売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E01673 Japan GAAP

売上高

8,247.7億 円

前期

7,274.0億 円

前期比

113.4%

時価総額

5.44兆 円

株価

80,730 (04/26)

発行済株式数

67,369,359

EPS(実績)

3,333.99 円

PER(実績)

24.21 倍

平均給与

864.6万 円

前期

852.9万 円

前期比

101.4%

平均年齢(勤続年数)

41.9歳(20.5年)

従業員数

6,035人(連結:22,988人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社及び子会社74社(連結子会社44社、非連結子会社30社)(2023年3月31日現在)から成る企業集団は、ファクトリー・オートメーション(FA)に欠かせない要素機器である自動制御機器(方向制御機器、駆動機器、空気圧補助機器などの空気圧機器のほか温調機器、センサー等)を製造・販売する「自動制御機器事業」を営んでおります。

2023年3月31日現在の事業における主要な会社の名称及び取引関係の概要は、次の「事業系統図」及び「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりであります。なお、子会社の名称は、一部略称を用いて表記しております。

 

※画像省略しています。
23/06/29

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績

当期においては、各国でコロナ禍からの正常化が進み、製造業全般において設備投資が回復いたしましたが、部品・原材料の調達難の継続、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の長期化、米中の緊張の高まり、欧米の金融引き締めによる景気後退の懸念など、先行きの不透明な状況が続いております。

自動制御機器の需要は、半導体・電機関連は、年度前半は高水準でしたが、後半は世界的なインフレや景気後退の影響などにより、欧米を中心に設備投資先送りの動きが見られました。自動車関連は、半導体等部品不足の影響が継続し本格的な回復には至りませんでしたが、中国を中心にEVバッテリー関連需要が伸びました。工作機械関連、医療機器関連、食品機械関連及びその他の業種向けは、コロナ後の新たな省人化・自動化需要がありましたが、景気減速により一服感が見られます。

 

 (地域別の販売の状況)

日本では、スマートフォンやパソコン向け半導体メモリの生産調整の影響を受けた半導体・電機関連、半導体不足の影響が続いた自動車関連、年度後半にかけて減速した工作機械関連と、主要な需要業種向けで総じて受注は低調に推移いたしました。医療機器関連、食品機械関連の需要は底堅い動きを見せました。

北米では、半導体製造装置の対中輸出規制の影響などから、年度後半にかけて半導体関連の受注が大きく落ち込みました。自動車関連は、EV関連の設備投資が活況で、工作機械など関連する業種への波及効果が見られました。

欧州では、半導体関連では欧州域内での生産拡大に対応した生産拠点拡充の動きがありました。自動車関連では、半導体不足の影響はあったものの、車載用二次電池を中心としたEV関連の設備投資が活発でありました。製品供給能力や環境性能での優位性が、販売成績に好影響を与えております。

中国では、米中貿易摩擦の影響などから半導体関連は停滞しておりますが、EVを中心とした自動車関連が大きな伸びを示しました。医療機器関連は政策の後押しもあり好調が続きました。台湾では、半導体関連の設備投資が大幅な落ち込みを見せました。

その他アジアでは、年度後半にかけての半導体関連の需要減退に伴い、これらの分野の比率が高い韓国、シンガポール、マレーシアでは厳しい受注環境となりました。インドでは、自動車関連の大型投資がありました。

南米・オセアニアなどその他の地域では、コロナ禍の影響で延期されてきた設備投資が回復し、売上は前期を上回りました。

 

このような環境において当社グループは、自動化需要の伸長に対応した製品供給能力の拡大と、BCPに基づく生産の複線化を目的とした積極的な設備投資を進めました。さらに、お客様のCO2排出量削減に大きく貢献できる新製品開発や、販売活動におけるITを活用したグローバル連携の強化などの課題に引き続き注力いたしました。加えて、脱炭素社会の実現に向け、「GHGプロトコル」に基づくScope1とScope2のGHG排出量を、2030年度までに48%削減し、2050年度までにカーボンニュートラルを達成するという中長期目標を策定し、具体的な取組を開始いたしました。

 

この結果、当期の連結売上高は、販売数量の増加と、為替変動に伴う海外販売分の増収を主な要因として、824,772百万円(前期比13.4%増)となりました。運送費、人件費、IT関連費用等の増加により販売費及び一般管理費は増加いたしましたが、増収に伴う利益増加により営業利益は258,200百万円(同13.3%増)となりました。為替差益は減少いたしましたが、市場金利の上昇による受取利息の増加から、経常利益は305,980百万円(同12.1%増)投資有価証券売却益の計上により、税金等調整前当期純利益は308,777百万円(同13.2%増)親会社株主に帰属する当期純利益は224,609百万円(同16.4%増)となりました。

自己資本当期純利益率(ROE)は、前期に比べて0.6ポイント上昇して13.8%となりました。

 

② 財政状態

 (a) 資産の状況

資産合計は、1,927,940百万円(前期末比157,988百万円増)となりました。

現金及び預金は、事業活動による利益の獲得や、当社グループが保有する外貨建預金に係る為替換算の影響による増加がありましたが、主に米国債の購入や納税、自己株式取得、在庫積み増しや設備投資への資金充当により、603,570百万円(同81,263百万円減)となりました。

受取手形及び売掛金は、増収に伴う増加や、海外での外貨建販売分の為替換算による増加により、228,848百万円(同16,909百万円増)となりました。

棚卸資産は、売上の増加に伴う仕入の増加、及び制約が増している昨今のサプライチェーンの状況に対応するための部品・原材料在庫の戦略的な積み増しから、418,602百万円(同115,056百万円増)となりました。

有形固定資産は、売上の増加に対応するための生産能力確保や、製品供給の持続可能性を高めるBCPの強化を図る観点から、国内外で生産・物流設備への投資を拡大したほか、研究開発機能の向上や優秀な人材の確保を目的とした研究開発拠点の移転用地を取得したことなどにより、326,995百万円(同56,410百万円増)となりました。

 (b) 負債の状況

負債合計は、225,615百万円(前期末比14,937百万円増)となりました。

支払手形及び買掛金は、売上の増加に応じて仕入が増加したことや部品・原材料の仕入を戦略的に増やしたことから、73,636百万円(同11,534百万円増)となりました。

 (c) 純資産の状況

純資産は、自己株式の取得により55,030百万円減少したものの、当期純利益の獲得により利益剰余金が増加したこと、円安に伴い為替換算調整勘定が120,275百万円(前期末比32,381百万円増)となったことにより、1,702,325百万円(同143,051百万円増)となりました。

自己資本比率は、前期末の87.9%から当期末は88.1%となり、1株当たり純資産額は、前期末の23,808円08銭から当期末は26,331円72銭となりました。

 

③ キャッシュ・フロー

当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前期末比67,972百万円減491,324百万円となりました。

 (a) 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動により得られた資金は、101,617百万円(前期比54,476百万円の収入減)となりました。主な内容は、当期に計上した税金等調整前当期純利益308,777百万円(同35,925百万円の収入増)に、非資金損益項目である減価償却費25,767百万円(同5,210百万円増)、為替差益21,874百万円(同3,725百万円増)を加減算して求めた営業損益を基にしたキャッシュ・フロー、棚卸資産の増加による支出106,728百万円(同72,951百万円の支出増)、法人税等の支払による支出91,581百万円(同29,612百万円の支出増)であります。

 (b) 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動により使用した資金は、87,086百万円(前期比29,128百万円の支出減)となりました。主な内容は、生産能力増強を主な目的とした設備投資による支出72,180百万円(同5,408百万円の支出減)、資金運用を目的とした投資有価証券の取得及び売却による差引支出42,063百万円(前期12,804百万円の収入)であります。

 (c) 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果使用した資金は、113,299百万円(前期比24,366百万円の支出増)となりました。主な内容は、自己株式の取得による支出55,030百万円(同5,010百万円の支出増)、配当金の支払58,776百万円(同19,144百万円の支出増)であります。

 

 

④ 生産、受注及び販売の状況

(a) 生産実績

当社グループは自動制御機器事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

自動制御機器事業

886,481

+22.5

 

(注)  金額は、販売価格によっております。

 

(b) 受注実績

当社グループは自動制御機器事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における受注実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

自動制御機器事業

847,527

+3.7

179,170

+14.5

 

 

(c) 販売実績

当社グループは自動制御機器事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

自動制御機器事業

824,772

+13.4

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a) 経営成績の分析

当期の売上高は、824,772百万円(前期比13.4%増)となりました。需要動向及び販売の状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績」に記載のとおりであります。

売上総利益は、421,159百万円(同15.8%増)となりました。原材料価格の高騰や人件費の増加、旺盛な受注に対応するための派遣社員費用の増加などのコストの増加を増収が補い、売上総利益率は前期比1.1ポイント上昇して51.1%となりました。

販売費及び一般管理費は、運送費、人件費、IT関連費用の増加を主因に162,958百万円(同19.8%増)となり、販管費負担率は前期比1.1ポイント上昇して19.8%となりました。営業利益は258,200百万円(同13.3%増)となり、営業利益率は前期と同じ31.3%となりました。

営業外損益では、為替差益が28,203百万円(同14.9%減)となりましたが、市場金利上昇による受取利息が11,722百万円(同74.6%増)となり、経常利益は305,980百万円(同12.1%増)となりましたが、経常利益率は前期比0.4ポイント低下して37.1%となりました。

特別損益では、投資有価証券売却益が増加となり、法人税等負担率が低下したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は224,609百万円(同16.4%増)となりました。

なお当期の期中平均為替レートは、1USドル=135円56銭、1ユーロ=141円05銭、1人民元=19円75銭、期末為替レートは、1USドル=133円54銭、1ユーロ=145円72銭、1人民元=19円42銭でありました。

(b) 財政状態の分析

「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態」に記載のとおりであります。

 

② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。作成に当たっては、経営者による会計方針の選択と適用並びに資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要といたします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等に基づき合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる可能性があります。

 

当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

(棚卸資産の評価に関する事項)
  (ⅰ) 当社グループの製品の特性(需要及び材質)

当社グループの主要製品である空気圧機器をはじめとする自動制御機器は、お客様の工場の生産・搬送ライン、半導体製造装置、工作機械、産業用ロボットなどに組み込まれる要素部品であります。自動制御機器製品の単価は比較的低廉ですが、その不具合や欠品によってラインの停止や稼働遅れが生じた場合、お客様は多大な損失を被ります。そのため、お客様のニーズに合致した製品を短納期で即納することができるかどうかが、競争上、極めて重要な要件となります。

当社グループの製品を採用してくださったお客様は、次にラインや装置の図面を更新するまで長期間にわたり継続して同一の製品を購入される傾向があります。

また、当社グループの製品の主要な材質は、アルミニウムや樹脂など腐食に強い素材であり、製品は経年劣化しにくい特性を持っております。

さらに、在庫の陳腐化リスクを低減するため、最終製品に組み上げる前の段階で在庫として保持する等の対応も行っております。

 (ⅱ) 当社グループの在庫保有方針

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営環境 ② 当社グループの競争優位性」に記載のとおり、豊富な品揃えと潤沢な在庫は当社グループの競争優位性の重要な要素であり、戦略的に厚めの在庫を保持するという方針を変更する予定はありません。

 (ⅲ) 棚卸資産の評価減金額の算定方法

当社は、上記の製品の特性及び在庫保有方針を踏まえつつ、時間の経過に応じた販売実績の減少に伴う収益性の低下を棚卸資産の評価に適切に反映するため、当社及び各連結子会社が保有する在庫の品番別の残高、過去の一定期間(概ね10年)の販売・使用の実績データ等を分析し、滞留状況に応じた評価減率を設定して、棚卸資産の評価減金額を算定しております。

 (ⅳ) 重要な会計上の見積りに関する注記との関係

「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」及び「2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性
① キャッシュ・フローの状況の分析

「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

 
② 資金需要

当社グループの運転資金需要の主なものは、原材料・部品等の購入費用、製造経費、販売費及び一般管理費、研究開発費であります。投資を目的とする資金需要の主なものは、土地、建物、機械設備等の購入など設備投資であります。

 

③ 財務政策

当社グループは、通常の事業活動に必要な流動性を確保しつつ、機動的な設備投資を実施するための資金需要にも対応できる資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

長期運転資金及び設備投資資金については自己資金により賄い、短期運転資金については自己資金のほか必要に応じて金融機関からの借入により調達することを基本としております。

 当期末における借入金の残高は12,187百万円、現金及び現金同等物の残高は491,324百万円であります。

なお当社は、2022年11月14日開催の取締役会の決議に基づき、当期中に839,200株、54,995百万円の自己株式の取得を実施いたしました。

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について

  「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(5) 経営戦略の現状及び見通し

  「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。