E01610 Japan GAAP
前期
266.0億 円
前期比
118.3%
株価
6,720 (03/28)
発行済株式数
4,407,817
EPS(実績)
384.41 円
PER(実績)
17.48 倍
前期
593.9万 円
前期比
102.7%
平均年齢(勤続年数)
40.0歳(14.0年)
従業員数
306人(連結:611人)
当企業グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び子会社8社で構成され、主に道路舗装機械並びに道路維持補修機械、散水車など多種類にわたって製造し、国内外に販売するほか、他社製品である産業機械の販売も行っております。更に、新製品の開発などの研究開発活動も併せて行うと同時に、各事業に関連するその他サービス等の事業活動を展開しております。
なお、次の4部門は「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
セグメント |
会社名 |
主要な事業内容 |
日 本 |
酒井重工業株式会社(当社) |
建設機械及び同部分品の製造・販売 |
酒井機工株式会社 |
産業機械及び同部分品の製造・販売 中古建設機械の仕入・販売 |
|
東京フジ株式会社 |
建設機械及び同部分品の製造・販売 |
|
株式会社コモド |
道路舗装、補修工事の設計、施工、監理及び請負 |
|
サカイエンジニアリング株式会社 |
建設機械の設計・製作・販売及び修理 |
|
米 国 |
SAKAI AMERICA, INC. |
建設機械及び同部分品の製造・販売 |
インドネシア |
P.T. SAKAI INDONESIA |
建設機械及び同部分品の製造・販売 |
P.T. SAKAI SALES AND SERVICES ASIA |
建設機械及び同部分品の販売、アフターサービス業務 |
|
中 国 |
酒井工程机械(上海)有限公司 |
建設機械及び同部分品の製造・販売 |
事業の系統図は次のとおりであります。
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当企業グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)における当企業グループを取り囲む事業環境は、米中対立激化とロシアのウクライナ侵攻による国際安全保障環境の緊張が続く中、エネルギー・部材価格を始めとした世界的なインフレの拡大、グローバルサプライチェーンの混乱による供給能力の低下、欧米中央銀行の利上げ政策に伴う国際資本市場の潮流変化など、激動する世界情勢の中で底堅い回復基調に推移しました。
このような情勢の下で当企業グループでは、価格決定力と製品供給力の強化、ESGとDXによる持続可能な経営体制づくり、海外事業と次世代事業による中長期成長戦略を進めて参りました。
その結果、当連結会計年度における売上高は、サプライチェーン問題に伴う生産・販売活動への下押し圧力がありましたものの、海外販売の拡大により前連結会計年度比18.3%増の31,459,945千円となりました。営業利益は、海外事業において価格改定と合理化による収益構造改革が進み、前連結会計年度比81.2%増の2,506,092千円とすることが出来ました。これに伴い経常利益は、同65.4%増の2,327,800千円、親会社株主に帰属する当期純利益は同18.7%増の1,694,399千円となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
日本
堅調な需要環境に対して部材欠品が続きましたものの、国内販売、製品輸出、海外工場向け部品輸出ともに好調に推移し、総売上高は前連結会計年度比14.9%増の24,556,607千円、営業利益は原価上昇に対して国内向け販売価格改定が遅れ、前連結会計年度比5.4%減の836,734千円となりました。
海外
米国では、力強い需要環境に対して部材欠品に伴う供給制約がありましたものの、販売が好調に推移し、総売上高は前連結会計年度比53.4%増の7,802,036千円、営業利益は販売価格改定と輸送コスト低減により収益構造改革が進み、前連結会計年度比109.8%増の688,856千円となりました。
インドネシアでは、国内販売が順調に回復するとともに、第三国向け輸出が好調に推移し、総売上高は前連結会計年度比35.9%増の7,012,128千円、営業利益も前連結会計年度比204.4%増の836,317千円となりました。
中国では、国内需要の低迷が続く中で、グループ企業向けの製品・部品輸出を拡大させました結果、総売上高は前連結会計年度比63.3%増の1,589,026千円、営業利益は前連結会計年度比213,649千円改善の133,880千円の黒字に転換することが出来ました。
財政状態は次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,946,074千円増加し、40,804,658千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ811,608千円増加し、15,508,820千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,134,466千円増加し、25,295,837千円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、売上債権の増加と棚卸資産の増加及び仕入債務の増加等により、前連結会計年度末に比べ509,702千円減少し、当連結会計年度末には7,416,549千円(前連結会計年度比6.4%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、1,893,239千円(前連結会計年度は2,359,626千円の増加)であります。
これは主に、税金等調整前当期純利益2,329,533千円や、棚卸資産の増加額1,864,770千円、売上債権の増加額683,522千円、仕入債務の増加額1,003,336千円及び減価償却費、製品保証引当金等の非資金的損益項目を反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、399,429千円(前連結会計年度は263,604千円の減少)であります。
これは主に、有形固定資産の取得による支出361,094千円、投資有価証券の取得による支出16,718千円を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は、2,242,051千円(前連結会計年度は1,227,318千円の減少)であります。
これは主に、短期借入金の減少額958,165千円、長期借入金の返済による支出526,211千円、配当金の支払額780,956千円を反映したものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前連結会計年度比(%) |
日本(千円) |
21,635,811 |
112.4 |
米国(千円) |
4,838,510 |
190.4 |
インドネシア(千円) |
3,222,973 |
160.5 |
中国(千円) |
132,309 |
36.4 |
合計(千円) |
29,829,605 |
123.5 |
(注)金額は、売価換算額によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
当企業グループ製品のほとんどが見込生産であるため、受注状況の記載は省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前連結会計年度比(%) |
日本(千円) |
20,730,312 |
105.9 |
米国(千円) |
7,751,729 |
153.8 |
インドネシア(千円) |
2,656,996 |
162.9 |
中国(千円) |
320,906 |
88.6 |
合計(千円) |
31,459,945 |
118.3 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
当連結会計年度における売上高は、サプライチェーン問題に伴う生産・販売活動への下押し圧力がありましたものの、海外販売の拡大により前連結会計年度比4,860,860千円増(18.3%増)の31,459,945千円とすることが出来ました。営業利益は、海外事業において価格改定と合理化による収益構造改革が進み、前連結会計年度比1,122,788千円増(81.2%増)の2,506,092千円とすることが出来ました。これに伴い経常利益は同920,085千円増(65.4%増)の2,327,800千円、親会社株主に帰属する当期純利益は同267,065千円増(18.7%増)の1,694,399千円となりました。
連結地域区分別売上高につきましては、次のとおりであります。
国内向け売上高は、国土強靭化加速化対策を背景として堅調な需要環境が続き、前連結会計年度比6.4%増の15,208,870千円となりました。
海外向け売上高は、北米及び東南アジア市場で需要回復が進み、前連結会計年度比32.0%増の16,251,074千円となりました。
北米向け売上高は、金利上昇に伴い住宅着工件数が減少に向かう中、インフラ投資法を背景とした道路建設投資が好調に推移し、前連結会計年度比53.8%増の7,751,729千円となりました。
アジア向け売上高は、一部市場で成長鈍化の兆しが見られましたものの、大市場であるインドネシアとベトナムを中心に底堅い市場環境が続き、前連結会計年度比20.1%増の7,796,330千円となりました。
その他市場向け売上高は、大洋州市場が堅調に推移しましたが、前連結会計年度比9.3%減の703,015千円となりました。
当連結会計年度の業績及び事業活動の状況は、以下のとおりとなります。
1.第75期業績概要
・ 好調な事業環境の下、サプライチェーン問題をこなして海外販売を拡大(連結売上高前年比18.3%増)
・ 海外事業を中心とした価格改定と合理化により収益構造改革が進展(営業利益前年比81.2%増)
・ 国内販売:国土強靭化加速化対策を背景に堅調な需要環境が継続(前年比6.4%増)
・ 北米販売:インフラ投資法を背景とした道路建設投資が拡大(前年比53.8%増)
・ アジア販売:大市場のインドネシアとベトナムを中心に底堅い市場環境が継続(前年比20.1%増)
2.事業環境変化対応
(1)資本収益性向上に向けた取組み
・中期経営方針の進捗
5ヵ年中期計画:売上高300億円、営業利益31億円、ROE8.0%
第2年度実績 :売上高314億円、営業利益25億円、ROE7.0%
・東証プライム市場上場維持基準への対応
流通株式時価総額:103億円達成(前々年6月対比63%増)により全基準適合
(2)価格改定とコスト低減による収益構造改革
原価率改善:74.0%(前年比1.9ポイント改善)
海外事業を中心に価格改定と輸送コスト低減が進み、収益構造改革が進展
(3)製品供給力強化
・サプライチェーンの強靭化(調達先の修正とデュアルソース化)
・グローバル事業活動の修正(国内工場の生産能力拡大、中国工場の部品事業拡大)
(4)需要変化対応
棚卸資産回転数:3.33回転(前年比0.36回転減少)
増産と部材欠品問題低減の為、在庫水準を31.2%積上げ
3.中長期成長戦略
(1)アジア市場深耕 インドネシア拠点を中核とした市場開拓(前年比売上高20.1%増)
(2)海外事業領域拡大 道路維持機械の海外市場展開(インドネシアでの現地生産化)
(3)北米市場開拓 ニッチマーケティングによるシェア拡大(前年比売上高53.8%増)
(4)次世代事業開発 緊急ブレーキの海外展開、転圧管理システムの市場づくり、
自律走行式ローラの現場試験展開、EVローラの研究開発
b.財政状態
当連結会計年度末における総資産は40,804,658千円となり、前連結会計年度末に比べ2,946,074千円の増加となりました。
流動資産につきましては、受取手形及び売掛金が931,134千円増加、棚卸資産が2,244,513千円増加し、現金及び預金が509,069千円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ2,364,702千円増加し、27,440,377千円となりました。
固定資産につきましては、有形固定資産が398,452千円増加、投資有価証券が404,839千円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ581,371千円増加し、13,364,280千円となりました。
流動負債につきましては、支払手形及び買掛金が436,104千円増加、電子記録債務が743,227千円増加し、短期借入金が937,693千円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ847,514千円増加し、14,377,834千円となりました。
固定負債につきましては、前連結会計年度末に比べ35,905千円減少し、1,130,986千円となりました。
純資産につきましては、利益剰余金が913,443千円増加、その他有価証券評価差額金が273,366千円増加、為替換算調整勘定が853,675千円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ2,134,466千円増加し、25,295,837千円となりました。
これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.7ポイント増加し、61.8%となりました。
②キャッシュ・フローの状況及び資本の財源及び資金の流動性
(キャッシュ・フロー)
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、(1)経営成績等の状況の概要「② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(資金需要及び流動性について)
当連結会計年度において、有形固定資産と無形固定資産(ソフトウェア等)で395,174千円の設備投資を行っております。所要資金は自己資金及び銀行借入等によって賄い、新株式発行等による資金の調達は行っておりません。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当企業グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当企業グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況 連結財務諸表 「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
a.貸倒引当金の計上基準
当企業グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。しかし、この計算は本質的に将来に対する見積りであり不確実性を含んでおります。実際に発生する貸倒れは見積りと異なる事があり、見積額以上の貸倒損失計上の必要性が生じる可能性があります。
b.製品保証引当金
製品の保証期間に発生した費用の支出に備えるため、過去の実績の製品売上高に対する比率を算定して当連結会計年度の売上高に乗じた額を計上しております。
また、個別に保証対応が見込まれる場合は、将来発生する修理費用の見積額を計上しております。しかし、この計算は本質的に将来に対する見積りであり不確実性を含んでおります。実際の補償額、修理費用は見積りと異なる事があり、製品保証引当金の追加計上の必要性が生じる可能性があります。
c.繰延税金資産の回収可能性の評価
当企業グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積っております。しかし、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合に繰延税金資産が減額され税金費用を計上する可能性があります。
d.有形固定資産の減損
当企業グループは、固定資産の減損に係る会計上の見積りにあたり、他の資産又は資産グループのキャッシュ・フローから概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位でグルーピングを行った上で、グルーピングごとに減損の兆候の有無を判定し、減損の兆候が識別された場合には、将来キャッシュ・フローを利用して減損損失の計上の要否を検討しております。
対象資産の業績が当初計画を下回り、回収可能価額が減少し帳簿価額を下回る状況となった場合には、減損損失が発生し当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。