E01712 Japan GAAP
前期
715.3億 円
前期比
78.0%
株価
4,510 (07/12)
発行済株式数
96,315,400
EPS(実績)
-257.56 円
PER(実績)
--- 倍
前期
772.8万 円
前期比
95.3%
平均年齢(勤続年数)
42.2歳(13.7年)
従業員数
523人(連結:1,349人)
当社グループ(当社及び当社関係会社。以下同様。)は、当社、連結子会社18社及び持分法適用会社1社の計20社で構成されており、主に減速装置とその応用製品であるメカトロニクス製品(アクチュエーター及び制御装置)を生産・販売する精密減速機事業を専ら営んでおります。
当社及び当社関係会社の製品の主な地域別市場は、「日本(アジア地域含む。以下同様。)」、「北米」、「欧州」であり、当社グループは、生産・販売体制を基礎とした地域別の所在地別セグメントから構成されているため、「日本」、「北米」、「欧州」の3つを報告セグメントとしております。
当社グループ各社の概要と事業内容は次のとおりであります。
(注) 議決権の所有割合の(内書)は間接所有割合を表しております。
(その他の関係会社)
事業の概要図は、次のとおりであります。
当連結会計年度における世界経済は、国際情勢が一段と不安定化したことによる、強いインフレ圧力、資源価格・原材料価格の高騰、加えて中国経済の成長鈍化など、先行きの不透明感が一段と強まりました。
当社グループの受注環境は、中国における製造業の設備投資の鈍化、最先端半導体の新規設備投資の停滞などの影響を受け、お客様の需要動向懸念により、先々の発注を手控える動きが続き、全般的に厳しい状況となりました。一方、国内では、本格的な回復とは言えない状況下ではありますが、受注の底入れは確認でき、当社製品の在庫が適正化されたお客様からの受注が徐々にではありますが戻りはじめました。結果として、通期の連結受注高は前期比20.9%減少の441億4百万円となりました。
また、連結売上高は、特に前期から継続している国内受注の低迷の影響が大きく、前期比22.0%減少の557億96百万円となりました。
用途別の売上高の動向につきましては、産業用ロボット向けは、主要市場である中国における設備投資鈍化に加え、EV関係の設備投資も抑制されるなど、大幅に減少しました。半導体製造装置向けは、特に最先端分野において、データセンター用途、生成AI関連用途など新たな投資に向かう姿勢は見られたものの、当期は本格的な動きには至らず、減少しました。一方、先進医療用途(手術支援ロボット関連)は、米国のお客様を中心に堅調に需要が拡大し、売上高が増加しました。車載用途は、半導体不足によるお客様での生産調整は前期下期より徐々に改善され、当期の売上は堅調に推移しました。
損益面につきましては、生産能力増強投資を実施したことにより、減価償却費が増加したことに加え、今期は国内生産工場の稼働率低下の影響により、営業利益は前期比98.8%減の1億24百万円となりました。また、連結子会社ハーモニック・ドライブ・エスイーに係る無形固定資産の減損損失を281億59百万円計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純損失は248億6百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益75億95百万円)となりました。
なお、製品群別の売上高は、減速装置が394億32百万円(前期比30.8%減)、メカトロニクス製品が163億63百万円(前期比12.6%増)で、売上高比率はそれぞれ70.7%、29.3%となりました。
報告セグメントの業績は、以下のとおりであります。
(日本)
半導体需給の緩和に伴う車両生産の回復により、車載向け用途の売上高は増加しました。一方、中国でのエレクトロニクス関連の設備投資や半導体関連の設備投資に軟調な動きがみられたことに加え、当社グループのお客様や販売店各社における当社製品の在庫調整により、産業用ロボット向け、半導体製造装置向け、フラットパネルディスプレイ製造装置向け、その他一般作業機械向けの需要が減少し、売上高は前期比42.9%減少の259億71百万円となりました。また、セグメント利益(経常利益)は、減収の影響により、前期比64.6%減少の45億13百万円となりました。
(北米)
為替相場が円安に推移したことに加え、先進医療用途(手術支援ロボット関連)向けやアミューズメント機器向けの需要が増加し、売上高は前期比22.3%増加の132億84百万円となりました。また、セグメント利益(経常利益)は、増収の影響により、前期比21.4%増加の17億7百万円となりました。
(欧州)
産業用ロボット向けの需要が減少したものの、為替相場が円安に推移したことに加え、最先端半導体製造装置向けの需要が増加し、売上高は前期比8.7%増加の165億40百万円となりました。また、セグメント利益(経常利益)は、ハーモニック・ドライブ・エスイー株式取得時に計上した無形固定資産に係る減価償却費18億98百万円の負担により、前期比65.7%減の2億14百万円となりました。
当連結会計年度における財政状態は、以下のとおりです。
総資産は、前連結会計年度末と比較して、351億93百万円減少(前期比22.8%減)し、1,191億42百万円となりました。これは、その他流動資産が14億36百万円増加(前期比109.9%増)した一方で、売上高の減少に伴い受取手形が43億23百万円減少(前期比58.4%減)、売掛金が14億96百万円減少(前期比14.7%減)したことに加え、ハーモニック・ドライブ・エスイーの子会社化時に認識した無形固定資産(のれん、顧客関係資産及び技術資産)の一部について減損処理を実施したことにより無形固定資産が274億35百万円減少(前期比68.0%減)したこと、保有する有価証券の時価変動により、投資有価証券が22億63百万円減少(前期比20.5%減)したことが主な要因です。
負債は、前連結会計年度末と比較して、106億39百万円減少(前期比21.1%減)し、397億40百万円となりました。これは、前述の無形固定資産の減損に伴う取り崩しにより繰延税金負債が41億65百万円減少(前期比41.6%減)したことに加え、借入金の返済に伴い長期借入金が25億65百万円減少(前期比14.4%減)したこと、短期借入金が19億9百万円減少(前期比73.2%減)したことが主な要因です。
純資産は、前連結会計年度末と比較して、245億53百万円減少(前期比23.6%減)し、794億1百万円となりました。これは、為替変動の影響により為替換算調整勘定が47億81百万円増加(前期比58.7%増)した一方で、前述の無形固定資産の減損の影響及び配当の実施等により利益剰余金が273億73百万円減少(前期比42.2%減)したことが主な要因です。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の67.4%から66.6%になりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて9億80百万円減少し、189億41百万円となりました。
当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による収入は127億28百万円となりました。(前連結会計年度は108億50百万円の収入)
これは、税金等調整前当期純損失を276億6百万円、法人税等の支払による支出を38億92百万円計上した一方で、減損損失を281億59百万円計上したこと、減価償却費を91億89百万円計上したこと、売上債権が62億34百万円減少したことが主な要因です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による支出は59億50百万円となりました。(前連結会計年度は86億63百万円の支出)
これは、定期預金の払戻しによる収入が17億7百万円あった一方で、有形固定資産の取得による支出が49億35百万円、定期預金の預入による支出が21億88百万円あったことが主な要因です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による支出は81億22百万円となりました。(前連結会計年度は15億99百万円の支出)
これは、短期借入れによる収入が24億80百万円あった一方で、短期借入金の返済による支出が44億10百万円、長期借入金の返済による支出が26億56百万円、配当金の支払額が25億66百万円あったことが主な要因です。
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.当社グループの報告セグメントは、所在地別(日本、北米、欧州)に区分しております。
3.当社グループは、製品の種類、性質、製造方法、販売市場等の類似性から判断して、同種・同系列の精密減速機事業を専ら営んでおり、事業の種類別セグメントは単一でありますが、報告セグメントの製品別内訳を区分表示しております。
4.磁気応用機器の開発、製造、販売を営んでいる株式会社ハーモニックウィンベルの生産実績は、メカトロニクス製品に区分、集計し、表示しております。
当連結会計年度における受注実績は次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.当社グループの報告セグメントは、所在地別(日本、北米、欧州)に区分しております。
3.当社グループは、製品の種類、性質、製造方法、販売市場等の類似性から判断して、同種・同系列の精密減速機事業を専ら営んでおり、事業の種類別セグメントは単一でありますが、報告セグメントの製品別内訳を区分表示しております。
4.磁気応用機器の開発、製造、販売を営んでいる株式会社ハーモニックウィンベルの受注実績は、メカトロニクス製品に区分、集計し、表示しております。
5.受注残高は、当連結会計年度において日本セグメントを中心に発生した703,134千円の受注取り消し額を差し引いております。
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.当社グループの報告セグメントは、所在地別(日本、北米、欧州)に区分しております。
3.当社グループは、製品の種類、性質、製造方法、販売市場等の類似性から判断して、同種・同系列の精密減速機事業を専ら営んでおり、事業の種類別セグメントは単一でありますが、報告セグメントの製品別内訳を区分表示しております。
4.磁気応用機器の開発、製造、販売を営んでいる株式会社ハーモニックウィンベルの販売実績は、メカトロニクス製品に区分、集計し、表示しております。
5.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(注) 1. 当連結会計年度における株式会社羽根田商会に対する販売高は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10に満たないため記載しておりません。
2. 前連結会計年度における日産自動車株式会社に対する販売高は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10に満たないため記載しておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月24日)現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得の発生時期及びその金額を合理的に見積もり、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、経営者が見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の繰延税金資産が減額され税金費用が増加する可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産について減損の兆候の有無に係る判定を行い、認識及び測定のプロセスを経た上で、減損が必要と認められる固定資産については帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては、当該資産の耐用年数、将来の使用目処、将来キャッシュ・フロー、割引率の設定などにおいて、経営者の判断や見積もりを用いておりますが、今後の事業計画や市場環境の変化により、当該見積りや判断の前提条件や仮定に変更が生じた場合には減損処理が必要となることがあり、翌連結会計年度以降の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
a. 財政状態
(流動資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて47億17百万円減少(前期比9.0%減)し、474億57百万円となりました。これは、その他流動資産が14億36百万円増加(前期比109.9%増)した一方で、受取手形が43億23百万円減少(前期比58.4%減)したことに加え、売掛金が14億96百万円減少(前期比14.7%減)したことが主な要因です。
(固定資産)
固定資産は、前連結会計年度末に比べて304億76百万円減少(前期比29.8%減)し、716億84百万円となりました。これは、ハーモニック・ドライブ・エスイーの子会社化時に認識した無形固定資産(のれん、顧客関係資産及び技術資産)の一部について減損処理を実施したことにより無形固定資産が274億35百万円減少(前期比68.0%減)したこと、保有する有価証券の時価変動により、投資有価証券が22億63百万円減少(前期比20.5%減)したことが主な要因です。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて351億93百万円減少(前期比22.8%減)し、1,191億42百万円となりました。
(流動負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて47億47百万円減少(前期比28.8%減)し、117億19百万円となりました。これは、借入金の返済に伴い短期借入金が19億9百万円減少(前期比73.2%減)したことが主な要因です。
(固定負債)
固定負債は、前連結会計年度末に比べて58億92百万円減少(前期比17.4%減)し、280億20百万円となりました。これは、前述の無形固定資産の減損に伴う取り崩しにより繰延税金負債が41億65百万円減少(前期比41.6%減)したことに加え、借入金の返済に伴い長期借入金が25億65百万円減少(前期比14.4%減)したことが主な要因です。
この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて106億39百万円減少(前期比21.1%減)し、397億40百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて245億53百万円減少(前期比23.6%減)し、794億1百万円となりました。これは、為替変動の影響により為替換算調整勘定が47億81百万円増加(前期比58.7%増)した一方で、前述の無形固定資産の減損の影響及び配当の実施等により利益剰余金が273億73百万円減少(前期比42.2%減)したことが主な要因です。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の67.4%から66.6%になりました。
b. 流動性および資金の源泉
(キャッシュ・フロー)
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金需要)
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料の購入や外注加工費の支払いのほか、製造費、販売費及び一般管理費などの営業費用に係るものです。また、当社グループの研究開発費は研究開発に携わる従業員の人件費が主要な部分を占めております。
設備投資、M&Aなどに係る投資資金需要に対しましては、自己資金の充当を優先した上で、不足する資金については直接金融、間接金融など多面的な調達方法を検討し実行いたします。なお、当連結会計年度における設備投資のうち主なものは、工作機械等の製造装置、各種検査装置、切削工具、治具の取得などでありますが、これらへの投資にあたっては、有形・無形固定資産の購入とする方法と、リース取引による方法とを併用しております。
c. 経営成績
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べて157億30百万円減少(前期比22.0%減)し、557億96百万円となりました。これは、国内受注の底入れが確認でき、当社製品の在庫が適正化されたお客様からの受注が徐々に戻りはじめたなか、前期から継続している受注低迷の影響を受けたことによります。
(営業利益)
営業利益は、前連結会計年度に比べて101億円減少(前期比98.8%減)し、1億24百万円となりました。これは、前連結会計年度に実施した生産能力増強投資に伴い、減価償却費が増加したことに加え、国内工場の稼働率が大幅に低下した影響によるものです。
(営業外損益)
営業外収益は、前連結会計年度に比べて1億47百万円減少(前期比14.5%減)し、8億69百万円となりました。これは、補助金収入が1億34百万円減少したことなどが主な要因です。
営業外費用は、前連結会計年度に比べて59百万円減少(前期比12.4%減)し、4億24百万円となりました。これは、自己株式取得費用が1億16百万円減少したことなどが主な要因です。
これらの結果、経常利益は前連結会計年度に比べて101億87百万円減少(前期比94.7%減)し、5億70百万円となりました。
(特別損益)
特別利益は、前連結会計年度に比べて4百万円増加(前期比125.9%増)し、8百万円となりました。特別損失は、前連結会計年度に比べて276億18百万円増加し、281億85百万円となりました。これは、前述の無形固定資産の減損に伴い減損損失を281億59百万円計上したことが主な要因です。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
上記の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は248億6百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益75億95百万円)となりました。
d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、目標とする経営指標を売上高営業利益率:20%以上、自己資本当期純利益率(ROE):10%以上としております。また、2021年度を初年度とする中期経営計画(2021-2023年度)において、2023年度における財務目標を連結売上高 700億円、売上高営業利益率 21.4%、ROE10%以上と掲げておりました。しかしながら、中期経営計画(2021年度-2023年度)の最終年度である当連結会計年度の実績(売上高557億96百万円、売上高営業利益率0.2%)は、事業環境の悪化により大幅な未達となりました。2024年度の当社グループの事業環境は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、世界経済のさらなる不透明感の高まりが予想される一方で、設備投資等による製品需要が徐々に回復し、お客様や販売店各社における当社製品の在庫調整も進み、次第に受注高が回復するものと想定しています。これらの見通しをもとに新たに策定した新中期経営計画(2024-2026年度)では、最終年度となる2026年度における財務目標を連結売上高 900億円、売上高営業利益率 16.7%、ROE10%以上と掲げました。
なお、連結売上高、売上高営業利益率、ROEの過去5年間の推移は以下のとおりです。