売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E01667 Japan GAAP

売上高

1,110.5億 円

前期

1,042.8億 円

前期比

106.5%

時価総額

855.1億 円

株価

1,599 (01/09)

発行済株式数

53,478,840

EPS(実績)

135.53 円

PER(実績)

11.80 倍

平均給与

713.2万 円

前期

714.6万 円

前期比

99.8%

平均年齢(勤続年数)

43.1歳(18.5年)

従業員数

1,074人(連結:2,625人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3 【事業の内容】

当社グループは当社、子会社25社で構成され印刷機械の製造販売を主な内容とし、さらに事業に関連する資材・機材の供給及び不動産管理等のサービスを行っております。

生産体制は日本を中心に欧州及び中華圏並びに北米で行う体制になっており、販売体制は、海外の重要販売拠点に子会社を展開してグローバルな体制になっております。海外の重要販売拠点となっている海外子会社はそれぞれ独立した経営単位で、各地域での包括的な販売戦略を立案し、事業活動を展開しております。

各セグメントの事業内容は以下のとおりです。

 

(1) 報告セグメント「日本」は、一部の製品を除き当社グループの製品の大部分を生産しており、国内、中南米、及び中華圏の一部を除くアジアや海外証券印刷機の販売が含まれます。

 a. 当社は株式会社小森マシナリーより小型印刷機械を仕入、販売しております。

 b. 当社は印刷機械を構成するインク供給、給紙、排紙、折機、電気機器等の各部分機器、及び機械を構成する部分品、並びに事業関連サービスを株式会社小森マシナリー、株式会社小森興産、株式会社小森エンジニアリングの各社から仕入れております。

 c. 株式会社セリアコーポレーション及び株式会社セリアエンジニアリングは印刷機械その他印刷資機材を製造、仕入、販売しております。

 

(2) 報告セグメント「北米」は、主としてアメリカ合衆国での販売が含まれます。

 a. 当社が製造販売する印刷機械の一部を、主としてアメリカ地区において、Komori America Corporationが販売しております。

 

(3) 報告セグメント「欧州」は、主として西欧、東欧、中東地域での販売が含まれます。また、紙器印刷機械の製造販売をしておりますKomori-Chambon S.A.S.グループ及び印刷後加工機製造販売会社のMBO Postpress Solutions GmbHグループが当セグメントに含まれております。

 a. 当社が製造販売する印刷機械の一部を、主としてヨーロッパ地区において、Komori International(Europe) B.V.及び同社を経由して、Komori Italia S.r.l.、Komori U.K. Limited、Komori France S.A.S.が販売しております。

 b. Komori-Chambon S.A.S.グループは紙器印刷機械を製造販売する他、グループ各社を通じて販売することがあります。

 c. MBO Postpress Solutions GmbHグループは、印刷後加工機を製造販売する他、グループ各社を通じて販売することがあります。

 

(4) 報告セグメント「中華圏」は、主として中国の一部、香港、台湾地域での販売が含まれます。また、印刷機械及び印刷機械関連装置の製造販売をしております小森机械(南通)有限公司が当セグメントに含まれております。

 a. 当社が製造販売する印刷機械の一部を、主として中国の一部地域及び香港において小森香港有限公司及び小森(深圳)印刷技術有限公司が販売しております。

 b. 当社が製造販売する印刷機械の一部を、台湾地域において小森台湾股份有限公司が販売しております。

 c. 小森机械(南通)有限公司は印刷機械及び印刷機械関連装置を製造販売しております。

 

(5) 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであります。

 a. 主としてアセアン地域において、Komori Southeast Asia Pte. Ltd.及びKomori Malaysia Sdn.Bhd.が当社が製造販売する印刷機械の販売及びサービスの支援をしております。

 b. 当社が製造販売する印刷機械の一部を、主としてインドにおいて、Komori India Private Limitedが販売しております。

 

 

事業の系統図は次のとおりであります。

 

※画像省略しています。
25/06/19

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

 当連結会計年度における世界経済は、緩やかな回復傾向が見られましたが、ウクライナや中東での地政学リスクの長期化に加えて、米国大統領選後の不確実性が影響し、先行きに対する不透明な状況が続きました。

 印刷機械の市場動向は、日本においてはエネルギーコストや印刷資材・物流コスト・労働コストの上昇や人材不足が継続し、これを解決するための印刷価格への転嫁や、生産性向上・省人化等の合理化投資を進める動きが続いておりますが、売上高は生産に時間のかかる多色機や両面印刷機等の受注が多く収益認識が翌連結会計年度となるものが増えたため、前連結会計年度をわずかに下回りました。北米においては、紙幣をはじめ諸証券印刷設備の受注獲得が寄与し受注高が増加しましたが、大統領選後の金利の高止まりと、通商政策の不確実性が影響して、オフセット印刷機への設備投資に慎重な姿勢が見られたことや、受注が第4四半期に集中したこと等から売上高は前連結会計年度を下回りました。欧州ではインフレ率の鈍化や政策金利の引き下げにより景気の回復傾向が見られた中、2024年5月にドイツで開催された世界最大の印刷機材展である「drupa2024」に省エネ性能の高いモデルを開発・出展した効果もあり、売上高は前連結会計年度を上回りました。中華圏では、海外企業によるサプライチェーン見直しや、不動産不況等により内需が低迷し、商業印刷では厳しい状況が続いています。一方で、パッケージ印刷では、大手印刷会社を中心に、深刻化する労働力不足や人件費の上昇に対処するため、省人化・自動化を目的とした設備更新が進められており、売上高は前連結会計年度を上回りました。アセアンやインドを含むその他の地域では、サプライチェーン見直しによる中国からの生産拠点移転の恩恵を受け、好調な経済環境を背景にオフセット印刷機の需要拡大が続き、売上高は前連結会計年度を上回りました。

 このような市場環境のもと、オフセット事業では環境性能向上や生産性向上等の社会課題解決を実現する印刷機である「リスロンGX/Gアドバンス EXエディション」を「drupa2024」にて発表しました。同機は、環境配慮仕様の採用により最大18%の消費電力を削減することができ、損紙削減や生産性向上を実現することで顧客への訴求力を高め、当連結会計年度の受注拡大に寄与しました。

 証券印刷事業では、コロナウイルス感染症の影響で中断していた入札が再開され、大型受注を獲得しました。当社の持つ高い技術と品質に加え、長期にわたりサービスの安定供給を担保する当社の財務基盤が高く評価され、2023年4月から2024年6月までに合計10ヶ国の入札で200億円超の受注を獲得し、これらの結果、当連結会計年度における工事進行に伴い計上される売上高が増加しました。また、その後も順調に受注を増やし、米国ドル紙幣を印刷するBureau of Engraving and Printing(アメリカ合衆国財務省印刷局)からの受注獲得に成功しました。

 以上の結果、当連結会計年度における受注高は130,897百万円前連結会計年度比32.1%増加)となり、売上高は111,050百万円前連結会計年度比6.5%増加となりました。売上原価率は、品目別売上構成の違い等により、前連結会計年度に比べ良化しました。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ、5月に国際展示会が開催され広告宣伝費が増加したこと、売上高の増加に伴う販売手数料が増加したこと、企業結合等により増加しました。その結果、営業利益は7,118百万円前連結会計年度比45.3%増加)となりました。経常利益は7,617百万円前連結会計年度比12.1%増加)、税金等調整前当期純利益は9,163百万円前連結会計年度比57.8%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は7,248百万円前連結会計年度比56.2%増加)となりました。

 また、海外売上高は77,128百万円(前連結会計年度比10.7%増加)で、売上高に占める割合は69.5%となりました。

 

 

 地域別連結売上高の概況は以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2023.4.1~2024.3.31)

当連結会計年度
(2024.4.1~2025.3.31)

増減率

(%)

売上高

104,278

111,050

6.5%

内 訳

日本

34,578

33,922

△1.9%

北米

11,683

9,248

△20.8%

欧州

22,754

24,718

8.6%

中華圏

18,316

19,182

4.7%

その他地域

16,944

23,978

41.5%

 

 

 日本市場はオフセット枚葉印刷機で合理化投資の動きが見られ、補助金による投資促進効果も後押しとなり高い水準の受注が続いています。一方で、生産に時間のかかる多色機や両面印刷機等、高付加価値機の受注が多く、翌連結会計年度の売上となる割合が増えたため、売上高は前連結会計年度比1.9%減少33,922百万円となりました。

 北米市場では、証券印刷機の大型受注により受注高が大きく伸びました。オフセット印刷機の受注高は、金利の高止まりの影響で設備投資に慎重な姿勢が見られましたが、高付加価値機の大型受注があり前連結会計年度を上回りました。当連結会計年度に受注した証券印刷機の売上の多くが翌連結会計年度以降に予定されていることや、オフセット印刷機の受注が第4四半期に集中したこと等の影響により、売上高前連結会計年度比20.8%減少9,248百万円となりました。

 欧州市場では、5月にドイツで開催された展示会「drupa2024」の効果に加え、政策金利の低下がプラスに働き、ウクライナ情勢やインフレの影響を受けて停滞していた設備需要が動き出し受注高が増加しました。欧州子会社で生産している紙器印刷機の売上増加も寄与し、売上高は前連結会計年度比8.6%増加24,718百万円となりました。

 中華圏市場では、海外企業によるサプライチェーンの見直しや不動産不況等による内需低迷の影響で、商業印刷を中心に厳しい状況が続いている一方で、パッケージ印刷では収益改善を進める合理化投資が継続し、高付加価値機の需要が増えていること等から受注高は増加傾向にあります。その結果、売上高は前連結会計年度比4.7%増加19,182百万円となりました。

 その他地域では、海外企業のサプライチェーンの見直しにより中国から生産拠点移転の恩恵を受け、好調な経済環境を背景にオフセット印刷機の設備需要が増加したことにより、受注高が増加しました。また、証券印刷設備の大型契約を受注したことにより、工事の進行に伴い計上される売上高が増加しました。その結果、売上高は前連結会計年度比41.5%増加23,978百万円となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 a. 日本

 セグメントの「日本」には、日本の国内売上高と、日本から海外の代理店地域や海外証券印刷機の直接売上高が計上されております。同代理店地域には、中華圏の一部を除くアジアと中南米等が含まれております。上記記載のそれぞれの地域での業績を反映した結果、セグメントの「日本」の売上高は82,736百万円前連結会計年度比7.6%増加)となり、セグメント利益は7,033百万円前連結会計年度比58.8%増加)となりました。

 b. 北米

 セグメントの「北米」には、米国の販売子会社の売上高が計上されております。地域別売上高の概況で述べました北米の状況の結果、セグメントの「北米」の売上高は9,295百万円前連結会計年度比20.5%減少)となり、セグメント利益は8百万円前連結会計年度比98.9%減少)となりました。

 c. 欧州

 セグメントの「欧州」には、欧州の販売子会社、欧州の紙器印刷機械製造販売子会社グループ及び欧州の印刷後加工機製造販売子会社グループの売上高が計上されております。地域別売上高の概況で述べました欧州の状況の結果、セグメントの「欧州」の売上高は25,190百万円前連結会計年度比7.8%増加)となりましたが、展示会「drupa2024」による広告宣伝費の増加等により、セグメント損失は776百万円前連結会計年度は168百万円)となりました。

 

d. 中華圏

 セグメントの「中華圏」には、香港、中国深圳市、台湾の販売子会社及び中国南通市の印刷機械装置製造販売子会社の売上高が計上されております。地域別売上高の概況で述べました中華圏の状況の結果、セグメントの「中華圏」の売上高は15,991百万円前連結会計年度比3.2%減少)となりましたが、セグメント利益は259百万円前連結会計年度は230百万円の損失)となりました。

 e. その他

 「その他」には、インド、シンガポール及びマレーシアの販売子会社の売上高が計上されております。地域別売上高の概況で述べましたその他地域の状況の結果、売上高は5,892百万円前連結会計年度比30.9%増加)となり、セグメント利益は411百万円前連結会計年度比28.6%増加)となりました。

 

(2) 財政状態

(資産)

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ5,327百万円増加して172,915百万円前連結会計年度比3.2%増加)となりました。資産の主な増加要因は、現金及び預金の増加8,358百万円リース資産の増加1,125百万円機械装置及び運搬具の増加1,050百万円退職給付に係る資産の増加949百万円のれんの増加811百万円等であります。主な減少要因は、投資有価証券の減少3,966百万円受取手形、売掛金及び契約資産の減少3,923百万円等であります。

(負債及び純資産)

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ4,294百万円増加して57,416百万円前連結会計年度比8.1%増加)となりました。負債の主な増加要因は、契約負債の増加4,152百万円未払法人税等の増加1,288百万円固定負債その他の増加1,077百万円等であります。主な減少要因は、繰延税金負債の減少1,776百万円等であります。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,032百万円増加して115,499百万円前連結会計年度比0.9%増加)となりました。純資産の主な増加要因は、自己株式の消却1,947百万円、利益剰余金の増加1,873百万円退職給付に係る調整累計額の増加988百万円であります。主な減少要因はその他投資有価証券評価差額金の減少3,480百万円等であります。

 

 この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の68.3%から66.8%(前連結会計年度比1.5ポイント減少)となり、1株当たり純資産額は前連結会計年度末の2,157.34円から2,176.81円(前連結会計年度比19.47円の増加)となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ7,736百万円増加し、57,400百万円前連結会計年度比15.6%増)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度が8,051百万円の資金減少であったのに比較し、当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ25,069百万円増加し、17,018百万円の資金増加となりました。資金増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益9,163百万円売上債権の減少額8,590百万円減価償却費2,297百万円等であり、資金減少の主な内訳は、投資有価証券売却益1,764百万円法人税等の支払額1,358百万円等であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度が483百万円の資金増加であったのに比較し、当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ5,265百万円減少し、4,781百万円の資金減少となりました。資金減少の主な内訳は、事業譲受による支出2,569百万円有形及び無形固定資産の取得による支出2,276百万円定期預金の預入による支出2,138百万円投資有価証券の取得による支出1,066百万円等であり、資金増加の主な内訳は、投資有価証券の売却による収入1,878百万円定期預金の払戻による収入968百万円有形及び無形固定資産の売却による収入443百万円等であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度が4,874百万円の資金減少であったのに比較し、当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ564百万円減少額が縮小し、4,310百万円の資金減少となりました。資金減少の主な内訳は、配当金の支払額3,461百万円短期借入金の純減額407百万円リース債務の返済による支出353百万円等であります。

 

(4) 生産、受注及び販売の状況

a.  生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

日本

70,308

+3.3

欧州

11,862

+22.9

中華圏

2,290

△8.5

合計

84,461

+5.2

 

(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。

   2. 金額は平均販売価格で表示しております。

 

b.  受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

日本

53,317

+11.1

31,933

+4.5

北米

18,195

+86.9

12,239

+248.8

欧州

28,444

+31.8

13,393

+37.1

中華圏

18,672

+45.6

10,256

+30.3

その他

12,266

+75.1

8,737

+46.9

合計

130,897

+32.1

76,559

+32.8

 

(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。

   2. 受注残高には、見込み受注分は含まれておりません。

 

c.  販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

日本

55,287

+8.9

北米

9,285

△20.5

欧州

24,718

+8.6

中華圏

14,268

△2.8

その他

5,723

+29.6

調整額(注2) (注3)

1,766

合計

111,050

+6.5

 

(注)1.  セグメント間取引については、相殺消去しております。

  2.  報告セグメントにおいて代理人として処理した取引のうち、他の当事者がセグメント間に存在するため、連結損益計算書上は本人として処理される取引であります。

  3.  履行義務の充足に係る進捗度に基づいて、一定期間にわたり収益を認識する取引のセグメント間取引に係る進捗度の調整であります。

 

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、「3 事業等のリスク」に記載した項目が挙げられますが、特に影響が大きい要因は次のとおりであります。

 当社グループの総売上高に占めるオフセット印刷機事業の割合は大きく、景気動向や法律・規制の施行、税制等の変更等に起因するオフセット印刷機の需要環境変動が、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。当連結会計年度のオフセット印刷機の需要環境は、地政学リスクの長期化や、米国大統領選挙後の不確実性が増す中で、地域によりばらつきはあるものの、総じて引き続き改善を見せました。一方で、電子媒体の増加が新興国を含め世界的に急速に浸透していますが、今後において人々の行動が変化して書籍、商業印刷の需要がさらに縮小した場合には、出版、商業用印刷向けオフセット印刷機の需要も縮小し、当社グループのオフセット事業の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。これに対応した戦略として、米国のロータリーダイツールの事業譲受やカナダのフレキソ印刷機メーカーの買収によりパッケージ印刷向けの事業強化を図るとともに、DPS事業やPESP事業等の成長事業や、MBOグループの印刷後加工機の事業とのシナジー効果を拡大し収益源の多様化・安定化を進めております。このように、オフセット事業以外の事業についても成長を促進することにより、個別事業の需要環境変動が発生したとしても経営成績への影響度を低減できるように図ってまいります。

 次に、当社グループの海外売上高比率は全体の60%を超えており、かつ製造拠点が日本に集中していることから、為替変動の影響を受けやすい構造となっております。当社グループはこの為替変動リスクに対応すべく、円建て契約を優先するほか、先物為替予約で短期の変動リスクをヘッジする一方、部材等の海外調達比率を高め、また、一部製品の製造を海外製造子会社へ移管するとともにM&Aで海外生産を強化すること等により為替エクスポージャーを低減する努力を続けております。

 足元では、半導体不足をはじめとした電子部品供給のリスクが改善し、納期が正常化しつつありますが、継続して電子部品や一般市販部品のメーカーとの連携強化を図り適正な在庫確保を図るとともに代替可能部品の選定等対策を進めてまいります。今後とも、「3 事業等のリスク(4)災害等によるリスク」に記載した適正な部品在庫を確保するための対策を講じて安定稼働に努めてまいります。

 

(6) 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは、経済・金融環境の変化に伴う需要変動リスクに備えて十分な手許流動性を確保することにより、安定した財務基盤の維持に努めております。運転資金及び事業投資資金については主として内部資金により調達しておりますが、財務運営の安定性を増すため、2020年10月に普通社債100億円を発行しております。今後の運転資金及び事業投資資金の需要については内部資金の範囲内と認識しておりますが、内部資金を超過する大型戦略投資資金が必要となる際には、借入金や社債により調達する可能性があります。なお、当社は格付け機関である格付投資情報センター(R&I)より長期格付けA-を取得しております。

 

(7) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標等

 当社グループは、当連結会計年度から第7次中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)に取り組んでおります。同計画の骨子については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)会社の対処すべき課題及び中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標」に記載しており、サステナブルな経営体質に向けた事業変革と経営基盤強化を推進し、企業価値向上を目指してまいります。

 第7次中期経営計画の最終年度である2027年3月期の目標と、当連結会計年度の実績は以下のとおりです。

 

 

中期経営計画

最終年度目標

当連結会計年度

実績

営業利益率

7.0%以上

6.4%

ROE

6.0%以上

6.3%

 

 

 

(8) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。