E01682 Japan GAAP
前期
302.8億 円
前期比
114.9%
株価
4,860 (04/25)
発行済株式数
15,348,720
EPS(実績)
331.30 円
PER(実績)
14.67 倍
前期
716.0万 円
前期比
103.2%
平均年齢(勤続年数)
42.5歳(13.8年)
従業員数
215人(連結:1,974人)
当社グループは、日精エー・エス・ビー機械㈱(当社)及び子会社14社により構成されており、主要な事業内容はPET(ペット)ボトルをはじめ各種プラスチック容器を製造するストレッチブロー成形機とその専用金型、付属機器及び部品の製造販売であり、かつ、これに付帯する事業を営んでおります。
当社グループは上記の事業において単一事業を営んでおり、当社及び子会社の所在地を基礎とした地域別による区分(「米州」、「欧州」、「南・西アジア」及び「東アジア」)を当社の報告セグメントとしております。
当社グループの事業に係る位置付けは、次のとおりであります。
① 製品の製造
当社がストレッチブロー成形機及び専用金型、付属機器、部品を製造するほか、作業工程の一部は、インドにある連結子会社のASB INTERNATIONAL PVT. LTD.、並びに国内の連結子会社2社及び協力会社に依頼しております。また、一部の製品は、ASB INTERNATIONAL PVT. LTD.が製造しております。
② 製品の販売
米 州 :主に連結子会社のNISSEI ASB CO.、NISSEI ASB CENTRO AMERICA, S.A. DE C.V.他1社を通じて販売しております。
欧 州 :主に連結子会社のNISSEI ASB GmbH他1社を通じて販売しております。
南・西アジア:主に連結子会社のNISSEI ASB PTE. LTD.、ASB INTERNATIONAL PVT. LTD.、NISSEI ASB FZE他4社を通じて販売しております。
東アジア :主に当社を通じて販売しております。
以上の当社グループの事業系統図は次のとおりであります。
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(以下、当期)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期の世界経済は、コロナ禍からの経済活動再開の動きが世界各地で本格化する一方、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や世界的なインフレ進行、欧米諸国での政策金利の引き上げや急激な為替変動など、不安定な状況で推移しました。
一方で、当社グループの属するストレッチブロー成形機業界におきましては、安全で衛生的なプラスチック容 器の需要は底堅いものがあり、事業活動は今後も堅調に推移すると思われます。
こうした環境下、当社グループは「人と社会に豊かさを提供する」「高い技術、サービスで恒久的な存続を追求 する」との経営理念に基づき、中長期的な成長発展方針を継続し、事業規模の拡大を見据えた各種戦略的施策の展開に注力しました。
技術面では、当社の得意領域である、高品質・高付加価値生産が特徴の1ステップ成形機(以下、1ステップ機)の優位性を高める「ゼロ・クーリングシステム」の更なる進化を図るとともに、金型交換時間短縮仕様搭載機の上市など、製品競争力の向上に努めました。また、飲料市場向け大量生産機のシェア拡大や、環境問題対応を含む幅広い用途への容器利用を企図して、高品質・高付加価値な容器成形法および新型機群の開発を強化しております。
販売面では、新たに創設した営業本部体制のもと、グローバル且つ組織的な営業活動を展開し、受注獲得に努めました。特に当期においては、コロナ禍を経て世界各地の主要展示会への出展を再開した結果、顧客との接点が増え、多くの引き合いを獲得することができました。また、保守部品の在庫分析・適正配置に努めた結果、アフターサービス分野が強化され安定収益の確保につながりました。
生産面では、グローバル生産体制の最適化を図るため、増産対応とリスク分散を進めました。具体的には、インド工場での成形機等の生産能力増強と納期短縮を図るべく、工作機械等への設備投資を完了し、生産体制を強化しました。また、日本国内におきましては、将来の事業拡大に備えるべく、本社工場近隣に新たな工場用地を取得し、より強固な生産体制の構築を検討しております。環境対応技術では、「3R+Renewable」への取り組みを継続し、「材料使用量の削減」、「PETボトルリユースの提案」、「リサイクル材料の使用促進」、「バイオプラスチックのボトル成形」などのソリューションを提供することで、全世界において環境配慮型の技術提案を強化しました。なお、当第1四半期にドイツで開催された世界最大のプラスチック・ゴム展示会「K2022」で披露した4台の新技術は、顧客から大きな関心を集めており、持続可能なプラスチック容器市場へ拡大すべく、今後も技術開発を強化して参ります。
販売成績につきましては、受注環境が好調に推移したことに加え、為替の円安効果もあり、当期の受注高は35,181百万円(前年同期比105.9%)と過去最高となり、受注残高も14,716百万円(前年同期末比97.8%)と高水準で終えました。売上高につきましても、当第4四半期に過去最高となる四半期売上を計上した結果、当期の売上高 は34,798百万円(前年同期比114.9%)と過去2番目の高さとなりました。
利益面につきましては、円安効果に加え、原材料高に応じた柔軟な価格政策を継続した結果、売上総利益は15,649百万円(同116.7%)、営業利益は7,166百万円(同129.0%)とそれぞれ増益となりました。一方、経常利益は上半期における一時的な円高進行によって発生した為替差損の影響により6,953百万円(同77.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,085百万円(同82.9%)とそれぞれ減益となりました。
当期における損益の状況は次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
売上高 |
売上総利益 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主に帰属 する当期純利益 |
前期 |
30,277 |
13,408 |
5,556 |
8,927 |
6,130 |
当期 |
34,798 |
15,649 |
7,166 |
6,953 |
5,085 |
前期比 |
114.9% |
116.7% |
129.0% |
77.9% |
82.9% |
セグメントの業績は次のとおりであります。
セグメント(地域)別売上高状況
(単位:百万円)
|
米州 |
欧州 |
南・西アジア |
東アジア |
合計 |
前期 |
10,454 |
5,356 |
9,517 |
4,948 |
30,277 |
当期 |
10,643 |
6,850 |
10,192 |
7,111 |
34,798 |
前期比 |
101.8% |
127.9% |
107.1% |
143.7% |
114.9% |
セグメント(地域)別利益
(単位:百万円)
|
米州 |
欧州 |
南・西アジア |
東アジア |
合計 |
前期 |
1,131 |
482 |
947 |
5,809 |
8,372 |
当期 |
1,363 |
727 |
1,419 |
6,614 |
10,124 |
前期比 |
120.5% |
150.6% |
149.7% |
113.8% |
120.9% |
イ.米州
不透明な景況感を背景に北米地域での成形機売上が減少したものの、好調なアフターサービス需要により、金型および部品その他が増加したため、地域全体の売上高は10,643百万円(同101.8%)と増加しました。セグメント利益も製品ミックスの変化による利益改善等により1,363百万円(同120.5%)と増益となりました。
ロ.欧州
世界最大の展示会「K2022」への出展など、営業活動を強化した結果、当期の売上高は6,850百万円(同127.9%)と高水準となりました。セグメント利益も増収効果等により727百万円(同150.6%)と増益となりました。
ハ.南・西アジア
インド国内市場が好調に推移した結果、売上高は10,192百万円(同107.1%)と過去2番目の高さとなりました。セグメント利益も増収効果等により1,419百万円(同149.7%)と増益となりました。
ニ.東アジア
日本国内の引き合いは比較的堅調に推移し、豊富な受注残高を消化した結果、地域全体の売上高は7,111百万円(同143.7%)と過去最高となりました。セグメント利益も増収効果等により6,614百万円(同113.8%)と増益となりました。
財政状態の分析
当期における資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
流動資産 |
固定資産 |
流動負債 |
固定負債 |
純資産 |
前期末 |
48,296 |
20,659 |
11,854 |
11,198 |
45,903 |
当期末 |
50,699 |
19,496 |
10,265 |
9,545 |
50,384 |
当期末の流動資産は、前期末と比べ2,402百万円増加し、50,699百万円となりました。また、固定資産は、前期末と比べ1,163百万円減少し、19,496百万円となりました。この結果、当期末の資産合計は、前期末と比べ1,239百万円増加し、70,195百万円となりました。
流動負債は、前期末と比べ1,589百万円減少し、10,265百万円となりました。また、固定負債は、前期末と比べ1,652百万円減少し、9,545百万円となりました。
純資産は、前期末と比べ4,481百万円増加し、50,384百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物(以下、資金)は、前期末に比べ4,390百万円増加し、23,578百万円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
営業活動による キャッシュ・フロー |
投資活動による キャッシュ・フロー |
財務活動による キャッシュ・フロー |
現金及び現金同等物 の期末残高 |
前期 |
3,454 |
△3,170 |
△3,706 |
19,188 |
当期 |
7,885 |
△675 |
△3,392 |
23,578 |
イ.営業活動によるキャッシュ・フロー
高水準な税金等調整前当期純利益の計上に加え、棚卸資産の削減及び仕入債務の増加により運転資本が減少 したため、営業活動の結果増加した資金は7,885百万円(前期:3,454百万円の収入)となりました。
ロ.投資活動によるキャッシュ・フロー
インド工場への設備投資の一服により固定資産の取得に伴う支出が減少したため、投資活動の結果支出した 資金は675百万円(前期:3,170百万円の支出)となりました。
ハ.財務活動によるキャッシュ・フロー
借入金の返済や期末配当金の支払いにより、財務活動の結果支出した資金は3,392百万円(前期:3,706百万 円の支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年10月1日 至 2023年9月30日) |
|
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
南・西アジア |
21,965 |
108.1 |
東アジア |
10,226 |
80.2 |
合計 |
32,191 |
97.3 |
(注) 金額は、販売価格によっております。
ロ.受注実績
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年10月1日 至 2023年9月30日) |
|||
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高(百万円) |
前期比(%) |
|
米州 |
10,817 |
100.2 |
4,726 |
102.5 |
欧州 |
7,391 |
116.6 |
2,137 |
90.0 |
南・西アジア |
11,081 |
112.1 |
4,782 |
118.9 |
東アジア |
5,891 |
94.9 |
3,070 |
76.0 |
合計 |
35,181 |
105.9 |
14,716 |
97.8 |
(注) なお、受注高の計算に際しては、前期以前に受注した案件のキャンセルは前期末受注残高より控除しております。
ハ.販売実績
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年10月1日 至 2023年9月30日) |
|
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
米州 |
10,643 |
101.8 |
欧州 |
6,850 |
127.9 |
南・西アジア |
10,192 |
107.1 |
東アジア |
7,111 |
143.7 |
合計 |
34,798 |
114.9 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績や現況等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたり採用している重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況」「1 連結財務諸表等」「(1)連結財務諸表」「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容
イ.経営成績等
a.財政状態
・流動資産
当期末における流動資産の残高は、50,699百万円(前期末48,296百万円)となり、前期末と比べ2,402百万円の増加となりました。これは現金及び預金が増加したことが主な要因であります。
・固定資産
当期末における固定資産の残高は、19,496百万円(前期末20,659百万円)となり、前期末と比べ1,163百万円の減少となりました。これは減価償却累計額が増加したことが主な要因であります。
・流動負債
当期末における流動負債の残高は、10,265百万円(前期末11,854百万円)となり、前期末と比べ1,589百万円の減少となりました。これは未払法人税等が減少したことが主な要因であります。
・固定負債
当期末における固定負債の残高は、9,545百万円(前期末11,198百万円)となり、前期末と比べ1,652百万円の減少となりました。これは長期借入金が減少したことが主な要因であります。
・純資産
当期末における純資産の残高は、50,384百万円(前期末45,903百万円)となり、前期末と比べ4,481百万円の増加となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上と為替換算調整勘定が増加したことが主な要因であります。
b.経営成績
・概要
当期の経営成績の概要は「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
・製品別売上高
当期における製品別売上高状況は次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
ストレッチブロー 成形機 |
金型 |
付属機器 |
部品その他 |
合計 |
前期 |
15,601 |
9,212 |
1,596 |
3,866 |
30,277 |
当期 |
17,732 |
10,488 |
1,986 |
4,590 |
34,798 |
前期比 |
113.7% |
113.9% |
124.4% |
118.7% |
114.9% |
製品別の売上高状況につきましては、全ての製品で前期を上回りました。特に、年度を通して好調であった金型が10,488百万円(前期比113.9%)、部品その他が4,590百万円(同118.7%)とそれぞれ過去最高となり、容器設計からアフターサービスまでを一貫して提供する当社のビジネスモデルの底堅さを示しております。
・売上総利益
円安効果に加え、原材料高に応じた柔軟な価格政策を継続した結果、売上総利益は15,649百万円(前期比116.7%)となりました。
・営業利益
販売費及び一般管理費が前期より増加したものの、売上総利益の増加により、営業利益は7,166百万円(前期比129.0%)となりました。
・経常利益
上半期における一時的な円高進行によって発生した為替差損の計上により、経常利益は6,953百万円(前期比77.9%)となりました。
・親会社株主に帰属する当期純利益
経常利益の減少により、親会社株主に帰属する当期純利益は5,085百万円(前期比82.9%)となりました。
c.キャッシュ・フローの状況
当期のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」「② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
ロ.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要の主なものは、生産活動に必要な材料費、外注費及び労務費等の製造費用や、受注獲得や競争力強化のための販売費及び一般管理費等の営業費用、また生産活動を支えるための設備の新設、及び維持更新投資であります。特に、設備の新設については、将来の規模拡大に備えるため、積極的に実施してきました。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、自己資金のほか、必要に応じて金融機関からの借入により資金調達を行っております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は9,539百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は23,578百万円であります。
ハ.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況」「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「(2)業界構造、市場環境及び経営環境」「④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しております。
なお、当期における経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況は次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
売上高 |
売上総利益 |
営業利益 |
経常利益 |
前期 |
30,277( 100.0%) |
13,408( 44.3%) |
5,556( 18.4%) |
8,927( 29.5%) |
当期 |
34,798( 100.0%) |
15,649( 45.0%) |
7,166( 20.6%) |
6,953( 20.0%) |
増減 |
4,521( - ) |
2,241( 0.7%pt) |
1,610( 2.2%pt) |
△1,973(△9.5%pt) |
(注)1. 前期及び当期の( )内は売上高比率を記載しております。