E21258 Japan GAAP
前期
1,561.6億 円
前期比
97.0%
株価
2,095 (04/24)
発行済株式数
44,108,428
EPS(実績)
206.24 円
PER(実績)
10.16 倍
前期
710.5万 円
前期比
101.0%
平均年齢(勤続年数)
43.7歳(18.1年)
従業員数
1,145人(連結:3,241人)
当社グループは、当社、連結子会社14社および関連会社1社で構成され、小型屋外作業機械(刈払機、チェンソーなど)、農業用管理機械(モア、畦草刈機、防除機など)および一般産業用機械(発電機、溶接機など)の製造、販売を主な事業内容としております。
当社グループの事業内容および関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。
(1)小型屋外作業機械部門・・・主要な製品は、刈払機、チェンソー、パワーブロワなどであります。
製造事業関係・・・主に、当社、エコー・インコーポレイテッド、クイック・プロダクツ・インク、やまびこヨーロッパ・エス・エイ、愛可機械(深圳)有限公司、新大華機械股份有限公司、追浜工業㈱および双伸工業㈱で製造しております。
販売事業関係・・・主に国内では、当社、やまびこジャパン㈱および追浜工業㈱、海外では当社、エコー・インコーポレイテッド、ゴールデンイーグルディストリビューティング、やまびこヨーロッパ・エス・エイおよび愛可機械(深圳)有限公司が販売しております。
(2)農業用管理機械部門・・・主要な製品は、モア、畦草刈機、防除機などであります。
製造事業関係・・・主に、当社およびクレイリー・インダストリーズで製造しております。
販売事業関係・・・主に国内では、当社およびやまびこジャパン㈱、海外では、クレイリー・インダストリーズおよび愛可機械(深圳)有限公司が販売しております。
(3)一般産業用機械部門・・・主要な製品は、発電機、溶接機、投光機などであります。
製造事業関係・・・主に、当社、エコー・インコーポレイテッド、やまびこベトナムおよびやまびこエンジニアリング㈱で製造しております。
販売事業関係・・・主に国内では、当社およびやまびこジャパン㈱、海外では、当社およびエコー・インコーポレイテッドが販売しております。
(4)その他部門・・・・上記以外の商品などであります。
主に、やまびこジャパン㈱、㈱ニューテックおよびエコー産業㈱が販売しております。
当社グループの事業の系統図は次の通りであります。
2023年12月31日現在
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く市場環境につきましては、米国経済は良好な雇用環境に支えられ個人消費が堅調に推移したものの、長期化するウクライナ紛争や金融引き締めにより、世界経済の減速が懸念されるなど、先行き不透明な状況が継続しました。
このような環境の下、当社グループの主力である海外小型屋外作業機械(OPE: Outdoor Power Equipment)は、 新型コロナによる巣籠需要の反動減や春から夏の需要期における北米や欧州の一部地域での天候不順の影響に加 え、金利上昇により代理店・販売店が在庫圧縮を進めた影響を受けましたが、足元では徐々にその解消が進みまし た。加えて、一般産業用機械は北米での旺盛な建設、エンターテイメント需要を背景に発電機の販売が好調に推移 しました。
国内は、農林事業において肥料・燃料価格の高騰が続き農業従事者の購買意欲が奮わず、当社の販売にも影響を及ぼしました。一方、草刈作業の負担を軽減する遠隔操作可能な新型草刈機は好調な販売となりました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループ連結業績は、次のとおりとなりました。
ア.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ66億36百万円減少し、1,345億62百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ169億51百万円減少し、468億74百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ103億14百万円増加し、876億87百万円となりました。
イ.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高1,514億円(前期比3.0%減)、営業利益142億30百万円(同63.8%増)、経常利益140億66百万円(同52.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は90億97百万円(同44.4%増)となりました。
セグメント別の状況につきましては次のとおりであります。
小型屋外作業機械の売上高は、1,079億78百万円(同5.2%減)となりました。
農業用管理機械の売上高は、238億78百万円(同0.0%増)となりました。
一般産業用機械の売上高は、172億96百万円(同6.4%増)となりました。
その他の売上高は、22億46百万円(同8.1%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローが192億55百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが36億46百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが179億58百万円の支出となりました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は121億87百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益133億73百万円、減価償却費45億7百万円、売上債権の減少額14億23百万円、仕入債務の減少額37億51百万円、棚卸資産の減少額74億31百万円、法人税等の支払額43億92百万円等により192億55百万円の収入(前連結会計年度は51億50百万円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得による支出39億88百万円等により36億46百万円の支出(前連結会計年度は37億53百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純減少額146億64百万円、配当金の支払額21億62百万円等により179億58百万円の支出(前連結会計年度は105億46百万円の収入)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
ア.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) (百万円) |
前年同期比(%) |
小型屋外作業機械 |
99,043 |
88.7 |
農業用管理機械 |
13,063 |
91.3 |
一般産業用機械 |
11,501 |
107.8 |
報告セグメント計 |
123,608 |
90.5 |
その他 |
554 |
124.5 |
合計 |
124,162 |
90.6 |
(注)金額は標準販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
イ.受注実績
当社及び連結子会社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
ウ.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) (百万円) |
前年同期比(%) |
小型屋外作業機械 |
107,978 |
94.8 |
農業用管理機械 |
23,878 |
100.0 |
一般産業用機械 |
17,296 |
106.4 |
報告セグメント計 |
149,154 |
96.8 |
その他 |
2,246 |
108.1 |
合計 |
151,400 |
97.0 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
THE HOME DEPOT INCORPORATED |
30,046 |
19.2 |
28,489 |
18.8 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は1,345億62百万円となり、前連結会計年度末に比べて66億36百万円減少しました。その主な要因は、原材料及び貯蔵品の減少27億39百万円、現金及び預金の減少20億3百万円、仕掛品の減少13億72百万円等によるものであります。
負債合計は468億74百万円となり、前連結会計年度末に比べて169億51百万円減少しました。その主な要因は、借入金の減少136億42百万円、電子記録債務の減少19億90百万円、未払法人税等の減少10億19百万円等によるものであります。
純資産額は876億87百万円となり、前連結会計年度末に比べて103億14百万円増加しました。その主な要因は、利益剰余金の増加69億29百万円、為替換算調整勘定の増加25億95百万円等によるものであります。
b.経営成績
|
2022年12月期 |
2023年12月期 |
増減額 |
増減率 |
||
|
百万円 |
百万円 |
百万円 |
% |
||
売上高 |
|
|
156,159 |
151,400 |
△4,759 |
△3.0 |
|
国内 |
42,845 |
41,029 |
△1,815 |
△4.2 |
|
|
海外 |
113,314 |
110,370 |
△2,943 |
△2.6 |
|
|
|
米州 |
93,310 |
90,500 |
△2,810 |
△3.0 |
|
|
その他海外 |
20,003 |
19,870 |
△133 |
△0.7 |
営業利益 |
8,688 |
14,230 |
5,541 |
63.8 |
||
経常利益 |
9,217 |
14,066 |
4,848 |
52.6 |
||
親会社株主に帰属する当期純利益 |
6,299 |
9,097 |
2,798 |
44.4 |
[売上高]
国内:農林事業が肥料・燃料価格の高騰により農業従事者の購買意欲が奮わず、販売が減少しました。一般産業用機械は、好調な建設工事需要を背景に発電機の販売が堅調に推移した一方で、新製品の導入の遅れにより減収となりました。その結果、国内売上高は前年対比4.2%減収の410億円となりました。
海外:北米市場の一般産業用機械が旺盛な建設、エンターテイメント需要に支えられ、発電機の販売が好調に推移したものの、小型屋外作業機械において新型コロナによる巣籠需要の反動減や需要期の春から夏にかけて北米や欧州の一部地域で干ばつなどの天候不順の影響を受けたことに加え、米国で続いた金利上昇に伴い代理店・販売店が在庫圧縮を行ったことで販売が減少しました。その結果、海外売上高は前年対比2.6%減収の1,103億円となりました。
[損 益]
中国子会社の解散および清算による追加費用が発生したものの、継続的なコストダウンに加え、前期に実施した国内外での価格改定効果や海上運賃が大幅に低下したこと、為替が円安に推移したことなどが収益改善に寄与し、営業利益は前年同期比63.8%増の142億円、経常利益は52.6%増の140億円、親会社株主に帰属する当期純利益は44.4%増の90億円となり、いずれも過去最高益となりました。
また、中期経営計画2025で掲げた営業利益率7%、ROE 10%の目標に対して、営業利益率9.4%、ROE 11.0%とい ずれも上回る結果となりました。
[セグメント別]
① 小型屋外作業機械
|
2022年12月期 |
2023年12月期 |
増減額 |
増減率 |
|
|
百万円 |
百万円 |
百万円 |
% |
|
売上高 |
113,946 |
107,978 |
△5,967 |
△5.2 |
|
|
国内 |
14,628 |
13,942 |
△686 |
△4.7 |
|
海外 |
99,318 |
94,036 |
△5,281 |
△5.3 |
国内:肥料・燃料価格の高騰に伴い農業従事者の購買意欲が奮わなかったことが影響し減収となりました。
海外:新型コロナによる巣籠需要の反動減や春から夏の需要期における北米や欧州の一部地域で干ばつなどの天候不順の影響に加え、金融引き締めの継続により代理店・販売店が在庫圧縮に動いたことで販売が減少し減収となりました。
② 農業用管理機械
|
2022年12月期 |
2023年12月期 |
増減額 |
増減率 |
|
|
百万円 |
百万円 |
百万円 |
% |
|
売上高 |
23,877 |
23,878 |
1 |
0.0 |
|
|
国内 |
15,698 |
14,989 |
△709 |
△4.5 |
|
海外 |
8,178 |
8,888 |
710 |
8.7 |
国内:遠隔操作可能な新型草刈機が売上拡大に貢献したものの、農業従事者の購買意欲が奮わなかった影響に加え、スピードスプレーヤにおいて安全性向上のための改良に取り組むべく一時的に販売を停止したことが影響し減収となりました。
海外:北米市場は、部品調達の遅延により一部製品で一時的に販売が停滞したものの、ポテト関連製品などの販売が好調に推移し増収となりました。
③ 一般産業用機械
|
2022年12月期 |
2023年12月期 |
増減額 |
増減率 |
|
|
百万円 |
百万円 |
百万円 |
% |
|
売上高 |
16,257 |
17,296 |
1,038 |
6.4 |
|
|
国内 |
10,442 |
9,851 |
△590 |
△5.7 |
|
海外 |
5,815 |
7,445 |
1,629 |
28.0 |
国内:好調な建設工事需要を背景に発電機の販売が堅調に推移したものの、新製品販売の遅れなどにより減収となりました。
海外:北米市場での旺盛な建設、エンターテイメント需要を背景に発電機の販売が好調に推移したことにより大幅な増収となりました。
④ その他
|
2022年12月期 |
2023年12月期 |
増減額 |
増減率 |
|
百万円 |
百万円 |
百万円 |
% |
売上高 |
2,077 |
2,246 |
168 |
8.1 |
主要3事業以外の売上高は、主要セグメントに含まれない生産子会社の売上高や商品等で構成されています。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
ア.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
イ.キャッシュ・フローの関連指標
|
2022年12月期 |
2023年12月期 |
自己資本比率(%) |
54.8 |
65.2 |
時価ベースの自己資本比率(%) |
32.4 |
46.0 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(倍) |
- |
0.8 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
- |
29.4 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値によって算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※ 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
※ 2022年12月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
ウ.資本の財源及び資金の流動性
a.財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、資本の効率性の向上、バランスシートの健全性の向上を企業価値向上のための財務戦略の基本方針としております。
資本の効率性の向上については、管理会計の発展を通して、収益性及び資産の回転率と効率性の向上を図ることで、中長期的に資本コストを上回るROEの実現を目指します。
また、現在のネットD/Eレシオの水準を維持し、経済環境の変化に備えるための十分な手元流動性の確保を図ることで、バランスシートの健全性の向上を目指します。
b.経営資源の配分に関する考え方
当社グループは、安定的な経営及び不測の事態に対応可能な手元現預金の水準について、常に検証を実施しております。必要な手元現預金水準を超える分については、追加的に配分可能な経営資源と認識し、企業価値向上に資する経営資源の配分に努めます。
追加的に配分可能な経営資源のうち、特に株主還元を重点施策とし、連結業績及び配当性向を勘案した安定的な配当を実施してまいります。
c.資金需要の主な内容
当社グループの資金需要のうち主なものは、製品の製造に係る原材料仕入、人件費、販売費及び一般管理費等の運転資金であります。
戦略的投資を目的とした資金需要は、新製品の開発・製造に係る設備投資、研究開発投資及びM&A投資であります。
d.資金調達
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的かつ機動的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。
金融機関からの資金調達については、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行9行と当座貸越契約を締結しております。
また、資金効率の向上を図るため、当社及び国内子会社において、キャッシュ・マネジメント・システムを導入しております。
なお、手元流動性を確保することを目的に取引銀行とコミットメントライン契約を締結しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは「中期経営計画2025」を策定し、最終年度である2025年12月期に売上高1,700億円、営業利益率7%およびROE 10%以上を目標指標としております。中期経営計画の初年度である2023年12月期は、売上高1,514億円、営業利益率9.4%、ROE 11.0%となり、営業利益率、ROEは中期経営計画最終年度の目標指標を超える結果となりました。
指標 |
2023年12月期 実績 |
2025年12月期 目標 |
売上高 |
1,514億円 |
1,700億円 |
営業利益率 |
9.4% |
7% |
ROE |
11.0% |
10% |