売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01981 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年12月31日)における世界経済の情勢は、ウクライナ・中東・中国情勢等に伴う地政学的リスクの高まり、資源・エネルギー価格の上昇、世界的なインフレ圧力の残存やそれに対する金融引き締め政策による経済への下押し影響等が懸念される中、回復ペースが鈍化し、不確実性が高い状況で推移いたしました。

当社グループを取り巻く環境においては、自動車産業における脱炭素化に向けた世界的な潮流が継続する中、緩和的な金融環境が民間需要の下支えとなり、人手不足対応やデジタル関連の投資、成長分野・脱炭素化関連の研究開発投資、サプライチェーンの強靭化に向けた投資、製造生産システムの自動化・高度化・高品質化ニーズ等により設備投資は堅調に推移いたしました。

当社においては、グローバル人材の育成により、海外拠点の営業・生産・サービス提供レベルを向上させ、ユーザーのニーズ・ウォンツを的確に捉えた「生産技術の代行」と、ユーザー・サプライヤーとの協業・協創を推進いたしました。また近年は、SDGs対応やESG経営が求められるようになったことから、当社は省資源・省材料・省電力・省スペース・高生産性・高安全性等を実現する生産システムをユーザーに提供しており、地球環境や国際社会への貢献に努めております。

以上の状況下、当社個別ベースでの受注高は、製造業における自動化投資意欲は旺盛なものの、国際情勢が不安定な中、大型ラインの投資実行には引き続き慎重さが見られたこと等が影響し、前年同期に対し13.1%減少し、167億57百万円となりました。また個別売上高は前年同期に対し15.5%減の140億3百万円となり、個別受注残高は前年同期に対し18.9%増の236億61百万円(過去最高額)となりました。

また、当社グループにおける連結売上高は193億38百万円(前年同期比9.8%減)、営業利益は19億91百万円(前年同期比0.9%増)、経常利益は21億15百万円(前年同期比0.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は13億49百万円(前年同期比6.4%減)となりました。

 

 

このような状況下において当社の各セグメントの業績は次のとおりであります。

 

(ワインディングシステム&メカトロニクス事業)

当社は、搬送システム上に巻線・ハンドリング・組立・検査等の工程を搭載し、独自開発のOSにより高機能多軸同期制御が可能な生産システムを提供することで、世界市場におけるユーザーの競争優位性の向上に資するビジネスモデルを追求しております。ユーザーごとに創出される固有のニーズやウォンツにスピーディーに対応し、オープンイノベーションによるユーザー・サプライヤーとの協業・協創を推進する「ブルーレイク戦略」をグローバルに推進することによって、既存領域の深化と周辺事業領域の探索を進めております。

昨今の急速なデジタル化の進展によるデバイスやツール等の高性能化・高度化に伴い、当事業においては、当社は従来の「生産設備メーカー」から、ユーザーの生産システム全体の設計・構築に技術・アイデアを提供し、巻線の前後工程を含む工程全体の生産効率化や品質向上に貢献する「ラインビルダー」へと変化しております。生産システムの大型化・複雑化に伴い、近年は高額かつ新規要素を多く含む案件の受注が増加していることから、採算性にも配慮が必要となりますが、当期においては、技術ノウハウの蓄積、受注時の精緻な擦り合わせ、生産効率化、原価低減、付加価値向上等により、こうした案件についても予想を上回る利益確保が実現でき、また加えて、外貨建て案件において為替影響がプラスに働きました。

これらの結果、全売上高の約90%を占めるワインディングシステム&メカトロニクス事業におきましては、連結売上高は173億65百万円(前年同期比10.2%減)、セグメント利益(営業利益)は20億74百万円(前年同期比0.3%減)となりました。なお、当社個別ベースでの受注高は152億26百万円(前年同期比12.9%減)、売上高(生産高)は120億30百万円(前年同期比16.9%減)、当第3四半期末の受注残高は231億33百万円(前年同期比22.0%増)となりました。

 

(非接触ICタグ・カード事業)

当第3四半期連結累計期間においては、非接触ICカード及び生産管理用電池タグの売上高は堅調に推移しました。一方、電池以外の生産ラインの管理に使用されるFAタグの売上高は、当第3四半期連結累計期間は、前年同期に比べ、一服感が見られました。

これらの結果、連結売上高は19億73百万円(前年同期比5.9%減)、セグメント利益(営業利益)は6億81百万円(前年同期比22.6%増)となりました。なお、当社個別ベースでの受注高は15億30百万円(前年同期比14.4%減)、売上高(生産高)は19億73百万円(前年同期比5.9%減)、当第3四半期末の受注残高は5億28百万円(前年同期比43.8%減)となりました。

 

 

(2) 財政状態の分析

 ①資産

流動資産は前連結会計年度末対比31億93百万円増加し、352億96百万円となりました。これは主として、仕掛品が47億41百万円増加したものの、現金及び預金が18億50百万円減少したことによります。

固定資産は前連結会計年度末対比15億1百万円増加し、170億74百万円となりました。これは主として、投資有価証券が7億69百万円増加したことによります。

この結果、資産合計は前連結会計年度末対比46億95百万円増加し、523億71百万円となりました。

②負債

流動負債は前連結会計年度末対比30億4百万円増加し、134億77百万円となりました。これは主として、契約負債が29億27百万円増加したことによります。

固定負債は前連結会計年度末対比1億86百万円増加し、13億65百万円となりました。これは主として、繰延税金負債が1億72百万円増加したことによります。
 この結果、負債合計は前連結会計年度末対比31億91百万円増加し、148億42百万円となりました。

③純資産

純資産合計は、前連結会計年度末対比15億3百万円増加し、375億28百万円となりました。

 

(3) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は5億2百万円です。