売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E01585 IFRS

売上高

1.41兆 円

前期

1.28兆 円

前期比

109.9%

時価総額

9,185.4億 円

株価

4,270 (06/25)

発行済株式数

215,115,038

EPS(実績)

485.63 円

PER(実績)

8.79 倍

平均給与

761.9万 円

前期

741.2万 円

前期比

102.8%

平均年齢(勤続年数)

40.3歳(15.4年)

従業員数

5,862人(連結:26,230人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当連結グループは、提出会社、連結子会社86社及び関連会社18社で構成され、油圧ショベル・超大型油圧ショベル・ホイールローダ等の製造・販売及びこれに関連する部品サービスの販売により建設機械に関連する一連のトータルライフサイクルの提供を主たる目的とした建設機械ビジネスセグメントと、建設機械ビジネスセグメントに含まれないマイニング設備及び機械のアフターセールスにおける部品開発、製造、販売及びサービスソリューションの提供を主たる目的としたスペシャライズド・パーツ・サービスビジネスセグメントの2つを報告セグメントとしています。

なお、当連結会計年度より、「ソリューションビジネス」としていた報告セグメント名称を「スペシャライズド・パーツ・サービスビジネス」に変更しております。この変更はセグメント名称の変更であり、セグメント情報に与える影響はありません。

当連結グループの事業の系統図は次のとおりです。

 

※画像省略しています。

 

24/06/25

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

1.経営成績等の状況の概要

(1) 業績

 当連結会計年度において、スペシャライズド・パーツ・サービスビジネスセグメントにおけるノンコア事業を非継続事業に分類しています。これにより、売上収益、営業利益、税引前当期利益は非継続事業を除いた継続事業の金額を表示し、前連結会計年度の金額を組替えて比較及び分析を行っています。

 

① 売上収益

当連結会計年度の連結売上収益は前連結会計年度比11.1%増加1兆4,059億2千8百万円となりました。

 

② 売上原価、販売費及び一般管理費

当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度比9.4%増加9,707億5千8百万円となりました。売上原価の売上収益に対する比率は前連結会計年度より1.1ポイント減少69.0%となりました。

また、販売費及び一般管理費は前連結会計年度比10.7%増加2,671億4千2百万円となりました。

 

③ 営業利益

営業利益は、前連結会計年度より19.9%増加1,626億9千万円となりました。営業利益の売上収益に対する比率は前連結会計年度より0.9ポイント増加し11.6%となりました。

 

④ 金融収益及び金融費用

金融収益及び金融費用は、前連結会計年度の151億1千5百万円の損失(純額)から当連結会計年度56億5千6百万円の損失(純額)と、損失が94億5千9百万円減少しました。これは主に、為替差損が、前連結会計年度107億5千5百万円から当連結会計年度18億6千4百万円と、88億9千1百万円減少したことによるものです。

 

⑤ 税引前当期利益

税引前当期利益は、前連結会計年度より39.5%増加1,604億7千6百万円となりました。

 

⑥ 法人所得税費用

当連結会計年度における法人所得税費用は、前連結会計年度より17.6%増加し、441億8千6百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は1,435億3千万円となり、当連結会計年度期首より315億3千8百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動に関するキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動に関するキャッシュ・フローは、当期利益1,162億9千万円をベースに、減価償却費596億9千3百万円、法人所得税費用446億8千4百万円等を計上する一方、棚卸資産の増加637億3千8百万円等の計上がありました。

この結果、当連結会計年度は730億3千5百万円の収入となり、前連結会計年度に比べて収入が991億7千万円増加しました。

 

(投資活動に関するキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動に関するキャッシュ・フローは、主として、有形固定資産の取得457億2千8百万円、無形資産の取得98億7千5百万円があったことで390億3千5百万円となり、前連結会計年度と比べて支出が36億1千2百万円減少しました。

これにより、営業活動に関するキャッシュ・フローと、投資活動に関するキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは340億円の収入となりました。

 

(財務活動に関するキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動に関するキャッシュ・フローは、主として、短期借入金の増加279億2千6百万円、社債及び長期借入金による調達534億7千6百万円等があったものの、社債及び長期借入金の返済392億6千8百万円、配当金の支払(非支配持分株主への配当金を含む)375億6千3百万円等により89億1千7百万円の支出となり、前連結会計年度と比べて収入が960億6百万円減少しました。

 

(3) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

当連結会計年度の生産実績は、次のとおりです。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前連結会計年度比
(%)

建設機械ビジネス

1,412,729

114

スペシャライズド・パーツ・サービスビジネス

合計

1,412,729

114

 

(注) 1.金額は、販売価格によっています。

2.スペシャライズド・パーツ・サービスビジネスセグメントのビジネスは、マイニング設備及び機械のアフターセールスにおける部品開発、製造、販売及びサービスソリューションの提供を主たる目的としており、ビジネスの性質上、生産実績の記載に馴染まないため、記載を省略しています。

3.当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。その内容等については、「第2「事業の状況」4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」2.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2) 当連結会計年度の経営成績の分析」をご参照願います。

 

② 受注実績

当連結グループの製品は、そのほとんどが見込生産のため受注実績の記載は省略しています。

 

③ 販売実績

当連結会計年度の販売実績は、次のとおりです。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前連結会計年度比
(%)

建設機械ビジネス

1,282,273

111

スペシャライズド・パーツ・サービスビジネス

123,655

112

合計

1,405,928

111

 

(注) 1.総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。

 

2.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1) 重要な会計方針及び見積り

当連結グループは連結財務諸表の作成に際し、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、財政状態及び経営成績の金額に影響を与える見積りを行っていますが、特に以下の重要な会計方針が、提出会社の連結財務諸表の作成における重要な見積りに大きな影響を及ぼすと考えています。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

当該仮定は当連結会計年度末時点における最善の見積りであると判断していますが、実際の経済活動の推移が今後この仮定から乖離した場合には翌期以降の重要な会計上の見積りの判断に影響を及ぼす可能性があります。

 

① 棚卸資産

当連結グループは、棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い方の金額で評価しており、実際の将来需要または市場状況が悪化した場合は、評価減が必要となる可能性があります。

 

② 有形固定資産及び無形資産

当連結グループは、有形固定資産及び無形資産について減損の兆候の有無の判定を行い、その帳簿価額が回収不可能であるような兆候がある場合、減損テストを実施しています。将来の営業活動から生ずる損益またはキャッシュ・フローの悪化等により回収可能価額が低下した場合には追加の減損損失の計上が必要になる可能性があります。

また、耐用年数を確定できない無形資産及びのれんについては、減損の兆候の有無にかかわらず、毎年、主に第4四半期において、その資産の属する資金生成単位ごとに回収可能価額を見積もり、減損テストを実施しています。のれんが発生している連結子会社の超過収益力が低下した場合には、追加の減損損失の計上が必要になる可能性があります。

 

③ 営業債権及びその他の金融資産

金融資産については、減損を示す客観的な証拠が金融資産の当初認識後に発生しておりその金融資産の見積将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回る場合、当該金融資産について減損損失が発生する可能性があります。

また、営業債権にかかる減損損失については、事業を行う国あるいは地域の特有な商慣行を含む事業環境に関連した潜在的なリスクを評価した上で算定した将来の回収可能額の見積りに基づいて減損損失を計上しており、将来の市況悪化や取引先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。

 

④ 繰延税金資産

繰延税金資産は、未使用の税務上の繰越欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しています。将来において業績及び課税所得が見積額より悪化した場合、繰延税金資産に対し追加の評価減の計上が必要となる可能性があります。

 

⑤ 退職給付に係る負債

当連結グループは、退職給付制度に基づく確定給付債務及び制度資産の測定に当たっては、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しています。これらの前提条件には、割引率、昇給率、退職率及び死亡率などが含まれます。将来において、実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、退職給付に係る負債、退職給付費用及び退職給付制度の再測定に影響を及ぼす可能性があります。

 

なお、会計上の見積りを行う上での及びロシア・ウクライナ情勢の影響についての影響の考え方は以下のとおりです。

 

ロシア・ウクライナ情勢の影響について

当連結会計年度末の連結財政状態計算書には当社の連結子会社である在ロシアの日立建機ユーラシアLLC(以下、HCMR)の財政状態計算書が含まれております。

このHCMRの財政状態計算書のうち、主要な項目としては代理店に対して有する売上債権が8,949百万円、棚卸資産が4,857百万円含まれています。売上債権については全期間の予想信用損失を見積り、貸倒引当金を計上していますが、当該見積りは代理店の財政状態やその顧客の属する産業の状況、直近の回収状況等を考慮し、回収期間にわたり直近の状況が継続するとの仮定に基づいております。棚卸資産についても、受注の状況を踏まえた今後の販売計画を考慮した上で評価しております。

当該仮定は当連結会計年度末時点における最善の見積もりであると判断しておりますが、ロシア・ウクライナ情勢による経済活動への影響には不確実性が存在し、実際の経済活動の推移等が見積りから乖離した場合には、翌期以降の会計上の見積りに影響を及ぼし、貸倒引当金及び棚卸資産の評価に重要な変更をもたらすリスクがあります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

当連結グループは、2024年3月期より2026年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画「BUILDING THE FUTURE 2025 未来を創れ」を新たに策定し、①顧客に寄り添う革新的ソリューションの提供、②バリューチェーン事業の拡充、③米州事業の拡大、④人・企業力の強化、の4つの経営戦略を掲げて、持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでいます。

このような取り組みの中で、第4四半期連結会計期間より、IFRS会計基準に則して、スペシャライズド・パーツ・サービスビジネスセグメントにおけるノンコア事業を非継続事業に分類することとしました。これにより、当連結会計年度および前連結会計年度について、売上収益、調整後営業利益(売上収益から、売上原価並びに販売費及び一般管理費の額を減算して算出した指標)、営業利益、税引前当期利益は非継続事業を除いた継続事業の金額を表示し、当期利益及び親会社株主に帰属する当期利益は、継続事業及び非継続事業の合算を表示しています。

当連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日)における油圧ショベル需要は、市況が低迷している中国において前年度から大幅に減少しました。加えて、主要国での選挙影響等によって顧客の投資意欲の鈍化が見られたアジアや金利の高止まり等の影響を受けている西欧でも減少しました。一方で、日本と北米では安定した公共投資や民間設備投資が追い風となり、堅調な需要水準を維持しました。

マイニング需要は、資源価格が健全なレベルで推移し顧客の高い投資意欲が継続したこと、さらに高い稼働率に伴うオーバーホール需要及び定期メンテナンス需要に支えられ、全体的に堅調に推移しました。

このような環境下、2022年3月から本格的な独自展開を進めている米州事業が前年度比で大幅に増加したほか、これまで注力してきたマイニング事業及びバリューチェーン事業が大きく伸長しました。

これらの結果に為替影響等も加わって、売上収益は2年連続で過去最高を更新する1兆4,059億2千8百万円(対前年同期増減率11.1%)と大幅な増収となりました。

利益項目についても、資材費や物流費を中心としたコスト増加の影響が続いたものの、原価低減や販売価格の引き上げに取り組み、売上収益の増加に為替影響も加わった結果、調整後営業利益は、売上収益同様、2年連続で過去最高を更新する1,680億2千8百万円(同23.0%)と大幅な増益となりました。

また、親会社株主に帰属する当期利益についても、非継続事業における構造改革費用の計上等があったものの、金融収益・費用や持分法投資損益の改善により、過去最高の932億9千4百万円(同32.9%)となりました。

 

① 建設機械ビジネス

当連結会計年度における売上収益は1兆2,823億3千2百万円(同11.1%)、調整後営業利益は1,535億3千8百万円(同23.9%)と増収増益になりました。

米州における独自事業が前年度から引き続き堅調に拡大しているほか、コンストラクション・マイニング事業ともに、新車販売だけでなく部品サービスを中心としたバリューチェーン事業も好調に推移し、前年度比で業績は大幅に伸長しました。

 

② スペシャライズド・パーツ・サービスビジネス

当事業は、主としてマイニング設備及び機械のアフターセールスにおける部品サービス事業を行うBradken Pty Limited及びその子会社と、サービスソリューションを提供するH-E Parts International LLC及びその子会社で構成されています。

当連結会計年度における売上収益は、マイニングの市場環境が堅調に推移した結果、1,298億8千9百万円(同11.4%)と増収になりました。調整後営業利益も、売上収益の増加と為替影響、取り組んできた事業構造改革の結果、高収益事業が伸長したこと等により、144億9千万円(同14.2%)と売上収益を上回る伸びになりました。

 

なお、上記、①②の売上収益については、セグメント間調整前の数値です。

 

 

また、変化に強い企業体質づくりと成長戦略の刈取りを促進すべく策定した2023年度から3か年の中期経営計画の達成・進捗状況は、以下のとおりです。

 

指標

2023年度目標

当連結会計年度実績

前連結会計年度比

収益性

営業利益からその他の収益及びその他の費用を除いた利益率13%以上をめざす

12.0%

1.2%pt増

効率性

ROE13%以上をめざす

13.1%

2.1%pt増

ネットD/Eレシオ

0.4以下をめざす

0.57

0.03減

株主還元

連結配当性向を30%~40%を目安とする

34.2%

0.9%pt増

 

(注) 2023年度目標の前提となる為替レートは、米ドル141円、ユーロ152円、人民元20.1円、豪ドル95円としています。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因

当連結グループに与える業績変動要因、並びに国内外の政治的・経済的変動及び需要変動による影響については3[事業等のリスク]に記載のとおりです。

 

(4) 財政状態の分析

[資産]

流動資産は、前連結会計年度末に比べて、18.6%1,686億4千5百万円増加し、1兆775億5千万円となりました。これは主として棚卸資産が1,015億3千7百万円、営業債権が40億8千3百万円増加したことによります。

非流動資産は、前連結会計年度末に比べて、5.5%393億5千7百万円増加し、7,574億5千5百万円となりました。これは主として、有形固定資産が542億1千万円増加したことによります。

この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて、12.8%2,080億2百万円増加し、1兆8,350億5百万円となりました。

 

[負債]

流動負債は、前連結会計年度末に比べて、18.4%1,128億7千8百万円増加し、7,277億4千8百万円となりました。これは主として社債及び借入金が853億5千8百万円、営業債務及びその他の債務が178億9千6百万円増加したこと等によります。

非流動負債は、前連結会計年度末に比べて5.9%182億4千9百万円減少し、2,928億4千4百万円となりました。これは主として社債及び借入金が172億4千3百万円減少したことによります。

この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて10.2%946億2千9百万円増加し、1兆205億9千2百万円となりました。

 

[資本]

資本合計は、主に利益剰余金の積上げにより前連結会計年度末に比べて、16.2%1,133億7千3百万円増加し、8,144億1千3百万円となりました。

 

(5) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① キャッシュ・フロー

当連結グループのキャッシュ・フローの分析・検討内容は、1.経営成績等の状況の概要(2) キャッシュ・フローの状況に記載のとおりです。

 

 

② 資本の財源及び資金の流動性

当連結グループは、成長投資の実行と財務の健全性向上及び株主還元を最適なバランスで行うため、資本効率を高めつつ適切な水準の流動性を維持し、調達手段の多様化を図ることとしています。

資金調達にあたっては、長短、直間のバランスを考慮し金融機関からの借入や社債の発行を実施すると共に、債権の流動化等による調達手段の多様化を図っています。また、コミットメントライン契約を締結し適切な水準の流動性を確保する様にしています。