売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01585 IFRS


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。

 

(1) 経営成績に関する説明

当連結グループは、2024年3月期より2026年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計「BUILDING THE FUTURE 2025 未来を創れ」を新たに策定し、①顧客に寄り添う革新的ソリューションの提供、②バリューチェーン事業の拡充、③米州事業の拡大、④人・企業力の強化、の4つの経営戦略を掲げて、持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでいます。

 

当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年12月31日)における油圧ショベル需要は、市況が低迷している中国に続きアジア、西欧などでも減速感が出始めたものの、依然として北米では堅調に推移しました。

マイニング需要は、高水準の資源価格を背景とした顧客の高い投資意欲や、高い稼働率に伴うオーバーホール需要および定期メンテナンス需要等が継続し、全体的に堅調に推移しました。

当連結グループはこのような環境下、期初から続く高い水準の生産活動が当第3四半期も継続し、2022年3月から本格的な独自展開を進めている米州事業が前年同期比で大幅に増加したほか、これまで注力してきたマイニング事業およびバリューチェーン事業も大きく伸長しました。

これらの結果に為替影響等も加わって、当第3四半期連結累計の売上収益は過去最高の10,203億6千9百万円(対前年同期増減率13.0%)と大幅な増収となりました。

利益項目についても、資材費や物流費を中心としたコスト増加の影響があったものの、原価低減活動や販売価格の引き上げに取り組み、売上収益の増加に為替影響等も加わった結果、調整後営業利益(売上収益から、売上原価並びに販売費及び一般管理費の額を減算して算出した指標)は、売上収益同様、当第3四半期累計として過去最高の1,227億8千4百万円(同40.8%)と大幅な増益となりました。また、親会社株主に帰属する四半期利益についても、為替差損があったものの過去最高の710億7千4百万円(同65.1%)となりました。

 

各セグメントの業績は次の通りです。

 

① 建設機械ビジネス

当第3四半期連結累計期間における売上収益は、9,157億3千3百万円(同12.8%)、調整後営業利益は1,117億9百万円(同40.4%)と大幅な増収増益になりました。

米州における独自事業が前年度から引き続き堅調に拡大しているほか、コンストラクション・マイニング事業ともに、新車販売だけでなく部品サービスを中心としたバリューチェーン事業も好調に推移し、前年同期比で大きく伸長しました。

 

② スペシャライズド・パーツ・サービスビジネス

当事業は、主としてマイニング設備及び機械のアフターセールスにおける部品サービス事業を行うBradken Pty Limited及びその子会社と、サービスソリューションを提供するH-E Parts International LLC及びその子会社で構成されています。

当第3四半期連結累計期間における売上収益は、マイニング市場が堅調に推移した結果、1,089億6千3百万円(同13.9%)、調整後営業利益も、売上収益の増加と為替影響、これまで取り組んできた事業構造改革の結果、高収益事業が伸長したこと等により、110億7千5百万円(同44.9%)と大幅な増収増益になりました。

なお、上記、①②の売上収益については、セグメント間調整前の数値です。

 

(2) 財政状態の分析

[資産]

流動資産は、前連結会計年度末に比べて、11.3%、1,031億4千万円増加し、1兆120億4千5百万円となりました。これは主として営業債権が472億5百万円減少したものの、棚卸資産が1,190億6千5百万円増加したことによります。

非流動資産は、前連結会計年度末に比べて、6.1%、438億2千2百万円増加し、7,619億2千万円となりました。これは主として有形固定資産が193億9千3百万円増加したことによります。

この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて、9.0%、1,469億6千2百万円増加し、1兆7,739億6千5百万円となりました。

 

[負債]

流動負債は、前連結会計年度末に比べて、14.5%、889億8千3百万円増加し、7,038億5千3百万円となりました。これは主として社債及び借入金が873億4千8百万円増加したことによります。

非流動負債は、前連結会計年度末に比べて、△3.1%、96億9千万円減少し、3,014億3百万円となりました。これは主としてリース負債が29億6千6百万円増加したものの、社債及び借入金が108億1千8百万円減少したことによります。

この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて、8.6%、792億9千3百万円増加し、1兆52億5千6百万円となりました。

 

[資本]

資本合計は、主に利益剰余金の積み上げに加え、在外営業活動体の換算差額の好転等により前連結会計年度末に比べて、9.7%、676億6千9百万円増加し、7,687億9百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況に関する分析

当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は1,139億4千2百万円となり、当連結会計年度期首より19億5千万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

[営業活動に関するキャッシュ・フロー]

当第3四半期連結累計期間の営業活動に関するキャッシュ・フローは、四半期利益790億3千万円をベースに、減価償却費446億4千万円、売掛金、受取手形及び契約資産の減少474億6千1百万円を計上する一方、棚卸資産の増加974億4千万円、法人所得税の支払539億5千3百万円等の計上がありました。

この結果、当第3四半期連結累計期間は286億4千9百万円の収入となり、前第3四半期連結累計期間に比べて収入が746億1千3百万円増加しました。

 

[投資活動に関するキャッシュ・フロー]

当第3四半期連結累計期間の投資活動に関するキャッシュ・フローは、主として、有形固定資産の取得350億1千5百万円があったことで449億6百万円の支出となり、前第3四半期連結累計期間と比べて支出が155億3千4百万円増加しました。

これにより、営業活動に関するキャッシュ・フローと、投資活動に関するキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは162億5千7百万円の支出となりました。

 

[財務活動に関するキャッシュ・フロー]

当第3四半期連結累計期間の財務活動に関するキャッシュ・フローは、主として、社債及び長期借入金の返済338億2千6百万円や配当金の支払(非支配持分株主への配当金を含む)374億4千2百万円等があったものの、短期借入金の増加557億5千4百万円や社債及び長期借入金による調達413億2百万円等により159億1千2百万円の収入となり、前第3四半期連結累計期間と比べて収入が787億8千万円減少しました。

 

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当連結グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、224億5千1百万円となりました。

セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりです。

① 建設機械ビジネス

当第3四半期連結累計期間において、建設機械ビジネスの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

当第3四半期連結累計期間の建設機械ビジネスにおける研究開発費は、203億2千7百万円となりました。

当第3四半期連結累計期間の主な開発成果は次のとおりです。

ホイール式油圧ショベルZX125W-7

リーダレス型基礎機械RX3300-7

中型ホイールローダZW330-6、ZW550-6

大型油圧ショベルZX470-7

大型油圧ショベルZX530LCH-7

 

② スペシャライズド・パーツ・サービスビジネス

当第3四半期連結累計期間において、スペシャライズド・パーツ・サービスビジネスの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

当第3四半期連結累計期間のスペシャライズド・パーツ・サービスビジネスにおける研究開発費は、21億2千4百万円となりました。