、上級者が楽しめる非圧雪ゲレンデやモーグルコース等を設営し、ファミリー層には、子供が安全に雪遊び等を楽しめるキッズパークを増設しております。また、スキーやスノーボードを初めて経験される方には、圧雪の行き届いた緩斜面やソリ遊びを中心としたゲレンデを作るなどの取組みを行っております。多くのお客様が来場される週末や祝日には、ファミリー層が参加しやすいイベントを実施するなど、来場者層に合わせた各スキー場における企画を行っております。

 また、暖冬小雪の際においてもスキー場の営業期間を確保し、顧客満足度と各グループスキー場の優位性を向上させるため人工降雪機の投資は継続的に行っております。

 

 (グリーンシーズン)

 グリーンシーズンのスキー場事業の収入は、主にリフト券の販売、料飲の提供、マウンテンバイク・登山用具のレンタル、土産物の物販、キャンプ場やアクティビティ施設の運営などから構成され、魅力的な施設作りを行い、来場者を増加させる施策を推進しております。

 来場者を増加させる施策として、旅行会社との商品企画の折衝、施設の認知度向上を企図した広告宣伝活動の実施などがあります。魅力的な施設作りとして、来場者のニーズの傾向を踏まえて、自然を活かした施設への投資を積極的に行っております。HAKUBA VALLEY国際山岳リゾート白馬八方尾根、HAKUBA VALLEY白馬岩岳マウンテンリゾート、HAKUBA VALLEYつがいけマウンテンリゾート及び竜王マウンテンリゾートでは、それぞれのゴンドラやロープウェイの降り場において、山頂から広がる雄大な景色や自然の植物を楽しんで頂けるテラスや大人からお子様まで一緒に楽しめる大型遊具施設を設置し、来場者に好評を頂いております。 HAKUBA VALLEY白馬岩岳マウンテンリゾートでは、新しい働き方を実現する新プラン「白馬リゾートテレワーク」として、北アルプスを一望できる絶景テラスや木漏れ日の射す森林の中にワーキングスポットを用意し、新しい働き方のサポートを実施しております。

また、キャンプ場やアウトドア施設を運営しているめいほう高原開発株式会社では、ジップラインやバギーパークを新設した「ASOBOT」で来場者へのアピールを強化しております。川場スキー場では、群馬県利根郡川場村にある道の駅「田園プラザ川場」において、川場村産こしひかり「雪ほたか」を使用したおにぎり販売も行っております。

当社グループは、スキー場を投資や投機対象の不動産としてではなく、地域活性化の中心的な役割を担う存在として、中長期的な視点で再生に取組んでいくことが重要と考えております。スキー場の持続的な成長を実現するため、ソフト面及びハード面の改善を徹底し、安全な運営、良質なサービスの提供及び適正な収益の獲得を心掛け、「自然、お客様、そして地域社会の全てがハッピーに」なるようなスキー場再生を行ってまいります。

 

[各会社の役割]

会社名

役割

当社

グループ企業の経営管理・グループ外スキー場へのコンサルティングサービス等

㈱北志賀竜王、川場リゾート㈱、白馬観光開発㈱、㈱岩岳リゾート、栂池ゴンドラリフト㈱、めいほう高原開発㈱、㈱ハーレスキーリゾート

スキー場の運営他

㈱鹿島槍

スキー場の賃貸、索道事業の受託運営

㈱スパイシー

アウトドア用品等のレンタル等

 

 

[運営するスキー場]

スキー場

会社名

所在地

HAKUBA VALLEY白馬八方尾根スキー場

白馬観光開発㈱

長野県北安曇郡白馬村

HAKUBA VALLEY白馬岩岳スノーフィールド

白馬観光開発㈱

㈱岩岳リゾート

長野県北安曇郡白馬村

HAKUBA VALLEYつがいけマウンテンリゾート

白馬観光開発㈱

栂池ゴンドラリフト㈱

長野県北安曇郡小谷村

めいほうスキー場

めいほう高原開発㈱

岐阜県郡上市

川場スキー場

川場リゾート㈱

群馬県利根郡川場村

竜王スキーパーク

㈱北志賀竜王

長野県下高井郡山ノ内町

菅平高原スノーリゾート

㈱ハーレスキーリゾート

長野県上田市

 

[事業系統図]

 

※画像省略しています。

 

 

 

23/10/31

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の状況の概要

(1)経営成績

 当連結会計年度における当社グループの経営成績の状況は、以下の通りでした。

(ウィンターシーズン)

当社グループは新型コロナウイルス感染症蔓延以降、インバウンドの入国が見込めない状況となったため、国内の来場者数増加に向けて、キッズや新たなチャネルであるノンスキーヤー向けの取組みを重点的に行うとともに、当社グループのノウハウを積極的に活用し経営支援する「NSDアライアンス」やグループ外のスキー場の営業施策や設備調査等のコンサルティング業務を推進してまいりました。その一方、今シーズンは海外からの入国制限が緩和されたことでインバウンドの来場があり、国内、海外のお客様ともにゲレンデに賑わいが戻るシーズンとなり、8スキー場合計の来場者数は1,515千人となりました。

当社グループが主要な業績の指標としております売上単価は、グループスキー場全社的にリフト券の値上げを行ったことから前年から上昇し、また、付帯売上についても継続的に料飲メニューの改善や専用ラウンジなどが利用できるS-Classなどスキー場サービスの高付加価値化に努めていることから、新型コロナウイルスが本格的に蔓延する前の2018-2019シーズンを超える水準となりました。

それぞれのスキー場について、HAKUBA VALLEYエリアの当社リゾートでは、入国制限が緩和されたことにより、約16万人のインバウンドのお客様の来場がありました。国内来場者数も新型コロナウイルス感染症収束の見通しが立ったことから、来場者の回復につながり、約76万人の来場者数となりました。

HAKUBA VALLEY八方尾根スキー場では、各種イベントを企画し、スノーリゾートでは初の試みとなるイベント競技型デジタルアート「LIMITS(リミッツ)」のエキシビションマッチを開催し、アルパインエリアではスキー・スノーボードの国際大会である、Freeride World Tourが開催されました。また、2月の週末には、毎週土曜日に20時から標高1200mから10分間花火を打ち上げ、HAKUBA VALLEYエリアに滞在されるお客様に楽しんでいただける初の試みとなりました。

HAKUBA VALLEY白馬岩岳スノーフィールドでは、観光目的での来場者数が約1.4万人、ペットの来場数も約1,200頭までになりました。同時にスキー場の整備にも力を入れ、定期的な地形コースの整備や、新たなアクティビティや各種イベントの開催など、魅力あるゲレンデづくりに注力した結果、過去10年で最高の約12万人のお客様を迎えることができました。

HAKUBA VALLEYつがいけマウンテンリゾートでは初級者から上級者まで誰もが楽しめるオールジャンル対応のフルスペックスノーパークTG PARKSを整備し、多くのお客様にパークライドを楽しんでいただきました。

首都圏から日帰り圏内にある川場スキー場については、非圧雪のパウダー専用コースの設定、地形を生かしたコース造りなど、このウィンターシーズンもゲレンデに変化や改良を継続してまいりました。中部大都市圏から日帰り圏内にあるめいほうスキー場では、シーズン券の内容を充実させ固定ファンを増やすとともに、飛騨高山からの直通シャトルバスの運行を再開し、インバウンドの誘致を積極的に行いました。

 

ウィンターシーズンの施設別の来場者は次のとおりです。

 

スキー場別来場者数                                 (単位:千人)

運営スキー場

2022年

7月末累計

2023年

7月末累計

前期比

HAKUBA VALLEY白馬八方尾根スキー場

249

313

125.8%

HAKUBA VALLEY白馬岩岳スノーフィールド

98

121

122.5%

HAKUBA VALLEYつがいけマウンテンリゾート

203

274

134.9%

HAKUBA VALLEY鹿島槍スキー場ファミリーパーク(*)

61

50

82.6%

竜王スキーパーク

156

209

133.9%

川場スキー場

163

148

90.7%

めいほうスキー場

190

186

97.9%

菅平高原スノーリゾート

180

211

117.4%

1,303

1,515

116.3%

(*)HAKUBA VALLEY鹿島槍スキー場ファミリーパークは、当社子会社の(株)鹿島槍がスキー場の設備を日本テーマパーク開発(株)に賃貸し、(株)鹿島槍は索道事業の受託契約を結んでおります。

 

 

 

その他の施設における来場者数                              (単位:千人)

会社名

2022年

7月末累計

2023年

7月末累計

前期比

川場リゾート㈱

28

34

123.2%

めいほう高原開発㈱

3

3

78.5%

32

38

117.8%

(注)1.スキー場の来場者数については、主にリフト券の販売数に基づいて記載しております。

2.菅平高原スノーリゾートの来場者数については、「TARO AREA・DAVOS AREA」の来場者数を表示しており

ます。

3.その他の施設における来場者数は以下となります。

川場リゾート㈱:おにぎり店の来場者数(レジ通過者数)

めいほう高原開発㈱:おにぎり店の来場者(レジ通過者数)

 

(グリーンシーズン)

当社グループはグリーンシーズンにおいて、大自然の眺望を望む展望テラスの建設、大型遊具施設の導入、キャンプフィールドの展開など、地域の特性を活かした商品開発を継続し、一年を通じた営業体制を整えることで、ウィンターシーズンに業績が偏重する季節変動リスクを分散させております。

2022年8月から同年11月上旬の状況は、新型コロナウイルス蔓延後初めての行動制限のない夏を迎え国の旅行支援施策もあって多くのお客様に来場いただきました。繁忙期となるお盆期間は天候に恵まれ、8月の来場者数は前年を大幅に上回る139千人となりました。また、10月から11月にかけても紅葉シーズンとなる中、全国旅行支援による旅行・観光促進もあり、当上期の来場者数は過去最高の362千人となりました。

2023年4月下旬から同年7月の状況は、当社グループリゾートにおいて先んじて4月下旬にグリーンシーズンの営業を開始したHAKUBA VALLEY白馬岩岳マウンテンリゾートでは、ゴールデンウイークには好天に恵まれ、過去最高の来場者数となりました。また、7月において懸念していた梅雨も長引くことなく、連休や夏休み前半も天候に恵まれ当社グループのリゾート施設に多くのお客様をお迎えすることができました。加えてグリーンシーズン向け広告宣伝を強化したことで、当社グループリゾート施設への来場者数は計画値を上回って推移しました。

各施設の取組みとして、HAKUBA VALLEY白馬岩岳マウンテンリゾートでは山頂の人気スポット「HAKUBA MOUNTAIN HARBOR」の営業を行うとともに、山の上からハンドル操作とブレーキで山を駆け降りる「マウンテンカート」の新規導入や昨年の4月にグランドオープンした標高1,100mの展望エリア「白馬ヒトトキノモリ」、同展望エリア内に表参道に店舗を構える人気のミルクティー専門店「CHAVATY」のFC店舗を誘致するなどお客様が快適な環境で滞在できるよう新たな取組みを継続しました。

川場リゾート㈱は、同社がおにぎり店を展開している道の駅川場田園プラザ内に、大人も子どもも楽しむことができる空と風のネットアスレチック「HANETTA(ハネッタ)」を設置し、グリーンシーズンの新たな事業を開始いたしました。

また、めいほう高原開発㈱及び竜王マウンテンリゾートにおいても、コロナ禍でニーズの高まるキャンプ等のアウトドア事業を展開しました。めいほう高原開発㈱では今シーズンもキャンプエリアを拡張するとともに、昨年新設したジップラインやバギーパークなどのアクティビティも複合的に展開し、前年を上回る来場者数となりました。竜王マウンテンリゾートでは絶景グランピング施設「ソラグランピングリゾート」を拡張させ、滞在中ロープウェイ乗り放題となる特典や、ペットと一緒にグランピングに滞在できるサイトなどを設けるなど、索道以外の主力となる事業として業績に貢献しました。

 

索道を稼働した施設における来場者数                           (単位:千人)

施設名

2022年

7月末累計

2023年

7月末累計

前期比

HAKUBA VALLEY国際山岳リゾート白馬八方尾根

67

94

138.8%

HAKUBA VALLEY白馬岩岳マウンテンリゾート

160

206

129.1%

HAKUBA VALLEYつがいけマウンテンリゾート

56

69

123.8%

竜王マウンテンリゾート

57

58

103.2%

341

429

125.8%

 

 

 

その他の施設における来場者数                              (単位:千人)

会社名

2022年

7月末累計

2023年

7月末累計

前期比

㈱鹿島槍

3

2

77.2%

川場リゾート㈱

69

118

168.9%

めいほう高原開発㈱

36

33

91.1%

109

153

140.5%

(注)1.索道を稼働した施設における来場者数については、主にリフト券の販売数に基づいて記載しております。

2.その他の施設における来場者数は以下の合計となります。

㈱鹿島槍:HAKUBA VALLEY鹿島槍スポーツヴィレッジの来場者数

川場リゾート㈱:スケートボードパーク施設の来場者数、HANETTAの来場者数、おにぎり店の来場者数(レジ通過者数)

めいほう高原開発㈱:キャンプ施設、ASOBOTの来場者数、おにぎり店の来場者数(レジ通過者数)

 

 これらの結果、当連結会計年度における売上高は6,898,742千円(前期比23.9%増)となり、営業利益は1,036,467千円(前期比308.0%増)、経常利益は1,077,756千円(前期比212.1%増)、また、親会社株主に帰属する当期純利益は952,686千円(前期比2,872.8%増)となり、創業以来最高の売上高及び利益となりました。

 

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ623,628千円減少し、1,742,941千円(前期比26.4%減)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は、1,588,415千円(前期は1,216,659千円の収入)となりました。主な増加の要因は、税金等調整前当期純利益1,072,347千円、減価償却費605,888千円、売上債権の増加額は51,879千円、未収入金の減少額は29,310千円、受取助成金収入43,728千円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、1,360,478千円(前期は607,251千円の支出)となりました。主な支出の増加要因は、有形固定資産の取得による支出1,345,225千円、有形固定資産の除却による支出42,218千円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果支出した資金は、851,565千円(前期は199,952千円の支出)となりました。主な支出の内訳は、配当金の支払による支出106,148千円、長期借入金の返済による支出900,000千円、リース債務返済による支出59,099千円であります。

 

 

生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

 当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(2)受注実績

 当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループの主たる事業はスキー場事業であり、全事業セグメントの合計額に占める割合が著しく低いため、売上区分別に記載しております。

売上区分の名称

前連結会計年度

(自 2021年8月1日

至 2022年7月31日)

当連結会計年度

(自 2022年8月1日

至 2023年7月31日)

販売高(千円)

前期末比

販売高(千円)

前期末比

スキー場事業

 

 

 

 

リフト券売上

3,368,015

122.0%

4,179,307

124.1%

料飲売上

830,991

124.0%

1,060,980

127.7%

レンタル売上

400,263

130.0%

486,393

121.5%

その他売上

970,188

120.1%

1,172,061

120.8%

合計

5,569,459

122.5%

6,898,742

123.9%

(注)主たる販売先は不特定多数の一般消費者であり、相手先別販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の販売先はありません。

 

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

 本項に記載した将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定の設定を行っております。当該見積りにつきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる各種の要因に関して仮定設定、情報収集を行い、見積金額を算出しておりますが、実際の結果は見積り自体に不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

②経営成績に関する分析

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は、6,898,742千円(前連結会計年度は5,569,459千円、前連結会計年度比23.9%増)となりました。

 これは、ウィンターシーズンのインバウンド来場の回復およびグリーンシーズンにおける来場者増加によるものです。

(売上原価、売上総利益)

 当連結会計年度の売上原価は、4,071,484千円(前連結会計年度は3,666,002千円、前連結会計年度比11.1%増)となりました。これは、観光需要回復に伴う来場客数の増加により、変動原価が増加したことによるものです。以上の結果、売上総利益は2,827,258千円(前連結会計年度は1,903,456千円、前連結会計年度比48.5%増)となりました。

 また、売上総利益率は、前期比6.8ポイント増の41.0%となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、1,790,790千円(前連結会計年度は1,649,390千円、前連結会計年度比8.6%増)となりました。これは、広告費及び水道光熱費の単価高騰に伴う増加によるものです。以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、1,036,467千円(前連結会計年度は営業利益254,066千円、前連結会計年度比308.0%増)となりました。

 また、営業利益率は、前期比10.5ポイント増の15.0%となりました。

(営業外損益、経常利益)

 当連結会計年度における営業外収益は56,165千円(前連結会計年度は106,447千円、前連結会計年度比47.2%減)となりました。これは、営業補償金の受取がなくなったこと及び受取助成金が減少したことによるものです。

 営業外費用は14,876千円(前連結会計年度は15,235千円、前連結会計年度比2.4%減)となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の経常利益は、1,077,756千円(前連結会計年度は経常利益345,277千円、前連結会計年度比212.1%増)となりました。

 また、経常利益率は、前期比9.4ポイント増の15.6%となりました。

 

(特別損益、当期純利益)

 当連結会計年度における特別利益は、48,104千円(前連結会計年度は74,228千円、前連結会計年度比35.2%減)となりました。

 当連結会計年度における特別損失は、53,513千円(前連結会計年度は156,466千円、前連結会計年度比65.8%減)となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は1,072,347千円となりました。

 法人税、住民税及び事業税に法人税等調整額を合わせた税金費用は85,096千円(前連結会計年度は194,386千円)となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は952,686千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益32,046千円)となりました。

また、親会社株主に帰属する当期純利益率は前期比13.2ポイント増の13.8%となりました。

 

③経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

 当社グループは、スキー場事業を展開しております。収益の大半は、ウィンターシーズンに集中しており、降雪の状況、景気変動による個人消費に大きく影響を受ける傾向にあり、当社グループの経営成績に影響を与える要因については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

④資本の財源及び資金の流動性についての分析

(キャッシュ・フローの状況)

 当社グループのキャッシュ・フローの状況の詳細につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

(資本の財源及び資金の流動性)

 当社グループでは、運転資金及び投資資金については、当連結会計年度末における現預金が有利子負債を超過していることから、手許資金を中心とし、市中銀行からの借入により補完して賄う方針としております。当社グループの事業活動における資金需要は、主に当社グループの運営に伴う人件費を中心とする営業費用の支出及び設備投資に伴う支出であり、これを主に売上高の収入により賄っており、流動性資金は十分な水準を確保しているものと考えております。

 

⑤財政状態の分析

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末と比して483,785千円減少し、2,548,709千円(前連結会計年度末比16.0%減)となりました。これは主に現金及び預金の減少であります。

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末と比して899,009千円増加し、5,061,871千円(前連結会計年度末比21.6%増)となりました。項目別の状況は以下のとおりであります。

・有形固定資産

 当連結会計年度末における有形固定資産は、前連結会計年度末と比して750,616千円増加し、4,716,681千円(前連結会計年度末比18.9%増)となりました。これは、主に建設仮勘定の増加によるものであります。

・無形固定資産

 当連結会計年度末における無形固定資産は、前連結会計年度末と比して12,332千円減少し、33,803千円(前連結会計年度末比26.7%減)となりました。これは、主に各資産の償却によるものであります。

・投資その他の資産

 当連結会計年度末における投資その他の資産は、前連結会計年度末と比して160,725千円増加し、311,387千円(前連結会計年度末比106.7%増)となりました。これは、主に繰延税金資産の増加によるものであります。

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末と比して393,515千円減少し、1,308,463千円(前連結会計年度末比23.1%減)となりました。これは、主に1年内返済予定の長期借入金の減少によるものであります。

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末と比して45,141千円減少し、384,083千円(前連結会計年度末比10.5%減)となりました。これは、主にリース債務の減少によるものであります。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比して853,880千円増加し、5,918,034千円(前連結会計年度末比16.9%増)となりました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益の増加によるものであります。

 

⑥経営戦略の現状と見通し

 これまで当社グループはウィンターシーズンの取組みとして、暖冬小雪の中でも営業期間を確保するための降雪機投資、差別化戦略として、利便性向上のための自動ゲートシステムの導入やサイドカントリーコース等非圧雪エリアの展開、また、日本のパウダースノーを求めるインバウンドに対する取組み等を継続してまいりました。

当社グループは新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延以降、海外からの入国制限によりインバウンドが見込まれず、また、少子高齢化によりマーケット規模が縮小する状況にあるため、国内の来場者数増加に向けて、キッズや新たなチャネルであるノンスキーヤー向けの取組みを重点的に行い、スノーリゾートに来場されるお客様数の長期的な拡大を図る取組みを行ってまいりました。具体的には、「NSDキッズプログラム」によるキッズ会員の獲得や、HAKUBA VALLEY白馬岩岳スノーフィールドにおけるスキーをしない一般の観光客の来場者数の増加など一定の成果が出始めており、引き続きプログラム内容の充実や、ノンスキーヤーの来場者の増加に係る取組みの成功事例をグループ内で横展開し、将来、減少が見込まれる国内マーケットに対応してまいります。

また、インバウンドの来場者については、新型コロナウイルス感染症による入国制限が撤廃されたため、2023-2024シーズンは、新型コロナウイルス感染症による入国制限前に近い水準に戻るものと見込んでおります。インバウンドのスムーズな受入、またこれまで以上のインバウンドの来場者数となるよう、各種営業活動やプロモーションを行うとともに、白馬エリアでの宿泊施設等の不足に対しては、デベロッパーの誘致や休業宿泊施設の支援など、地域と連携し諸問題について解決を図ってまいります。

その他、断続的な暖冬小雪や新型コロナウイルス感染症の蔓延をきっかけに、多数の国内スキー場の経営環境が厳しくなる中、当社グループへの支援要請が増加しております。そのため、当社グループのノウハウを積極的に活用し経営支援する「NSDアライアンス」を展開し、みやぎ蔵王えぼしリゾートスキー場及びオグナほたかスキー場がアライアンスに加入し、これらのスキー場においては来場者数の増加や客単価向上、コストの適正化等、アライアンスの加入の効果が見られております。これらの他、びわ湖バレイスキー場、石打丸山スキー場及び丸沼高原スキー場が「NSDキッズプログラム」に参加し、同プログラムの対象スキー場が11カ所まで増加しました。今後も参加スキー場を拡大させ、大自然の雪山で非日常体験を楽しみ、ウィンタースポーツに参加するお子様を増やしていく予定であります。引き続き当社グループの強みを活かした営業支援やコンサルティングを他スキー場に対しても進め、スノー業界の活性化に努めてまいります。

最後に、当社グループの(株)岩岳リゾートにおいては、2024-2025シーズンに向けてゴンドラのリニューアルを行うことを計画しております。また、他のグループリゾートにおいても同様に索道施設等のリニューアルに取り組んでまいります。索道施設等のリニューアルを行うことで、更なる差別化や競争力の向上が見込めるため、今後も成長につながる投資を積極的に実施してまいります。