E01712 Japan GAAP
前期
570.9億 円
前期比
125.3%
株価
3,810 (04/25)
発行済株式数
96,315,400
EPS(実績)
78.87 円
PER(実績)
48.31 倍
前期
753.3万 円
前期比
102.6%
平均年齢(勤続年数)
41.8歳(14.4年)
従業員数
490人(連結:1,324人)
当社グループ(当社及び当社関係会社。以下同様。)は、当社、連結子会社18社及び持分法適用会社1社の計20社で構成されており、主に減速装置とその応用製品であるメカトロニクス製品(アクチュエーター及び制御装置)を生産・販売する精密減速機事業を専ら営んでおります。
当社及び当社関係会社の製品の主な地域別市場は、「日本(アジア地域含む。以下同様。)」、「北米」、「欧州」であり、当社グループは、生産・販売体制を基礎とした地域別の所在地別セグメントから構成されているため、「日本」、「北米」、「欧州」の3つを報告セグメントとしております。
当社グループ各社の概要と事業内容は次のとおりであります。
(注) 議決権の所有割合の(内書)は間接所有割合を表しております。
(その他の関係会社)
事業の概要図は、次のとおりであります。
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染拡大による中国でのロックダウンの影響、ウクライナ情勢の深刻化に起因する資源価格・原材料価格の高騰、世界的な半導体不足、欧米各国の利上げ政策による為替相場の急変など、先行きの不透明感が一段と強まりました。一方、当社グループの受注環境は、中国における製造業の設備投資の鈍化、最先端半導体の設備投資の一巡による新規投資の抑制などの影響を受け、お客様の需要動向懸念により、先々の注文を手控える動きがみられ、全般的に厳しい状況となりました。また、これらを主因とした受注減少に加え、お客様からの旺盛な先行発注により高水準であった前期の受注高の反動を受け、通期の連結受注高は前期比41.2%減少の557億60百万円となりました。
また、前期の高水準な受注による期初の豊富な受注残高に支えられたことに加え、国内では期中において実施した有明工場の増産投資、欧米の海外拠点におきましても前期から取り組んでまいりました生産能力の増強施策が奏功し、連結売上高は、前期比25.3%増加の715億27百万円となりました。
用途別の売上高の動向につきましては、産業用ロボット向けは、EV関連の設備投資拡大など高度な自動化投資に加え、慢性的な人手不足を補うための協働ロボットの需要拡大が進み、大幅に増加しました。半導体製造装置向けも、特に最先端分野において、世界的に設備投資意欲が旺盛だった影響から売上高は大幅に増加しました。また、先進医療用途(手術支援ロボット関連)は、新たなプレイヤーからの採用も含め、確実に需要が拡大し、売上高が増加しました。車載用途は、半導体不足によりお客様での生産調整は継続されているものの、売上高は徐々に増加しました。
損益面につきましては、生産能力増強投資を実施したことにより、減価償却費が増加したことに加え、製造部門の増員などにより製造費用が増加しました。また、物流費高騰と増収による運送費増加に加え、研究開発費などを積み増したことにより、販売費及び一般管理費も増加しました。このように費用は増加したものの、売上高の増加による増益効果が上回ったことにより、営業利益は前期比17.0%増の102億24百万円となりました。また、主に営業利益の増益に伴い、親会社株主に帰属する当期純利益も前期比14.3%増の75億95百万円となりました。
なお、製品群別の売上高は、減速装置が570億円(前期比20.7%増)、メカトロニクス製品が145億27百万円(前期比47.5%増)で、売上高比率はそれぞれ79.7%、20.3%となりました。
報告セグメントの業績は、以下のとおりであります。
(日本)
中国における新型コロナウイルス感染拡大に伴う都市封鎖(ロックダウン)の影響を受け、中国向け販売が一時的に減少したものの、生産の高度化・自動化を目的とした設備投資が積極的に行われたことにより、産業用ロボット向けの売上が増加したことに加え、半導体製造装置向けの売上も世界的に設備投資意欲が旺盛だった影響により、売上高は、前期比21.9%増加の454億45百万円となりました。また、セグメント利益(経常利益)は、増収の影響により、前期比7.2%増加の127億48百万円となりました。
(北米)
金利上昇と物価高騰の懸念はあるものの、半導体製造装置向けの需要と先進医療用途(手術支援ロボット関連)向けの需要が高水準で推移し、売上高は、前期比63.4%増加の108億58百万円となりました。また、セグメント利益(経常利益)は、前期比100.5%増加の14億6百万円となりました。
(欧州)
北米と同様に、金利上昇と物価高騰の懸念はあるものの、自動化投資需要が堅調に推移したことに伴い、主に産業用ロボット向けと一般産業機械向けの需要が増加し、売上高は、前期比15.6%増加の152億22百万円となりました。また、セグメント利益(経常利益)は、ハーモニック・ドライブ・エスイー株式取得時に計上した無形資産に係る償却費17億6百万円の負担はあったものの、増収効果により、前期比264.2%増加の6億24百万円となりました。
当連結会計年度における財政状態は、以下のとおりです。
総資産は、前連結会計年度末と比較して、設備投資の実行により有形固定資産が49億59百万円増加(前期比11.3%増)したこと、商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品が30億97百万円増加(前期比32.9%増)したことに加え、増収に伴い受取手形及び売掛金が19億88百万円増加(前期比12.8%増)したこと等により、110億46百万円増加(前期比7.7%増)し、1,543億36百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末と比較して、未払法人税等が15億57百万円減少(前期比59.8%減)した一方で、設備投資と自己株式取得の資金調達等を目的とした借入金が60億58百万円増加(前期比35.9%増)したこと等により、59億46百万円増加(前期比13.4%増)し、503億80百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末と比較して、為替変動の影響により為替換算調整勘定が43億92百万円増加(前期比117.0%増)したことに加え、利益剰余金の増加と自己株式取得の影響により株主資本合計が5億63百万円増加(前期末比0.6%増)したこと等により、50億99百万円増加(前期比5.2%増)し、1,039億55百万円となりました。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の69.0%から67.4%になりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて11億54百万円増加し、199億21百万円となりました。
当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による収入は108億50百万円となりました。(前連結会計年度は98億81百万円の収入)
これは、税金等調整前当期純利益を101億94百万円、減価償却費を85億20百万円計上した一方で、棚卸資産が25億40百万円、売上債権が16億36百万円増加したことが主な要因です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による支出は86億63百万円となりました。(前連結会計年度は47億3百万円の支出)
これは、生産能力拡大のため有形固定資産の取得による支出が88億38百万円あったことが主な要因です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による支出は15億99百万円となりました。(前連結会計年度は66億63百万円の支出)
これは、自己株式取得の資金調達等を目的とした短期借入による収入が99億10百万円、設備投資を目的とした長期借入による収入が60億円あった一方で、自己株式の取得による支出が50億円、配当金の支払いが21億5百万円あったことが主な要因です。
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記金額は販売価格により表示し、消費税等は含まれておりません。
3.当社グループの報告セグメントは、所在地別(日本、北米、欧州)に区分しております。
4.当社グループは、製品の種類、性質、製造方法、販売市場等の類似性から判断して、同種・同系列の精密減速機事業を専ら営んでおり、事業の種類別セグメントは単一でありますが、報告セグメントの製品別内訳を区分表示しております。
5.磁気応用機器の開発、製造、販売を営んでいる株式会社ウィンベルの生産実績は、メカトロニクス製品に区分、集計し、表示しております。
当連結会計年度における受注実績は次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当社グループの報告セグメントは、所在地別(日本、北米、欧州)に区分しております。
4.当社グループは、製品の種類、性質、製造方法、販売市場等の類似性から判断して、同種・同系列の精密減速機事業を専ら営んでおり、事業の種類別セグメントは単一でありますが、報告セグメントの製品別内訳を区分表示しております。
5.磁気応用機器の開発、製造、販売を営んでいる株式会社ウィンベルの受注実績は、メカトロニクス製品に区分、集計し、表示しております。
6.受注残高は、当連結会計年度において日本セグメントを中心に発生した4,304,678千円の受注取り消し額を差し引いております。
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.当社グループの報告セグメントは、所在地別(日本、北米、欧州)に区分しております。
5.当社グループは、製品の種類、性質、製造方法、販売市場等の類似性から判断して、同種・同系列の精密減速機事業を専ら営んでおり、事業の種類別セグメントは単一でありますが、報告セグメントの製品別内訳を区分表示しております。
6.磁気応用機器の開発、製造、販売を営んでいる株式会社ウィンベルの販売実績は、メカトロニクス製品に区分、集計し、表示しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月22日)現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得の発生時期及びその金額を合理的に見積もり、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、経営者が見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の繰延税金資産が減額され税金費用が増加する可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産について減損の兆候の有無に係る判定を行い、認識及び測定のプロセスを経た上で、減損が必要と認められる固定資産については帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては、当該資産の耐用年数、将来の使用目処、将来キャッシュ・フロー、割引率の設定などにおいて、経営者の判断や見積もりを用いておりますが、今後の事業計画や市場環境の変化により、当該見積りや判断の前提条件や仮定に変更が生じた場合には減損処理が必要となることがあり、翌連結会計年度以降の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
a. 財政状態
(流動資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて63億2百万円増加(前期比13.7%増)し、521億75百万円となりました。これは、商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品が30億97百万円増加(前期比32.9%増)したことに加え、受取手形及び売掛金が19億88百万円増加(前期比12.8%増)したことが主な要因です。
(固定資産)
固定資産は、前連結会計年度末に比べて47億43百万円増加(前期比4.9%増)し、1,021億60百万円となりました。これは、生産能力増強投資の実行により有形固定資産が49億59百万円増加(前期比11.3%増)したことが主な要因です。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて110億46百万円増加(前期比7.7%増)し、1,543億36百万円となりました。
(流動負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて23億40百万円増加(前期比16.6%増)し、164億67百万円となりました。これは、未払法人税等が15億57百万円減少(前期比59.8%減)した一方で、自己株式取得等を目的とした借入金が29億9百万円増加(前期比128.2%増)、その他の流動負債が9億76百万円増加(前期比33.3%増)したことが主な要因です。
(固定負債)
固定負債は、前連結会計年度末に比べて36億6百万円増加(前期比11.9%増)し、339億13百万円となりました。これは、設備投資を目的とした長期借入金が31億49百万円増加(前期比21.5%増)したことが主な要因です。
この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて59億46百万円増加(前期比13.4%増)し、503億80百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて50億99百万円増加(前期比5.2%増)し、1,039億55百万円となりました。これは、為替換算調整勘定が43億92百万円増加(前期比117.0%増)したことに加え、利益剰余金の増加と自己株式取得の影響により株主資本合計が5億63百万円増加(前期比0.6%増)したことが主な要因です。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の69.0%から67.4%になりました。
b. 流動性および資金の源泉
(キャッシュ・フロー)
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金需要)
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料の購入や外注加工費の支払いのほか、製造費、販売費及び一般管理費などの営業費用に係るものです。また、当社グループの研究開発費は研究開発に携わる従業員の人件費が主要な部分を占めております。
設備投資、M&Aなどに係る投資資金需要に対しましては、自己資金の充当を優先した上で、不足する資金については直接金融、間接金融など多面的な調達方法を検討し実行いたします。なお、当連結会計年度における設備投資のうち主なものは、工作機械等の製造装置、各種検査装置、切削工具、治具の取得などでありますが、これらへの投資にあたっては、有形・無形固定資産の購入とする方法と、リース取引による方法とを併用しております。
c. 経営成績
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べて144億39百万円増加(前期比25.3%増)し、715億27百万円となりました。これは、前期の高水準な受注による期初の豊富な受注残高に支えられたことに加え、国内では期中において実施した有明工場の増産投資、欧米の海外拠点におきましても前期から取り組んでまいりました生産能力の増強施策が奏功したことによるものです。
(営業利益)
営業利益は、前連結会計年度に比べて14億85百万円増加(前期比17.0%増)し、102億24百万円となりました。これは、生産能力増強投資を実施したことにより減価償却費が増加したこと、製造部門の増員などにより製造費が増加したこと、物流費高騰と増収による運送費が増加したことに加え、研究開発費などを積み増したことにより販売費及び一般管理費も増加したものの、売上高の増加による増益効果が上回ったことによるものです。
(営業外損益)
営業外収益は、前連結会計年度に比べて1億79百万円増加(前期比21.4%増)し、10億16百万円となりました。これは、円高の影響を受け為替差益が2億75百万円発生したことが主な要因です。
営業外費用は、前連結会計年度に比べて15百万円増加(前期比3.2%増)し、4億84百万円となりました。これは、支払利息が1億66百万円、賃貸費用が1億44百万円、自己株式取得費用が1億16百万円発生したことが主な要因です。
これらの結果、経常利益は前連結会計年度に比べて16億49百万円増加(前期比18.1%増)し、107億57百万円となりました。
(特別損益)
特別利益は、前連結会計年度に比べて20百万円減少(前期比83.9%減)し、3百万円となりました。特別損失は、前連結会計年度に比べて4億45百万円増加(前期比368.3%増)し、5億67百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
上記の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて9億52百万円増加(前期比14.3%増)し、75億95百万円となりました。
d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、目標とする経営指標を売上高営業利益率:20%以上、自己資本当期純利益率(ROE):10%以上としております。また、2021年度を初年度とする中期経営計画(2021-2023年度)において、2023年度における財務目標を連結売上高 700億円、売上高営業利益率 21.4%、ROE10%以上と掲げております。2年目である当連結会計年度の実績(連結売上高715億27百万円、売上高営業利益率14.3%)は、売上高営業利益率は未達となりましたが、連結売上高は前期の高水準な受注に支えられ、目標を上回るものとなりました。最終年度である2023年度は、世界経済の不透明感があり、お客様や代理店各社における当社製品の在庫調整が終了するまでは厳しい状況が続くものと予測しておりますが、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、世界的に加速している製造業における高度な自動化市場が、今後も高い成長率で伸長していく見通しに変化はございません。今後の成長拡大に向けて、2023年度を最終年度とした中期経営計画の達成に向けて取り組みを進めてまいります。
連結売上高、連結営業利益、ROEの過去5年間の推移は以下のとおりです。