E01981 Japan GAAP
前期
281.2億 円
前期比
104.8%
株価
1,977 (04/30)
発行済株式数
18,098,923
EPS(実績)
122.88 円
PER(実績)
16.09 倍
前期
571.1万 円
前期比
103.3%
平均年齢(勤続年数)
39.7歳(13.6年)
従業員数
468人(連結:945人)
当社の企業グループは、当社及び当社の連結子会社14社で構成され、トータル精密FAメーカーとして、コイル・モータ用自動巻線機を中心に、フィルム・ワイヤ用巻取り・搬送設備、機構部品・デバイス等のFA設備の開発、製造、販売等を主な事業とするとともに、非接触ICタグ・カード及びカード用インレットの製造、販売事業を行っております。
当社及び当社の関係会社の事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
電子部品、自動車、通信機器、オーディオビジュアル、OA機器、家電、精密機器等用にコイル巻線機、巻線システム及び周辺機器や組立ライン、各種フィルムの巻取り・搬送設備、特殊ワイヤの巻取り・巻替設備、組立ラインの製造、販売及び保守サービスを行っており当社グループにおける主力事業となっております。
当社が製造、販売するほか、日特機械工程(蘇州)有限公司(中国)、美瑪特電子科技(常州)有限公司(中国)、日特機械工程(深圳)有限公司(中国)、NITTOKU ENGINEERING VIETNAM CO., LTD.、NITTOKU SINGAPORE PTE. LTD.、NITTOKU (THAILAND) CO., LTD.、NITTOKU EUROPE GmbH.(オーストリア)につきましては、巻線機及び周辺機器の製造、販売を行っており、日特機械工程(蘇州)有限公司(中国)につきましては、当社で製造する巻線機の一部の製造を委託しております。また、NITTOKU KOREA CO., LTD.、台湾日特先進股份有限公司、日特香港有限公司、NITTOKU AMERICA, INC.は販売代理店として、それぞれ東アジア地域、北中南米地域において当社製品の販売及び当該地域で販売した製品のメンテナンスサービスを行っております。NITTOKU SINGAPORE PTE. LTD.においては、一部の製品における顧客仕様部分の製造、販売も行っております。
国内連結子会社である日特コーセイ株式会社(日本)は、パーツフィーダを主力に電気制御器、FA設備の製造、販売を行っております。日特コイデ株式会社(日本)は、FA設備の設計、製造、販売を行っております。IMD株式会社(日本)は、モータに係る素材及び工法並びに設備の開発・試作、モータの開発及び開発支援を行っております。
これまでに蓄積された要素技術を活用した、埋込方式アンテナ巻線及びICチップモジュール継線によるICカード、アンテナ巻線とICチップモジュール継線によるICタグ、及びこれらの周辺機器、システムの製造並びに販売を行っております。日特コーセイ株式会社(日本)が製造をし、当社が販売を行っております。
事業の系統図は、次のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する記載事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)における世界経済の情勢は、緩やかな持ち直しの動きが見られましたが、ウクライナ情勢の長期化に伴う資源・エネルギー価格の上昇やグローバルサプライチェーンの混乱、生産制約や資源・部材の供給不足、また中国におけるゼロコロナ政策による経済活動抑制の影響、世界各国における金融引き締め政策への転換等に伴う世界的な景気の下振れリスクの高まりや、欧米における金融システム不安等が懸念される状況で推移いたしました。
一方、我が国の経済情勢は、世界的なインフレ圧力の上昇に伴う金融引締め等を背景とした海外景気の回復ペースの鈍化が国内景気を下押しするリスクとなっており、また、資源価格の高騰、円安の進行等による輸入コストの増加、物価上昇、新型コロナウイルス感染症による個人消費や企業の生産活動への影響、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響が懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く環境においては、コロナ禍からの経済活動の復活がグローバルに進み、一部の製造業において生産システムの自動化・高度化・高品質化ニーズ等により設備投資が積極的に行われました。当社においては地産地消の考えのもと、リモート技術を活用した商談・仕様打合せ・完成確認・設置サポート体制を推進、海外拠点への営業・生産・サービス提供業務の移管等により生産効率を高め、ユーザーのニーズ・ウォンツを的確に捉えた「生産技術の代行」と、ユーザー・サプライヤーとの協業・協創を推進いたしました。
また近年は、SDGs対応やESG経営が求められるようになったことから、当社は省資源・省材料・省電力・省スペース・高生産性・高安全性等を実現する生産システムをユーザーに提供しており、地球環境や国際社会への貢献に努めております。
これらの結果、経営成績では、売上高は294億61百万円(前期比4.8%増)、営業利益は30億96百万円(前期比7.3%増)、経常利益は31億19百万円(前期比3.0%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は22億24百万円(前期比3.7%減)となりました。
財政状態では、流動資産は、前連結会計年度末対比1億74百万円減少し、321億2百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末対比5億9百万円増加し、155億73百万円となりました。資産合計は、前連結会計年度末対比3億35百万円増加し、476億75百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末対比22億80百万円減少し、104億72百万円となりました。固定負債は、前連結会計年度末対比5億10百万円増加し、11億78百万円となりました。負債合計は、前連結会計年度末対比17億69百万円減少し、116億50百万円となりました。純資産は、前連結会計年度末対比21億5百万円増加し、360億24百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
当社は、長年にわたり探索、高度化してきたワインディング、テンション、ハンドリングといったメカ的な要素技術と独自開発の高機能多軸同期制御を可能にしたOSとを搬送システムによって統合、プラットフォーム化し、ユーザーが世界市場での競争を制するための生産システムを提供するビジネスモデルの構築を続けております。これは、ユーザーの生産技術を代行するものであるため、持続的成長を目指してユーザーごとに創出される固有のニーズやウォンツにもスピーディーに、そして海外展開にも対応する必要があり、オープンイノベーションによるユーザー・サプライヤーとの協業・協創を推進する「ブルーレイク戦略」によって、既存領域の深化と周辺事業領域の探索を進めた結果、モビリティ業界向けを中心に受注・売上ともに拡大いたしました。
また、コロナ禍における種々の制約に対処するため、地産地消のコンセプトのもと、海外拠点を中心にリモート化を進めることにより、営業・生産・サービスの効率化や製造コストの削減などによる生産性及び競争力の向上を図りました。
これらの結果、全売上高の約91%を占めるワインディングシステム&メカトロニクス事業においては、連結売上高は、267億52百万円(前期比1.1%増)、セグメント利益(営業利益)は、32億24百万円(前期比2.2%増)となりました。なお、当社個別ベースでの受注高は、237億85百万円(前期比20.9%増)、売上高は、197億91百万円(前期比2.7%減)、当期末の受注残高は、199億36百万円(前期比25.1%増)となりました。
当期における引き合いの中心は非接触ICカードや生産管理用FAタグであり、非接触ICカードの売上高は前期比41.2%増、生産管理用FAタグの売上高はFAラインにおける工程管理のニーズの高まりを受け、前期比295.3%増となりました。
これらの結果、連結売上高は、27億9百万円(前期比64.1%増)、セグメント利益(営業利益)は、7億67百万円(前期比38.9%増)となりました。なお、当社個別ベースでの受注高は、24億31百万円(前期比7.6%減)、売上高は、27億9百万円(前期比64.1%増)、当期末の受注残高は、9億71百万円(前期比22.2%減)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末対比2億55百万円増加し、120億23百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果得られた資金は12億46百万円(前連結会計年度は26億89百万円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益が30億67百万円、減価償却費が8億62百万円あったものの、契約負債の減少が22億43百万円、棚卸資産の増加が2億45百万円あったことによるものです。
投資活動の結果使用した資金は3億92百万円(前連結会計年度は7億14百万円の支出)となりました。これは主として、定期預金の払戻による収入が26億33百万円あったものの、定期預金の預入による支出が24億70百万円、保険積立金の積立による支出が5億22百万円あったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は8億48百万円(前連結会計年度は8億48百万円の支出)となりました。これは主として、配当金の支払が7億22百万円あったことによるものです。
当社グループ(当社及び当社の関係会社)の生産・販売品目は多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことが適当ではないと判断し、当社個別ベースの数字を示しております。
このため、生産及び受注の状況については、「① 財政状態及び経営成績の状況」における各セグメントの業績に関連づけて、当社個別ベースの数字で示しております。
また、販売の状況については「① 財政状態及び経営成績の状況」における各セグメントの業績に同じく関連づけて、従来どおり連結ベースの数字で示しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりであります。
イ 経営成績の分析
(売上高・営業利益)
当連結会計年度のセグメントごとの売上高、営業利益の概況につきましては「① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(売上原価・売上総利益)
当連結会計年度は、生産の効率化や製造コストの削減などにより、売上原価率は前連結会計年度の74.8%から73.0%(1.8ポイント減少)と改善し、当連結会計年度の売上総利益は79億64百万円(前期比12.4%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、主に給与手当・賞与及び減価償却費の増加により、48億67百万円(前期比15.9%増)となりました。
(営業外収益及び営業外費用)
営業外収益は、受取利息55百万円、受取配当金60百万円、補助金収入71百万円などがあり2億73百万円、営業外費用は、為替差損28百万円、固定資産除却損1億57百万円などがあり2億50百万円となりました。この結果、営業外損益は23百万円の収益となり、経常利益は31億19百万円(前期比3.0%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
以上の要因により、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は22億24百万円(前期比3.7%減)となりました。
ロ 財政状態の分析
(資産)
流動資産は前連結会計年度末対比1億74百万円減少し、321億2百万円となりました。これは主として、電子記録債権が5億19百万円、原材料及び貯蔵品が4億67百万円増加したものの、受取手形及び売掛金が6億86百万円、仕掛品が4億13百万円減少したことによります。
固定資産は前連結会計年度末対比5億9百万円増加し、155億73百万円となりました。これは主として、建物及び構築物(純額)が2億49百万円減少したものの、投資有価証券が5億53百万円増加したことによります。
この結果、資産合計は前連結会計年度末対比3億35百万円増加し、476億75百万円となりました。
(負債)
流動負債は前連結会計年度末対比22億80百万円減少し、104億72百万円となりました。これは主として、契約負債が21億64百万円減少したことによります。
固定負債は前連結会計年度末対比5億10百万円増加し、11億78百万円となりました。これは主として、繰延税金負債が4億16百万円増加したことによります。
この結果、負債合計は前連結会計年度末対比17億69百万円減少し、116億50百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は前連結会計年度末対比21億5百万円増加し、360億24百万円となりました。また、自己資本比率は74.9%(前連結会計年度末は71.1%)となりました。
(キャッシュ・フローの状況の分析)
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。運転資金及び投資資金並びに株主還元等については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金を基本としております。
資金の流動性は、営業活動により得られた資金は12億46百万円となり、配当金の支払に7億22百万円を使用するなどした結果、現金及び現金同等物の増減額は2億55百万円の増加となり、120億23百万円の期末残高となりました。当社グループは、今後も営業活動によるキャッシュ・フローの確保に向けて努力してまいります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債及び偶発債務の開示並びに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、会計上の見積りや前提が必要となりますが、当社グループは、過去の実績や現状等を勘案し、最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しております。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる可能性があります。
前述の将来の業績に関する予想、計画、見通しなどは、現在入手可能な情報に基づき当社の経営者が合理的と判断したものであります。実際の業績はさまざまな要因の変化により、本資料の予想、計画、見通しとは大きく異なることがありうることをあらかじめご理解ください。そのような要因としては、主要市場の経済状況及び製品需要の変動、為替相場の変動及び国内外の各種規制並びに会計基準・慣行等の変更などが考えられます。
なお、ウクライナ情勢の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
重要な会計方針については、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。