E01537 Japan GAAP
前期
930.8億 円
前期比
105.1%
株価
1,413 (03/28)
発行済株式数
45,625,800
EPS(実績)
92.36 円
PER(実績)
15.30 倍
前期
705.4万 円
前期比
101.1%
平均年齢(勤続年数)
43.8歳(15.2年)
従業員数
593人(連結:2,839人)
当社グループは、当連結会計年度末現在、当社と子会社33社および関連会社12社で構成され、上下水道設備を主要マーケットとする水環境事業と、化学、鉄鋼、食品等の産業用設備および廃液や固形廃棄物処理、二次電池製造関連設備等の環境・エネルギー関連設備を主要マーケットとする産業事業の2つを主たる事業と位置付けており、それら以外の事業をその他としておりますが、その主要な事業内容は以下のとおりであります。
なお、以下の事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
<主な関係会社>
(水環境事業)
当社、月島テクノメンテサービス㈱、サンエコサーマル㈱、寒川ウォーターサービス㈱、月島機械(北京)有限公司、尾張ウォーター&エナジー㈱、㈱バイオコール京都鳥羽、横浜西谷ウォーターサービス㈱、武蔵野環境整備㈱
(産業事業)
当社、月島環境エンジニアリング㈱、月島マシンセールス㈱、テーエスケーエンジニアリング(タイランド) Co., Ltd.、月島機械(北京)有限公司、大同ケミカルエンジニアリング㈱、BOKELA有限会社、三進工業㈱、㈱アドバンスリー、プライミクスホールディングス㈱、プライミクス㈱、プライミクスプラス㈱
(その他)
月島ビジネスサポート㈱
各事業における当社および関係会社の位置づけは次のとおりとなります。
事業の系統図
(2023年3月31日現在)
※1 持分法適用会社であります。
※2 持分法非適用会社であります。
※3 重要性が乏しい非連結子会社は記載を省略しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社を取り巻く市場環境は、国内外において米中関係の緊張の高まりやロシアによるウクライナ侵攻の長期化などの地政学的リスクの影響により依然として先行きが不透明な状況が続いており、原材料価格の高騰や為替等の変動、半導体の供給不足などが経済活動に与える影響について留意する必要がありました。一方で、国内の水インフラ関連投資は堅調に推移しており、企業の設備投資は回復基調がみられておりました。
このような環境の下で当社グループは、2019年度を初年度とする中期経営計画の最終年度(*1)として、「経営基盤の強化」、「成長戦略の推進」を基本方針として事業活動を展開してまいりました。
水環境事業においては、上下水道設備の増設・更新需要の取り込みや、設備の維持管理業務、補修工事等の営業活動を展開してまいりました。また、省エネルギー技術の営業活動を推進するとともに、水インフラを安定的に維持・運営していくために設備の建設と長期の維持管理業務が一体となったPFI(*2)、DBO事業(*3)や、包括O&M業務(*4)、FIT(*5)を活用した発電関連分野への営業展開を進めてまいりました。
一方、産業事業においては、プラント・単体機器および廃液、固形廃棄物処理などの環境関連設備や、今後成長が見込まれる二次電池製造関連設備の営業活動を推進してまいりました。
また、当社グループは、グループ経営の効率化とガバナンス体制の高度化を推進するため、2023年4月より持株会社体制に移行いたしました。10月には当社の水環境事業とJFEエンジニアリング株式会社の国内水エンジニアリング事業を統合する予定です。
その結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、以下のとおりとなりました。
受注高は1,060億45百万円(前期比10.6%減)、売上高は977億78百万円(前期比5.1%増)となりました。また、損益面につきましては、営業利益は50億4百万円(前期比12.1%減)、経常利益は56億49百万円(前期比13.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は42億14百万円(前期比48.4%減)となりました。
*1:中期経営計画については、2019年度から2021年度の3カ年としておりましたが、2023年4月に持株会社体制へ移行することから持株会社体制を踏まえた経営計画、事業・投資戦略や計数目標を策定するための時間が必要と判断し、期間を1年間延長しております。
*2:PFI(Private Finance Initiative)
施設整備を伴う公共サービスにおいて、民間の有する資金、技術、効率的な運用ノウハウなどを活用する仕組み
*3:DBO(Design Build Operate)事業
事業会社に施設の設計(Design)、建設(Build)、運営(Operate)を一括して委ね、施設の保有と資金の調達は行政が行う方式
*4:包括O&M業務
設備の運転管理業務だけでなく、設備の補修工事や薬品等の供給も含めた包括的な維持管理業務
*5:FIT(Feed-in Tariff)
再生可能エネルギーを用いて発電された電気を、一定価格で電気事業者が買い取ることを義務付けた制度(固定価格買取制度)
当社グループは、当社と子会社33社および関連会社12社で構成され、上下水道設備を主要マーケットとする水環境事業と、化学、鉄鋼、食品等の産業用設備および廃液や固形廃棄物処理、二次電池製造関連設備等の環境・エネルギー関連設備を主要マーケットとする産業事業の2つを主たる事業と位置付けており、それら以外の事業をその他としておりますが、その主要な事業内容は以下のとおりであります。
当連結会計年度におけるセグメントの業績は、次のとおりであります。
国内の水インフラ関連投資は堅調に推移しておりました。また、複数年および包括O&M業務や設備建設と長期の維持管理業務を一体化したPFI、DBO事業等の発注は増加する傾向にありました。一方で原材料価格の高騰や半導体の供給不足、および為替の変動などによる経済活動への影響には留意する必要がありました。
このような状況の下で当社グループは、国内の上下水道用汚泥処理設備の増設・更新需要を取り込むために、下水処理場向け汚泥脱水、乾燥、焼却設備、浄水場向け排水処理設備などの汚泥処理設備の営業活動を推進してまいりました。O&M業務においては補修工事および包括O&M業務の営業活動を展開してまいりました。また、脱炭素社会に貢献する技術開発および営業活動を推進してまいりました。その結果、下水処理場向け次世代型汚泥焼却システム、浄水場向け汚泥脱水設備などの受注を果たしました。また、メンテナンスなどのアフターサービス事業をより一層強化するために、包括O&M業務や補修工事の営業活動を展開し、受注高を確保してまいりました。
その結果、当連結会計年度における水環境事業の受注高は605億41百万円(前期比21.1%減)、売上高は610億73百万円(前期比3.6%増)、営業利益は33億72百万円(前期比6.5%減)となりました。
国内外において米中関係の緊張の高まりやロシアによるウクライナ侵攻の長期化などの地政学的リスクの影響により依然として先行きが不透明な状況が続いており、原材料価格の高騰や為替等の変動、半導体の供給不足などが経済活動に与える影響について留意する必要がありました。
このような状況の下で当社グループは、化学、鉄鋼、食品分野における設備投資需要や更新需要を取り込むために、国内外における各種プラント設備および乾燥機、分離機、ろ過機、ガスホルダ、攪拌機等の単体機器の営業活動を展開してまいりました。また、環境・エネルギー関連においては、国内外向けに廃液燃焼システム、固形廃棄物焼却設備、排ガス処理設備および持続可能な社会の実現に貢献する二次電池製造関連設備の営業活動を展開してまいりました。
その結果、当連結会計年度における産業事業の受注高は450億59百万円(前期比7.7%増)、売上高は362億60百万円(前期比6.5%増)、営業利益は19億27百万円(前期比6.2%減)となりました。
主に不動産管理・賃借に関する事業であり、その大半が、市川工場跡地において三井不動産株式会社と共同で開発した物流施設の事業になります。当該物流施設は、2022年度から操業を開始いたしましたが、当連結会計年度についてはフリーレントの影響で営業赤字となりました。収益貢献はフリーレントが解消する2024年3月期からとなります。
当連結会計年度における受注高は4億44百万円(前期比485.7%増)、売上高は4億44百万円(前期比485.7%増)、営業損失は2億94百万円(前期は営業利益29百万円)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は229億98百万円となり、前連結会計年度末に比べ、57億96百万円減少しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、82億32百万円となりました(前連結会計年度は8億12百万円の獲得)。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上54億60百万円および仕入債務の増加額16億87百万円等の増加要因があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、28億17百万円となりました(前連結会計年度は53億67百万円の支出)。これは主に、有形固定資産の取得による支出20億65百万円や子会社株式の取得による支出4億1百万円等の減少要因があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、115億64百万円となりました(前連結会計年度は6億28百万円の支出)。これは主に、短期借入金の純減少額60億円、長期借入金の返済による支出37億91百万円や信託型従業員持株インセンティブ・プランの再導入に伴う自己株式の取得による支出12億97百万円等の減少要因があったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況
当連結グループは、生産実績の表示は困難であります。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年3月31日)現在において当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用関連会社)が判断したものであります。
当連結会計年度の受注高は、前連結会計年度に比べ10.6%減少の1,060億45百万円となりました。これは、水環境事業は、設備の更新需要を積極的に取り込み下水処理場向け次世代型汚泥焼却システム、浄水場向け排水処理設備、下水汚泥有効利用設備、下水処理場の包括委託案件を獲得するなど引き続き好調であったものの、過去最高の受注高であった前連結会計年度の反動によるものです。産業事業は、電池製造関連設備の大型案件を獲得したことにより受注高が32億23百万円増加したことによるものです。なお、セグメント別の受注状況につきましては、「(1) 経営成績等の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ5.1%増収の977億78百万円となりました。これは、水環境事業、産業事業ともに受注済みの案件が順調に進捗し増収となったことによるものです。なお、セグメント別の売上高につきましては「(1) 経営成績等の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当連結会年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ12.1%減益の50億4百万円となりました。これは、水環境事業における廃棄物処理事業を行う子会社の設備更新に伴う一部停止や、持株会社体制への移行に伴う事業再編関連費用、物流施設のフリーレントの影響などの一過性の要因等によるものです。なお、セグメント別の営業利益につきましては、「(1) 経営成績等の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度においては、支払利息等の営業外費用を2億74百万円計上した一方で、受取配当金等の営業外収益を9億19百万円計上し、経常利益は前連結会計年度に比べ13.1%減益の56億49百万円となりました。また、投資有価証券売却益150百万円等の特別利益を2億30百万円計上した一方で、投資有価証券売却損139百万円等の特別損失を4億19百万円計上しました。その結果、前連結会計年度に市川工場閉鎖後の跡地の物流施設開発による土地売却等で多額の固定資産売却益を計上していた反動で特別利益が減少したことにより、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ48.4%減益の42億14百万円となりました。
当連結会計年度末の資産合計は1,464億62百万円となり、前連結会計年度末に比べ71億12百万円減少しました。これは主に、契約資産の増加32億11百万円等があったものの、現金及び預金の減少57億99百万円、売掛金の減少17億37百万円や投資有価証券の減少10億7百万円等があったことによるものです。
負債合計は637億73百万円となり、前連結会計年度末に比べ88億51百万円減少しました。これは主に、電子記録債務の増加11億2百万円等があったものの、短期借入金及び長期借入金の返済による減少84億91百万円や未払法人税等の減少11億57百万円等があったことによるものです。
純資産合計は826億88百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億39百万円増加しました。これは主に、信託型従業員持株インセンティブ・プランの再導入に伴う自己株式の取得等による自己株式の減少11億56百万円等があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金の増加27億57百万円等があったことによるものです。
以上の結果、当連結会計年度末における自己資本比率は55.4%(前期比3.6ポイント増)となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの主力製品は個別受注生産であり、様々な外部要因によって、売上高および利益が計画どおりに計上されない可能性があります。
なお、詳細は「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報について
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「(1) 経営成績等の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
当社グループは、持続的な成長を目指すために2019年度を初年度とする中期経営計画の最終年度として、「経営基盤の強化」、「成長戦略の推進」を基本方針として事業活動を展開してまいりました。この基本方針を実現するため、中期経営計画期間においては、研究開発投資、M&A投資、基幹システム更新などの戦略投資を実行してまいりました。
また、当連結会計年度は、連結子会社である三進工業株式会社の事務所・工場建設やサンエコサーマル株式会社の一般廃棄物、産業廃棄物中間処理設備の更新等で、総額28億93百万円の設備投資を実施いたしました。
当社グループは、中期経営計画に基づく持続的成長を支えるために、以下の「財務戦略」を掲げております。
① 調達方針
当社グループは運転資金および定常的な設備投資・研究開発につきましては、原則、営業活動によるキャッシュ・フローおよび自己資金にて賄っておりますが、キャッシュフローを超える大型の設備投資やM&Aについては外部調達にて対応します。当社グループは、資本コストを意識し外部調達を有効活用して「最適資本構成」(注1)を確立してまいります。
② 財務規律
財務基盤の安定を企図して以下の財務規律を定めております。
a.自己資本比率 40%~50%程度
b.D/Eレシオ(注2) 0.8倍以内
c.手許現預金を月商の2か月分確保
③ 株主還元方針
当社は、財務体質と経営基盤の強化を図りつつ、毎期の業績、新規投資、連結配当性向等を総合的に勘案しながら安定配当に努めることを利益配分の基本方針としております。株主還元につきましては、総還元性向50%以上、配当性向40%以上を目標とし、安定的な配当と継続的な増配に努めるとともに、機動的な自己株式の取得にも取組んでまいります。
(注1)最適資本構成とは、株式会社の資本構成要素である他人資本(借入)と自己資本の比率や内容・内訳などがその企業によって最適なバランスをとり、資本コストが最適になる構成のこと。資本コストが最小に抑えられる。
(注2)D/Eレシオとは、負債が自己資本の何倍にあたるかを示す指標。
(5) 経営者の問題認識と今後の方針について
今後の景況感につきましては、米中関係の緊張の高まりやロシアによるウクライナ侵攻の長期化などの地政学的リスクの影響、および原材料価格の高騰や為替等の変動、半導体の供給不足などが経済活動に与える影響について留意する必要があります。国内の上下水道分野は、水インフラ関連の投資は引き続き堅調に推移していくものと推測されますが、中長期的には人口減による市場規模の縮小、および競争の激化等により事業環境が厳しくなることが予想されます。民間の設備投資については回復基調であり、今後はリチウムイオン二次電池などの脱炭素社会に貢献する分野の成長が期待されます。
このような状況のもとで当社グループは、グループ経営の効率化とガバナンス体制の高度化を推進するため、2023年4月より、持株会社体制に移行いたしました。当社グループの持続的な成長を目指すために、「サステナビリティ経営の推進」「事業領域の拡充とグループ収益力の強化」「資本効率の向上と株主還元の拡充」を基本方針とした中期経営計画(2023年4月~2027年3月)を推進することで、企業価値の向上に取組んでまいります。水環境事業については、さらなる事業基盤の安定化のため10月に月島アクアソリューション株式会社とJFEエンジニアリング株式会社の国内水エンジニアリング事業を統合し、月島アクアソリューション株式会社の商号を「月島JFEアクアソリューション株式会社」に変更する予定です。
2024年3月期の数値目標については、連結売上高1,300億円、連結営業利益70億円、連結経常利益75億円、親会社株主に帰属する当期純利益44億円を目指してまいります。
*上記の業績予想は、現時点で入手可能な情報に基づき当社が判断したものです。実際の業績は、今後様々な要因によりこれらの業績予想とは異なる結果になる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されており、経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積りや判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。財政状態および経営成績に関する主要な点は以下のとおりであります。