E27063 Japan GAAP
前期
393.6億 円
前期比
108.7%
株価
459 (04/25)
発行済株式数
24,622,400
EPS(実績)
56.45 円
PER(実績)
8.13 倍
前期
467.7万 円
前期比
107.9%
平均年齢(勤続年数)
42.7歳(15.6年)
従業員数
897人(連結:3,923人)
当社グループは、当社及び関係会社14社により構成され、主にプラスチック金型やプレス金型の部品の製造・販売事業を行っております。
(1)当社グループの製品内容
① 金型について
金型とは、プラスチック、金属などを使用した製品を製造するための金属の型のことであり、電気製品や自動車など幅広い分野で使用されております。
② プラスチック金型とプレス金型について
イ.プラスチック金型
携帯電話やデジタルカメラの外装など、多くのプラスチック製品の製造に用いられる金型であり、加熱溶融したプラスチック樹脂を、射出成型機に実装された金型に注入し、冷却、固化することにより製品が作られております。
※画像省略しています。
(注)当社Webサイトより転記
ロ.プレス金型
プレス機(上下運動する機械)に金型を装着し、上下に分かれた金型の間に材料(金属の鋼板)を入れ、プレス機を稼働することにより、金型で型どられた製品ができ上がります。
※画像省略しています。
(注)当社Webサイトより転記
③ 当社グループの製品について
イ.プラスチック金型部品
a. 主な標準製品は、以下のとおりであります。
※画像省略しています。
b. 主な標準製品の用途
・スプルーブシュ
スプルーブシュは、射出成型機の射出ノズルから溶融したプラスチックを金型へ流し込むための部品です。
・ゲートブシュ
スプルーブシュから金型内の製品部にプラスチックを流す部分であり、成型後、金型を開く時にこの部分から製品部を切り離す部品です。
・エジェクタピン
成型品を金型から離し、突き出すための部品です。
ロ.プレス金型部品
a. 主な標準製品は、以下のとおりであります。
※画像省略しています。
b. 主な標準製品の用途
・ダイセットガイド
ダイセットガイドは、上型と下型の関係を正しく保つために使用される部品です。
・パンチ
パンチは材料に押しつけて使われる工具で、通常はダイと対で使われ、材料に形状を転写します。
・ストリッパガイド
パンチ・ダイの関係をダイセットのガイドを用いて位置合わせをして、適正なクリアランスを保つために使用される部品です。
(2)当社グループの事業内容
金型部品事業の単一セグメントであるため、国内事業及び海外事業別に記載しております。
① 当社及びグループ各社の機能と役割
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会社名 |
略称 |
機能と役割 |
国内事業
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パンチ工業株式会社(当社) |
― |
グループ統括機能。 国内3工場、ピンテック、中国グループ各社、マレーシアパンチ、ベトナム工場で製造した製品と、協力工場で製造した製品等を、主として国内へ販売。 |
株式会社ピンテック |
ピンテック |
主として当社向けの製品を製造、販売する一方、ピンテック独自のプリント基板金型用精密部品等を製造し、国内外へ販売。 |
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株式会社ASCe |
アスク |
主としてFA機器を設計、製造し、ASCe独自の開発機器を国内外へ販売。 |
|
海外事業 |
盤起工業(大連)有限公司 |
大連パンチ |
中国グループ統括機能。 傘下4社からの仕入れも含め、製造した製品、半製品、及び協力工場にて製造した製品等を、主として中国、欧州、米州及び当社グループに販売。 |
盤起工業(瓦房店)有限公司 |
瓦房店パンチ |
主として大連パンチ及び当社グループ向けの製品等を製造、販売。 |
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盤起工業(無錫)有限公司 |
無錫パンチ |
主として大連パンチ向けの製品等を製造、販売。 |
|
盤起工業(東莞)有限公司 |
東莞パンチ |
主として大連パンチ向けの製品等を製造、販売。 |
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盤起弾簧(大連)有限公司 |
盤起スプリング |
主として大連パンチ及び当社向けの製品等を製造、販売。 |
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PUNCH INDUSTRY INDIA PVT. LTD. |
インドパンチ |
主として大連パンチ製品等をインド国内へ販売。 |
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PUNCH INDUSTRY MALAYSIA SDN. BHD. |
マレーシアパンチ |
東南アジアグループ統括機能。 自社及び中国グループ等で製造した製品と協力工場で製造した製品を、主として当社、欧州、東南アジアへ販売。 |
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PUNCH INDUSTRY SINGAPORE PTE. LTD. |
シンガポールパンチ |
当社及び中国グループ等で製造した製品と協力工場で製造した製品を主としてシンガポール国内へ販売。 |
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PUNCH INDUSTRY VIETNAM CO. LTD. |
ベトナムパンチ |
当社及び中国グループ等で製造した製品と協力工場で製造した製品を主としてベトナム国内へ販売。 |
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PT. PUNCH INDUSTRY INDONESIA |
インドネシアパンチ |
当社及び中国グループ等で製造した製品と協力工場で製造した製品を主としてインドネシア国内へ販売。 |
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PUNCH INDUSTRY MANUFACTURING VIETNAM CO. LTD. |
ベトナム工場 |
主として当社向けの製品等を製造、販売。 |
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PUNCH INDUSTRY USA INC. |
USAパンチ |
主として大連パンチ製品等を米国内へ販売。 |
(注)1.国内事業とは、当社及びピンテック、ASCeの事業を、海外事業とは、大連パンチ以下12社の事業を意味しております。
2.中国グループとは、大連パンチ及び傘下4社(瓦房店パンチ、無錫パンチ、東莞パンチ、盤起スプリング)の総称であります。
3.東南アジアグループとは、マレーシアパンチ及び傘下3社(シンガポールパンチ、ベトナムパンチ、インドネシアパンチ)の総称であります。
② 国内事業及び海外事業
イ.国内事業
a. 当社での製造
当社の強みである熱処理技術や研削加工技術を活かした社内生産と、長年にわたる事業経営とともに築き上げた約300社の協力工場に支えられた社外生産を両輪とする製造活動を主として行っております。また、多岐にわたる生産設備を保有し、標準製品についてはもとより、多様な特注品への対応も可能であり、上記の固有技術と併せ、当社の特徴となっております。
(注)1.熱処理とは、加熱・冷却により金属の性質を変化させる処理です。
2.研削加工とは、高速回転する砥石によって金属の表面を平滑にする加工です。
3.標準製品とは、当社カタログに掲載している規格品のことです。
4.特注品とは、カタログ規格から外れるサイズ、形状、又は全く特殊な形状のものです。
b. 当社での販売
全国に11ヵ所の販売拠点を配置し、顧客密着型の受注活動を基本に製造直販を行っております。標準製品についてはインターネットの普及に合わせ、Web受注体制を強化するとともに、3次元CAD(コンピューター支援設計)対応も積極的に取り入れ顧客の利便性向上に努めております。一方、特注品については顧客のニーズにきめ細かく対応しており、特注品への対応により標準製品の受注増にも繋がることも当社の特徴となっております。
なお、当社は約6千社の顧客と取引をしており、その業界は自動車、家電をはじめ多方面にわたっております。従って、特定の顧客に過度に依存することもなく、安定的な受注を見込めることも当社の特徴であります。このような幅の広い顧客に対応するため、物流センター(東京ロジスティクスセンター)を設け、受注から納品まで一貫した物流システムを構築しております。
以上のとおり、充実した生産設備を備えた製造部門と、顧客密着型の販売部門が一体となった製販一体型の事業を行っており、多品種にわたる標準製品から顧客仕様の特注品まで幅広く対応できることが、当社の大きな強みとなっております。
c. ピンテックでの事業
同社は当社の有力協力工場を子会社化し、戦略的に当社グループに取り込んだ会社であり、製造は山形県の同社工場で行っております。当社向けのプラスチック金型部品製造販売でグループ会社としての役割を果たすとともに、同社独自の技術を活かしたプリント基板金型用精密部品を製造し外販しております。
d. ASCeでの事業
同社は当社の中期経営計画での取組みの一環として掲げる「FA領域の“特注品”の販売拡大」実現のために、戦略的に当社グループに取り込んだ会社であり、製造は北海道の同社工場で行っております。食品加工・自動車部品・電子デバイス・医療関連等のFA機器の自社開発に強みを持ち、当社と双方の販路の有効活用や技術交流等によるシナジー効果が発揮されるとともに、同社独自の特許を保有する技術等を活かしたFA機器を製造し外販しております。
ロ.海外事業
基本的なビジネスモデルは国内事業と同じであり、主として中国、東南アジア、インド、米国を中心に事業を行っております。
中国では中国内6工場での製造活動と、同じく中国内34ヵ所に販売拠点を展開し、約8千社の顧客と取引をしております。1990年に中国大連に進出以来、当社の技術を武器に積極的に事業展開を図りつつ、日本人責任者の指揮のもと、中国人スタッフを中心としたマネジメント体制を基本として安定的な事業運営を進めております。
東南アジアではマレーシアパンチ及び同社の販売子会社3社を拠点として、当社及び大連パンチの製品を中心に事業展開し、インド及び米国では現地法人が大連パンチの製品を中心に、輸入販売を行っております。また、ベトナム工場は、主として日本向けに、カタログ品の一部の製造販売を行っております。
さらに、欧州、他地域については、日本、中国、東南アジアの各拠点が連携して事業展開しております。
以上を、事業系統図で示しますと、次のとおりであります。
[事業系統図]
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
COVID-19と経済活動の両立に加え、円安による為替換算上の影響もあり、全ての地域において前年実績を上回る売上となりました。なお、当社グループの決算期は、当社及びピンテック、インドパンチは3月となっていますが、これらを除くグループ各社の決算期は主に12月となっており、2022年1月から12月の業績が当連結会計年度の業績となります。
地域別では、国内売上高は14,104百万円(前期比0.6%増)、中国売上高は23,451百万円(前期比11.9%増)、東南アジア地域の売上高は1,966百万円(前期比13.0%増)、欧米他地域の売上高は3,277百万円(前期比24.1%増)となり、連結売上高は42,799百万円(前期比8.7%増)となりました。
業種別では、自動車関連は18,082百万円(前期比10.0%増)、電子部品・半導体関連は7,866百万円(前期比2.2%減)、家電・精密機器関連は4,312百万円(前期比2.9%増)、その他は12,538百万円(前期比17.4%増)となりました。
利益面につきましては、製品への価格転嫁を上回る仕入れコストの上昇等による原価率悪化の影響、為替変動による海外子会社の採算悪化等により、営業利益は2,436百万円(前期比19.9%減)、経常利益は2,394百万円(前期比20.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,390百万円(前期比31.9%減)となりました。
また、資本効率につきましては、自己資本当期純利益率(ROE)が7.9%(前期14.2%)、投下資本利益率(ROIC)が8.1%(前期11.4%)となり、いずれも、目標(10%以上)を下回りました。
(財政状態の状況)
a. 資産の部
当連結会計年度末における総資産は30,455百万円となり、前連結会計年度末と比較し1,681百万円の増加となりました。これは、主として売上債権の増加等によるものであります。
b. 負債の部
総負債は11,403百万円となり、前連結会計年度末と比較し1,063百万円の減少となりました。これは、主として有利子負債の減少等によるものであります。
c. 純資産の部
純資産は19,052百万円となり、前連結会計年度末と比較し2,745百万円の増加となりました。これは、主として親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加、為替換算調整勘定の増加等によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ543百万円増加し、5,212百万円となりました。
a. 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは2,560百万円の収入(前期は2,941百万円の収入)となりました。
これは、税金等調整前当期純利益2,075百万円、減損損失297百万円及び減価償却費1,130百万円の非資金項目の他、未払金及び未払費用の減少額276百万円、法人税等の支払額736百万円等によるものであります。
b. 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは1,546百万円の支出(前期は1,099百万円の支出)となりました。
これは、有形固定資産の取得による支出1,138百万円等によるものであります。
c. 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは756百万円の支出(前期は1,600百万円の支出)となりました。
これは、短期借入金の純減による減少額667百万円、長期借入金の返済による支出798百万円、株式の発行による収入918百万円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績を事業ごとに示すと、次のとおりであります。
事業の名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
||
|
5,217,011 |
109.5 |
||
|
13,889,368 |
120.3 |
||
|
19,106,379 |
117.2 |
(注)1.当社グループは、金型部品事業の単一セグメントであるため、「第1 企業の概況 3.事業の内容(2)当社グループの事業内容」に記載の国内事業及び海外事業の別に記載しております。
2.金額の表示は製造原価によっており、事業区分間の内部振替前の数値によっております。
b. 受注実績
当社では標準製品の場合、受注から製造、出荷までを1日から数日で完了いたします。また、特注品でも、おおむね2週間以内の出荷となっております。したがって、受注残高は軽微であり受注実績の記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業ごとに示すと、次のとおりであります。
事業の名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
||
|
14,093,236 |
98.2 |
||
|
28,706,267 |
114.8 |
||
|
42,799,503 |
108.7 |
(注)1.当社グループは、金型部品事業の単一セグメントであるため、「第1 企業の概況 3.事業の内容(2)当社グループの事業内容」に記載の国内事業及び海外事業の別に記載しております。
2.事業区分間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(当社グループの当連結会計年度の経営成績等及び経営成績に重要な影響を与える要因)
当連結会計年度における、中期経営計画「VC2024」の初年度の経営数値目標としては、売上高43,500百万円、営業利益3,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,100百万円を掲げておりました。
これに対して経営成績は、売上高42,799百万円、営業利益2,436百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,390百万円となり、全地域で増収を達成し、上場来最高売上を更新しましたが、仕入れコストの上昇による原価率悪化等の影響等により、営業利益以下は減益となりました。
また、財政状態につきましては、前連結会計年度末に対して、有利子負債が減少するなど、資金体質の改善が図られるとともに、利益剰余金の増加等により自己資本が増加し、自己資本比率が62.4%(前連結会計年度末は56.5%)まで増加するなど、財務基盤の健全性維持が図られた結果となりました。
翌連結会計年度(2024年3月期)は、世界的な地政学リスクの高まり、原材料・資源価格の高騰や部品不足等により、経営環境が厳しさを増す中、通期連結業績予想を減収減益としております。
また、中期経営計画「VC2024」につきましても大幅な遅れを余儀なくされており、当社としては、これまでの遅れのリカバリーに加えて、今後の新たな成長戦略も含めた計画のブラッシュアップが必要であると考えております。なお、「VC2024」のブラッシュアップ内容については、決定次第速やかに開示いたします。
(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当社グループとしましては、事業の評価基準として売上高営業利益率を、経営の評価基準として自己資本利益率(ROE)を重要な経営指標と定め、その向上に努めることを目標としております。
また、2022年4月からの中期経営計画「VC2024」開始とともに、新たに投下資本利益率(ROIC)を重要な経営指標のひとつに定めました。当社グループのROICは既に「加重平均資本コスト(WACC)」を上回る水準にありますが、稼ぐ力の強化によりEVAスプレッドをさらに拡大し、10%以上のROICを今後も安定的に確保することを目指します。
これまでと同様にROEと自己資本充実の両立を図るとともに、健全な財務基盤を維持しつつ、創出されたキャッシュを成長戦略投資と安定配当に最適なバランスで分配することで、中長期的な成長を目指してまいります。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
世界経済は当連結会計年度においてCOVID-19への感染対策と経済活動の両立に転じ、引き続き堅調な中国や欧米での業績が支えとなり売上が増加、上場来最高売上を更新いたしました。一方、過年度において日本で抑制しておりました設備投資の正常化とM&Aによる投資によってフリー・キャッシュ・フローは1,013百万円となりました。
(資金需要)
当社グループの事業活動における運転資金の主なものは、材料等調達費用の他、製造費、販売及び一般管理費等の営業費用であります。投資資金といたしまして、現存設備の修繕・維持の為の使用の他、単体では過年度において減損損失の計上により設備投資を抑制しておりましたが、当連結会計年度から中期経営計画「VC2024」の達成に向け、徐々に投資正常化を図るとともにM&Aを実施し株式会社ASCeの全株式を取得いたしました。
中国事業においては前連結会計年度から引続き、更新設備や研究開発部門への新規設備投資を継続して実施しております。
(財務政策)
当社グループの資金需要を充たすための資金調達方法の基本的な考えは、内部資金及び金融機関からの借入であります。事業活動の維持拡大に必要な資金の安定的な確保、調達コストの抑制等を基本方針として、複数の取引金融機関と当座貸越及びコミットメントラインを契約しており、有効に活用しております。
一方、前連結会計年度において実施した第4回新株予約権の行使による調達を当連結会計年度においても継続して実施いたしました。
当連結会計年度において、グループ財務ポリシーを制定しガバナンスの強化・業務プロセスの標準化を構築いたしました。翌連結会計年度においては、当ポリシーに則りグループファイナンスの実施等に取り組み、高まるカントリーリスクへの対応やグループ内資金の効率化と有利子負債の抑制に取組んで参ります。